あらすじ
女性死刑囚の心に裡に迫る長編犯罪小説!
どうすれば、事件は防げたのか。すべての者の鎮魂を願う。
――柚月裕子
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味が気になっていた――。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『教誨』 の文庫版となります。
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Posted by ブクログ
教誨の意味やどういう本かが、よくわからないまま手に取り、読み終えた。
あの、秋田で約二十年前に起きた我が子を含めて殺人を犯した母親をモチーフにした作品。
殺人事件が起こると、表面的な犯行の原因や簡単な構図を追い、それが自分には当てはまらないことを確認して、あとは週刊誌ネタを少し眺めて、興味関心が薄れて忘れてしまう…という繰り返しのように思う。
そして、自分には関係ない事件と考える。
もちろん、自分には関係はないのだが、でも、読後には、人の心理や行動ってそんなに簡単なものではないし、自分もそこに生まれたら関係者や加害者被害者になっていたかもしれないという想像力が働く。
また、一つの事件が起きるだけで、家族だけではなく周囲に大ダメージがおこることもわかる。そういう事件はできるだけ起きない方がいい。
で、あの事件から何の教訓を得るのか。
あの事件というよりも、この本を読んだ感想ですが、
地方の閉鎖的な環境には自分の意志や意見、自尊心を抑えて生きなければいけない人が少なからずいる。
特にそういう人に向けて、自分の意思や意見、考え方などを大事にする教育や環境が必要。
それが身になるためには、経済的な自立も必要。(この本とは関係ない。)
虐待されている子には寄り添ってあげる人の存在が必要であるなど。
この本の中でも、冷たい親族と思っていた寿子さんが別の顔を見せたり、当たり前だけど、人ってそんなに簡単じゃないと思った。
Posted by ブクログ
極刑に処される直前、被告が最期に遺した言葉は誰に向けて放たれていたのか、を探っていくミステリー。
事実は変わらないのに真実の解像度が高まっていく毎に胸が詰まっていく。
作者が「最も苦しんで何度もペンが止まりながら書いた」とする、罪と業、咎と救済(あえて言う)の物語。
Posted by ブクログ
自分の子供と他人様の子供2人を殺めて死刑になった女性の遠縁にあたり死刑執行後の遺骨を引き取ることになった女性が女性死刑囚の心の裡に迫る長編の犯罪小説。
死刑執行までの描写がリアルで同時に犯罪に至るまでの過去の凄惨な暮らしぶりや狭い田舎町での
数々の虐めや虐待が描かれていて切ない気持ちと怖さをもって読みました。
言葉で言い表せない複雑な読後感が残りました。
Posted by ブクログ
教誨師という仕事を初めて知った。
中盤までは主人公と一緒に「真相を知りたい」という気持ちでどんどん読み進められて、最後の方はただとにかく哀しい。
どんな犯罪も何かが違えば当事者は自分だったかもしれなくて、今穏やかに一般的に言う「普通」の暮らしが出来ているのは色んな幸運を積み重ねてきたから。当たり前じゃないよなぁと思う。
全ての悪い事は環境が生み出すもので、人そのものはいつでもどっちにでも傾く。
じゃあ、運悪く良くない環境にしか行けなかった人は一体どうしたらよかったんだろう…
Posted by ブクログ
読むのにとても時間がかかった本でした。
毒親、いじめ、虐待、地域環境、諸々が最悪な形で組み合わさっていく。
考えも及ばない感情が押し寄せてくる。
数十年前にあった事件を題材に描かれている作品で、
もちろんこの小説はフィクションだし、
真実は当事者にしか分からないことだし、真実を知ったからといって自分には何も出来ないのだけれど
テレビやマスコミが真実を言っている訳では無いのにそれらに踊らされているのは、私たちも加害者になり得るのではないかとそんな事を思いました。
重かったけど読んで良かった本でした。
Posted by ブクログ
謎の言葉の意味がわかった時、なんもと言えない悲しい気持ちになりました。
今ももしかしたらある、地方の習慣。
自分の人生がいかに豊かでありがたいか実感しました。
良きにつけ悪きにつけ、日本の古い習慣です。
SNSが発達して、もっと他の世界を知る事ができて
こういう悲しい事が起きないこと、願います。
中島みゆきさんの「ファイト」がリンクしました。
Posted by ブクログ
読んでいて何度も気持ちが揺れた。
同情してはいけない、でも理解しようとしてしまう。
その葛藤ごと背負わされている気がした。
読後のモヤモヤは、簡単に消えてくれない。
Posted by ブクログ
環境は人を育てるというけれど どう足掻いても抜け出せずにどんどん悪い方に傾いていく人たちがいるんだなと思う。
本当に何がいけなかったのだろう。
どこで間違えたのだろう。
ただただ哀しい。
Posted by ブクログ
暗い。とにかく暗い。
自分では絶っっっ対に選ばない類の小説ですが、職場のパートさんが貸してくれたので、しぶしぶ読み始めました。しぶしぶでしたが、小説ですので、読み始めると先が先が気になり、すぐに読み終えてしまいました。とはいえ、夜なんかに読んだら眠りに悪影響がありそうなので、「持ち帰らない」と決め、職場でお昼休みに読みました。本当に暗く、重かった。
死刑囚の、刑が執行されてから、物語は始まります。
(これは物語なのか?ノンフィクション?ちょっと気にならないわけではなかったけれど、あえて深追いしませんでした)
救いがない。
どこで何が間違っていたのか。どうすれば事件は防げたのか。
残された者たちがそれを追うことは必然だったとしても、幼い二つの命が消えた事実、どんな事情があったとしても罪を犯し、死刑という刑が執行された事実は変わらない。そう思うと、救いがないとしか思えなかった。
親からの洗脳とでも言うべき呪い。閉鎖的な田舎での閉鎖的な人間関係。
この時代に、こんなものに支配されるなんて、と強い憤りしか感じなかった。
私も、主人公と同じように、響子の父・健一に一番の怒り(なんて言葉では足りないくらいだけれど)を感じました。
それでも、響子の母・千枝子と、そして響子自身にも、もっと強くあってほしかったと思わざるをえない。親からの「呪い」は、私が考える以上に強力なのだろうけど・・・
たまにニュースで見聞きする、生活苦から自分の子に手をかけてしまう事件などに対して、とても辛く、悲しいと思うと同時に、その母親に対して、強くあって欲しかったと、いつも思う。どんな事情があっても、自分の子とともに生きる強さを持ってほしかったと。
千枝子も響子も、ともに母親になった以上、強くあってほしかった。
それに・・・響子が最後まで守ったという「約束」があまり腑に落ちませんでした。辛い思い出しかない故郷になぜ帰りたいのか、三原家の墓に入ることになぜ執着するのか。それこそが、親からの洗脳や、閉鎖的な地方で生きるということなのか。だったら、私が納得することは永遠にこないな、と思いました。母・千枝子の言葉を真に受けた響子が愛理を結果的に死に至らしめた、という”真実”にもあまりピンとこなかった。だとしたら、響子が受けた「洗脳」は父・健一より母・千枝子の方からの影響が強かったということか。
そしてまた私の中ではじめの問いに戻ってしまう。
どこで何が間違っていたのか。どうすれば事件は防げたのか。
ただひとつ、わかったことがありました。育児放棄をしているように見える人の中には、自分の精神面や体調面で、育児したくてもできないような状況にある人がいるということ。薬の副作用もあって、響子はそうだったんだとわかった時、暗く辛い感情で心がいっぱいになりました。現実に、こういった母子家庭がどれくらいあるのだろうとー。
響子を極悪人と思えなかった人たちがこうしてこの事件を追い続け、やっぱり響子は極悪人ではなかったとわかったけれど、それで何が、誰が、救われるのだろうか。
私は、三人の鎮魂を願うことしかできない。
解説でまた、はっとさせられました。人はガソリン(=愛情)がないと、頑張れない、と。「強くなって」と私がいくら思っても、そうなれない人もいる。
その事実に、現実に目を背けるなと、そう言われた気がする読書でした。
そういう意味では読んでよかったと思います。
Posted by ブクログ
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母はなぜ、
8歳の愛娘を
殺めてしまったのか?
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堀川恵子氏の「教誨師」を読んだあと、
書店でたまたま本書を見つけてに取りました。
解説は堀川恵子氏。
幼女二人を殺めた、三原響子の死刑が執行された。
「約束は守ったよ、褒めて」
最期の言葉に残された謎、想像を絶する動機とはーー。
死刑執行された三原響子の遺骨を受け取った吉沢香純が、彼女の過去について故郷を訪れ物語は始まります。
過去を辿る間に三原響子の過去が差し込まれるのですが、なぜ彼女が殺人という罪を犯したのかは謎のまま進みます。
じわじわと彼女の生い立ちや心の変化、
彼女を取り巻く過酷な環境が
だんだんと明らかになっていき、
苦しくなりました。
作り話とわかっていても、
今もどこかに似たような苦しみのなかで
生きている人がいるかもしれない。
どんな状況でも故郷は大切で、
たった一人の母親で。
一気読みでした。
Posted by ブクログ
家庭環境は本人ではどうすることもできない悲しい負の連鎖と感じる。
その約束は守るべきだったのだろうか。
きっと香純が何もしなければ故郷に帰る事が出来なかっただろう。
Posted by ブクログ
すらすらと読めるけど、読めば読むほど重い。
閉ざされた地域、昔ながらの親戚関係。
褒められたかったのは母ではなく父なのかと思った。
ずっと厳しかった父親に褒められたかったのかと。
女性は母親になっても、いつまでも娘でもある。母親に褒められたい、母の娘でいたいということもわかる。
死刑という制度について。深く考えたことはなかったが、死刑を執行するにあたり
それを仕事として携わる人の心身疲労、遺体を引き取ることになる親族、それらのことを考えると
それらの視点からのみの考えにはなるが、
死刑制度がなくなれば救われる人も多くいるのではないかとおもう。
Posted by ブクログ
家族殺害という重罪の裏側を描いた社会派小説。
我が子を含む幼児2名を殺めた女性に死刑が執行された。一度しか面識のない遠い親戚が戸惑いつつも遺骨を引き受けたが、刑務官から聞いた彼女の最期の言葉が気にかかり、その謎を追うことになる・・・
死刑囚が犯行に至るまでの不幸な境遇に共感する部分もあって切なくなります。一方で、犯罪の動機や背景にどれだけ説明が加わっても、その事情を表面的に理解こそすれどこまでいっても納得はできないものだと感じました。周囲の環境(家庭、学校、社会など)の問題点は当然解決すべきですが、そこへ焦点することが被害者を脇へ追いやることになってしまうと怖いです。そんなことを考えてモヤモヤしました。
ある種の問題提起のお話としては興味深い作品です。
Posted by ブクログ
どの様な国のどの様な地方のどの親の下に生まれるか、人はその時点で大きなスタートラインの不条理に巻き込まれている。
幸福を求めてどうあがいても運命から逃れることができない、そのような人は多いのかもしれない。
妻と子と観葉植物と(今は亡き)愛犬に囲まれた自分を本当に幸福だと思わせる一冊。
このような悲しいことが少しでもなくなるよう、祈らずにはおれません。
(この物語はフィクションですが、あとがきでノンフィクション作家さんの解説があります。)
Posted by ブクログ
とても切ない話でした。
自分の娘も含め二人の幼女を殺害した響子。
吉沢香純は響子とは遠縁の関係から死刑となった響子の遺骨と遺品を受け取る事となった。
幼少期に親戚の法事で一度だけ響子と会った香純。
その記憶から世間のイメージとは重なり合わない。
そして響子の言葉『約束は守ったよ。』の理由と共に本当の響子を調べ始めた。
日本の村社会という閉鎖的な世界で人間がここまで追い詰められるという事が上手に描かれています。
暴力的な父以上に母親の影響が大きいと感じます。
救いだったのは職場だったママ。唯一の理解者でしたが人間はここまで壊れると出会いで運命を変えるのは難しいです。
柚月さんの作品は地味だけど心に沁みます。
Posted by ブクログ
良くできた小説。実娘を含む幼女2名を殺害、死刑となり遺骨引取の連絡が来た遠い親戚の主人公。過去一度だけ会った死刑囚の女のイメージがあまりに殺人者から遠く、その故郷で彼女の真の姿を追う。
死刑囚の人生は酷く、田舎ならではの閉塞感もリアル。時々挿入される死刑囚の拘置所からの語りも絶妙であり、最後まで飽きずに読めた。
これ秋田の畠山鈴香の事件をモチーフにしてると思うが、違うのかな?
Posted by ブクログ
まず読んで感じたのは早見和真作品のイノセント・デイズでした、同じく哀しい死刑囚の物語。
育ちの環境で人間は変わる。
とは言え本作品の主人公はあまりにも哀しい、ラストシーンで真実が解って、さらに哀しみが増す。
響子が人生で楽しいと感じた瞬間があったのだろうか…と同情してしまう内容ですが犯した罪は決して許される内容では無いが響子という人を作ってしまったのは周りの外部環境ではないか、その環境から抜け出せない本人が悪いと厳しい方は感じるかも知れないが抜け出せない程の環境だから響子という人間ができでしまい事件が起きてしまったコトがとても哀しい…
追記
読後思うのは、この響子という女性は心も身体も壊れていたと思うし、壊したのは外部環境。
他責な面もあるがそのぐらい厳しい環境の中にいた女性の物語の作品でした。
Posted by ブクログ
自分も事件の真相が知りたい気持ちがどんどん出てきて、スルスル本が読めた。
響ちゃんと千枝子が、ただただかなしい。
真実を知ったとき、思わず涙が出ました。
Posted by ブクログ
「約束は守ったよ、褒めて」
女性死刑囚が最後に残した言葉に迫る、
重く暗い物語。
その言葉の意味を明かすために
関係者に話を聞きながら物語が進む。
その意味が気になってハイペースで読み進めていました!一気読みでした。
こうなる前に誰かに助けを求められなかったのか、
1人でも支えてくれる人や自分のことを大切に思ってくれる人はいなかったのかななど思うことが多すぎたな。
物語が進むにつれて点と点が繋がっていくような感覚があって、とても読みやすかった。
誰にも助けを求められない人が少しでも減るといいなと思った。現実にありそうなお話で終始、悲しい気持ちになっていました。
Posted by ブクログ
終盤まで面白かったけど、最後の約束の理由がしっくりこなかった。響子は一緒のお墓に入ることよりも、母に守ってもらうことのほうが嬉しかったんじゃないだろうか…。
実話がもとになっているところが興味深いなと思った。
☆3.8
2025.7.19
Posted by ブクログ
本書が描き出す風景は、かつて秋田で起きた悲劇を彷彿とさせ、背筋が凍るようなリアリティがあります。
物語の根底にあるのは、家長制度が支配する村社会での孤独。古い価値観に縛られ、誰にも理解されないまま孤立していく人々の姿には、形容しがたい疎外感を感じました。
単なるミステリーに留まらず、過疎化する地方の闇と個人の絶望を浮き彫りにした、非常に重厚で切ない物語です。
Posted by ブクログ
歪んだ親子の最悪の結末だなと思った。
犯人を探すタイプのミステリーではなく、死刑となった犯人とその周りの人たちの物語。
最初から暗く重い内容。
昔の田舎は(いまもなのかな)良くも悪くも村、町人同士が近い。だから子育てするにもみんなで子供を育てよう。核家族化している現在、そういった意味ではいい風にみえるが、それは悪いことも筒抜け。村人の中でも武士時代のような上下関係。
嫁いだ千恵子、そこで生まれた響子は本当に辛かったと思う。2人を助けてあげる何かはなかったのかな。
子供は可愛いし、守るべき存在。守る、それが難しい。どこまで介入するのか。
とても重い内容だけど、守るとはなにか、考えさせられた。
Posted by ブクログ
毒親、いじめ、暴力など、本人の努力ではどうにもならない境遇で育ち、様々な要因で死刑囚となってしまった響子。死の間際に残した言葉の謎を解明すべく遠縁の香純が動き出す。
ざっくり言うと、死刑囚となってしまった響子の魂の救済がテーマなのかなと思うんだけど、最後まで読んで、恐らく響子や三原家の生き残ってる人々はある程度救われたような気がした。
でも、じゃあ栞や栞の家族はこの事実をどう受け止めればいいの?っていうのが置き去りになっていると思う。それと、香純の母の静江が娘に向かって言った「あなたじゃなくて良かった」の意味もややインパクト薄。あの状況でこの言い回しはもっといろいろな想像をかき立ててしまうけど、完全に肩透かしだった。
いわゆる、田舎の家父長制みたいなものが根強く残る地域での家族の在り方っていうのは、経験したものでなければわからない理不尽さがあると思う。そういうものを実感できる人にとっては、かなり刺さる作品だと思った。
Posted by ブクログ
暗い。暗過ぎる。タイトルから当然明るい話とは思っていないが、何が暗いといって地方の小さな町でのコミュニティをあげてのイジメとも言うべき話が暗過ぎるため、読んでいて胸が苦しくなる。
本作は主人公が親類の死刑囚の遺品を受け取るところから始まるが、執行前の最後の「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の「約束」とは何かという点がミステリ要素となっている。秋田連続児童殺人事件がモチーフとなっているようだが、まず断片的な情報で「毒親」「冷酷な殺人犯」というメディアに貼られたレッテルと、主人公が抱く人物像とのギャップは物語の中心であると共に、現代社会でも見られる問題点でもある。また教誨師による心の救済場面も興味深く、真の宗教家というのはこういう人を指すのだろうと感じた。だが何よりも東北の閉鎖的なコミュニティで何十年も根深く続く「余所者」への非人道的かつ排他的なやり取りがせつなく、悲しく、やり切れない。最大の謎である「約束」とは何かという点については最後に明らかになるが、それもこの閉鎖的な地域での悲しい事情によるものであったため、謎が解けてもスッキリせずやり切れない思いだけが残る。
Posted by ブクログ
毒親、田舎という親密感と閉塞感、自己肯定感の低さ。
頑張るには愛された、抱きしめられた記憶、温もりがあるか。
響子はどこからも、何からも愛されることはなかった。唯一、愛情を求めてくれる子供は自分の手で殺めてしまった。
自分の人生の中で味わった孤独よりさらに強い孤独を味わうことになる。
地元から離れ、幸せになりたかった。結婚をしたが、すべての男たちは、響子を大事にはせず、彼女の優しさに漬け込んだ。
毒親から逃れられず、最後まで自分が悪い、馬鹿だったからと自分を責める。
負の連鎖は止まらなかった。
守ってくれなかった母親を好いていた。
母との約束だけを頑なに守った。
いい思い出のない地元、故郷から離れたかったのに地元に戻ること、一緒の墓に入ることだけを励みに死刑執行の日を迎える。
「約束は守ったよ、褒めて」
響子に一人でも味方がいれば、どこかで何かが変わっていたのでは。
散骨以外方法はなかった。それでも帰られたのはよかったのか…。
つい最近、毒になる親という本を読んでいたので、苦しくなった。
p243 ケンカってのは味方がいないとできないんだ。独りで挑んでいっても、返り討ちにあっちまう
p270-9~11
p271-15~16
p273 なにがいけないのかなー
p285-14~16
P291-13~15
p357 誰も悪くないの。みんな、幸せになりたかっただけ
p370-12事実と真実は違う
p370-15~p371-1
Posted by ブクログ
吉沢香純 主人公 33歳 三原響子の遠い親戚
吉沢静江 香純の母 響子の従姪
三原響子 38歳で死刑 2人の幼女を殺害
三原千枝子 響子の母、響子獄中時に他界
三原健一 響子の父 暴力的
三原愛理 響子の娘 享年8歳
三原寿子 青森の三原家本家の嫁で最後の1人
三原修 寿子の夫、他界
三原正一 修の父、他界
三原正二 健一の父、他界
勝俣栞 享年5歳、響子に殺害された
下間将人 小平市の光園寺住職 響子の教誨師
柴原昭道 青森の松栄寺住職
樋口(純) 津軽日報社 34歳 響子と同小学
釜淵学 津軽日報弘前市社長50歳 樋口の上司
梶智也 響子の夫 愛理の父 41歳
コスモスのママ 響子の勤務先ママ 理解者
小林 東京拘置所の刑務官、響子の死刑見届ける
橘 東京拘置所の刑務官で小林の上司
青木圭子 秋田在住 千恵子の友人
吉沢香純静江親子はある日東京拘置所から連絡を受ける。知らぬ間に死刑囚三原響子の身元引受人に指定されていた。遺骨と遺品を受け取るが、三原本家は響子の遺骨受け取りを頑なに拒む。
香純は刑務官から響子の最後の言葉を聞く
約束守ったよ、褒めて
香純は響子の約束が何か気になり、響子の故郷である青森を訪れる 幼い頃に会ったあの響子が子供を殺害したことも信じがたかった
青森で響子を知る人物から話を聞き、青森の小さな町での生き方を肌に感じる
響子の約束とは何か?
解説は元死刑囚の永井則夫を取材した人で、作者はその事件も調べ参考にしており、死刑囚の心の動きや死刑実行の描写などが具体的だった
香純に協力する樋口さん歳も近くいい人なので、香純とのロマンスあったらなあ〜と思ったけどそのような描写はなくて残念(テーマ上やむなし)
後日談や続編で2人のその後に期待したい
Posted by ブクログ
死刑となった殺人犯の遺骨や遺品を引き受ける事となった主人公と、死刑となった殺人犯がもう一人の主人公でもあり、お互いの話が交互に進む構成は目新しさはないものの、それは文章のひとつの区切りだけでなく読み手の2方向からの考察を切り替えるためのスイッチ的な役割となるのですが、そのスイッチを押すまでの間隔が長くもなく短くもなくで良い長さだと感じました。
話の中ではたしか明言されていませんでしたが、村社会と男尊女卑というのが物語の背景にあり、それは読み手によって近く感じるのかはたまた遠く感じるのかで感想は変わるのではないでしょうか。私は今でもこのような地域はあるのかなと思いましたし、だからこそ物語の舞台は現在の令和なのか少し前の平成なのか、もしくは昭和なのかがイメージしにくく感じました。また舞台を北日本としたのは南日本にするとリアルと交錯するので避けたのかなと考察するのは意地悪でしょうか。
“約束”とは何だったのかと思いながら読み進めることが出来ますし、ご都合良すぎる出会いなどの展開が無いのは個人的に好印象でしたが、かといって記憶に残るセリフも無かったので星3つとさせていだきました。最近無くなった2時間ドラマには似合いそうな物語に思えました。