あらすじ
女性死刑囚の心に裡に迫る長編犯罪小説!
どうすれば、事件は防げたのか。すべての者の鎮魂を願う。
――柚月裕子
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味が気になっていた――。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『教誨』 の文庫版となります。
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Posted by ブクログ
すらすらと読めるけど、読めば読むほど重い。
閉ざされた地域、昔ながらの親戚関係。
褒められたかったのは母ではなく父なのかと思った。
ずっと厳しかった父親に褒められたかったのかと。
女性は母親になっても、いつまでも娘でもある。母親に褒められたい、母の娘でいたいということもわかる。
死刑という制度について。深く考えたことはなかったが、死刑を執行するにあたり
それを仕事として携わる人の心身疲労、遺体を引き取ることになる親族、それらのことを考えると
それらの視点からのみの考えにはなるが、
死刑制度がなくなれば救われる人も多くいるのではないかとおもう。
Posted by ブクログ
終盤まで面白かったけど、最後の約束の理由がしっくりこなかった。響子は一緒のお墓に入ることよりも、母に守ってもらうことのほうが嬉しかったんじゃないだろうか…。
実話がもとになっているところが興味深いなと思った。
☆3.8
2025.7.19
Posted by ブクログ
毒親、いじめ、暴力など、本人の努力ではどうにもならない境遇で育ち、様々な要因で死刑囚となってしまった響子。死の間際に残した言葉の謎を解明すべく遠縁の香純が動き出す。
ざっくり言うと、死刑囚となってしまった響子の魂の救済がテーマなのかなと思うんだけど、最後まで読んで、恐らく響子や三原家の生き残ってる人々はある程度救われたような気がした。
でも、じゃあ栞や栞の家族はこの事実をどう受け止めればいいの?っていうのが置き去りになっていると思う。それと、香純の母の静江が娘に向かって言った「あなたじゃなくて良かった」の意味もややインパクト薄。あの状況でこの言い回しはもっといろいろな想像をかき立ててしまうけど、完全に肩透かしだった。
いわゆる、田舎の家父長制みたいなものが根強く残る地域での家族の在り方っていうのは、経験したものでなければわからない理不尽さがあると思う。そういうものを実感できる人にとっては、かなり刺さる作品だと思った。
Posted by ブクログ
毒親、田舎という親密感と閉塞感、自己肯定感の低さ。
頑張るには愛された、抱きしめられた記憶、温もりがあるか。
響子はどこからも、何からも愛されることはなかった。唯一、愛情を求めてくれる子供は自分の手で殺めてしまった。
自分の人生の中で味わった孤独よりさらに強い孤独を味わうことになる。
地元から離れ、幸せになりたかった。結婚をしたが、すべての男たちは、響子を大事にはせず、彼女の優しさに漬け込んだ。
毒親から逃れられず、最後まで自分が悪い、馬鹿だったからと自分を責める。
負の連鎖は止まらなかった。
守ってくれなかった母親を好いていた。
母との約束だけを頑なに守った。
いい思い出のない地元、故郷から離れたかったのに地元に戻ること、一緒の墓に入ることだけを励みに死刑執行の日を迎える。
「約束は守ったよ、褒めて」
響子に一人でも味方がいれば、どこかで何かが変わっていたのでは。
散骨以外方法はなかった。それでも帰られたのはよかったのか…。
つい最近、毒になる親という本を読んでいたので、苦しくなった。
p243 ケンカってのは味方がいないとできないんだ。独りで挑んでいっても、返り討ちにあっちまう
p270-9~11
p271-15~16
p273 なにがいけないのかなー
p285-14~16
P291-13~15
p357 誰も悪くないの。みんな、幸せになりたかっただけ
p370-12事実と真実は違う
p370-15~p371-1
Posted by ブクログ
吉沢香純 主人公 33歳 三原響子の遠い親戚
吉沢静江 香純の母 響子の従姪
三原響子 38歳で死刑 2人の幼女を殺害
三原千枝子 響子の母、響子獄中時に他界
三原健一 響子の父 暴力的
三原愛理 響子の娘 享年8歳
三原寿子 青森の三原家本家の嫁で最後の1人
三原修 寿子の夫、他界
三原正一 修の父、他界
三原正二 健一の父、他界
勝俣栞 享年5歳、響子に殺害された
下間将人 小平市の光園寺住職 響子の教誨師
柴原昭道 青森の松栄寺住職
樋口(純) 津軽日報社 34歳 響子と同小学
釜淵学 津軽日報弘前市社長50歳 樋口の上司
梶智也 響子の夫 愛理の父 41歳
コスモスのママ 響子の勤務先ママ 理解者
小林 東京拘置所の刑務官、響子の死刑見届ける
橘 東京拘置所の刑務官で小林の上司
青木圭子 秋田在住 千恵子の友人
吉沢香純静江親子はある日東京拘置所から連絡を受ける。知らぬ間に死刑囚三原響子の身元引受人に指定されていた。遺骨と遺品を受け取るが、三原本家は響子の遺骨受け取りを頑なに拒む。
香純は刑務官から響子の最後の言葉を聞く
約束守ったよ、褒めて
香純は響子の約束が何か気になり、響子の故郷である青森を訪れる 幼い頃に会ったあの響子が子供を殺害したことも信じがたかった
青森で響子を知る人物から話を聞き、青森の小さな町での生き方を肌に感じる
響子の約束とは何か?
解説は元死刑囚の永井則夫を取材した人で、作者はその事件も調べ参考にしており、死刑囚の心の動きや死刑実行の描写などが具体的だった
香純に協力する樋口さん歳も近くいい人なので、香純とのロマンスあったらなあ〜と思ったけどそのような描写はなくて残念(テーマ上やむなし)
後日談や続編で2人のその後に期待したい
Posted by ブクログ
題名の教誨に惹かれて手にしましたが、教誨師さんはあまり関係なかったのね。
映画化されることが多い柚月さんですが、実は自分は苦手で、読んでいてあまり気分がよろしくないです。
秋田連続児童殺人事件に酷似している題材を扱っただけに、そうだったのか!が欲しかったんだけど、あれだけ探し回ってこれかい、ですね。はっきり言って本人にしか分からない心情を勝手に都合よく書かないでほしい。それより、この事件で傷ついたり、傷つけたりした人なら取材もできるんじゃないかな。
どうでもいい樋口たちとのやりとりとかにページを割きすぎで、こういうところでテンポが落ちちゃうんだよね。