あらすじ
若き総理候補が誰かの操り人形だったら? 人の心の闇に迫るミステリー
【TBS 系列 金曜ドラマ 放送! 2024年夏スタート】
47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
「彼が誰かの操り人形だったら?」
そう感じた女性記者が、背景を探ると、関係者の不審死、同級生の秘書や家族らの怪しい関係性が浮上し――。代議士を操ろうとする人物は誰なのか?
⇒TBS系列 金曜ドラマ 2024年夏スタート「笑うマトリョーシカ」
主演:水川あさみ / 玉山鉄二 櫻井翔
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Posted by ブクログ
面白かった。
俊哉くんがおっかない話と思いきや、母ちゃんがおっかない話…と思いきや、…という二転三転の構成に一気読みしてしまった。
全貌が明らかになりそうでならない、という寸止めプレイを何度も味わっている感覚を抱く。それでいて、読み進める読者にとって大切な情報はしっかりと書かれており、ミステリ的な誠実さも端々に滲み出ていた。
まあ確かに、色んなエリートからアレコレ「教育」されたら怪物になるよな、という気持ち。参考文献にサイコパス系の本があったので、一郎くんはサイコパスなんだろう。
Posted by ブクログ
ひとりの青年が政治を志して有能なブレーンをつけて出世していく中に、奇怪な出来事や思いもよらない裏切りのその裏で誰かが笑っている。
人間が持つ本質を鮮やかに描く早見さんの作品は面白いです。
Posted by ブクログ
最後の最後まで、清家一郎の人間性というか、人間味のあるところが読み取れなかった。
周りが清家を空っぽだと思いすぎて、自我を持っていることを意外に思うなんて、周りの人たちこそ怖いと思った。
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おもしろかった!
他者を支配・コントロールしようとする者たちと、コントロールされる者たち。誰に操られ、誰が笑っているのか。その時本当に操られているのか、演じているだけなのか。静かに、熱く繰り広げられる戦いに、ページを捲る手が止まらなかった。
政治には、表で演じる人間と、操る人間がいるという構図があると考えると、人間臭くて生々しくて、政治を見る目が変わる
Posted by ブクログ
面白かったです。精神科医ぽい人が二人ほど出てくるのが出色でした。政治には興味がないですが、出世していく様子に引き込まれました。後半の中国人との関連話も考えさせられました。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ引き込まれる話だった。
人の本性とは結局なんなのか?を考えさせられる話だったけど、これは村田沙耶香作品に通じる部分もあるなと。
人をコントロールしたい…なんて欲求は私は生まれたことがないけど、
プライドの高い人間(鈴木)、自分もコントロールされてきた過去がある人間(浩子)、自分の好きな人を意のままに操りたい(亜里沙)の3人が出てきて、色々なスイッチからそういう気持ちになるんだなあと考えさせられた。
こうして色々な人間の手によってコントロールされてきた人間が、いざ総理大臣になって国を動かすポジションについたら、どうなってしまうのか?怖い!
Posted by ブクログ
面白いなと思ったフレーズが
この国の政治家は外から予想されているような陰謀などは特になく、だからこそいいようにされる
的なものだった。確かに、陰謀を考えるような大きい器?ではないからこんなに経済が衰退するのかなとおもったり、、
誰も清家には自我というか、自分自身というものがあると想定されなかったと感じたとき、清家はどう思っただろうと想像した。
多分、清家が想像した通り、みくびるな だった思うけど、それを彼を支配しようとした人たちに表現すれば変わっていたのかなと思う。
個人的にマトリョーシカの中身の答えは自分としてはしっくりくると思ったが、周囲は彼に自我があることを想像できていないため、一生平行線で、それこそ、
清家にとっては 離れていく人たちで切り捨ててもいいと判断するに足りるなと感じた。
また、最後のシーンの清家の一言一言に引き込まれるというか、読み漏らさないようにさせる緊張感の演出はすごいなと思った。
Posted by ブクログ
とても面白く、かつ風邪を引いていたこともあって、一気に読んだ。いろんな登場人物がそれぞれの視点で物語を語って行くのだけども、それぞれにいろんな背景や葛藤があることがどんどん分かってくる感じが良い。最後のどんでん返し(と私は解釈)も良かった。
ネタバレになるけども、つまりは一郎は二十歳を過ぎたくらいのときからは「見くびるなよ、軽んじるなよ」精神で各登場人物への復讐劇を実行してきたと。そして、「ニセモノがここまで出世することはない」というのが本当だとすると、一郎は本当の天才ってことか。そういう意味ではとっても痛快なストーリーでもある。
本当の自分ってよくテーマになる気がするけど、演じているのも本当の自分だよね。「演じる」ことを決断してるのは自分だし。
Posted by ブクログ
どこから操られてたフリをしていたのか、最初から空っぽなように見せかけて実はずっと自分の意思で動いていたのか、だとしたら人の使い方が天才的すぎる
Posted by ブクログ
面白かったー
青春モノがすきなので、前半はサクサク読み進めてあっという間に高校編が終わった。
これからは鈴木が清家を利用して(とはいえ「友達」なのである程度お互いを尊重しながら)政治家を目指すって話かな?と思ったら二転三転するのでますます目が離せなくて一気読みだった。
鈴木が操ってると思ったら蓋を開けたら母の存在…と思えばさらに蓋を開けると美和子の存在。
ここまでは予想しながら読んでたけど、さらに蓋を開けたら清家がいて実は自分は自分でコントロールしていたと。清家、お前、中にいたんか?!って思った。
初めてマトリョーシカを見た時って、まだ開くの?まだ開くの?…で最後にちっさいのが出てきて、お前いたんか?!ってなるけど確かにそれと同じ感覚を抱いた。
そして、昔から自分自身、コントロールしてるのかされてるのかわからなくなることがあったのですごく興味深いテーマだった。
親や先生にいい子だと思われるために思ってもいない模範解答であろう発言をしてみたり。自分が親になってからは子に対して「(私の子なんだから)そんな言葉遣いはさせない!」と思ってみたり。コントロールされてる風を装ったり、支配したいと思ったり、人生で誰もがいろんな場面で少なからず体験してるんじゃないかと思った。
Posted by ブクログ
2日ぐらいで読み終えた。
なんとなく予想できていた展開ではあったけれど、
最終章に行くにつれて何が正解なのか分からなくなってくる錯覚に陥った作品。
Posted by ブクログ
最近ハマっている早見和真さん。
キャッチーな作品名ですが、これがこの物語の核となっている。
清家一郎という官房長官を務める政治家の半生を追う形で展開されていくが、この清家が不思議な人物で誰かに操られように役を演じ、それを上手くこなす。
のちの秘書となる高校の同級生の鈴木俊哉と視点を入れ替えながら進み、後半は清家の性質に気づいた記者である道上香苗の視点も加わりながら真相に迫っていく。
妖しい美人母、失踪した恋人、恩師の突然の死など謎を散りばめながらの展開で、終始先が気になる。
久しぶりにお話に没頭できました。
Posted by ブクログ
・良くできた内容ではあるし推敲に推敲を重ねて無駄なパートは無いと感じました
・誰しもが家族や友人、社会環境などに何らか影響(場合によっては支配)されているわけで、本作品における清家がたまたま傑出した「器」であったから小説として成立しているとも言える
・近年では経済学コミックス『カモのネギには毒がある』等で知られるようになったマニピュレーターについても軽く紹介されています
・ヒトを操りたい方(笑)にオススメの良作
本の概要
若き総理候補が、誰かの操り人形だったら? 人間の心の闇に迫るミステリー。
47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
「彼が誰かの操り人形だったら?」
そう感じた女性記者が、背景を探ると、関係者の不審死、同級生の秘書や家族らの怪しい関係性が浮上し――。代議士を操ろうとする人物は誰なのか?
Posted by ブクログ
普通とは違った境遇で育ち、素直な少年が周りの人の影響を受け、官房長官にまで上り詰めたのかと序盤は思わせる展開。
第1章での松山での男子校の生徒会長選挙での下りも街の情景が浮かび、清家を取り巻くみんなの熱さが良かった。
第三章以降、どんどんミステリー要素を含んでいき、彼は一体誰に操られているのかと謎にぐいぐいと引っ張られていく。
自分が目標を達成するのにちょうどいい器の人間がいたとして、それを操ろうと言う欲求が生まれるのは必然なのだろうか。
清家はどこに進んでいくのか。
官房長官の先に何が待っているのかと思うと、ミステリーを越しててホラーに感じてしまう。
早見和真さんの作品は、「店長がバカすぎて」「アルプス席の母」などを読んだが、どれも作風が全然違いある意味、作者もマトリョーシカな存在だと感じてしまった。
Posted by ブクログ
官房長官まで登り詰めた政治家を取り巻く人間関係の物語。ヒトラーの側にいたハヌッセンのように政治家を裏で操っているのは誰か、を次々スポットライト当てるように過去の話しが語られる。思いがけない証言もあり興味は尽きない。その人間模様の話しが思っていた以上の展開で読み出したら止まらない。ラストは皆が思っていた結末ではないが妙に納得の「そうだよね」だった。物語の絡みをマトリョーシカに例えたのはわかりやすかった。
Posted by ブクログ
若くして成功する政治家の生い立ちを描いた物語。
ただ、自身に「自分の意思」というものがなく、生まれながらにして母や高校の同級生である鈴木から政治家になるためにはこうすべきだと一挙手一投足を指示されて生きてきた背景が特異。その後、歯車が噛み合わなくなり、母も鈴木も結局切り捨てられる。
作中に出てくるヒトラーの指導役、ハヌッセンの関係性が非常にわかりやすい。
ラストは期待していた何か黒幕がいるわけではなくて「演じられてるように見える私もまた私」という終わり方が不完全燃焼…。まあ、それ以外に落とし所がないけど。
Posted by ブクログ
清家一郎という人間の本性が分からないまま進む物語にハラハラさせられる一方で、「人間の多面性」というテーマには深く共感した。
政治家だけでなく、私達も日頃から親や友達、恋人、上司など相手に合わせて表情を使い分けているという点で、同じく「俳優」と言えるだろう。
魅力的な誰かを支配したいという人間の深層心理に迫った、究極のサイコスリラーだと感じた。
Posted by ブクログ
政治の世界って本当こうなの?と思いながら謎も多く、先が気になってどんどん読み進めました。高校時代の章は青春群像的な感じもあり、彼らのその後の関係もよかった。
Posted by ブクログ
誰が「笑うマトリョーシカ」なのか?
清家一郎は「ニセモノ」なのか「ホンモノ」なのか?
幼い頃、習い事の教室にマトリョーシカ人形が置いテあった。
よく取り出したりして遊んだが昼間に皆で見ていたからか可愛らしい人形というイメージである。1番小さい人形がどんな顔をしていたかは覚えていないが少なくとも不気味な印象はない。
これが夜一人でいる時に目が合ったり、大人になった今見たら違う印象を受けるのだろうか。
物語はハヌッセンになりたい大人たちの視点から清家一郎との日々が語られていく。誰も清家一郎がわからない。
私たちは分からないモノが不気味で、勝手に真実なるモノを探してしまう。必ず真実があると追求する香苗のような部分は多かれ少なかれ持っている人が多いと思う。
匿名
笑うマトリョーシカという作品名から、楽しい感じの内容かと思っていただけに、人間の表と裏の顔が生々しくて怖かった。人の心を完全に操るなんて、考えても実際できそうにないと私なんかは思ってしまうが、マインドコントロールなど実際にはあるから、それを実現できる人間は魅力的なんだろうが、とてつもなく怖いと思う。
Posted by ブクログ
ドラマを先に視聴してから読み始めたからか、割と淡々と読めた印象。
オチを知らなければもう少しハラハラとかしたのかもなぁ…。
ドラマと違って、ストーリー自体は大半が鈴木秘書の一人称で進められてて、ドラマほどの『ミステリー感』はなかったけど、鈴木秘書視点の時系列で進む。ドラマを見てるから結末は知ってたけど、小説は鈴木秘書の『心情』が分かって、こっちはこっちで面白かった。
結局、清家代議士を『操る人物』については明確に明かされることはなかったけど、まぁ、そういうことなんやろな。っていう感じ。
Posted by ブクログ
ドラマを見終わったので、原作も。
清家一郎を思うように動かそうとする周囲の人間を、ハヌッセン=マニピュレーター(:他者を操作する者。相手の心を意のままにコントロールして、自分の利益を得るパーソナリティ)とするのであれば、その者たちの力を利用して政界で上り詰めてゆく清家一郎もまた、彼らにとってのハヌッセンであったのではないか。そして、彼にとっての最終的なハヌッセンが彼が言う者であるならば、ある意味、政治家として清家一郎は理想像であるように思えた。
Posted by ブクログ
ストーリーは面白かったがあまり個人的には刺さらなかった。
共感できないところが強いのかもしれないけど、一気読みには至らず、むしろところどころ読みにくかった。
こんなに強く人どころか、国に対して思うことがないからむしろ最後の清家が人を切っていく気持ちがホンモノだと思った。
Posted by ブクログ
参院選直前にこの本を読んだ。そしたら、議員に対する目線が変わった。議員の表面だけではなく、議員の裏にいるブレーンや更にブレーン間で繰り広げられる様々な駆け引きなど。勿論知る訳ではないが、想像するだけで楽しい。
有象無象が蠢く魑魅魍魎の世界、政治。この本では喰えない議員と人を食ったような議員達の策略かと思いきや、もっと手前の所での話だった。むしろ、一人の議員を囲む近しい人たちのやり取りにフォーカスした事で、ユニークな設定となったし、一人一人の印象を強く浮かび上がらせる事が出来たのだと思う。
マトリョーシカのように、剥いても剥いても次々に違う顔が出てきて、結局何が本当なのかが分からない。そんな時に、登場する一つ一つの示唆的な要素に結び付けて、ホントの顔はどれだったのかを探るという、謎解きのような本来のストーリーとは別筋の楽しみ方があった。
厚化粧に厚化粧を重ねた顔を作っていく人たちのエゴが混ざり合った複雑な人間模様、そしてその顔自体の自我とは何かの想像を楽しめた。
Posted by ブクログ
利用しようとしていた人々が実は利用されていた、という話?
設定は面白いと思った。でも、最終的には皆何が目的なのかが私にはよく読み取れなかった。
実態の無い物語という感じがした。
清家を総理大臣にして具体的に何をさせたいのか。
清家は総理大臣になって何をしたいのか。
私が政治の世界がよくわかっていないからなのだろうか。
母や祖母が日本に恨みがあり日本への復讐のため、とするなら、その後も母が清家を支配するならば中国よりの日本に誘導したのだろう。
でも、母が具体的に日本にどんな仕打ちを受けていたとか、どんな恨みがあるのかは読み取れなかった。
鈴木も真中も、清家を総理大臣にしたいなら、この国をどうしていきたいという政策がわからなかった。ただ知人が大物であるという優越感とか?
ゲームみたいな感覚なのだろうか。
そんな思いがあったって別にいいけど、本人にも周りの人間にも中身(政策)が何もなくて政治家って務まるのかな??
清家の「政治家らしい演技」と鈴木の原稿が良いのはわかるけど、人前でどう振る舞うか、だけが政治家の仕事なわけが無い。
清家の本心をもっと知りたかった。
Posted by ブクログ
難しかった、分かるようで分からない
他人をここまで支配したいと思えるのか?
本当の自分って一体何なの?自分にしか分からないことを他者が証明できるのか、不思議な気持ちになった