無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
29世紀。地球人の植民星メニー・メニー・シープの港町セナーセーの医師カドムは、親友アクリラの依頼で急速に町に広がる疫病を調査することに。その結果、感染源は甲皮に覆われた謎の生物イサリであると判明する。カドムは凶暴なイサリとなんとか意思疎通できるようになるが、星の支配者である領主ユレインからイサリを引き渡すよう命じられてしまう。メニー・メニー・シープの民たちは現領主による厳しすぎる配電制限で生活が立ち行かなくなりつつあり、各地で反乱の種が芽吹いていた。反骨精神旺盛な《海の一統》アウレーリア家の嫡男であるアクリラとイサリを失ったカドムも、電力を独占しようとする領主の陰謀を阻止するために動き始める。〈天冥の標〉シリーズ第1作。
上下巻一気読み!面白かった〜。設定も登場人物もてんこ盛りのSF小説だけど、サービス精神にあふれていながら無駄を削ぎ落としたエンタメ特化の文体でリーダビリティが高い。「雄閣」と「雌宮」など、特殊用語のネーミングセンスも好き。
惑星規模のパンデミックを予見した作品としてコロナ禍中に話題となったのがきっかけで手に取ったシリーズだが、このI巻時点では疫病はイサリという謎の生物が登場するためのフックにとどまっている。メニー・メニー・シープはかつての入植船シェパード号に備わる発電炉のみに電力供給を頼っており、その全権を握る領主への反乱が物語の主軸だ。
それと同時に、メニー・メニー・シープという星自体に隠された巨大な秘密があるとちょくちょく示唆される。シリーズものなので解き明かされない謎も多いが、この巻でのクライマックスは「ユレインの目的は本当にシェパード号でこの星から逃げることなのか」という謎の真相。それが明かされたあとは突然ガラッと小説のジャンルが変わってしまうのが最高に楽しかった。『鉄血のオルフェンズ』みたいな絵面を思い浮かべながら読んでいたのに、いきなりギュスターヴ・ドレが描いた地獄絵図になる感じ。
キャラクターでは石工のリリーが好き。クレヴという名を棄て、リリーと名付けられ直して「怒りたい」という自分の気持ちに向き合う彼女には共感せずにいられない。遠い未来の遠い星の話だけど、民の描き方、社会のあり方などに「日本人が書いた小説」だということをビシバシ感じる物語だった。
Posted by ブクログ
これは10年かけても読むべき作品かもしれない。 #日本SF作家クラブ
2803年の植民星メニー・メニー・シープは植民「臨時」総督が代々統治するする世界。化石燃料はなく、移民船からの電力を主なエネルギー源としている。そして、現臨時総督は市中への電力供給の削減を推し進めている。
そんな中、謎の疫病が蔓延するのだが。疫病と聞くと、どうしても新型コロナウイルスを思い浮かべてしまう。だから読み始めたという面もあるが、本書での主題はこちらではないようだ(続巻ではいろいろあるようですが)。
臨時総督の「圧制」に対する革命運動が描かれることになるのだが、実は…という展開になり、最後は主だった登場人物が死んでしまい、生き残った者たちも…
これは2巻以降を読まずにはいられないだろう。
Posted by ブクログ
ついに<海の一統(アンチョークス)>は<領主(レクター)>に反旗を翻した。
一方、植民地議員エランカやセアキ・カドムも<領主(レクター)>に対する反抗を決意する。
多大な犠牲を払い、ついに<領主(レクター)>を打ち倒した時、メニーメニーシープは誰も想像しなかった事態に陥る!
作者もあとがきで書いているとおり、衝撃のラスト。
一体どうなるのか気になって仕方ない。
また、上巻もそうだったが、過去にいろいろあっただろうことを想起させる記述が各所にある。
「続けるんだ。<海の一統(アンチョークス)>の伝説を。大いなるものにあらがい、星を踏み越えて飛んだ猛々しさを思いだせ。俺たち<恋人たち(ラヴァーズ>が憧れできなかった。果敢な反抗の姿を見せ続けろ!」
「いいや、もっと前だ。その姿を見て思い出した。
--<休息者(カルミアン)>よ」
「ダダーはそうなることを伏せていた。昔と変わらず、悪辣なやつだ」
いやー、過去の話が楽しみだ。
何があり、今につながるのか。
期待しかない。
Posted by ブクログ
これは続きも読まねばなるまい……
圧倒的なうねりと変革の果てに待つ『天冥の標』1巻の結末。餌をおあずけされたような気分になりつつも、まだ物語が続く楽しみも同時に味わっています。
植民星・メニー・メニー・シープの総督ユレイン三世の圧政に耐えかね、「海の一統」を始めとした市民たちはついに蜂起し、ユレイン三世の退任を要求する。それに対し軍部は兵士を派遣。メニー・メニー・シープは内戦状態に突入し……
上巻は全体的に溜めの状態が続いている印象だったけど、下巻はとにかく動く、動く。登場人物たちが動き回り、各都市、各団体が結集していく一方で闘いは激しさを増していく。軍隊と市民たちの攻防戦が息つく暇も無く展開されていき、気がつけばあっという間にページ数が少なくなっていきました。
戦闘描写の迫力もそうなのだけど、合間合間に挟まれる群像劇も面白い。アンドロイドであるラゴスをめぐる二人の女性の描写と、それぞれの愛と欲。そしてラゴスの心中と思いは、設定を存分に活かして、種族を越えた愛であったり、人間の支配や愛を求める欲、アンドロイドの苦悩を表現します。
登場人物の魅力も物語を引っ張る。上巻から活躍する「海の一統」の若きリーダー、アクリラは上巻、そしてこの下巻と大きな挫折を体験しながらも、それでも前に進んでいく。女性議員のエランカは、正義に目覚め少しずつ同士を増やしながら、革命軍の政治的な部分において、徐々に中心人物となっていき、カドムも革命の使命を徐々に見出していく。そして、ここでも種族を越えた不思議な絆が生まれ……
一方でユレインをはじめとした政府・軍部側の人間たちに、アンドロイド、メイスンと呼ばれる異星人たち。それぞれをピックアップしながら、物語は重層的に、そしてより大きなうねりをともなって展開されていく。
様々な思惑が入り乱れる人間たちに、アンドロイドの苦悩、異星人たちの自我の芽生えといったところまで、戦闘の描写の中に書き込まれていて、ただただ感嘆してしまいます。スピード感と迫力溢れる展開に、情報量もなかなかのものがあって、読んでいる間に、自分もメニー・メニー・シープをめぐる大きな渦に飲み込まれていくような感覚を覚えました。
そして、物語の最後に待つ壮絶なラスト。回収されていない伏線、多くの謎を残したまま、1巻は閉じられます。それでも満足度は高い。革命をめぐる物語のエンタメ度がそれだけ高くて、それ単体でも自分は十二分に満足できたからです。
地球から来たという二人組。物語中、終始謎めいた言動をとり続けたノルルスカイン。メニー・メニー・シープという星はそもそも何だったのか? を始め、よくよく考えると分からないことばかり。
しかしあとがきで著者の小川一水さんは『この話の終わりはすでに見えています。そのころにこの話は、たいしたものになっています』と豪語されています。こうなれば一読者としては、その自信を信頼し、『天冥の標』という物語の大きな流れに、身を任せるのみです。
Posted by ブクログ
始まりの終わり完了。
ただ、壮大な物語になりそうなので、メニーメニーシープの陥落は、転換点でしかないのだろうな、と感じます。
ラストで語られたかつて存在した六つの勢力。
「医師団(リエゾン・ドクター)」「宇宙軍(リカバラー)」「恋人(プロステイテュート)」「亡霊(ダダー)」「石工(メイスン)」「議会(スカウト)」。それらが抵抗した「救世軍(プラクティス)」。
プラクティスの呼び名がとにかく気になる。羊飼いが「咀嚼者(フェロシアン)」であるイサリをそう呼んでいた。
咀嚼者の異端であろうイサリを、人間と敵対する存在に救世軍と呼び名がつく理由は?
覚醒したリリーたち「休息者(カルミアン)」はどういう存在なのか?
続きが気になるばかりです。早く第二巻を、というわけで早速読み進めることにします。
一気読みの醍醐味。
咀嚼者のビジュアルイメージはゼルダのゾーラ族。凶悪ミファー。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸