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Posted by ブクログ
ーーー「人を守りなさい、人に従いなさい、人から生きる許しを得なさい。そして性愛の奉 仕をもって人に喜ばれなさい」
――かつて大師父は仰せられた。
そして少年が目覚めたとき、すべては始まる。シリーズ第4巻
天冥の標第4章
それぞれのパートを一つの物語として成立させながら、過去から未来への繋がりを意識させる構成は
乗り心地の良い列車のシートから流れる景色を見続けるような、しっかりとした安心感を与えてくれる。
本作では裏表紙にも謳われているように「性愛の奉仕」に関する表現が、質•量ともに高水準で含まれており
そういう意味では読む人を選ぶかもしれないが、シリーズ第4巻まで読み進めてきた中で不可欠の1ピースであることは疑いない。
彼らの求める秘蹟の記述を目にしたときには、その一端でも垣間見たいと感じた。
「麗しかれかし。潔かるべし。」
Posted by ブクログ
24世紀。記憶喪失状態で目覚めた少年キリアンは、同じ空間にいた見知らぬ少女アウローラにリードされ、何もわからないまま体を合わせた。そこへ天使を模した姿の「聖少女警察」を名乗る少女が現れ、キリアンは無理やり連れ去られる。アウローラは人間の性的欲求に応えるため生みだされた蛋白機械[プロト・ボット]だと知らされたキリアンは……。軌道娼界《ハニカム》で人を悦ばせるために生きている《恋人たち》と、救世群から逃げてきた少年が純粋な性的快感の境地《混爾》を目指す物語。〈天冥の標〉シリーズ第4作。
こんなにずっとヤッてる小説初めて読んだ……疲れた……(笑)。房中術SFというかカーマスートラSF? セクサロイドの幸福追求というテーマは個人的に大好きなんだけど、高度なイメクラでのセックス描写が繰り返されるのは少しキツい。でもその構造がテーマと骨がらみでもある。
《ハニカム》は人々の欲求に応えるためさまざまな施設を用意し、《ラヴァーズ》は時に痛めつけられるようなプレイにも奉仕する。飛浩隆の『グラン・ヴァカンス』で描かれたヴァーチャル・リゾートにも近いが、ラヴァーズはまだ生まれて30年程度のためか、あそこまでの鬱屈は溜め込んでいない。だが、最初の10人のうちの生き残りであるラゴスが性的不能なのは、やはり蓄積されるものがあるということなのだろうか。
今作のテーマは人間にとって切り離せないけれど疎ましい、〈性〉そのものである。自分たちの創造主たる人間に存在理由を証明するため、〈究極のセックス〉を追求する姿にはカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を連想せずにはいられない。Ⅱ巻で疑問視したレイプの問題も、今度は加害者側から掘り下げられる。抑圧や同調圧力、自尊心とそれが傷つけられたと感じたときの防衛反応。さまざまなかたちで人が性衝動を煽られ、時に暴力的な行為に至るのかを突き詰めていく。私はⅡ巻を読んで感じたわだかまりが多少解け、性と生と死に向き合う作者として信頼する気持ちが生まれた。
SMプレイの一環としてハニカムを襲撃するVPのさらに外側に、キリスト教原理主義者みたいに過激な風紀管理ロボが潜んでいて、またまたその裏には宇宙の画一化を目指す保険会社のロイズが関わっているというのもウワーッとなるし、キリアンが家畜人ヤプー化するところもユーモラスかつ恐ろしかった。
ラストはハニカムに降り立ち歓迎される救世群の姿に感動してしまった。冥王斑を忌避しなくていいラヴァーズは、救世群に寄り添う存在としてレゾンデートルを見つけることができるのか。それとも、子をなすことができるか否かという古典的な問いに飲み込まれていってしまうのだろうか。
Posted by ブクログ
「恋人(プロスティテュート)」の起源。
まだ呼び名はラバーズで、そう呼ばれるのはこの先の年月が必要か。メニーメニーシープで彼らのリーダーであった「ラゴス」が誕生した時から、「恋人」たちの歴史が始まったということか。
エランカがラゴスに子供を作ると言ったのは、崩壊を迎えるメニーメニーシープ。
あの一言を手に入れるための長い長い旅路は、キリアン・ゲルトレッド・アウローラ・ラゴスの4人が融合した時に始まりました。
生殖の為のSEX。
目的を失い、手段だけが加速・暴走していく中で、探し求めた「混爾(マージ)」という理。
達した先で手に入れたものは仮初であって、真実には決してとどかない。その煩悶があるから、エランカの決意が喜びであるのだろうなあ。
メニーメニーシープの核であるシェパード号と同じ名前の宇宙船が、ラバーズの工房の宇宙船とはどういうこと?
3巻のドロテアでも、同じ疑問が。
全く同一なのか、名前だけ拝借なのか。
プラクティスが保菌している冥王斑が、メニーメニーシープで「咀嚼者(フェロシアン)」が保菌していたのは何故なのか?姿形がゾーラ族に変化しているのは?
グレアの外見を飾る模様が、イサリの装飾との相似を感じさせるけど。
物語がメニーメニーに収束していく感覚はあるけど、それぞれの起源を語るので、その間が知りたい。
アカシックレコードを読ませて下さい。
それは、完結まで読むことに他ならないですね。
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