天冥の標 II 救世群

天冥の標 II 救世群

小説・文芸
836円 (税込)

4pt

西暦201X年、謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉と矢来はパラオへと向かう。そこで2人が目にしたのは、肌が赤く爛れ、目の周りに黒斑をもつリゾート客の無惨な姿だった。懸命な治療もかなわず、息絶えていく感染者たち。事態は世界的パンデミックへと拡大していく──すべての発端を描く第2巻。

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天冥の標 の一覧

1~17巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~17件目 / 17件
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)
    726円 (税込)
    西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (下)
    726円 (税込)
    謎の疫病の感染源は、出自不明の怪物イサリだった。太古から伝わる抗ウイルス薬で感染を食い止めたカドムだったが、臨時総督府にイサリを奪われてしまう。一方、首都オリゲネスの議員エランカもまた、ユレイン三世の圧政に疑問を抱いていた。彼女は自由人の集団《恋人たち》と知りあうが、ユレイン三世はその大規模な弾圧を開始する。新天地を求めて航海に出た《海の一統》のアクリラは、驚愕すべき光景を目にするが……
  • 天冥の標 II 救世群
    836円 (税込)
    西暦201X年、謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉と矢来はパラオへと向かう。そこで2人が目にしたのは、肌が赤く爛れ、目の周りに黒斑をもつリゾート客の無惨な姿だった。懸命な治療もかなわず、息絶えていく感染者たち。事態は世界的パンデミックへと拡大していく──すべての発端を描く第2巻。
  • 天冥の標 III アウレーリア一統
    968円 (税込)
    アウレーリア艦長と《酸素いらず》の一統が奪われた忘却炉「ドロテア・ワット」を追う。西暦2310年、小惑星帯を中心に太陽系内に広がった人類のなかでも、ノイジーラント大主教国は肉体改造により真空に適応した《酸素いらず》の国だった。海賊狩りの任にあたる強襲砲艦エスレルの艦長サー・アダムス・アウレーリアは、小惑星エウレカに暮らす救世群の人々と出会う。伝説の動力炉ドロテアに繋がる報告書を奪われたという彼らの依頼で、アダムスらは海賊の行方を追うことになるが……。シリーズ第3巻。
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち
    1,034円 (税込)
    「守らせてください。従わせてください。わたしに生きる許しをください。そして─」「わたくしたち市民は、次代の社会をになうべき同胞が、社会の一員として敬愛され、かつ、良い環境のなかで心身ともに健やかに成長することをねがうものです。麗しかれかし。潔かるべし」――純潔(チェイスト)と遵法(ロウフル)が唱和する。「人を守りなさい、人に従いなさい、人から生きる許しを得なさい。そして性愛の奉仕をもって人に喜ばれなさい」――かつて大師父は仰せられた。そして少年が目覚めたとき、すべては始まる。シリーズ第4巻。
  • 天冥の標 V 羊と猿と百掬の銀河
    836円 (税込)
    西暦2349年、小惑星パラス。地下の野菜農場を営む40代の農夫タック・ヴァンディは、調子の悪い環境制御装置、星間生鮮食品チェーンの進出、そして反抗期を迎えた一人娘ザリーカの扱いに思い悩む日々だった。そんな日常は、地球から来た学者アニーとの出会いで微妙に変化していくが……。その6000万年前、地球から遠く離れた惑星の海底に繁茂する原始サンゴ虫の中で、ふと何かの自我が覚醒した。急展開のシリーズ第5巻。
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART1
    792円 (税込)
    西暦2499年、人工宇宙島群スカイシー3で遭難した《救世群》の少女イサリは、《非染者》の少年アイネイアに助けられた。二人は、氷雪のシリンダー世界を脱出するための冒険行に出発するが――。一方、太陽系世界を支配するロイズ非分極保険社団傘下の、MHD社筆頭執行責任者ジェズベルは、近年、反体制活動を活発化させる《救世群》に対し、根本的な方針変更を決断しようとしていた。大いなる転換点を迎える第6巻前篇
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART2
    836円 (税込)
    太陽系世界の均一化をめざすロイズ非分極保険社団に対して、《救世群(プラクティス)》副議長ロサリオ・クルメーロは、同胞に硬殻化を施して強硬路線を推し進める。その背後には密かに太陽系を訪れていた《穏健な者(カルミアン)》の強大なテクノロジーの恩恵があった。いっぽうセレス・シティの少年アイネイアは、人類初の恒星船ジニ号の乗組員に選ばれ、3年後の出航を前に訓練の日々を送っていたが……すべての因果が悲劇を生む第6巻第2弾
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3
    968円 (税込)
    西暦2502年、異星人カルミアンの強大なテクノロジーにより、《救世群(プラクティス)》は全同胞の硬殻化を実施、ついに人類に対して宣戦を布告した。准将オガシ率いるブラス・ウォッチ艦隊の地球侵攻に対抗すべく、ロイズ側は太陽系艦隊(システムフリート)の派遣を決定。激動の一途を辿る太陽系情勢は、恒星船ジニ号に乗り組むセレスの少年アイネイア、そして人類との共存を望む《救世群(プラクティス)》の少女イサリの運命をも、大きく変転させていくが――第6巻完結篇
  • 天冥の標 VII 新世界ハーブC
    924円 (税込)
    男性24905名。女性27339名。成人1029名。残存人類、52244名──第7巻のさらなる絶望 《救世群(プラクティス)》が太陽系全域へと撒いた冥王斑原種により、人類社会は死滅しようとしていた。 シェパード号によって《救世群》のもとから逃れたアイネイア・セアキは、辿りついた恒星船ジニ号でミゲラ・マーガスと再会する。 しかし混乱する状況のなかジニ号は小惑星セレスに墜落、かろうじて生き残ったアイネイアとミゲラは、 他の生存者を求めてセレス・シティへと通信を送るのだったが―― さらなる絶望を描くシリーズ第7巻
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART1
    792円 (税込)
    「起きて、イサリ。奴らは撃ってきた。静かにさせましょう」いつとも、どことも知れぬ閉鎖空間でイサリは意識を取り戻した。ようやく対面を果たしたミヒルは敵との戦いが最終段階を迎えていることを告げ、イサリに侮蔑の視線を向けるばかりだった。絶望に打ちひしがれるイサリに、監視者のひとりがささやきかける――「人間の生き残りが、まだいるかもしれないのです」。壮大なる因果がめぐるシリーズ第8巻前篇。/掲出の書影は底本のものです
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART2
    814円 (税込)
    西暦2803年、メニー・メニー・シープから光は失われ、《咀嚼者》の侵入により平和は潰えた。絶望のうちに傷ついたカドムは、イサリ、ラゴスらとともに遥かな地へと旅立つ。いっぽう新民主政府大統領となったエランカは、国家再興に向けた苛酷な道へと踏み出す――ふたたび物語が動き始めるシリーズ第8巻後篇
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと
    858円 (税込)
    カドム、イサリらは、ラゴスの記憶を取り戻すべく、セレスの地表にあるというシェパード号をめざしていた。しかし、セレス・シティの廃墟に到達した彼らを、倫理兵器たる人型機械の群れが襲う。いっぽう新民主政府大統領のエランカは、スキットルら《恋人たち》の協力も得て、《救世群》への反転攻勢に転ずるが――
  • 天冥の標 IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと
    858円 (税込)
    セレス地表で世界の真実を知ったカドムら一行は、再会したアクリラとともにメニー・メニー・シープへの帰還を果たした。そこでは新政府大統領のエランカが、《救世群》との死闘を繰り広げつつ議会を解散、新たな統治の道を探ろうとしていた。いっぽうカドムらと別れ、《救世群》のハニカムで宥和の道を探るイサリにも意外な出会いが――。あまりに儚い方舟のなか、数多のヒトたちの運命が交錯する、シリーズ第9巻完結篇。
  • 天冥の標 X 青葉よ、豊かなれ PART1
    836円 (税込)
    ついにカルミアンの母星に到達したセレスを超銀河団諸族の巨大艦隊が待ち受けていた。メニー・メニー・シープの未来は、どこに? 今世紀最大最高のSFシリーズ、万感の完結篇。3カ月連続刊行!
  • 天冥の標 X 青葉よ、豊かなれ PART2
    836円 (税込)
    セレスの向かう状況が風雲急を告げるなか、MMS、《救世群》、2PAの連合軍は、ミヒル討伐のためドロテアへと進攻するが――。
  • 天冥の標 X 青葉よ、豊かなれ PART3
    880円 (税込)
    2009年9月の刊行開始から10年、ついにメニー・メニー・シープの人類の運命が決着します。万感の最終巻、よろしくお願いします。

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天冥の標 II 救世群 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ミクロネシアの島国で発生した謎の疫病と、そこから始まるパンデミック。
    コロナ後の世界で読むと、まさにコロナ禍。コロナ前にこの描写を描く小川一水氏……すげぇよ……ってなりながら一気読み。止まらなかった……彼らには逞しく生きてほしい→

    1巻の冒頭で描かれていた“冥王斑”の始まりが描かれる。でも、1巻ではイサリの血液由来だったのに……??となりつつ、ページを捲る手が止まらねぇぇぇ!!
    あと、児玉と矢来のペアが好きすぎる……この子達が後のカドムという認識で良いのか……?いやもう、ほんま頑張って生きてほしい。→

    千茅もだしジョプもだし主要メンバーが好きすぎて続きが読みたい。でもまぁ、3巻は時代が変わっちゃうので、彼らの純粋な「その後」はおそらくもう読めないんだよね……子孫は出てくるんだろうけど(というか、3巻の前半で出てくる)それは悲しいが、彼らの意志がどう生きるのかを見届けたい。

    0
    2026年08月16日

    Posted by ブクログ

    第1巻から時代が大きく巻き戻り、西暦2010年代の物語となっている。
    前作との時代の違いが大きく、どのように繋げるのだろうと思いながら読んでいたが、プラクティスという言葉が出てき始めてから一気に物語が前作と繋がり始めたように感じた。
    次作も楽しみに読みたい。

    0
    2026年07月26日

    Posted by ブクログ

    全10巻、計17冊
    2巻目(3/17)
    1巻とはうってかわって現代
    コロナウイルスより前に書かれたパンデミック物
    懸命に治療を続けるが次々と人が死ぬ

    僕は思想として人間が想像出来る物は実現しえると思っているんですが、これもまた、謎の病で世界が閉鎖していく描写はコロナ禍の予言と読める
    隔離施設を作るが民衆から迫害されるシーン等、北斗の拳の世紀末感というか、みな平等に幸福値が下がると行動レベルも低下するのは見事な予想だった。
    1巻を読んでいると祖先か!?と興奮できます

    数年前、地震で札幌大停電になったんですけど発電機を持ったお店の人が300円で携帯充電します!って普通にやってる光景見たんですよ
    これ、犯罪ですからね。でもみんな群がってたんです。
    慣れるとすぐ忘れる程、日常って脆いですよね
    そんな真っ暗な都会で見る、もう2度と経験しないかもしれない大量の星はビル群とあまりに不釣合で世界が終わったと思いました
    コロナという病気もまた対岸の火事のように思っていた初報から志村けんさんが亡くなり、あれこれやばいんかと震え

    そんな様々な事を考えてしまう、世に残り続けて欲しい物語
    ※大森さんも言ってたがこの巻を1巻にすればよかったのにと思う

    0
    2025年09月11日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍となる十年前に描かれた感染症に支配された世界。まさか十年後に現実となるとは考えていなかっただろうが、かなり実際に起きたことに近く驚かされた。人間と細菌との長い闘いは続いていく。

    0
    2025年03月01日

    Posted by ブクログ

    1巻(メニー・メニー・シープ)から読み続けると、?
    「あれ、現代?」、しかも内容がコロナ禍と似ている。かなり前に書かれた小説なのに。
    お話しは読みやすく、1のある登場人物に繋がるんだろうなと想像できるが、2010年代の地球と2803年のメニーメニーシープまで800年がどう繋がっていくのか、これは楽しみ、次巻を早く読みたくなります。

    0
    2023年05月10日

    Posted by ブクログ

     天冥の標の第2巻で、年代的には1番早い時代が描かれる。2015年に、後に「冥王斑」と呼ばれる謎の疫病がパラオから発生する。そして世界に拡散していく。これは10年以上前に書かれた作品だが、新型コロナウイルスが大流行する現在の状況をそのまま写し出している。パンデックミック、手遅れになる患者たち、そして患者への偏見、差別など、これまでに見たような事態が描かれており、読むのがしんどくなる。

     人類はなんとか押さえ込みに「成功」するのだが、それは冥王斑からの回復者に犠牲を強いるものだった。そして彼等の中からカリスマが誕生する。そして彼らは、自らを<救世群>と呼ぶことになる。彼らとの仲介者である<リエゾン・ドクター>も生まれる。第1巻に登場したフェオドールやダダーの由来も描かれる。あと羊もだ。

    0
    2021年05月16日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍でカミュやデフォーの『ペスト』や、小松左京の『復活の日』が大きく注目されたけど、この『天冥の標』の2巻もパンデミックを扱った作品ということで、注目されていた覚えがあります。
    出版はおよそ10年前の2010年ですが、読んでみるとコロナ禍を予見したような場面の多さに驚きました。それでいて物語としても抜群に読み応えがある。

    201X年、ミクロネシアの島国パラオで発生した謎の伝染病。その症状は凄まじく罹患者のほとんどが死に絶えてしまう。そして謎の病は世界中に波及していき……

    シリーズ2作目となる作品ですが、舞台も時代も大きく変わります。前巻は2803年の植民星が舞台。この2巻目の舞台は2010年代の地球。物語のつながりもキーワードがわずかに共通している程度で、ほぼ単独作といっても差し支えない。コロナ禍だからこそ、この2巻から読んでみるのも、全然アリに思える。

    1章で描かれるのは謎の伝染病の最前線で戦う医師たちの姿。その努力もむなしく患者は次々と命を落としていくものの、何とか生きようとする少女と懸命な医師たちの姿、そして病気の凶悪さによる緊張感や緊迫感がしっかりと描かれていて、最初から引き込まれます。

    そして伝染病は世界に波及。また生存者は症状が治まっても、他者への感染のリスクがあることがわかり、パラオ島で病気を発症し、一人生き延びた千茅は隔離されることになる。

    千茅を襲うのは孤独とネット上での誹謗中傷。両親を喪い、友人たちといた日常も帰ってこない。その切々とした感情は心に迫るし、コロナでの入院や自宅療養、そして感染者への差別も当たり前となってしまった現代では、より彼女の心情は想像しやすいのではないか、と思います。そんな彼女に訪れる唯一の救いは、読んでいるこちらも救われた気になる。

    ウイルスの発生源を探す旅では、このシリーズの今後に関わってきそうなものが見えてくるものの、まだまだ謎の部分が多く、これは次巻以降に期待。そして感染が広がり生存者が増えてくる中で社会全体が、ウイルスへの恐怖と感染者・生存者への嫌悪を示すように……そして物語が向かう先は……

    社会全体がパニック状態になっていく様子は、今のコロナ禍とつながっているところも非常に多い。感染者への差別もそうですが、ウイルス対策をした店や製品がアピールポイントになるといった記述が個人的に妙に印象的だった。

    感染者差別や都市の封鎖、店の休業は想像しやすいけど、ウイルス対策がアピールポイントになる、という細かいところも取り上げて、しかもそれが今現実になっていると思うと、小説家の想像力の怖さすらも感じます。

    ただ小川一水さんでも感染者どころか、医療従事者まで差別の対象になる未来まではこの小説の中では描けなかったみたいです。こんなところだけ、人間の行動や思考はフィクションを超えてしまう……

    それはともかく、コロナ禍前に書かれたとは思えないリアリティと壮大なスケール感が物語全体にあるので、クライマックスで描かれる大量の感染者予備軍の人たちが検査の列に並んでいる姿であったり、生存者たちを待ち受ける過酷な運命も、一概に非現実的とは受け止められなかった。それがまた怖くもある。

    「健康と安全を守るため」
    その聞こえのいい言葉は、簡単に他者を切り捨てる理由に転嫁される。『天冥の標』2巻で描かれた物語は、ウイルスという目に見えない敵の前に、懸命に戦い生きる人たちの姿をとらえつつも、一方で人間はいかに浅はかで愚かで、そして無力で臆病なのかを改めて痛感させられました。二巻の副題である「救世群」の言葉の意味の皮肉さもまた胸に突き刺さる。

    単独作としてはもちろん見事な出来でしたが、少しだけ示された“ダガー”のことや、病気の感染源の正体などシリーズ作としても、まだまだ謎の部分が多く今後の展開も楽しみ。1巻と2巻で物語の雰囲気がガラリと変わったので、続く3巻ではどんな世界観で、どんな物語が展開されるか大いに期待できそうです。

    0
    2021年01月28日

    Posted by ブクログ

     全10巻完結するまで読むのを温めていて、完結したと思ったら現実世界でも新型コロナウイルスの流行。持ってるとしか言いようがない。
     冥王斑は架空の感染症のはずだが、その描写、設定がかなり具体的に描かれており、著者は医師免許か何か持っているのだろうかと思わざるを得ない。参考文献が見たい。未知のウイルスに対する人々の反応や対策などは、最近見たことあるようなものばかりで、著者の構成力と先見の明には脱帽する。
     舞台は2015年の地球だが、Ⅰの舞台、2803年の植民星にもリンクする箇所があり、そのスケール感に圧倒される。まだあと8巻あるので、これからどんどん世界が広がっていくのだろう。物語にふれて、動悸が止まらないのは久々だ。
     世界で最も影響力のある100人がこの世界にもあるのなら、最初の冥王斑患者・檜沢千茅はきっと選ばれるんだろう。病に勇敢に立ち向い、他の患者に手を差し伸べる彼女の姿に、「民衆を導く自由の女神」が重なった。

    0
    2020年11月19日

    Posted by ブクログ

    2803年の植民星から舞台は一気に現代の地球まで遡る。文章のタッチも変わり、第1巻とはまるで別の作品のよう。前巻の謎を解くカギが幾つか登場してくるが、冥王斑の発端が描かれているので、この巻だけ独立した話としても成立。パンデミックものの傑作として、まさにコロナ禍の今を知るのにもちょうど良い。

    0
    2020年12月14日

    Posted by ブクログ

    〉これほどまでに異常な状況下では、自分たち個々の思考やモチベーションなど維持したいとも思わなかった。患者は何千人という数なのだ。その生死は疫学的推計によりすでに決まっているようなものだ。必要以上に努力したところで、回復率を1パーセントでも押し上げることはできはしない。──医師が1個の部品になることが必要なレベルの、これは途方もない事態であり、圭伍もそれを受け入れていた。


    謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉圭伍と矢来華奈子はミクロネシアのリゾートアイランドへ向かう。
    そこで目にしたのは、肌が赤くただれ目の周りに黒斑をもつリゾート客たちが、そこかしこに倒れ伏す惨状。
    冥王斑と名付けられることになるその病気は、致死率95%、空気感染し、回復後も感染能を保持する──つまり一度感染したら死ぬまで隔離が必要となるという恐ろしい物だった。
    やがてパンデミックへ拡大していくなかで、人類は防疫という武器をもって必死の戦いを続ける…という話。

    私のオールタイムベスト作品のひとつ。今こそ全世界の人に読んでほしい、パンデミック物の金字塔、天冥の標Ⅱ救世群です。

    世界中で次々に起こるアウトブレイクに立ち向かう人々の姿が緊張感あふれる筆致で語られます。人類が英知を結集するような熱い展開が好きなんです。
    そして並行して、感染後に生き残った「回復者」たちの続く隔離生活と、彼らの受ける苛烈な差別が描かれます。
    「どうか、人間を恨むことのないように」
    「無理です」
    このやりとりが今後800年に及ぶ恨みの物語への端緒に…。


    今こそ読んでほしいので今こそ再読。
    現実世界でのCOVID-19に関連した差別は、なんと医療関係者に向けられているという報道もありますが…。防疫とは、パンデミックとは、ウイルスと戦うとはどういうことか。今の世界を理解する手掛かりになる小説です。

    書店では特別全面帯で「防疫は、差別ではない」と黒地白文字のインパクト大で展開されています。大長編の第2話なのですが大丈夫。独立した一冊ですので気軽に手に取ってください。

    0
    2020年04月18日

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