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Posted by ブクログ
ミクロネシアの島国で発生した謎の疫病と、そこから始まるパンデミック。
コロナ後の世界で読むと、まさにコロナ禍。コロナ前にこの描写を描く小川一水氏……すげぇよ……ってなりながら一気読み。止まらなかった……彼らには逞しく生きてほしい→
1巻の冒頭で描かれていた“冥王斑”の始まりが描かれる。でも、1巻ではイサリの血液由来だったのに……??となりつつ、ページを捲る手が止まらねぇぇぇ!!
あと、児玉と矢来のペアが好きすぎる……この子達が後のカドムという認識で良いのか……?いやもう、ほんま頑張って生きてほしい。→
千茅もだしジョプもだし主要メンバーが好きすぎて続きが読みたい。でもまぁ、3巻は時代が変わっちゃうので、彼らの純粋な「その後」はおそらくもう読めないんだよね……子孫は出てくるんだろうけど(というか、3巻の前半で出てくる)それは悲しいが、彼らの意志がどう生きるのかを見届けたい。
Posted by ブクログ
全10巻、計17冊
2巻目(3/17)
1巻とはうってかわって現代
コロナウイルスより前に書かれたパンデミック物
懸命に治療を続けるが次々と人が死ぬ
僕は思想として人間が想像出来る物は実現しえると思っているんですが、これもまた、謎の病で世界が閉鎖していく描写はコロナ禍の予言と読める
隔離施設を作るが民衆から迫害されるシーン等、北斗の拳の世紀末感というか、みな平等に幸福値が下がると行動レベルも低下するのは見事な予想だった。
1巻を読んでいると祖先か!?と興奮できます
数年前、地震で札幌大停電になったんですけど発電機を持ったお店の人が300円で携帯充電します!って普通にやってる光景見たんですよ
これ、犯罪ですからね。でもみんな群がってたんです。
慣れるとすぐ忘れる程、日常って脆いですよね
そんな真っ暗な都会で見る、もう2度と経験しないかもしれない大量の星はビル群とあまりに不釣合で世界が終わったと思いました
コロナという病気もまた対岸の火事のように思っていた初報から志村けんさんが亡くなり、あれこれやばいんかと震え
そんな様々な事を考えてしまう、世に残り続けて欲しい物語
※大森さんも言ってたがこの巻を1巻にすればよかったのにと思う
Posted by ブクログ
天冥の標の第2巻で、年代的には1番早い時代が描かれる。2015年に、後に「冥王斑」と呼ばれる謎の疫病がパラオから発生する。そして世界に拡散していく。これは10年以上前に書かれた作品だが、新型コロナウイルスが大流行する現在の状況をそのまま写し出している。パンデックミック、手遅れになる患者たち、そして患者への偏見、差別など、これまでに見たような事態が描かれており、読むのがしんどくなる。
人類はなんとか押さえ込みに「成功」するのだが、それは冥王斑からの回復者に犠牲を強いるものだった。そして彼等の中からカリスマが誕生する。そして彼らは、自らを<救世群>と呼ぶことになる。彼らとの仲介者である<リエゾン・ドクター>も生まれる。第1巻に登場したフェオドールやダダーの由来も描かれる。あと羊もだ。
Posted by ブクログ
コロナ禍でカミュやデフォーの『ペスト』や、小松左京の『復活の日』が大きく注目されたけど、この『天冥の標』の2巻もパンデミックを扱った作品ということで、注目されていた覚えがあります。
出版はおよそ10年前の2010年ですが、読んでみるとコロナ禍を予見したような場面の多さに驚きました。それでいて物語としても抜群に読み応えがある。
201X年、ミクロネシアの島国パラオで発生した謎の伝染病。その症状は凄まじく罹患者のほとんどが死に絶えてしまう。そして謎の病は世界中に波及していき……
シリーズ2作目となる作品ですが、舞台も時代も大きく変わります。前巻は2803年の植民星が舞台。この2巻目の舞台は2010年代の地球。物語のつながりもキーワードがわずかに共通している程度で、ほぼ単独作といっても差し支えない。コロナ禍だからこそ、この2巻から読んでみるのも、全然アリに思える。
1章で描かれるのは謎の伝染病の最前線で戦う医師たちの姿。その努力もむなしく患者は次々と命を落としていくものの、何とか生きようとする少女と懸命な医師たちの姿、そして病気の凶悪さによる緊張感や緊迫感がしっかりと描かれていて、最初から引き込まれます。
そして伝染病は世界に波及。また生存者は症状が治まっても、他者への感染のリスクがあることがわかり、パラオ島で病気を発症し、一人生き延びた千茅は隔離されることになる。
千茅を襲うのは孤独とネット上での誹謗中傷。両親を喪い、友人たちといた日常も帰ってこない。その切々とした感情は心に迫るし、コロナでの入院や自宅療養、そして感染者への差別も当たり前となってしまった現代では、より彼女の心情は想像しやすいのではないか、と思います。そんな彼女に訪れる唯一の救いは、読んでいるこちらも救われた気になる。
ウイルスの発生源を探す旅では、このシリーズの今後に関わってきそうなものが見えてくるものの、まだまだ謎の部分が多く、これは次巻以降に期待。そして感染が広がり生存者が増えてくる中で社会全体が、ウイルスへの恐怖と感染者・生存者への嫌悪を示すように……そして物語が向かう先は……
社会全体がパニック状態になっていく様子は、今のコロナ禍とつながっているところも非常に多い。感染者への差別もそうですが、ウイルス対策をした店や製品がアピールポイントになるといった記述が個人的に妙に印象的だった。
感染者差別や都市の封鎖、店の休業は想像しやすいけど、ウイルス対策がアピールポイントになる、という細かいところも取り上げて、しかもそれが今現実になっていると思うと、小説家の想像力の怖さすらも感じます。
ただ小川一水さんでも感染者どころか、医療従事者まで差別の対象になる未来まではこの小説の中では描けなかったみたいです。こんなところだけ、人間の行動や思考はフィクションを超えてしまう……
それはともかく、コロナ禍前に書かれたとは思えないリアリティと壮大なスケール感が物語全体にあるので、クライマックスで描かれる大量の感染者予備軍の人たちが検査の列に並んでいる姿であったり、生存者たちを待ち受ける過酷な運命も、一概に非現実的とは受け止められなかった。それがまた怖くもある。
「健康と安全を守るため」
その聞こえのいい言葉は、簡単に他者を切り捨てる理由に転嫁される。『天冥の標』2巻で描かれた物語は、ウイルスという目に見えない敵の前に、懸命に戦い生きる人たちの姿をとらえつつも、一方で人間はいかに浅はかで愚かで、そして無力で臆病なのかを改めて痛感させられました。二巻の副題である「救世群」の言葉の意味の皮肉さもまた胸に突き刺さる。
単独作としてはもちろん見事な出来でしたが、少しだけ示された“ダガー”のことや、病気の感染源の正体などシリーズ作としても、まだまだ謎の部分が多く今後の展開も楽しみ。1巻と2巻で物語の雰囲気がガラリと変わったので、続く3巻ではどんな世界観で、どんな物語が展開されるか大いに期待できそうです。
Posted by ブクログ
全10巻完結するまで読むのを温めていて、完結したと思ったら現実世界でも新型コロナウイルスの流行。持ってるとしか言いようがない。
冥王斑は架空の感染症のはずだが、その描写、設定がかなり具体的に描かれており、著者は医師免許か何か持っているのだろうかと思わざるを得ない。参考文献が見たい。未知のウイルスに対する人々の反応や対策などは、最近見たことあるようなものばかりで、著者の構成力と先見の明には脱帽する。
舞台は2015年の地球だが、Ⅰの舞台、2803年の植民星にもリンクする箇所があり、そのスケール感に圧倒される。まだあと8巻あるので、これからどんどん世界が広がっていくのだろう。物語にふれて、動悸が止まらないのは久々だ。
世界で最も影響力のある100人がこの世界にもあるのなら、最初の冥王斑患者・檜沢千茅はきっと選ばれるんだろう。病に勇敢に立ち向い、他の患者に手を差し伸べる彼女の姿に、「民衆を導く自由の女神」が重なった。
Posted by ブクログ
〉これほどまでに異常な状況下では、自分たち個々の思考やモチベーションなど維持したいとも思わなかった。患者は何千人という数なのだ。その生死は疫学的推計によりすでに決まっているようなものだ。必要以上に努力したところで、回復率を1パーセントでも押し上げることはできはしない。──医師が1個の部品になることが必要なレベルの、これは途方もない事態であり、圭伍もそれを受け入れていた。
謎の疫病発生との報に、国立感染症研究所の児玉圭伍と矢来華奈子はミクロネシアのリゾートアイランドへ向かう。
そこで目にしたのは、肌が赤くただれ目の周りに黒斑をもつリゾート客たちが、そこかしこに倒れ伏す惨状。
冥王斑と名付けられることになるその病気は、致死率95%、空気感染し、回復後も感染能を保持する──つまり一度感染したら死ぬまで隔離が必要となるという恐ろしい物だった。
やがてパンデミックへ拡大していくなかで、人類は防疫という武器をもって必死の戦いを続ける…という話。
私のオールタイムベスト作品のひとつ。今こそ全世界の人に読んでほしい、パンデミック物の金字塔、天冥の標Ⅱ救世群です。
世界中で次々に起こるアウトブレイクに立ち向かう人々の姿が緊張感あふれる筆致で語られます。人類が英知を結集するような熱い展開が好きなんです。
そして並行して、感染後に生き残った「回復者」たちの続く隔離生活と、彼らの受ける苛烈な差別が描かれます。
「どうか、人間を恨むことのないように」
「無理です」
このやりとりが今後800年に及ぶ恨みの物語への端緒に…。
今こそ読んでほしいので今こそ再読。
現実世界でのCOVID-19に関連した差別は、なんと医療関係者に向けられているという報道もありますが…。防疫とは、パンデミックとは、ウイルスと戦うとはどういうことか。今の世界を理解する手掛かりになる小説です。
書店では特別全面帯で「防疫は、差別ではない」と黒地白文字のインパクト大で展開されています。大長編の第2話なのですが大丈夫。独立した一冊ですので気軽に手に取ってください。
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小説・文芸
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