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Posted by ブクログ
近未来を舞台にした作品5編収録のSF短編集。
近未来といっても10年、20年先というわけではなく、場合によっては数年先にはこうなっているのではないか、という作品ばかりです。
そのためか出てくる登場人物たちも身近に感じられるキャラが多いです。表題作の「煙突の上にハイヒール」は結婚詐欺師に騙されかけたOLさんが主人公。
「カムキャットアドベンチャー」では近所の猫に餌をやる男子大学生、「イブのオープンカフェ」では彼氏と別れたばかりの女性が主人公です。
SFのイメージで強いのは宇宙人、宇宙開発、アンドロイド、科学による人間の変容などなのですが、この短編集はそうした大げさなものでなく、
普通の人たちが、ほんの数年先の未来で実現されていそうな技術に触れることで、少しいい風に自分の世界を変えていくのです。
その短編集全体につらぬかれたテーマは、最終話「白鳥熱の朝に」でも変わりません。この短編の舞台はパンデミックによって多くの日本人が死んだあとの日本が舞台です。
そんな厳しい現実に登場人物たちは置かれながらも、それでも彼らは前を向いて歩き続けます。
小川さんはたとえどんな未来が訪れても、それでも人間は前を向き進み続けられる、というメッセージを作品に込めているのではないでしょうか。
だからこの短編集の中で少し異質の「白鳥熱の朝に」も含めたどの短編にも、ほんの少し先の未来への希望と、人間への温かな視点を感じながら読むことができました。
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小説・文芸
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