あらすじ
災後の福島で医療支援をしていた友が死んだ。志半ばでの友の死に、自分は何もしなくていいのかと自問する外科医・雨野。そんな中、福島のある病院が、院長の急逝で診療を続けられなくなったという知らせが。「ならば俺が行く」。外科医を辞め地域医療の現場に飛び込んだ雨野を待ち受けていたのは―― 。現役外科医によるシリーズ第八弾。
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Posted by ブクログ
「泣くな研修医」シリーズ、なんだかんだでもう8冊も出たのかー!すごいな。
雨野先生、ついに福島の病院の院長として赴任しました。すごい決断だよね。もう完全に、著者の分身だから、このあと結婚して父親になるところもずっとフォローしていきますよ。楽しみ楽しみ。
目の前に困っている人がいる。福島で困っている病院がある。誰かが行かなければいけない。
そんなときに「じゃあ自分が」って思える、そういう人でありたいけど、人はみんな、「でも〇〇だから…」「自分じゃなくても」と、行動しない理由を探してしまう。
実際に行動した中山祐次郎さん、っていうか雨野先生?っていうか両者とも、本当にすごい決断をして、その結果中山祐次郎さんは今に至っているわけだよね。雨野先生はそのあとをおっかけていくわけね。
私がやらなくちゃ!と思ったときは、行動しなくちゃ。
Posted by ブクログ
今回のお話もぐいぐい引き込まれました。
場を変えること。
本気で、新しい場に臨むこと。
それぞれの考えと、その先で起きてくること。
時を経て、ようやく語り得ることもあるのかなと思いながら読みました。
新刊の通知が来てすぐに購入、待ってました。
医療に対する自分の理想と、時にはどうにもならない現実が衝突して、自分はなんて無力なのだろうと思わされる、そんな医師の苦悩がよく描かれていたと思う。
30代の若さで過去に培ってきた経験や知識を駆使して、被災地でもある地方の小さい病院の院長になろうと決心した雨野先生の勇気には感動した。
外来から治療方針の決定から経営まで、どんなことも自分が主となって決断していかなきゃいけない環境、想像を絶するものがあるんだろうな。
命のはかなさ、医療の限界、理想と現実、そんなことについて深く考えさせられる内容でした。
Posted by ブクログ
「メスを置け〜」とのタイトルから幾つかの予想はいたしましたが、かなり突然の展開で思いの深さと惰性への嫌悪を感じた。
雨野先生が行くところにはいつもハキハキとした女性がいて頼もしい存在になる。何がちょっとズルいと思ってしまった。羨ましい出会いとは裏腹にもどかしい行く末なのもいつもながらの流れです。
生涯通じてひとつの職に就く時代はとうの昔に過ぎ去ったこの頃、決断は突然かつ大胆に動くのがトレンドなのか?前触れなく去る決意を突然伝えられる実態も耳にする。
多様性を受け入れるには多様な経験値が大切な判断材料になりそうな気がする。経験値に基づく見識を広げられればより受け入れられる異質なものも広がりを見せる?
突然の大きな辞退は新たな出会いと受け入れる意識の拡張が得られる気がした。雨野先生の次なる出会いを楽しみに待ちます。