感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヒカリは本当に子犬のようにかわいいんだろうなと想像できる
木綿子とヒカリの関係、誰にどう思われようとか他人を納得させようとか無理に言葉にして伝えようとしなくても、相手のことを1番大事に思い、守りたいと思う気持ちがあればずっと一緒にいられるのだと思った
恋人でも友達でもなく二人で話し合って自分の気持を正直に打ち明けた結果の特別な関係
手芸屋さんの雰囲気と二人の関係がほのぼのして読んでいて暖かい気持ちになれた
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静かでささやかで、サッと心が温まる話だった。
表紙も題も素敵で物語の世界観に引き込まれた。
母親が家を出て、幼い頃から普通の生活をしてこなかったひかりと恋愛感情がわからない木綿子。
境遇は違うけれども、お互い心に潜めてる悩みがあるからこそ、互いを思いやり、他の誰にも抱かない特別で大事に思う関係性になって、2人が出会えて良かったと思った。
2人の関係性を見てると、恋愛感情ではなく、ただ一緒にいたい、というだけの名前の無い関係は無いのかなとふと思ってしまった。
周りから恋愛関係を疑われたり、「普通に幸せになって欲しい」と言われたりして、2人の関係性が周りにうまく伝わらないのがもどかしく、普通って何だろうか…と考えさせられた。
読んだ後はありのままの自分を受け入れて、自分の思うままに生きていっていいんだと、ちいさい希望を持てたような気持ちになった。
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恋という感情がよくわからず恋人がいたことがない35歳の木綿子。母親が男性依存で家を開けてばかりの環境で育ったため普通の家族がどういうものかわからない28歳のひかり。そんな2人が、「いとや手芸用品店」の同じ屋根の下で暮らすようになって、恋人でもなく、友達でもないけれど、お互いを誰より大切な人として支え合いながら生きていくようになるとても優しい物語。男女が一緒にいるとどうしても人はその関係について恋人なの?という枠で見てしまうのが常だけど、恋愛感情を抜きにしていても、こんなふうに静かにゆっくりと、お互いを大切にして歩み寄って支え合えるようになれたら、本当に良いだろうなぁ、としみじみ思いました。言葉で定義付けられない関係であるゆえ、悩みも戸惑いも多いだろうけれど、2人がこれからもずっと末永く、仲良く暮らして欲しいと思いました。
とても好きな作品になりました。
Posted by ブクログ
夜野光(ヨルノヒカリ)はネグレクトされて育てられた28歳の男性。母親の愛に飢えて、自分の気持ちを出さずに生きてきた。
一方、糸屋木綿子は恋をした事がなく、他人と同じ様な恋愛が出来ないと悩む35歳の女性。
ひょんな事からヒカリは木綿子の手芸洋品店で住み込みで働くことに…
ヒカリの育ってきた生い立ちから、暗くて、悲しく辛い話かと思いきや、とっても前向きなお話。読んでいて切なくもあり、心が揺さぶられる。そしてヒカリを取り巻く人達が素敵過ぎる。
「理解出来ないと騒ぐ様な誰かに認めて貰う必要なんてない」「人と違うから、社会の隅で生きていこうとかも思わなくていい」
普通に見える人も歪んだものを持っている。その歪みを受け入れ、理解してくれる人は必ずいるはず。
登場人物、全ての人に幸せになって欲しいし、応援せずにはいられない作品です。
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最近すごく好きなんです。畑野智美さん。
このお話はこの後に幸せな展開が続いていきそうでじんわりと温かい気持ちで読み終えました。
関係性に名前なんて要らないよね!
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ありのままの自分を誰かに肯定してもらうこと、受け入れてもらうことで生きる場所を見つけられる。温かい文章から、読んでいる私も肯定してもらえた気持ちになった。
司さんがひかり君に話した、「そのうち、自分のいるところが真ん中になる」というところ。その前後も含めて心に響いた。
終わり方もとっても良い。
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手芸店を舞台に繰り広げられる、恋愛感情が分からない女性とネグレクトされて育った男性の物語。
畑野さんの作品を読むのは3作目だが、この本が一番好きだ。一気に読んでしまったし、最後は泣いた。
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すごくぽかぽかするお話だった。
もちろん悲しい過去や人には言えないような気持ちを抱えながら生きている人たちの話ではあるけど、そこがあるからこそ今の幸せを強く感じられた。
形式にこだわらない、偏見のない人たちの物語だからこそ、ここまで心温まる作品なんだろうなあ
Posted by ブクログ
手に取ったのは寺地はるなさんのXへのポストがきっかけで、当時は(今も?)心がつかれていてなにかに縋るような気持ちで読み始めた。中盤から自分でもひいてしまうぐらいに泣きながら読んでた。人にもオススメしたい一冊。
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まずひかりくんのお料理が美味しそう。木綿子さんの作品や暮らしが可愛らしくて美しい。
自分が聞かれたくないから相手に聞かないこともあるし、話せるようになる強さも、聞かない優しさや、それを待つ強さもある、と感じた。
お互いにお互いの踏み込んで欲しくない領域を大切にして踏み込みすぎず、徐々に心を溶かして行く感じ、とても良かった。
待つ優しさ、束縛しない臆病な関係。
人に説明できなくても、人から理解されなくても、お互いが信頼しあえていればそれでいいという関係はあるし、そこにあることをだけ認められるといいな。
また「助けて欲しい」と長く言えずに、それでも救われていくものを見られた。
そして先の約束があることで私も少しずつ嬉しく、あたためらながら読み進めた。
そして、どうなるんだろう、どうなるんだろう、と思いながら読み終えました。
とても良かったです。また読み返したい。
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恋愛感情がわからず、人の感情をうまく感じられない木綿子さん。
恋多き母親の影響で、恋愛感情で誰かと繋がることが信じられない光くん。
人とは違う…と悩み、それを誰にも話せず心の奥にしまい込んだ二人が出会い、
ともに暮らしていく中でお互いが大事な存在になっていく。
二人の関係性はなんていうのだろう。
恋でも愛でも、友達や恋人、家族でもない。
でも果たして、関係性に名前なんて必要なんだろうか…と思えてくる。
ただお互いに必要とし、一緒にいることで穏やかな気持ちで過ごすことができる。
相手の幸せを願い、だからこそ身を引くこともある。
でも、一緒にいたい。
それだけでいいと思う。
二人の何気ない会話や二人の周りに流れる空気感がすごく心地よくて、こちらまでこの世界がずっと続いてほしいなと思わずにいられなかった。
そして二人の周りにいる成瀬くんや美咲ちゃん、司さんなど、理解して優しく包みこんでくれる存在がいて本当によかった。
Posted by ブクログ
光は家族というものがわからない。
木綿子は恋というものがわからない。
自分が「普通」とは違うということに悩む2人が、小さな一歩を踏み出すまでの9か月間を描くヒューマンドラマ。
物語は主人公の2人、光と木綿子の視点で交互に描かれていく。
◇
大型の台風が町を襲ったその日、強風で飛ばされた物干し竿がアパートの部屋の窓ガラスに突き刺さった。たちまち吹き込む雨風。6畳ひと間の部屋が居場所もないほど水びたしになっていくのを見て、光は隣の駅近くにある健康ランドへの避難を決めた。
駅に向かいながら、光はこれからの身の振り方を考える。
働いていたレストランの閉店まで1か月を切っている。蓄えもさほどないため早く次の職場を決める必要がある。
おまけに次の住居も早急に探さなければならなくなった。
取り壊しが決まっている今のアパートだが、退去期限は2か月後のはずだった。けれど台風被害で部屋が住める状況でなくなっている。今さら修復は頼みにくい。もう退去したほうがいいだろう。
とにかく職場と住居探しを急ごう。
隣駅を出た光に威力を増す雨風は容赦ない。ビニール傘は一瞬で壊れた。全身ずぶ濡れで商店街を通っているがどの店もシャッターが下ろされ照明は消えている。
途中で目についた店の軒先で一旦休憩しようと近寄った光は、店の壁に貼り紙がしてあるのに気がついた。貼り紙にはこう書かれていた。
『従業員募集! 住み込み可!』
(プロローグ)
* * * * *
様々なタイプの人たちが登場して、とてもおもしろかった。また、現代の社会問題の数々も取り上げられていて、いろいろと考えさせられる作品でした。
主人公の1人、夜野光。
いわゆる毒母からネグレクトに近い育てられ方をした。美人の母に似た顔立ちをしており、幼い頃には短期間同居した母の恋人から性的虐待を受けそうになったこともある。
最終的に母親に捨てられるのだが、幸い祖父母の支援と親友の成瀬一家の支えがあり、道を外れることなく成長した。
ただ、成長段階において「家族像」が作れておらず、家庭を持つ自分をイメージできない。さらに何かのはずみで感情を爆発させるところがある自分に嫌悪と恐れを抱いており、人と親密な関係を結ぶことを避けようとする。
そんなことから28歳になった今も、将来への夢や希望を抱けないでいる。
もう1人が糸谷木綿子。
木綿子には恋愛感情というものが昔からわからない。美人で明るく気立てもよいため、男子から告白されることは少なくなかったが、その恋するという気持ちが理解できないでいた。
それでも高校・大学時代には誘いに応じデートもしてみたが、手を握られただけで気持ちが悪くなってしまう始末だった。
自分はそういうタイプなのだと思うことにしたものの、人目を引く美人であるゆえ勤務先でも恋人や結婚について詮索されることが多い。そんな日々に疲れていたところ、手芸店を営む祖母が亡くなったのを機に退職し、手芸店を継ぐことにした。
店の客のほとんどは女性で、常連さん中心。元々、休みの日に祖母を手伝いに来ていたこともあり、顔見知りの客が多いのもよかった。多数の好奇の目に晒されることがなくなって、やっと落ち着いた。趣味の手芸を活かせるということもよかったのだろう。
とは言うものの35歳になった今、生涯1人きりで生きていくことにそこはかとない淋しさを感じている。
と、なかなか深刻な人物設定です。主人公がこうだと、普通は暗く重いストーリーになりがちだけれど、そこはさすが畑野智美さんです。展開を速くして重暗い空気を引きずらず、光と木綿子の人間性のよさをほのぼのと描くことで読者にひと息つけさせてくれています。例えばこの2人の会話がなんと言ってもいい。
いつも遠慮がちに、そして敬語で話す光ですが、家事の苦手な木綿子に代わってその一切を引き受けているだけあって家内に関することはきっちり言います。
年下で子犬のような可憐さを持つ光にフランクに話しかける木綿子。でも光が少しでもしょげた顔をすると、慌ててフォローしたりもします。(なんて微笑ましい!)
料理人の仕事を探していた光。学校で服飾を学んだ女性や手芸店で働いた経験のある女性を探していた木綿子。
本来ミスマッチとなるはずの2人の出会い。それが台風によってもたらされたという設定がとてもよかったです。
さて主な脇役陣です。
恋愛依存の女性が2人出てきます。光の母親の由里と、木綿子の親友の真依です。同じ「恋多き女」でも2人はまったく違います。
自分に言い寄ってくる男(結構いる)なら誰とでもくっつくのが由里です。
由里自体、知性もなければ人間的な奥行きもない。見てくれだけの薄っぺらな女です。そんな由里に言い寄る男にろくな人間がいるはずもなく、アパートに居着かれ、暴力を振るわれた挙げ句、捨てられる。そんなことを繰り返し、ついには光を置き去りにして男と夜逃げしてしまう。結局、出奔先でも男に捨てられ病死する。
という絵に描いたような色ボケで身勝手な因業女です。
一方、恋は好きですが相手をきちんと見極めるのが真依です。自分を決して安売りしない。
大手広告代理店でバリバリ働いているだけあって、頭の回転が速くなかなか気が強い。言いたいことははっきり言う。( 恋が長続きしないのはそのあたりに理由があるのではと推測します)
木綿子にとって、よき相談相手であり頼りになる友人でもある。
と、なんとも魅力的な女性です。
相手任せの恋に終始した由里と自分をしっかり持って恋に臨む真依。対照的な「恋多き女」が印象的でした。
次は、光と木綿子に関わってくる2人の男です。
光の小学生時代からの親友で恩人とも言える成瀬良一と、出版社に勤める編集者で木綿子についての記事や本を企画した日向です。
どちらも至極まっとうですが、そのまっとうさの使い方に違いがあります。
成瀬は、教室で1人になりがちで小柄なため虐められやすい光の面倒を、何くれとなく見てやるようになります。また姉とともに光の身の回りのことにも気を配り、両親に相談したうえで再々、光を家に呼び食事や入浴、団欒など心身のケアに努めていきます。( 両親がよくできたステキな人たちなんでしょうね )
また、光の祖父が光と同じアパートに越してきてからは、祖父にも気を遣って始終顔を見せに来たりもするのです。
と、子犬のような光を好きになった成瀬は、少年時代の光にとっては保護者のような存在でした。
日向は優秀な編集者で、木綿子の作る小物をSNSで知り、まず雑誌で作品を取り上げ、続いて作品と木綿子自身を紹介した本の刊行を主導します。( 手芸店のネット販売の注文が殺到したり来店客が増えたりしたので、まずまず売れたと思われます。)
ある日、日向は木綿子に恋人として付き合ってほしいと告げます。もちろん恋愛や男性に後ろ向きな木綿子は断り、日向との仕事は終わりにしたいと申し出たのだけれど、日向は木綿子との仕事を諦めませんでした。恋愛抜きでいいから(ホントかな?)と、木綿子に連絡を取り続けて来ます。
と、一見紳士的ながら日向は、恋愛対象や取材対象にはグイグイいく暑苦しい男でした。
成瀬も日向も気に入った対象にかける想いはまっすぐで、言うことも至極まっとうです。けれども、相手のために動く成瀬と自分のために動く日向。その「まっとう」の使い方の違いがおもしろかったです。
その他、女装趣味のイケメン偉丈夫エリートサラリーマンの司( イメージとしては『マカンマラン』のシャールさんです )も重要な役割を果たしています。そのかっこよさもお楽しみに。
家族を持ちたいという欲求のない光。
アロマンティックアセクシャルらしい木綿子。
でも光は木綿子と一緒にいることで安らぎを感じることに気づいたし、木綿子は光がそばにいることで孤独感を忘れ、心が満たされていることに気づきます。
そして互いにこれまで人に話せずにいたことを打ち明けあったあと、一緒に暮らしていこうと決めました。すごくいいシーンでした。
家族や夫婦の形態って、きっといろいろあっていい。その人たちにいちばん合うスタイルで一緒にいられれば、それで十分なんだということを改めて感じさせられた作品でした。
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ひかりが戻ってきてからの二人の会話が可愛くて愛おしくて、何度も読み返してしまう。
成瀬がひかりのことが好きなのはかわいいからと言い切るところの会話も好き。
ひかりが義務教育を終了して、母親は帰らなければいけないきっかけがなくなってしまったのかな。
Posted by ブクログ
たとえ恋人でなかったとしても、お互いが大切にしたい人である事は変わらない。こんな関係もあるんだなぁ。ヒカリ君と木綿子さんが今後どうなっていくのか楽しみ。成瀬くんの周りに合わせたりせずに、自分の意思をしっかり持ってる所、好きだな。これからもヒカリ君の側にいてほしい。
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一気見してしまった!
読み終わったらホッコリするような物語。
登場人物はみんな素敵な人でした。
みんなに好かれる必要はなくて、本当にそばにいたい人ややりたい事に時間を過ごせるようにしたい。関係性はなんでもよくて、自分が居心地が良い人を年齢を重ねても大切にしていきたいと思った。
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恋愛小説とはまた違ったものがたり。光くん側の気持ちと木綿子さん側の気持ちが交互に書かれてて、サクサク読めた。多様性の時代。どんな考え方を持ってても、どんな関係でも二人が良いって思えるならそれでいい。自分の考えや思いが普通じゃなくたって、分かってくれる大事な人が1人側にいるだけで心強い。司さん家族の関係性もすごく良かった。
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やわらかな手触りの物語。
二人の間に流れるやさしい空気が、相手への思いやりに満ちていて、とても心地よく感じられた。
それにしても、犬ころ男子は可愛いなあ。
周りの人達がそれを愛でてる図も、また微笑ましい。
無理に恋愛という枠に、当てはめなくたって良いんだ。
その人の涙を見るのが辛いこと、その人に笑っていて欲しいと思うこと。
何よりも誰よりも、大事に、大事にしたいと思うこと。
それはとても大きな、愛だと感じるから。
お互いのペースでゆっくりと、二人だけの関係性を築いていけたら良い。
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畑野智美さん大好き!
畑野智美さん作品はたまに読むと私の中の共感がすごい!そうそうそれでいいよね?って思いながら読める
主人公ひかりくんも木綿子ちゃんもそれでいいんだよって言いたくなる。
このモヤモヤすることの多いご時世に心が洗われる最高の作品
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30代女性の悩みも分かるってとこもある
生きづらさってところが共感した
ただ、この2人は本当に周りに恵まれている。
成瀬君は変だけど良い人。
ひかりくん良かったねって思ってほっこりした。
綺麗な感じで終わった
二日で読みました。
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いとや手芸用品店を営む木綿子35歳と従業員のひかり28歳。雇用主と従業員といえども独身の男女が同じ屋根の下に住んでいれば周りは2人の関係が気になるのでしょうね。
しかし木綿子は恋愛感情というものがわからず、一度も恋をした事がない。一方ひかりは子供の頃から母親が家に帰らず小さな頃からアパートの周りのお年寄りに面倒を見てもらい、普通の家族というものがわからない。
一緒に暮らしていくうちにお互いとても大事な存在である事に気付くけれど恋人にもなれない。ましてや結婚して家族になることも考えられない。でも恋人とか家族とか決まった関係でなくても良いじゃない。誰にも理解されなくても2人が良いならお互い大切な人という関係でずっと一緒に暮していくのはありだと思う。
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雨と風のため窓が割れ部屋にはいられなくなった。
ひかりに不幸が襲ってくる。
勤めている洋食屋の閉店と
住んでいるアパートの取り壊しが迫っている。
救ったのは『従業員募集!住み込み可!』の張り紙。
しかし、その店は「いとや手芸洋品店」だった。
祖母から引き継いだ手芸店でひとり暮らしの木綿子。
28歳の独身男性・ひかりを雇うことになる。
同居をする2人に周りは心配しつつ
次第に付き合っている男女と決めつける。
家族、恋人にもいろいろな形がある。
それは当然のこと。
木綿子の悩みも漠然としか伝わらないのだけど
きっと、彼女のように悩み苦しんでいる人は世の中にたくさんいるはず。
愛し方がわからない2人の周りには支えてくれる人がいる。
「大事な人を守る」
それがわかっていれば大丈夫で
いちばん大切なことのような気がする。
この本を読み「心が軽くなった」と思える人もいると思う。
Posted by ブクログ
生きることに辛さを感じている、男女2人の物語。
木綿子さんと光くんの恋仲でもない「パートナー」という関係性がとても素敵だった。
2人の何気ない会話にいちいちときめいてしまった。
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ひかりと木綿子の関係性がとても良かった
お互いがお互いを大切に想い、お互いの欠けているところを補いあう空気のような存在
夫婦の理想の最終形態のようだった(笑)
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人が人を想う気持ちや、人と人との関係性は色々あって、恋人とか家族とか、ひとくくりにはできない。
自分が自分のままでいたら、周りには自分を理解してくれて大事にしてくれる人が集まってくる。
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色んな形の家族がある。
多様性の時代と言われて
頭では理解できていても
見えてるものだけが全てじゃない。
身近な知り合いや友人、
もしくは自分の家族が
自分らしく居られる場所を見つけた時
そっと寄り添えるような
そんな人でありたい。
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台風の夜に住む場所を失くした、無職の28歳独身男・ひかりは、嵐の中で雨宿りに入った軒先で住み込み従業員募集の張り紙を見つけ、飲食店の募集だと思い面接に行く。だが、その店は手芸用品店でだった。店主の木綿子さんの厚意で住み込みで働くこととなったひかり。
独身の年頃の男女が一つ屋根の下で暮らせばそこに恋愛関係を想像するが、恋愛迷子の二人にはその気はなく。
木綿子さんの友人で失恋のたびに手芸店にやってくるまいちゃんの言葉に考えさせられた。「恋愛って年齢で変わるよね。中高生の頃は憧れに近いものでかっこいい先輩とかに恋をして、大学生の頃は野性的でセックスのことしか考えてなかった。大人になると自分にあった人、生活の安定、出産のことを考えて恋愛する。単純の好きじゃなくなるんだよね。」(ニュアンス)
「ただ好き」だけでよかった恋がいつからかいろんな制約の中で展開していく。大人になったらあらゆる責任が付きまとうから当たり前だと思いつつ、なんだかむなしいなと感じてしまう。
Posted by ブクログ
もっとこの二人の未来が知りたい。「かもしれない」が多くて将来に対する二人の決断が書かれていないので、二人が離れてしまう未来もあるのかもな…と思って本を閉じました。もう少し感動したかった。
Posted by ブクログ
先が気になって、適度な緊張感を伴うワクワクで読み終えました。
同じ畑野作品で言うと「消えない月」のように、今後何度も思い出す、という本ではないけれど、静かであたたかい感じを楽しみました。
ひかり君の辛いことの多い過去の描き方が、いかにもな書き方ではないところがいい。読んでいて胸が苦しくなるけれど。
わたしにはない経験で、木綿子さんにもひかり君にもとても共感!とはいかないけれど、むしろ「そんなん話してみなけりゃわからないよー!」と何度も思ったけれど(デリカシーないわ笑)、ひかり君へのじいちゃんや司さんの言葉がとても響いたな。
じいちゃんや成瀬君、今、大人として、成瀬君のお母さんのような人になりたい。簡単なようで簡単じゃない。
共感できなくても、そういうこともあるのねと思える人でいたいな。
二人とも、まわりに恵まれる人なのよね、それってなによりの財産だ。
ひかり君のように、「名前に合わせて僕が変わることはない、なんて呼ばれても僕は僕」とは思えないわたしは、ある意味いろいろ縛られているのかなー、自分自身が縛っているのかな。旧姓含め苗字を大事に思うのは、しあわせだからとも思うけれど。
Posted by ブクログ
35まで恋人のいない独り身の女が〜
不器用な大人たちが〜
みたいなあらすじに惹かれて読んだ。
ウルトラ美人やないかい!
ふざけんな!(笑)
脳内キャストは中谷美紀(35)である。
ちなみに光は川岡大次郎である。
いやさ、アロマンティックなのはわかったけどさ、その美女っぷりで「単なる同居人」に下着まで洗わせて平気のへの字でその気ありませんってどうなん。
相手を軽視してねえか。
いやわかるよ?
そういう一元的な見方をするなってテーマなのはわかるけどさ。
「あんたらは下着洗濯まで分けんと、それで付き合ってないと言っても、そらいけませんよ!とーりませんっ!」
って私の中の西宮のおばさんが火を噴いた。