あらすじ
Iターンプロジェクト担当公務員が直面するのは、
過疎地のリアルと、風変わりな「謎」――。
無人になって6年が過ぎた山間の集落・簑石を
再生させるプロジェクトが、市長の肝いりで始動した。
市役所の「甦り課」で移住者たちの支援を担当することになった万願寺だが、
課長の西野も新人の観山もやる気なし。
しかも、公募で集まってきた定住希望者たちは、
次々とトラブルに見舞われ、
一人また一人と簑石を去って行き……。
直木賞作家・米澤穂信がおくる極上のミステリ悲喜劇。
解説・篠田節子
※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
"仕事を頑張る"とはどういうことか自分の人生で芯になっている本。
BtoCの仕事では会社の利益と顧客の利益とで相反することがある。
社会に出たばかりの人々は自己の利益と目の前の人に奉仕したい気持ちに悩みながらも、営利目的である企業での立ち振る舞いを学んでいく。
しかし、本作の主人公は公務員である。
出世志向が強いと直属の上司に評価されていたにもかかわらず、顧客(市民)に寄り添い実直に仕事をする姿は尊いものであった。
簑石村の結末はああなってしまったとはいえ、蘇り課でともに働いた2人は評価してくれたことは救いではないだろうか。
全ては無駄な努力だとしても。
Posted by ブクログ
人が住まなくなった集落・蓑石を舞台にIターンでやってきた移住者に起きるトラブルを市の職員・万願寺が解決していく物語。
これぞ米澤作品というべき、濃厚なミステリーでした。
移住者たちに降りかかるトラブルに対応する万願寺だが、その甲斐もなく蓑石から離れて行ってしまう。その徒労が不憫で偶然と思いきや実は...。という展開に驚かされました。限りある財源を正しい方向へ...という正義とそのために移住者をわざと追い出すという冷酷な行動。事業を正すためとはいえ何も知らない移住者を追い出し、それを止めようとした万願寺の努力を無に帰すようなことをしたのはいただけないかなと思いました。万願寺はもう働かずに辞めるんだろうなと、この真実を告発する人もいなくなるだろうし、本当の意味で"そして誰もいなくなった"んだろうなと思いました。重厚で苦くて最高に面白いミステリーでした。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
万願寺邦和:石川界人
観山遊香:富田美憂
西野秀嗣:三宅健太
久野吉種:福山潤
安久津淳吉:古川慎
牧野慎哉:中村悠一
久保寺治:大塚明夫
立石秋江:茅野愛衣
立石速人:藤原夏海
滝山正治:阪口大助
河崎由美子:日笠陽子
河崎一典:武内駿輔
上谷景都:杉田智和
長塚昭夫:山路和弘
若田一郎:石田彰
若田公子:佐藤聡美
飯子又蔵:大塚芳忠
山倉:三木眞一郎
大野:玄田哲章
Posted by ブクログ
最近になってすっかりハマってしまった米澤穂信のノンシリーズ作品の一つが、本作『Iの悲劇』だ。往年の本格もののような雰囲気を匂わせるタイトルだが、このタイトルの”I”は「Iターン」のIである。過疎に悩む地方が、都会に住んでいる人間を呼び寄せる取り組みを行う……という、地方活性化施策の一つだ。
本作は、限界集落となってしまい現在は無人となっている山間地域である蓑石への移住希望を推進する、「南はさま市Iターン支援推進プロジェクト」を舞台に、主人公たちの悲喜こもごもを描く短編集だ。このプロジェクトを推進するのは、通称「甦り課」に所属する主人公・万願寺と、彼の同僚・観山(かんざん)、そして上司の西野である。市役所内での出世を狙う万願寺にとっては、花形部署ではないこのプロジェクトへの異動は望んだものではなかったらしい。ただ、実直かつ優秀な役人である彼は、たとえ望んだ部署でなくても、あるいは上司が常に時間ぴったりに帰るような人間であったとしても、日々の業務に真面目に取り組むのだった。
その彼が所属する、Iターンを推進する部署である「甦り課」の仕事というのは、一言で言ってしまえば、無人となってしまった蓑石に人を呼ぶことである。もちろん、すでに「誰もいない場所」である蓑石に、黙っていても人が来るわけではない。そこで彼らは、人を呼ぶための予算をつけ、広報を行い、人が住むためのさまざまな手配を行い、問題が起きたら権限も予算もない中でもなんとか解決するのが仕事である。
ただし、便利な都会から、何もない——人がいないのだから文字通り何もない——村に来る人間は、何かしらの訳ありであり、「甦り課」の人間は個性的な住民たちのトラブル対応に振り回されることになる。本作は、そういった村人が引き起こす“日常のトラブルとその背景にある謎“を、万願寺たちが解き明かしていくという作品だ。
この“日常の謎“を探偵役が解いていく中編をまとめて一冊の本にするというのは、米澤穂信の最も得意とする形であり、本作もさすがの安定感で、スルスルと読み進めていくことができる。人がいない廃村に移住してきた住民たちの軋轢……というテーマであれば、大量殺人が起こったり、村人たちの諍いがどうしようもないところまでいってしまうという方向性もあり得ただろうが、米澤穂信の作品らしく、そもそも殺人すら起きないので、心臓の弱い方も安心して読むことができる。
ただし、本作の場合は、そういったおとなしい作品だと思っていると、最後になって文字通り「あっ」と言わされるようなどんでん返しが待っている。いわゆる安楽椅子探偵的な西野が出ている段階で、ある程度は全編を通して読むと驚くような展開があることに気がついた読者もいたかもしれないが、方向性を予想していた自分でも、最後の切れ味には「あっ」と驚かされた。
また、本作の場合は、そのどんでん返しの裏にある黒幕(真犯人ではないので、「黒幕」という表現が一番ふさわしい)の思いがとても切ないものであり、まさに『Iの悲劇』というタイトルがふさわしいと思わせるものとなっている。最後の章のタイトルが『Iの喜劇』となっているのは、もちろん著者の策略であり、悲劇と喜劇は紙一重、あるいは裏表とは思わずにはいられない。
それにしても、『王とサーカス』も含まれるベルーフシリーズといい、本作といい、米澤穂信はミステリとして内省的かつ切れ味の良い作品を出すだけではなく、社会的なメッセージも持った作品を出し続けていることに驚かされる。ミステリ三冠を3度取るのも頷ける、テクニカルかつ重いミステリーの良作だった。
Posted by ブクログ
一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。またミステリーの体をとっているが、本当にこういうトラブル。行政の実態や、過疎化問題が自然にも起きそうだなと思った。移住者の心理面、行動をうまく引き出した話しだった。
そして最後が強烈な終わり方でした。
米澤穂信さんの5冊目ですが、今までのベスト1です(他の作品もどれも良いです)。
Posted by ブクログ
初めて読んだ『満願』にピンと来て米澤穂信さんをコツコツ読み進めて5冊目。途中、『米澤屋書店』では、冒頭から著者の読書歴がわたし好みど真ん中だったことを発見!作品を好きな理由にも納得がいったところで、本作の登場人物の名前や立ち居振る舞いにくすりとさせられ、物語の展開にどきどきひやひや。「甦り課」万願寺さんの健闘を祈る!
Posted by ブクログ
一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。またミステリーの体をとっているが、本当にこういうトラブル。行政の実態や、過疎化問題が自然にも起きそうだなと思った。移住者の心理面、行動をうまく引き出した話しだった。
そして最後が強烈な終わり方でした。
リアルな重み
登場人物、ストーリー展開の中に見える、地方でのリアルな問題が印象的。地方に暮らす者の1人として、重みを感じるところだった。また、公務員のやりがいってなんだろう・・・。そんなことも考えさせられた。
私的にヒット作品!
なかなか面白かった!
「蘇り課」の3人のキャラが個性あってとても良かったな。
そして、そのうちの2人が只者じゃなかったこと…。
そして移住者たちもこれまた個性的(笑)
サクサク読めて私的には久々ヒットです!
公務員…
お役所仕事にもルールがあってなかなか大変なんだなと感じた。
確かに住民に苦情は受けても褒めてもらえることはないもんね。。
Posted by ブクログ
一度無人になった集落を蘇らせるべく、移住促進のプロジェクトのお話
以下、公式のあらすじ
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一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。
山あいの小さな集落、簑石。
六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、
Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。
業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。
人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。
出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。
とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。
彼らが向き合うことになったのは、
一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-?。
徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!
そして静かに待ち受ける「衝撃」。
『満願』『王とサーカス』で
史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した
最注目の著者による、ミステリ悲喜劇!
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最終的に誰もいなくなる結末は約束されているように思われる
途中から、思惑が推測できる
序盤にも切れ者っぽい行動をしていたので、そのあたりから疑ってはいた
最初は、閑職に回されたので部署そのものを潰して舞い戻るためかと思ってたけど
中盤あたりから、もしかしてもっと上からの指示?という疑問も湧き
種明かしのあたりでは、だよねーという納得感があった
ただ、「やっぱりお前もか」という意外性もあったし
あと、不発だったものも含めて色々と仕込みまでしていたという、えげつなさには恐れ入る
マッチポンプのお手本のようだ……
昔、社会科の授業でUターン、Jターン、Iターンという言葉を習ったけど
「Iはターンしてなくね?」と思った事がある
この物語での意図もそうだけど、元々都会に住んでた人が幻想を抱いて田舎に来ても、定着するのは難しいと思う
田舎の程度にもよるけど、元から限界集落のような集落なんかはまず無理だよなぁ
そもそも、既に無人になった村に人を呼ぶプロジェクトをする地方自治体なんてありえないんですよねー
市もありえないけど、移住してくる人たちもその辺に疑問は抱かなかったのだろうか?
登場人物達の行動に疑問が残る
ただ、そんな浅はかな人たちだからこそあんな行動をするのだろうという納得感もある
Posted by ブクログ
地方創生を題材にした連続短編集。タイトルは海外の某名作を彷彿させるが内容に関連性はない。1つひとつの短編自体はまずまず面白いかな、という程度であるが最終章でどんでん返しが来る。
Posted by ブクログ
同業者として共感と同情で読んだ。
不穏な雰囲気で集落の人離れが始まり、
集まった移住者たちも、一人一人事件が起こり、一人一人離れていく。
主人公は一生懸命なのに、報われなさすぎて泣けちゃう。
対照的に後輩ちゃんが、進むにつれて頭の良さがあるのにわざとかってくらいアンバランスな発言してくるので、ちょっと不思議に思ってた。
そしたら最後のあの展開。
課長がそういう目的なのは話が進むにつれ薄々わかっていたけども。
自治体運営は難しい。ない袖は振れない。
雪深い僻地ではライフラインの他にも除雪がないと命にかかわる。
予算をどこに割り振るか、それが肝なのも良くわかる。
だけども。弟との会話からの主人公の考えは、それが全てではない。
住人は数字じゃない。生きているから。目の前にいたら、なんとかしてあげたいと思うのが人間だと思う。そしてそれは、公務員として大事な価値観だと思う。
人は感傷で生きる。主人公に同意する。
Posted by ブクログ
2025/4/5
Iの悲劇のIってなんだろう?と考えていたけど、IターンのIだったのか!
四年前に一度読んで途中で挫折し、今回やっと最後まで読めた。
途中中弛みした感じがあったため、ラストの展開は良かった。
人の暮らしにはお金がかかるよね。
正論だけじゃ人間は生きていけないんだよね。
Posted by ブクログ
甦り課という名前から、人が甦る系の話かと思って読み始めたら、全然違いました!ひとつずつの話がコンパクトにまとまっていて読みやすい本です。サスペンス要素も、ちゃんとありつつ、現実感もありつつ。
サスペンス系には珍しい市役所が主役ということもあって、なんとなく印象に残る本になったように感じます。
Posted by ブクログ
最後どういう結末に落ち着くんだろうって思いながら読んでた。
市職員で働いたことがなくてもするする読める文章で、転出していく理由も様々で面白かった。
Posted by ブクログ
面白かった。連作短編で読みやすい。
一つ一つの話も面白いし、結びもなんとなく想像はしていたけど想像を超えてくるものだったし、伏線(布石)が綺麗に回収され面白かった。
ハッピーエンドじゃない、このなんとも言えない読後感が良かった。
Posted by ブクログ
無人と化した田舎の集落を復活させるため市の職員が奮闘する物語。
田舎暮らしに憧れて集まった人たちをサポートするが不思議な事件が続くという物語構成が今まで読んだことのない設定で斬新でした。
連作短編で、ひとつひとつの事件が面白くて引き込まれます。
どういう結末が待っているのかワクワクして読み進めましたが予想をはるかに超える展開に衝撃を受けました。
そういうことか、と納得させられる作品です。
最後の展開はスピード感があるので、気持ちが追い付かない雰囲気にはなりますが違和感なく読めたので満足しています。
Posted by ブクログ
黒幕2人どっも怪しいと少しわかる作りになっていた。問題提起はすごく考えさせられる内容だけど、この悲劇を起こした動機が微妙だなと思ってしまった。プロローグが良かったので、そこにまつわる、昔の住民の感情とかが絡んでいるのかと思っていた。
Posted by ブクログ
この内容でこの結末…すっかりやられた感じです。読んでいて最終的に住民がいなくなるんだろうなとは予想できていたけど笑。
『Iの悲劇』のIとはIターンの事。甦り課という部署の万願寺は蓑石の復活に奔走する。旧住民はいなくなり、プロジェクトにより移住民を募り、徐々に住民は増えていくのだが癖のある住民やトラブルばかり。
仕事ぶり、頭を悩ます予算の問題などがとてもリアルで、そこに加えて心理描写・会話が巧みで存在している人物に思える。何気ない、無駄とも思える描写が立体感のある人物を作り出して表現も柔らかくて心地良い。
各章が短編として発表されていたもので、発表の時期もそれぞれが結構間隔が空いているのにまとまりがあるのがすごいと思う。
万願寺、2年目の新人・観山、課長の西野の3人がプロジェクトを成功させていくと思いきや…まさかまさか。
米澤穂信さん、違う作品もぜひ読んでみたいです。
Posted by ブクログ
無人となった簑石地区に新たな移住者を募り再生を図るというIターン支援推進プロジェクト。支援をするのは市役所の「甦り課」の三人。
やる気の見えない西野課長。学生気分が抜けない観山。そして、中心として動く万願寺。
プロジェクトは成功するのか?
定住希望者達は、それぞれがなかなかにクセがあり、万願寺たちがあれやこれやと振りまわされる姿に、人を相手にする役所の仕事の大変さを感じるのですが、「甦り課」も、真摯に問題に向き合うのですが、どうしようもなくて、とりあえずその場しのぎでなんとか乗り切ろうする姿もお役所仕事の滑稽さを感じて面白かった。
トラブルを解決していくという謎解きはわかりやすく楽しかった。ただトラブルを解決するほどに定住希望者は去っていく。上手くいかないもんだなぁと思っていたが。最後の最後に、、、。あぁ、これは悲劇か喜劇か。
Posted by ブクログ
怖いのは結局 聴了。山間の集落・簑石に集い始めた移住希望者の間に起こる小さな謎たち。村人たちの人間関係は興味深く「蘇り課」の主人公の葛藤も心に響いた。面白くて止まらなかった。イライラの違和感が最後につながってなるほどと嘆息。人間って…なんとも言えない余韻。
Posted by ブクログ
万願寺が報われないなあと思った。白い仏の観山は確かに相当怪しくて、絶対観山がなんか仕掛けたんだろうと思ってた。同じ公務員としてやりきれない気持ち!後味あんまりよくない。
Posted by ブクログ
寂れた村に移住者を集めて再生を目指すも1つまた1つとトラブルが起きて…という連作短編集
基本的には伏線が散りばめられたミステリでラストへの持っていき方などさすがに巧い
Posted by ブクログ
地方創生やIターンをテーマにしているのだけれど。様々な事情を抱えた人たちが新天地?を求めてやってくるが様々な問題が起こり、一つ一つがちょっとしたミステリーとなっている。
主人公の甦り課の万願寺が公務員として移住者のお世話係りをしていくが奮闘するも・・・
限界をすでに超えた集落のリアルなのか、やるせない感じに終わるミステリー。
頑張れ万願寺と応援したくなる読後でした。
Posted by ブクログ
過疎化した町にIターンで人を呼び込もうとする役所の職員を語り手に、引っ越してきた人達にまつわるミステリーが展開。池井戸さんの『ハヤブサ消防団』を思い出させる世界観でした。イヤミスみもあり、最後はこう着地したか、と。サクッと読めて面白い一冊でした。
Posted by ブクログ
ラストまで読んで初めて悲劇の意味がわかる。
それまでは身近な揉め事を解決する話なのでミステリー要素はあまりない。
登場人物の会話は全て論理的でよく考えられている。
政治家という人種をよく表現していると思った。
Posted by ブクログ
課長は早く帰ることに情熱を燃やし、仕事を部下に丸投げするタイプ。昼行燈を思わせるが実は切れ者。私的には、この小説のたまらなく魅力的なところでした。
山間集落の蓑石で起こる事件は恐ろしい事件ではないが、加害者に蓑石から出て行ってもらう事で事件が解決していく。これが課長の目的だったとはさすが切れ者でした。
美しい無人集落の救済とは何なのか?自治体のリソースは有限であり、日本全国には同様の限界集落が多数あると思います。回答が見えないところにこの問題の深さを感じます。
Posted by ブクログ
「甦り課」という部署名を見るだけで、なんかギョッ。住民が1人もいなくなった村に「甦り課」。
そうなると死者を甦らせるお話?っと思っちゃったぁ(笑)
思ったお話とは全然別の、でもリアルな地域住民トラブルの怖いお話の数々。現実にありそうなトラブルの内容は怖かった。
「私たちがあの里に住むことをよく思わない何かの力が働いていたようですね。」という言葉に、あーそんなこともあるかもしれない、解明できない何かの力ってものが存在するのかも、ちょっとオカルト的な?
っと思ったのもつかの間、え?そういうことだったの??あらまぁー。こんなに頑張った主人公可哀想過ぎる泣
Posted by ブクログ
米澤穂信さん作品は『黒牢城』に続き2作目。
『黒牢城』とは違う世界観で、移住って大変だな位のさっぱりした気分で、軽めのミステリとして読み進めました。
最後にひっくり返りが待ってるとは思ってませんでした。たしかに、言われてみると2人のキャラ設定の割に問題解決力高かったですね。
ある意味予想外の展開でおもしろかったです。