登山をする者にとって遭難は、だれにでもどこででもいつでも起こりえると言えます。
作者は普段は看護師として、医療に従事されていますが、山岳行方不明遭難者捜索活動および行方不明者家族のサポートを行う民間の山岳遭難捜索チーム、LiSSの代表です。
普通、遭難の一報が入ると警察、消防などによる捜索が開始され
...続きを読むますが、大体一週間ほど捜索をして見つからない場合、公的な捜索はひとまず打ち切りになるようです。
しかし残された家族は何としても見つけてあげたい、帰ってきて欲しいのです。
そこで中村さんの団体に声がかかります。
中村さんはまず、家族との面談を行います。
本人について、事細かに聞き取りをし、その人の性格、行動パターンなどを割り出します。
そのうえで、地形図を読み込み、実際現場に足を運び、遭難者の行動を想像したり、起こりうるすべてについて検証します。
こうして中村さんは何人もの遭難者を発見してきました。長い人は何年も経過したり、残念ながら生存の確率は低いですが、家族の元に戻るということで、ご家族の気持ちにも区切りがつくでしょうし、納得できるのだと思います。
本書を読んで改めて心したこと。
山岳保険はぜったい加入するべき、最近は電子機器の発達により、自分の居場所がわかるというのもありますが、
捜索には本当にお金がかかるということです。
そしてもう一つ心掛けていることは、青色の物を身に着けるということ、青色は自然界には存在しないので、山の中で目立ちやすく、もしもの時見つけてもらいやすいと聞きました。
そして山道具はとても丈夫なので、結構年数がたっても風化しないということです、上着の切れ端が枝に引っかかっていて、本人にたどり着いたということもあるそうです。
でもまずは、遭難しないことに日々注意を払うことです。