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Posted by ブクログ
以前から気になっていた作品で、今回ようやく読むことができた。映画版はまだ未見。
読み始めた当初、正直に言えば主人公には少しイラッとしていた。あまりにも後ろ向きで、人との距離を置こうとする姿勢に、「もっと素直になれないのか」と思いながらページをめくっていた。
しかし読み進めるうちに、その感情の正体は、主人公への嫌悪ではなく「同族嫌悪」だったのではないかと思うようになった。
私は創作物において、いわゆる「リア充」の恋愛模様を見せられるのがあまり得意ではない。学生同士の青春恋愛ともなればなおさらで、見ているだけで心が痛くなることもある。
ところが、本作はそういう作品ではなかった。
主人公は友達がほとんどおらず、本ばかり読んでいる孤独な高校生だ。学生時代、学校で誰とも一言も話さずに帰宅する日の方が圧倒的に多かった自分と、どこか重なって見えた。だからこそ強く感情移入できたし、一方で、そんな主人公がヒロインから特別な存在として見られていく姿には、羨ましさや嫉妬のような感情も覚えた。
途中、主人公がヒロインと一緒にいるだけで「ストーカー」と陰口を叩かれる場面がある。
さすがに、それだけでそんなレッテルを貼るのは極端ではないかとも思った。しかし、「あいつはそういう奴だ」と根拠もなく周囲から決めつけられてしまう空気感には、不思議なほど現実味があった。コミュニケーションが得意ではなかった学生時代を思い返すと、「こういう理不尽さは確かにある」と感じられた。
一方で、ヒロインの親友が主人公に強い怒りを向ける理由については、最後まで完全には理解できなかった。それでも、人の感情というものは必ずしも論理だけでは説明できないし、高校生という年代なら、なおさら複雑なのかもしれないと思う。(もちろん、主人公に暴力を振るった元彼については擁護の余地はないが。)
印象に残ったのは、ヒロインの「これは偶然でも運命でもない。すべては選択の結果」という趣旨の言葉だった。
自己啓発などでも耳にする考え方ではあるが、死を目前にした彼女の口から語られることで、単なる前向きな格言ではなく、一つの人生観として胸に響いた。限られた時間を生きるからこそ、一日一日の選択を大切にする。その言葉には、不思議な説得力があった。
読み終えた今、この作品は単なる「泣ける恋愛小説」ではないと感じている。
人との関わり方、生き方、そして誰かと出会うことの意味を描いた青春小説だった。そして、自分自身の過去や価値観まで振り返らせてくれる作品でもあった。
結末は切ない。それでも読後には不思議と温かさが残り、前向きな気持ちになれる。多くの人に長く愛されている理由がよく分かる一冊だった。
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