あらすじ
人は「推し」に夢中になると昼夜を忘れ、やがて「沼」にハマってしまう。その鍵を握るのが「脳内快楽物質」ドーパミンだ。恋愛、セックス、買物、ゲーム、SNS、酒、ギャンブル、薬物……快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中で、現代人が陥る依存の対象は数限りなくある。スタンフォード大学医学部教授で、かつて自身も依存症を経験した第一人者が教える脱出法と、心豊かに生きるための防衛術。
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Posted by ブクログ
人間の快楽とはなんなのか。そして資本主義が今後デフォルトだとしたら、身の回りの物とどう付き合っていくかみたいな本でした。
今後の人間社会が個人主義にどんどん寄っていくことを考えるととても万人に勧められる内容だと感じました。
でも読んでいて面白いという感覚は最初はしないかも。
この本に書いてあるDOPDMINは一人では無く精神科医とか、他の誰かが私に訊かないと難しいのではないかなぁ。というのが少し引っ掛かりのポイントです。
Posted by ブクログ
アメリカの事例だからちょっと馴染みないことも多いけど、色々な症例の人たちの過程を読んでいく中でドーパミン中毒になってしまった人の気持ちが少し分かったし、どう治していったかもその人の気持ちになって読めた気がする。
この本をディズニーシーで読んでいたから、
「絶叫系怖くて心臓バクバクするのに乗った後なんか快感になるのは、苦痛の後の快楽って感じ?」って思って敢えて絶叫系に乗った
Posted by ブクログ
現代はモノに溢れている。私はこれまで快楽を得るため、買い物、デジタルドラッグ(Twitter、YouTube、電子漫画)、本、FX、お菓子、食べ物、ファッション、メイク、サウナ、スーパー銭湯、ゲーム、音楽、水泳、恋愛、勉強などに頼ってきた。これらは、現実から逃避できる手段であり、自分自身から気を逸らすためにやっていたことに気が付いた。私は、要領が悪く、体力がないため、他の人のように時間を有効に使えないことにコンプレックスをもっている。そのため、常に音楽を聴いたり本を読んだりと何か生産的なことをしていないと落ち着かないことがある。その反面、1人のときは相変わらずスマホをだらだら見て無駄な時間を過ごすことも多い。ドーパミンが過剰に分泌されると、日々の些細なことに喜びを感じられなくなってしまうそうだ。習慣的にお菓子を食べていたときは、一つ食べるともっと欲しくなっちゃって満足感や満腹感を得ることがなく、底抜けの渇望を感じた。先日、仲間とフェローで食べたかき氷が美味しかった。以前かき氷を食べた時は、その後さらにお菓子が食べたくなったけど、今回はかき氷だけで満足した。足るを知るということができたのかなと嬉しく思った。
私は遅延報酬割引がとても大きいが、周囲の人が約束を守ってくれると、この世は秩序が保たれていて安全な場所だと思えて、遅延報酬割引が小さくなるそうだ。今はもう大人になった私にとっては世界との関わり方の問題だと思う。周りの人に慈悲の心をもつことができれば、自然と周りの人にも大切にされてこの世は安全な場所だと思えるようになるだろう。一方で、子どもたちに対する大人の責任は大きい。仕事でもプライベートでも、子どもたちと約束をしたら必ず責任をもつようにしたい。
正直さが人との親密な関係をつくり、それがドーパミンを放出させるそうだ。特に、自分の過ちを素直に認め、それが相手に受け入れられたとき、ドーパミンが大量に分泌される。これからは、いつも嘘偽りのない等身大の自分で人と関わり、多くの人と親密さを築いて生きていきたい。これから人と関わっていく中で、トライ&エラーで伝え方や断り方も学んでいきたい。これまで人に譲歩してもらう状況を避け、人と関わらないで生きてきた。だから、「疲れたから少し休みたい」とか「私は行きたくない」などと人に自分の意思を伝えることに慣れていない。相手を傷つけない配慮のある言い方を身につけていきたい。また、その時に最大限配慮のある言い方をすれば、あとは相手がどう受け取るかは相手の問題と割り切って手放せるようにしたい。
Posted by ブクログ
実際の患者の事例を交えながらいかに依存症を予防するか、抜け出すかについて書かれている。読んでいると、フォーマットが一定していないというか、なんかバラバラな感じがするが、重要なことは一番最後にまとめられていたのでまあヨシ。
依存症治療法としてセルフバインディングや薬、苦痛側に力をかけるなど、わりとハウツー的なことを挙げながらも最終的に語られたものは徹底的な正直さと恥を受け入れる、また受け入れてもらうと言った精神論であり若干予想外であった。しかし、依存症が脳で起こっている以上、精神論に帰結するのは確かに妥当なのかも。
マシュマロの実験でマシュマロを撫で始める子どもは面白いと思った。マシュマロを欲しいものから大切なものへと認識を転換することで自分を縛るという、愛着という感情を利用して遅延報酬を得るなんとも賢い子どもである。もしかすると、人類が牧畜や農耕を成功させた背景にもこの認識の転換、愛着が絡んでいるのではと思った。
Posted by ブクログ
面白かった。色々なケースのストーリーが各章に分断されて記載されているので最初は戸惑ったが慣れると理解がしやすい構成になっている。
症例があまり私の身近にあるような依存症ではなかったものの、依存するモノが異なるだけで、スマホやネット中毒などとも共通したところが大いにあると思う。
おそらく違いは、他者、日常生活、健康への悪影響の大きさが、本書で紹介されているようなケースだと段違いに大きいという点だろう。
スマホやネット中毒だなと思う瞬間もあれど、まぁ大半の人は仕事や家庭に、あまりにも大きな障害が起こらないのではないかな。と、いうか、問題だと自己認識したり、周囲から「おかしい」と言われないため、自覚が薄かったりするのではないかな。
本書の作者は医者だから、彼女の元を訪れる人は皆、「病的なまでに」依存症になっている人たちだ。彼女は患者が来院するきっかけの部分には関わっていないから、私たち一般人にとってはそれほど身近に感じられない例が多く上がっているのかもしれない。
しかし、幸運なことに、「私はここまでではない」と思うのであれば、まだ依存症の程度は低いのだから、本書にあるDOPAMINEという手順を自分なりに使って、自身の「依存しすぎている」と思う行為を是正できるのではないか。
私は作者と似て、読書やネットサーフィン、仕事などで夜更かしして体調を崩すことも多く、それが仕事のストレスが増えた時にこそ生じるので、改めて自分を顧みるべきだと思った。
D→Data, データ。事実の収集。
O→Objective, 目的。それがどう自分の役に立つのか。
P→Problem, 問題。それによって、どのような悪いことが起こったか。
A→Abstinence, 何かを断つこと、節制。依存しているものを断つ。小さな報酬から喜びを得る能力が回復する。
M→Minefulness, マインドフルネス。ポジティブな感情、ネガティブな感情をそのまま観察する。判断をしない。
I→Insight, 洞察。自分の行動の原因が明らかになる。
N→Next steps, 次の段階。これから先、依存していたものとどう付き合うのか決める。
E→Experiment, 実験。どうしたら、その付き合い方を達成できるのか実験を繰り返す。
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これ系の本によくある通り名前を挙げながら著者の患者たちのストーリーが多く語られる。著者自身も経験がある点は意外。
序盤、性的な依存に苦しむ男性患者のストーリーなどはやや露骨な表現もあり電車の中で読むのに少しためらった。
依存の先を経験した患者の惨状の具体例を知るという点のみならず、依存の脱却のステップ等もあり、(今現在何かにひどく依存しているわけではないが)参考になる。
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アメリカの依存症医学の第一人者である筆者が、依存症のメカニズム、すなわち脳内物質のドーパミンが起こす快楽と苦痛の関係性を記した1冊。
特に快楽と苦痛を感じる脳内の部位は同じでありまさにシーソーの関係性である、という点は現代の容易に快楽にアクセス出来る環境では自戒の念を込めて常に意識しておくべきことだろう。
逆に苦痛をすべて取り除くことはせずにうまく苦痛を活用すること、正直に生きることの2点は大きな学びとなった。
本書では精神科医として臨床で出会った依存症患者が依存症に対する自責の念や前向きなマインドセット、治療法などがストーリーとして書いてあり、感情的に理解しやすい。
脳の仕組みを理解して、メタ的な視点を手に入れることでもう少し生きやすくなると思っているので、ぜひ多くの人に読んでほしいと感じた。
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自分を不完全な人間であることをみとめて正直に嘘をつかずにいること 自分の人生や世界から逃げずにちゃんと正面から向き合うこと そうすれば人生は生きやすくなる
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これを読んでいる中で、自分がスマホから離れる時に不安を感じていることに気付かされた。これも依存症であり、日常の小さな幸せに気づけなくなっているのならば治したい。
苦痛と快楽のシーソーのシステムでは、苦痛を受けることで快楽を得ることができるという話が印象的でだった。
Posted by ブクログ
先月、スマホ(SNS)使用を減らす試みをした。結果、読書に耽るようになっただけだった。人は何かに依存せずには生きられないのだろうか。本書には、水風呂依存症ともいえるケースが出てくる。これって「サウナで整う」のサウナなしだ! 水風呂だけでハイになれるんだ。サウナは必要なかったんだ。私、サウナで整ってみたいと思っていたが(コカインレベルの快感と聞いたので)、水風呂が無理すぎてできなかった。でもやってみたい、水風呂でハイになってみたい。そんなことを感じた一冊。
最初の症例ジェイコブのエピソードはかなりえぐい(マスターベーション依存症)。
私には公にしていない依存症がある(違法なものではない)。これを正直に話す場があったり、打ち明ける相手がいたら私は救われるのだろうか?
何らかの依存症にならずに生きていくことは難しい。
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これも知人の紹介で読みました。前回は主にポルノ中毒の話でしたが、今回は、ポルノだけでなく、アルコール、覚醒剤依存などの話も出てきました。主人公のカウンセラーが、あらゆる問題を抱えている患者に対して、話を聞き、アドバイスをしていきます。依存症が改善されていく様子が事細かく書かれていて、読んでて飽きない内容でした。
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「快感と不快感はシーソーのよう」という例えが腹落ちした。もっともっとと快を求めることで、いつのまにか中毒となり、逆に身体や精神を蝕んでいる。いくつもある、しかも長年にわたってどうしてもやめることができない自分の悪癖。やめたほうがよいのはわかっていても、いつも一時の快楽を優先してしまう。シーソーのバランスをとりながら自分をメタ認知しながら生活するのが良さそう。
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世界全体の死亡原因の7割は喫煙や運動不足、食事といった修正の利く危険因子で説明可能
▷死亡リスクトップ
高血圧13%
喫煙9%
高血糖6%
運動不足6%
肥満5%
〇正直さと親密な人間関係
真実を語ることは人と人を、近づける。
自分の弱さを晒す意思がある時には特にである。
相手の不完全さの中に、人は自分の弱さや人間らしさを見る。自分が抱いている疑い、恐怖、弱さが自分だけのものではないことを知って安心する。
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非常に興味深い内容だった。私も最後の恥の部分、どれだけ正直になるかの部分が、自身の経験や感覚からもとても刺さった箇所だった。両手を挙げて賛同しかねる部分もあるけど、何度も読み返して心に留めたい。
Posted by ブクログ
具体的な患者のケースを使い依存症の恐ろしさや薬物の怖さを知りました。他にもアルコールや性、食べ物など身近にある物ばかりなので気をつけないといけないなと感じました。
Posted by ブクログ
競輪記者でドーパミン中毒者を多数生み出してきたことを反省?してた友人から勧められて読んだ本。
まず感じたのは、依存しがちな行動の大半が自分の意思ではなく、脳の報酬系に大きく左右されてるなぁということだった。現実世界ではマズローの欲求階層が複雑に絡み合ってるため、単純に欲求を手放すのは難しい。ただ、比較的低次の欲求は認識できれば切り捨てられるなと思ったので、そのぶん不必要な遠回りをしなくて済むんじゃないかと気づきがあった。
けど自己実現欲求に振り切るのはやりすぎな気がしてて、やっぱり人とのつながりや共感をある程度必要としているのが人間だと思う。自己実現だけを追求しようとすると、周りからの刺激や承認といった要素を否定することになるから、結局寂しさを感じてしまう気がする。脳が求める報酬は人間関係や共感からも得られる部分が大きいから、そこを完全に排除するのは幸福ではないよなとも思った。自分の理想を追い求めながら、必要最低限のつながりもキープするバランスを考えたほうが、結果的には自分の満足度も高まる気がする。
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依存症からの脱出法ということで本書を手に取った。依存症はそれを断つことから始める。運動が効果的など、最終章の結論にまとめられている。依存症に関しては本書が初めてなので参考になった。
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YouTubeをスクロールして見続けてしまうのを止めたくて読んだ本。即物的にデジタルドラッグから離れる方法というよりは、もっと深い、自己を掘り下げ本質的な解決へ導いてくれる内容だった。
自分に正直であること。自分の何が問題なのか、正直に認めること。正直に打ち明けてくれた相手を、問題ごと肯定でき認め合うことができる関係は、どんなドラッグより強烈なホルモンを分泌し、多幸感が長く続く。
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アンナ・レンブケという精神科医の方が書かれた、依存症の新書です
彼女が診察した患者のエピソードを交えて、依存症について解説していきます
本書では、著者自身が三流ポルノノベル中毒を抱えていたため、患者と近い高さにある目線で語られているのが特徴です
男性のマスターベーション中毒に失笑してしまう不謹慎な態度も見受けられますが、その著者も人を笑えないだろうとツッコミを入れれる構図となっています
診察されている患者を見下せるような立ち場ではないため、鼻につくところなく読み進められます
SSの性差ですが、体育的な性依存にハマる男性に対して、女性はポルノノベルや掲示板などの体験談といったテキストに耽る傾向があるなと感じました
変ゼミでネタにされていたように、肉感的な映像媒体に走る男性と、テキストから妄想を膨らませる女性といった性差は、大陸でも見られていて興味深かったです
依存から脱するにはコミュニティが有効とされていますが、鍵は「嘘をつかずにいられること」だそうです
たとえば自身が「嘘をついた」と正直に償えれる関係性があれば、サードプレイスを用意せずとも家族や職場で足りるようです
自信の欠点ですら正直に見つめることが、回復のステップの1つで、大切なことだそうです
それらの症例のエピソードに添えられていた注ように、社会的立場によっては正直にいることはリスクでもあり、実現の難しい理想論のような響きました
依存症の快楽と苦痛はホメオスタシスで、シーソーに例えられていて分かりやすかったです
快楽のあとに残る残像のような渇望は、中毒に導きます
しかし脳は快楽に耐性をつけてしまい、何度繰り返しても破瓜の快感は得られません
苦痛も同じくです
思い返せば身に覚えのあるロジックで、納得させられました
最新であろう依存症メカニズムを、診察例を交えて飽きさせず読ませようとする工夫が見られ、最後まで読めました
Posted by ブクログ
ちょしはアメリカの精神科医、依存症医学の第一人者である。
豊富な事例を基に、なぜ依存症になるのか、そこからどう抜け出すのかが紹介されている。
だが、印象としてはあまりピンと来ないというか、イメージとは少し違った。結局、何か特効薬(実際の薬だけでなき)がある訳ではなく、周囲を含めて自分の意思で立ち直るしかないということだと理解した。
Posted by ブクログ
ドーパミンが人の脳にどんな影響を与え、行動に現れていくのかをさまざまな事例を通して解説した本。
最近スマホのショート動画にハマってしまって夜更かしで寝不足の日々が続いているので、きっかけが欲しくて読んだ。結果として、「スマホ脳」の方が私の悩みには適していたかも。
でも、「強制的に依存の対象物との距離を置く」「無駄になった時間を考える」「現実世界に没頭する」ということは今日から試してみたいと思う。
Posted by ブクログ
外で読むにはちょっとはばかれる言葉も。。
ドラッグの危険など勉強になる。恥は内向的な性格を生むという記載に日本人の民族性をも垣間見た気がした。
Posted by ブクログ
期待していたよりは解決策の記載が無かった。
アメリカの精神医学者が患者や自分のケースを元に、依存症から抜け出せない人の心理や行動を説明する内容。
やめようと思ってもまた始めてしまうことや、やめた方がいいのは内心分かっているのに「必要である」と強弁させてしまうことなど、依存症患者の解像度を高く知ることはできた。
だが、大麻や医療用麻薬のようなアメリカ特有の依存状況のケースが多いことや、アルコール依存症の解決策もAA(依存症患者の治療コミュニティ)の事例を推していたため直接的な参考にはならない内容も多かった。
自分の期待したような依存(スマホ、買い物)などやそれへの対処法(治療するほどでは無い軽度な依存への対処)などはあまり描かれていなかった。
Posted by ブクログ
ドーパミンを含む脳内物質分泌による影響と付き合い方を説明した本
現代社会は、食べ物や様々なネットのサービスなど、ドーパミンを分泌させ、依存性を高めるために設計された商品で溢れている。程度の違いはあれど、何かに依存している人は本当に多いと実感する。自分もそんな中の一人なので、少しでも依存してるものから距離を取る一助になればと本書を読んだ。
答えとしては、簡単には依存している活動をできないように環境整備すべきという至極全うなことが書かれていた。それよりも、興味をひかれたのは、「快楽と苦痛のシーソー」という考え方だ。快楽を経験すると、その後に苦痛の揺り戻しが来る。また、苦痛を経験しても、その後に快楽が来る。このいずれかの感覚が優位になった後はもう一方が優位になることをシーソーに例えて説明していた。勿論、全ての苦痛と快楽にシーソーの関係が当てはまるわけではないと思うが、経験的に納得できる考え方だと思う。
重要な点は、シーソーの揺れをどの程度に収めるかという点だと思う。あまり詳しくないので、分からないが、仏教的な考えだと、シーソーが平行状態、つまり苦痛も快楽も感じない状態が良いとされるのではと考えたりした。個人的な考えでは、生活が破綻するようなレベルでなければ、個々人がそれぞれ最適だと思う範囲にシーソーの揺れを調整していくのが良いのだと思う。
生きていく上で一定のドーパミンは有用だと考えるので、敵視する気はさらさらないが、企業利益最大化のために過剰に提供されるドーパミンからは適切に距離をとっていきたい。
Posted by ブクログ
ドーパミンが欠損したマウスは数センチ先にあるエサも食べる気がおきず、死んでしまう。口の中に押し込まれたら食べる。
快楽の後には苦痛が訪れる。苦痛と快楽は相反過程のメカニズムで処理される。
シーソーはなるべく水平を保とうとする。長い間どちらか一方に傾いていることを望まない。快楽の側へ傾くために強力な自己調整メカニズムが働いて、快楽の時と同じ分だけ苦痛の側へ偏る。
①快楽のあくなき追求は苦痛に導く
②回復はそれを断つことから始まる
③ドーパミン断ちは脳の報酬回路をリセットする。シンプルな物事に喜びを見出せるようになる。
④セルフバインディングで欲求と摂取の間に壁を作る事ができる。メタ認知の余地ができる。
⑤徹底的な正直さは自覚をもたらし、親密な関係性を作り「充分状態のマインドセット」を育む。
充分状態のマインドセットとは
周囲の人が約束を守ってくれる信頼できる人たちで、その人たちが真実を言ってくれるなら、私たちは世界とその中で暮らす未来について自信が持てる。世界も秩序があり、予測可能で安全な場所だと信頼できる。そう感じていると何かが不足していても、きっとそのうちうまくいくと信じることができる。
断続的に苦痛にさらされることによって、私たちの快楽と苦痛のシーソーが、快楽の側に偏り時間とともに苦痛を感じにくく、快楽を感じやすくさせる。
セルフバインディング(自分で自分を矯正する)
「変えたいと思っている振る舞いは何か」
「どうして変えたいのか」
「その行動を諦めたら何を諦めることになるのか」
「その行動を変えるために、まずどんなステップが取れるでしょう?」
自分のしていることを正直に話すことで依存している精神過程を自分に意識させることになり、行動を変えさせる強化に繋がる。前頭前野の働きが活発になる。
自分の物語をどう語るか?
被害者として悪い結果にほとんど責任がないという話し方→健康状態悪く、その後もうまくいかない事が多い。
自分の責任を明確にしながら物語を始める場合、状態が良くなっていくことが多い。自らの人生に対して真の洞察や理解を得る機会が与えられ、全体を見た上で選択する事ができるようになる。
Posted by ブクログ
現代的なSNS中毒よりも、ドラッグとセックスの記述がメイン。読み物としては興味深いが実生活には役に立つ場面は少なそう。
勉強になったところ要約→快楽と苦痛はシーソーの関係。薬物などで快楽を得ると揺り返しの苦痛が訪れる。逆に仏教における苦行と法悦のように意図的に苦痛を得ることで揺り返しの快楽を求めることもできる。
Posted by ブクログ
快楽と苦痛は脳の同じ場所で処理されている。苦痛を和らげるために薬を使い快楽を求めても根本的な解決にはならない。根本的な解決のためにはそれをはっきりやめなければならない。また、正直になることも大切だ。