あらすじ
三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れし、憧れのNYへの一人旅を決意する。出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。やがてその鞄は友人たちに手渡され、世界中を巡るうちに“幸運のスーツケース”と呼ばれるようになり……。人生の新たな一歩にエールを贈る小説集。
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スーツケースを買って1人ニューヨークを決めた真美かっこいいなって思ったそしてしっかり楽しんじゃって素敵
ゆり香は行き当たりばったりキリギリスなところ、悠子は少し見栄を張っちゃうところが私と似てるなって思って読んでた
真美がフリマで買ったスーツケースが巡り巡って売った人に戻るところ、またそのスーツケースの持ち主まで、物にも歴史がある。
スーツケースはパーティーバッグよりもいろんなところに連れて行ってくれるのだ!!
ボロボロのスーツケースっていいね
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とても面白かった。
連作短編のまじわりがとても心地よく楽しめました。それぞれのストーリーも心地よい余韻を残して。
昔からいつか読もうと積読してましたが期待以上に良かったです。おすすめです。
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「あなたの旅に、幸多かれ」
フリーマーケットで出会った青いスーツケースが、一歩踏み出す勇気をくれる連続短編集
ひとつひとつは短いのに、そっと背中を押してくれる、優しい本でした
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2025/5/5-6/2 近藤文恵さんの本を読むのは2冊目。初めてのときにも感じた、読んだら心がほっこりするような時間の過ごし方だった。オムニバス形式で、時系列も前後しない短編が繋がって大きな物語になっているので、少しずつ読み進めても読みやすかった。30代女性ならではの悩みには共感するところもあったし、幸運を運ぶ青いスーツケースというアイテムには心がときめいた。国内出張は多いものの平均値より怖がりという自覚があり、なかなか国外には行けていない。けれど色々なものを観たい。人生が拓けるような旅に出てみたい。
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とても読みやすかった、また違う作品読みたい 近藤史恵さん好きかも。スーツケースが主役のバトンが渡されていたなあ アブダビに最初の定年後に海外旅行しように結構エグい場面あるけどサラッと受け流すんだね。ラストの話は んっ?青いスーツケースがまだ続いているお知らせか。あと令和5年の文庫本だけど重版の数がすごいんだが、サスペンス ホラーは苦手だけど近藤史恵さんはどうなんだろう。
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近藤史恵さん8作目。「旅に出るカフェ」シリーズにも通じる、等身大の女性たちを描いた一冊。「女性たち」は当然それぞれなのだが、どの章にも、まさにこれは私の心の中そのものだと思う部分があるから不思議だ。
物語をつなぐ青いスーツケースののことを、登場人物たちは「幸運のスーツケース」だと言う。だが正直なところ端から見ると、分かりやすく「幸運が訪れた」感じはしない。結局のところ、そこで何を見、何を感じ、どう踏み出し、いかにつなげていくのかは、それぞれ自身の中にあり、幸運は訪れるのではなくつかみに行くものなのだろう。真剣に悩み迷った人だからこそ、背中を押してくれるきっかけを幸運に昇華させられるのだと、元気づけられる思いがした。
文庫版解説が思いがけず大崎梢さんで、この一文がまたとても良かった。
大崎さんが仰るように、私も、「旅と人生と読書はどこか似ている」と思う。大切に愛していきたい。
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鮮やかな青色の革張りのスーツケース。
このスーツケースが何人もの人の手を渡り、共に旅をするうちに幸運を呼ぶ幸運のスーツケースと呼ばれるようになる。
スーツケースとの最初の出会いが一期一会のフリーマーケットでの出会いというのもいいよね。
読んでいると共に世界中を旅している気持ちになれるのも嬉しい(っ ॑꒳ ॑c)
本当に素敵なお話だったなぁ。
この本の装丁と帯も大好きです✨
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そのスーツケースを持って1人で旅すると人生が変わる。
革張りの青いスーツケースを手にした女性たちに訪れた転機を描いた連作短編集。全9話。
* * * * *
アラサー女性4人を中心に、幸運のスーツケースを巡る因縁がおもしろい。ゆるやかなファンタジーではありますが、作りすぎた感がないのは近藤史恵さんのうまさゆえなのでしょう。
各話の主人公となった女性たちには共通点があります。1人で行動できるところです。
大人と言っても主要人物は誰も30歳にもなっていない ( 春菜など20歳そこそこ ) のだから、1人ということに不安があってあたりまえだし尻込みしてしまっても不思議はないでしょう。けれども思い切れる。こういう人ってステキです。
そんなステキなところのある人だからこそスーツケースが来てくれたのだし、未来を拓く手助けもしてもらえたのだと思います。
前を向き顔を上げて足を踏み出そう。人生はそんなに悪くない。一人だってきっと大丈夫。
そんなメッセージが伝わってきます。
心が温かくなる物語でした。
幸せの青いスーツケース。いつか自分のところにも来てくれるといいなあと思ってしまいました。
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連作短編。
ひとりひとりのキャラが良くて、覚えやすい。
曇り空から晴れやかに。読後、素敵な余韻が残る青いスーツケースが紡ぐ物語。
たまにこんなんが読みたくなる。
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一つのスーツケースを軸にした群像劇
冒頭、同年代の女性が連続するが、語り口・語彙・行動の微差で書き分けられ、混乱しない。
どの登場人物も視点が柔らかで、読んでいてとても気分がいい。
あと、登場するご飯がどれも美味しそう。
楽しい読書体験だった。
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あなたの旅に、幸多かれ
最後にこのメモが誰に宛てられたものか分かり、言葉に込められた祈りを感じて胸がキュッとなった。
連続短編集だから通勤で読むのにちょうどいい読みやすさなのに、最後は物語全体に祈りが吹き込まれて、また読み直したいと思える満足感。
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一つのスーツケースがつなぐ物語。アラサー女性の悩みがリアルで共感できた。人それぞれ生き方も考え方も違うけど旅を通して自分と向き合っていくのがとてもステキで羨ましく思う。
人生につまずいた時に背中を押してくれる、そして旅に出たくなる一冊。
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いいなぁ、私も旅に出たい。
私に近いのはゆり香さんかな。
私だって両親か亡くなったら、将来不安だし、貯金はあるけれども一生安泰じゃない。
でも何とかなるような気もするけど、甘いのかなぁ…
色々な人生があって、私だってどうなるかわかんないよね。
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気軽に旅の風景を楽しめるお話でした。
突然の真美さんのエピソードにはびっくりでしたが…。
1つのものを通して色々な視点で語られる作品が好きなので私にぴったりの作品でした。
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青いスーツケースを巡る、ステキな旅の連作短編集。フリマで出会ったスーツケースが、いろんな人に連れられて、ステキな旅をする物語。それぞれの人が、良い人に出会ったり、自分を見つめ直したり、前向きに生きていこうと思ったり。
旅に出てみることで、今の自分の何かが少し変わるかも、と読んで前向きになれました。
そしてこの幸せのスーツケースの生い立ちがまた、良いエピソードでした。
旅に出るのも良いかも。
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青い革張りのスーツケースによってもたらされる幸せについてのお話。
1話完結になっているがところどころ繋がっており、最終的にはスーツケースがどこからやってきたかも明らかになる。
個人的には6話目のシングルマザーと娘の話で少しウルッときた。そのスーツケースは幸運を呼ぶが、その裏側に悲しむ人がいることも教えてくれた。
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旅に出たくなるという言葉がぴったりな、連作短編。
一つのスーツケースを軸に、仲良し4人組、そしてその誰かと緩やかに繋がる人々を主人公にしながら話が進みます。
自分も実際、30代、4人で仲良い友人たちがいて、子持ち、DINKS、独身と状況が全く違います。同じくらいの年代なら誰かに重ねて読み進めることができるのではないかと思います。
今、自分が海外にフラッと旅行に行くのが難しいので、余計に海外に旅に出たくなりました。行けない理由を積んでいかずに、行ってみてしまおうか。
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1つのスーツケースとの出会いで、4人の女友達の運命が少し前に進む。その4人の女友達がみんなバラバラのライフステージで、性格もバラバラ。共感できる人とそうじゃない人に分かれるけれど、それがまた読んでいて面白かった。連作短編集なので、サクサク読み進められた。
途中から物語は4人の女友達から離れて、交流のあった人やスーツケースにまつわる人にうつっていく。個人的には「キッチンの椅子はふたつ」が印象的だった。子どもの独り立ちの時、私は気持ちよく送り出せるか…。不安しかない。でも、いつか来るその日のために今を大切にしたいと思えた。
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スーツケースは旅の相棒みたいな物でしょうか。使い込むほどに風合いを増すというのもスーツケースならではかも。
確かに、良いことばかりでなく予想外のアクシデントを含めて旅なんですね。自分の旅行を振り返っても、ちょっとしたハプニングに見舞われた旅の方が何年経っても印象強く残っているような気がします。
女性たちの悩みにも共感できるものがあったし、スーツケースが相棒を変えて世界中を旅する様子もワクワクしました。こんな素敵なスーツケース、私も欲しい!
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ひとつの青いスーツケースとその旅を描く短編集。基本的には女友達4人、それぞれの旅を描いている。
友だち4人がキャラ立っており、仲良すぎないのがリアル。
ごく短い話のため、奇想天外な展開はないがまとまっていて読みやすい。
最後の青いスーツケースの元々の持ち主、そこで働く大学生の話、短いけどよかった。青いキャリーケースの背景が見えた。
なんだか少し前向きになれる、そんな話がたくさん。
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青いスーツケースにまつわる短編集。
全てがハッピーエンドでもないし、物足りない物語もあったけど、そうそうみんながドラマチックでもないかもね、と思い直した。
表紙の青のスーツケースは、心惹かれた。大事にしたいものがあると、旅も楽しくなりそう。
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一つのスーツケースがいろんな人に使われていく中で
いろんな人生をちょっとずつ見ていく、というストーリーだった。
明るい内容の話は全然なくて、どの登場人物も暗い内面を持っていて、
結局は明るい話はないのだけど、まぁ人生って明るくはないよね、
という気がするような感じだった。
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青いスーツケースで繋がる物語。
前向きになれる話もあれば、踏ん切りをつけるための話もあったり。みんながみんなスッキリ!とはいかないのが現実味もあり。
私も一目惚れして買ったスーツケースで年に1回は旅に出る。傷だらけでボロボロになってきたが大切な相棒。次の旅行はどこにいこうか、そんなことを考えながらページを捲った。
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ひとつの青いスーツケース
スーツケースがもたらした様々な物語を追っていく短編小説
人の良いところ、悪いところ、それぞれに正直な作品
海外旅行に縁のない私だけど、世界が広がっていく登場人物たちの姿を見て、惹かれる部分も
良くも悪くも、大人になるって寂しいことだなって思ってしまった
Posted by ブクログ
誰でも、仕事、家庭、結婚、人生、いろいろなことに悩みがあり、普段の暮らしを良くしたいと思うが、なかなか新しい一歩を進むことができない。そんな人たちが青いスーツケースで旅することによって、新しい出逢いが生まれ、新しい挑戦をすることができる。そんな幸運を運んでくれるストーリーになっている。この作品を読めば、青いスーツケースを持って、旅に出たくなるよ!
Posted by ブクログ
新年1冊目は、先日読んだ同著者の『たまごの旅人』に続いて、いかにも“旅”って感じの表紙が素敵な本書をチョイス。
表紙にもなっている“青いスーツケース”を巡る、オムニバス短編九話が収録されております。
ニューヨークに行きたいけど、一歩踏み出せなかった真美。
フリーマーケットで衝動買いした青いスーツケースのポケットから見つかった「あなたの旅に、幸多かれ」というメモが、彼女の旅立つ気持ちを後押しして・・という、第一話のエピソードを皮切りに、件のスーツケースは彼女の友人達へとバトンのように手渡され、共に旅に出て行くのです。
内容としては“旅”というより、様々な女性達の生き方についてのストーリーって感じですね。
各話に登場する女性達は、一様に何かしら悩みや葛藤を抱えていて、そういったちょっと心がヒリッとするような事情はあるけど(この描写がまたリアルなんです)、結果的には前向きな気持になれる展開となっております。
このように、縁あって青いスーツケースを手にした女性達の心情に共感したりしながら、それぞれの旅先の、香港やアブダビ、パリ、シュトゥットガルト・・といった世界の都市の雰囲気も味わわせて頂きました。(ニューヨークの描写が無かったのがちょっと残念)
そして、巡り巡って最終話ではスーツケースの中にあった”謎のメモ”の由来に行きついて、ちゃんと”繋がる”のも伏線回収のような気持ち良さがあって、さわやかな読後感でございました。
それにしても、第一話でNYに一緒に行ってくれないくせに不安ばかり煽る真美の夫も大概でしたが、第三話の、ゆり香の彼氏が最低すぎてもう唖然・・さらに第五話に登場した栞のフランス人彼氏もとんだスケコマシ野郎(東洋人女性限定)ですし、九話に出てきた和司の兄に至っては救いようのないクズという・・相変わらず近藤さんは“終わっている男性”を描くのが上手いですよね~。
いつかTV番組の『上田と女が吠える夜』に出演してほしいと思った私です~w