ウロボロスの環

ウロボロスの環

2,750円 (税込)

13pt

3.7

【現代文学の名手が贈る心理小説の白眉】

人生を狂わせるほどの秘密ではなかった。
――そのはずだった。

1989年5月、彩和と俊輔の結婚を祝う会が開かれた。
前の夫を若くして亡くし、必死で幼い娘を育ててきた彩和にとって、それは人生の安泰が約束された幸福な瞬間だった。
後に、俊輔の思わぬ一面を知ることになろうとは夢にも思わず――。

綻びゆく人生における、僅かな安息。
不意におとずれる、密やかな邂逅。
廻り続ける「生」への不安を克明に描ききった、原稿1100枚に及ぶ傑作大長編。

【著者略歴】
小池真理子(こいけ・まりこ)
1952年東京都生まれ。1989年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。以後、95年『恋』で直木三十五賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、11年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞、21年に日本ミステリー文学大賞を受賞。
そのほか、『無伴奏』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『神よ憐れみたまえ』など著書多数。

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ウロボロスの環 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    運命の渦に巻き込まれていくかの様な、思いもかけない場所へと流れていく人々を、ハラハラしながら見ているようでした。
    後半は、自分も泣きそうになりながら活字を追っていました。

    久しぶりに「読んだーっ!」という感覚を味わいました。長編でしたしね。
    小池真理子さん、凄い。

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    前夫を若くして亡くし、幼い娘をひとりで育てていた彩和は、18歳上の俊輔と再婚する。
    俊輔もまた前妻との間に息子がひとりいた。
    前妻の杏奈は、華やかで気さくな頼りになる存在だった。

    夫が経営する「アンティークたかしな」は、さほど潤沢ではないようだが、TV出演や原稿書きなどで副収入に恵まれていた。

    0
    2025年12月01日

    Posted by ブクログ

    夫を亡くし、裕福な古美術商と再婚した彩和。夫は優しそうではあるが酒に溺れ、妻が秘書と関係を持ってると疑心暗鬼に。

    昼ドラ的内容なのに読ませるのは理知的な文章だからか。テーマはウロボロスというよりオイディプス。

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    小池真理子さんが大好きなので甘い評価ですが
    途中までは盛り上がったのです
    最後は無理矢理キレイに終わらせようとした感じがして…
    でも久しぶりの小池真理子ワールドは面白かった

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    2025年。
    この方のスノビズムみたいなのが鼻について、長年読まなかったのだが、最近は新刊出れば読む。
    あいかわらず軽井沢だの骨董通りのアンティークショップだし、妻の不貞を疑う病的な夫とかなのだが、文章が丁寧なせいか、純文学を読んでる感じがしてしまう。
    夫の死後のどんでん返しも、ちょっと苦笑w スト

    0
    2025年12月10日

    Posted by ブクログ

    読み終えるのに5日くらいかかった。
    ひとつのシーンが長いせいか、内容云々というより、全体にもどかしさを感じてしまった。

    0
    2025年11月08日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんだか昼ドラ的なドロドロ感もありつつ。
    下品な話になりそうだけど、小池真理子さんの筆力でなんだか情緒深く仕上がっていた。
    主人公には共感できなかったなあ。
    夫に疑われているのを知りながら、出張に出たとたん会いにいくあたりが浅はか。

    0
    2025年12月05日

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