【感想・ネタバレ】サーカスの夜に(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

両親の離婚でひとりぼっちになった少年は、13歳の誕生日を迎え、憧れのサーカス団・レインボーサーカスに飛び込んだ。ハイヒールで綱の上を歩く元男性の美人綱渡り師、残り物をとびきり美味しい料理に変える名コック、空中ブランコで空を飛ぶ古参ペンギンと、個性豊かな団員達に囲まれて、体の小さな少年は自分の居場所を見つけていく。不自由な世界で自由に生きるための、道標(みちしるべ)となる物語。(解説・ミムラ)

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Posted by ブクログ

休日に1日で読めました。1人の少年がサーカスに入団し、成長していきます。少年を応援したくなるほっこりした小説です。すらすら読めて、もっとこの先も少年を追っていきたいと思えるお話です。

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2025年06月10日

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舞台がどこの国なのかわからない、絵本のような世界観の物語でした。魅力的で個性的な登場人物たちの中で、色々な感情と出会いながら成長していく13歳の男の子。
キャンピングトレーラー、サーカステント、夕焼けの海、コックの作る食事…シンプルでくどくない文章なのに情景がありありと浮かびました。
優しい愛にあふれた世界観、読書に戻るたびに幸せな気持ちに浸りました。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

身体にハンデをかかえた少年が、憧れのサーカス団に飛び込んだ。自分の人生を受け入れ、前向きにひたむきに挑んでいく強い少年の姿に、エールを送りたいと思った。
恐いけど実はとても人間味があって理解のある団長。少年に覚悟を問うセリフが良かった。
時に辛いシーンもあったが、じんわり心温まる作品だった。
私も、こんな風に真剣にのめり込める世界を見つけたい。

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

「結局、いくら願っても否定してもじたばたしても、事実は事実として変わらない。自分の意思で変えることができるのは、心だけだ。」
「ほんと、人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませたりすることより、百倍も千倍も難しいわ。人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。孤独を知っているからこそ、みんなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ」
「自分の体も自分の心も、所有者は自分自身なんだから!」

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2025年08月23日

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居場所は自分でつくれる。なりたい自分をイメージする。旅行先で偶然通りかかった古書店で何となく手にした文庫本に、すごく勇気づけられた。

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2025年02月21日

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小川洋子の本を買ったつもりで
小川糸を買っていた…。
初小川糸さん作品です。

体が大きくならないという
運命を背負った少年の物語。
両親とも彼を引き取ることなく離婚。
グランマとおじさんのもと育つ。

あるときサーカスのチラシに心奪われ
自分はサーカスで生きていくと決心する。

サーカスに入り、
さまざまな境遇の仲間たちに出会う。
多種多様な仲間と思いの中で
少年は成長していく。

生きるということについて
お説教がましくなく、心に届く
メッセージが散りばめられている。

とくに私は、コックの台詞に惹かれた。
どんな人が読んでも何かしら
心に留まるメッセージが
あるのではないかなと思う。

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2024年05月05日

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ネタバレ

238ページ
1400円
2月24日〜2月27日

離れ離れになった両親とかつて一緒に見たサーカス。忘れられないその不思議な世界の一員になることを目指して入団した少年の前に現れる自由で個性の強い人々。クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、そして美味しいお菓子やスープを作ってくれるコック。少年は少しずつ綱渡りを学んでいく。

家を飛び出した少年が、サーカス団でうまくやっていけるのか不安だったが、自分の力と周りの支えで居場所を築いていく様がよかった。最後、少年のデビューに合わせて、育ててくれたグランマとおじさんを招待してハッピーエンドで終わったのもよかった。

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2024年03月20日

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どこか懐かしくファンタジックな雰囲気のあるお話でした。移動式サーカスを最近見かけないからかな。
幼い頃の記憶の片隅にあるふわふわとした夢のような世界の裏側について少年の目を通して垣間見ることができた感じがする。たくさんの努力や悲しみ、不自由さを抱えながらも、少年が真っ直ぐで愛おしいです。大人たちも素敵だなぁ。
特に明け方ナットーとの2人の情景が美しかった。

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2024年02月23日

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13歳で全てを捨ててサーカスに飛び込む。すごく勇気のいることだと思う。この少年の奮闘する姿に勇気づけられた。でもまだまだ子供なところもあってほっこりした。

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2024年01月05日

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おなかがいっぱいなら
人はそれだけで幸せになれる

好きな食べ物が自分の名前になるのだとしたら
わたしは「エビフライ」と名乗ります

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2023年11月06日

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少年が前向きに頑張る姿がとても輝かしかった。
出会いと別れを繰り返し逞しくなったなと物語を通して感じられる。サーカスなんてみたのは何十年前だろうか。またいつかみたいな。

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2023年09月11日

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両親が離婚前に連れてってもらったサーカスに憧れて13歳の誕生日サーカスの世界に飛び込んだ少年。個性的な団員に囲まれて体の小さな少年は自分の居場所を見つけていく物語 

登場人物たちは正式な名前は明かされない、芸名だったり、役職名でお互い呼び合うがキャラの印象はとても強い、行き倒れていたところを助けてくれた優しくて美しいローズ、初恋相手のマカロン、ジャグリングの天才キャビア、サーカスの看板スターでもあるナットー、主人公を支えてくれる同室のコック、情熱的な団長などどのキャラもとても好き。

いつもはユーモア溢れるサーカスだけどもちろん暗い部分もあってどん底まで沈むこともあり、現実の厳しさもこの小説では描かれている。ただ楽しいだけではない、なんとなくわかっていても読むことで深く知ることができてとても良かった。

サーカスのワクワク感を小説の中で味わえ読み終わったあとは、もう少しこのサーカス団と旅がしたい、終わるのが勿体無い、続きが読みたい、と思ってしまうほど夢中になれました。文体もスッキリしページ数も多くない読みやすいので読書初心者にもおすすめです。

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2023年07月27日

Posted by ブクログ

僕はかわいい。ピュアで、まっすぐ。
ローズ、ナットー、キャビア、シェフ…
すてきなひとが、たくさん。
ひとりひとりのことばが、すーっとしみて、
私も、ほんものでいたいと思った。

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2023年04月22日

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自分の居場所を探す少年のサーカスを通しての成長の物語。
小川さんワールド。

両親の離婚でひとりぼっちになった少年は祖母とおじさんに見守られて暮らしています。
クスリの副作用で少年の身長は10歳から伸びない。
13歳の時に、サーカスの世界に飛び込みます。

そこで出会った人たちとの生活の中で、少年が自分の居場所を見つけていくという展開。

この物語の設定は日本じゃないのね。
祖母をグランマと呼んでいるので、海外なのかなと思っていましたが、そうした記述があちこちに!

子供を連れて見に行ったサーカスを思い出します。
今は、さらに、大道芸でもいろいろ見れますね。

そんな世界にたった一人で入って、団員の温かい人間関係の中で、居場所を見つけていく。
ほんわかした気持ちになる物語でした。

また、そこで働くコックの料理の描写が美味しそうでした(笑)

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2025年12月07日

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ネタバレ

サーカスは調和。だれもが互いに干渉しないし、自分のことは一番大切にするけど、お互いに尊重しあう。何も知らなかった少年がそんな環境の中で未来を前向きに歩み始める名でのお話。

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2025年07月28日

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暖かい話だった。刺激が少なくて、読みやすい一方、物足りなくも感じた。

しかし、この穏やかさが癒やしなのだろう。
サーカスのメンバーの日常に、自分の心が水をようやく浴びれたような感情になった。

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2025年07月21日

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ネタバレ

両親が離婚し、どちらも相手が引き取ると思って置いてけぼりになった少年が、一度祖母に引き取られ一緒に暮らすものの、幼い頃闘病していた際に服用していた薬の影響でこれ以上背が伸びないことが分かり、祖母の負担になりたくないという思いと幼い頃に両親と一緒に見たサーカスへの憧れからサーカスに入団するお話。
キャラクターはそれぞれ料理の名前が付いていて、性格もポップな感じなので絵本みたいなビジュアルを想像させられます。
結構重い家庭環境についてはサラッと書かれているのみで、サーカス団の内情みたいな話がメイン。主人公が技を練習し始めるのは最終盤、サーカス人生これから!てとこで終わるから、終わり方はちょっと物足りないかも。
物語の起伏はそこまでありませんが、そのおかげで逆に読み進めやすくはありました。

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2025年04月11日

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ネタバレ

読んでいて映画のグレーティスト・ショーマンを思い出しました。

親子愛が描かれていてあったかい気持ちになりホロリとしました。

どんな自分であっても胸を張って輝く人生を生きることができる

サーカス団員たちのニックネームが食べ物の名前っていうのが料理好きの小川さんらしくて素敵だなと思いました。

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2025年03月19日

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小川糸さん絶賛どハマり中。
今回はサーカスが舞台の物語。サーカスと聞くとどこかの国のようなワクワクする気持ちがします!なんと主人公と同い年でビックリ!でも、病気の後遺症で10歳ぐらいの見た目しかない男の子です。その男の子が仲間に囲まれて成長していく物語です。暗いシーンもありますがいい話だと思いました。

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2025年01月22日

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ネタバレ

病気で身長が10歳のままの13歳の少年が離婚した父母と最後に見たサーカスに育ててくれたグランマの反対を押し切り入団して、サーカスの暮らしの中で自分の仕事を見出し芸を身につけて成長していくお話。
最後にグランマが少年の晴れ舞台を見に来てくれて本当に良かった。

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2024年07月08日

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ネタバレ

全体的にサクサク、ワクワク読めた。
食べ物との思い出が出てくる点も、小川先生の作品のあたたかさが出ていてとても良かった。
華やかで愉快そうなサーカスだが、少年がトイレ掃除に地道に取り組んだり、あっけなく生命が終わりを迎えたり、絵本のような本なんだけれども絵本ではあまり語られない部分が華やかさとは対照的で印象に残った。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が病気の後遺症で10歳の姿のまま成長しない状態になる。お世話になっているおばあちゃんに迷惑をかけたくなくて、家を出て憧れのサーカスに入ることに。
はじめこそ主人公はどうなるのかと思ったけれど、サーカスのみんなは優しく、支え合いながら毎日を過ごしていて、自分も頑張ろうという気持ちになります。

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2024年05月26日

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少年の挑戦。特異な環境下にある1人の少年が、どう生きるかをそばで見届けた感じ。「ありのままを受け入れる」が当たり前にできる。そんな大人たちも魅力的。

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2024年03月13日

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体が大きくならないという病気を抱える孤独な少年が、サーカスに憧れて入団を決意。複雑な背景ばかりをもつ団員が集まったレインボーサーカス。
まるで家族のような繋がりを作り、成長していく少年の姿が微笑ましかったです。

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2024年02月17日

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内容としては児童小説であり、とても読みやすくて一気に読み切れた。転落やドーナツ作りの呆気ない死も良かったし、綱渡りのナットーとの最後のやりとりも印象的だった。
ただ、話の終わりがあっさりし過ぎていて、余韻に浸るというよりは、落丁本ではないのか?と、存在しない続きのページを探していた。
本編は面白かっただけに、終わり方ももっと盛り上げて、余韻に浸りたかった。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

両親との思い出を胸にサーカスへ入った少年。
未知なる世界へ飛び込んだ少年を親心のように心配した序盤。
よくぞここまでと少年の成長に感心した終盤。
何かを抱えながらも笑ってる周りの人がとても暖かく。描く料理が旨そうで腹が鳴る。

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2023年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

外国の童話みたいなお話。両親の離婚でひとりぼっちになった少年は、13歳の誕生日に、レイボーサーカスに飛び込んだ。
病気の治療のためにつかった薬が原因で、10歳の体から成長しなくなってしまい、自分の居場所を探すために、育て親であるグランマのもとを飛び出した。
1年間のサーカスでの生活を通じて、少年も仲間たちとの絆を深め、成長していく。
個性豊かなサーカスの団員たちがそれぞれ魅力的で、華やかで明るく見える面々が、それぞれの過去を抱えていて、なんだかとってもよかった。

クリスマス公演で初公演の少年が、ソリャンカとして綱の上を歩き出すところで幕が降りるの、綺麗な終わり方でよかった。

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

両親が離婚しひとりぼっちになった少年が、不自由な体で自由に生きるために、サーカス団に入り自分の居場所を探しながら成長していく物語

小川糸さんの作品は今回で2作目でした。
心に優しくそれでいてストレートに響く表現がとても上手な作家さんだと思います。

貧しいサーカス団で一歩ずつ大切なことを学んで行きながらも、決して自分を見失わず前を向いて直向きに生きる姿に心が揺さぶられました。

読後は穏やかで優しい気持ちになれる作品でした。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

自分の居場所を求めた少年がサーカス団の一員となり過ごした1年間の成長物語。

少年は成長することのない自身の身体にコンプレックスを抱えていた。だけど、サーカス団にはさまざまな人たちがいた。
少年は両親の離婚により孤独を感じていた。だけど、もっと深い孤独と闘っている人たちがいることを知る。
少年は働けることの難しさを知らずにいた。だけど、講演をひとつ開催するにも障壁が立ちはだかることがあることを知る。
少年は恋を知らなかった。だけど、人を愛することの苦しみや喜び、情けなさを知る。
少年は死は遠い場所のものだと思っていた。だけど、死は身近にあり大切な人を失う哀しみを知る。
少年は自分が何をしたいのか、何になりたいのかを知らなかった。だけど、それを見つけた時に本気になれた自分と出会う。

少年は自分の居場所を見つけたときに知る。
孤独なんかじゃない。
この身体で生きていく。

少年がサーカス団の中で出会う人々と織りなす人生の踵。
人生は思うより長い。

今年の9冊目

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2023年05月30日

Posted by ブクログ

2020年最後の読書は、温かい雰囲気の小川糸さんの小説で締めました。(レビューだけ年を跨ぎました)

両親を離婚がきっかけでグランマと2人貧しい暮らしをしていた13歳の少年。幼い頃にした病気の治療の影響で成長が止まり、10歳ほどの容姿にしか見えない彼は、ある日これまでの暮らしに決別し憧れのサーカス団・レインボーサーカスに飛び込んだ。
個性豊かな団員たちに囲まれて、体の小さな少年は自分の居場所を見つけていく。

10歳で体の成長が止まり、将来の苦難が見えた少年の「サーカス団に入って自分の道を見つける」という切ない決意から始まる物語。
いわゆる移動式のサーカスを私も昔何度か観に行ったことがあるけれど、サーカスというのは華やかな影にとても物悲しいものが見え隠れするのを感じる。
純粋に芸を志し、心から楽しんで演じる団員も中にはいるだろうけど、マイノリティ的な事情からそれを志すしかなかった団員もいる。
物語に登場するレインボーサーカスは貧しいサーカス団で、華やかで大きなサーカス団であるスーパーサーカスとの対比も何だか寂しい。
だけどその中で働く者たちはとても温かく、少年はそこで働くことで居場所を見つけていく。

ナットー、キャビア、トロなど、団員たちは食べ物の名前をサーカスネームにしている。
その中でも少年に最も影響を与えたのはナットーで、元男性の美人綱渡り師である彼女は天才型の演者だ。
そして少年をいつも近くで見守る、姉御肌のダンサーのローズの存在がとても優しい。

死ぬ覚悟ではなく絶対に死なないと決意することが極意だと少年に教える、プロフェッショナルを育て、そしてたくさんの事故も見てきた団長の厳しさと優しさ。
何でも物事を極めるのは一朝一夕にはいかないということ。
少年は最初は毎日トイレを綺麗にするという仕事を命じられたのだけど、それを必死にやって極めることで団員たちの意識が変わっていく(なるべく汚さないようにしようと)ところにもそれは表されていた。
小さなことでも極めるというのは素晴らしい。

優しくファンタジックな世界観で、緊張感や哀しさがありながらもやはり温かな雰囲気が漂っていた。
がんばれ少年!なんて自然と思ってしまう。(最後に少年についたサーカスネームがまた良いのだ)

移動式サーカス、最近見なくなった。最後に見たの、10年くらい前かもしれない。
だけど一度でも観たことがある人ならば、この刹那的な華やかさを湛えた世界が、目の前に見えるはず。

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2024年05月17日

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