あらすじ
怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧――。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが……。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。世の理と、人の情がやるせない、妖怪時代小説、第一弾!
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京極夏彦氏の小説は読んだことがなかったのだが、昨年このうちの一作が浪曲化され、評判を呼んだことに刺激されて、原作であるこの小説を読むに至った。
怪異が語られ、のちにそれが、人間の作為によるものであったことが明かされるという定型のストーリー展開だが、流石にのちに大人気シリーズとなった第一作だけのことはあり、読者を心地よく酔わせてくれる。上質のミステリーの和風(擬似)古典版である。
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直木賞を受賞した2作目を読みたくて、こちらを拝読。百鬼夜行シリーズを読んでいるところで、そちらとの共通点として、表紙が美しい。
陰摩羅鬼を挟んでから、この2作目に行こうかなと。
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江戸時代を舞台とした妖怪に纏わる怪異譚と関係がある闇に葬られた事件を小悪党達が金と引き換えに決着を着ける七つの短編が収録された妖怪時代小説で、それぞれの話に出てくる妖怪の言い伝えや事件の裏に隠された悲しい人の業、無情な世の移ろいに登場人物達の小気味の良いやり取りなどエンタメの楽しさが詰まった作品だった。
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京極夏彦の巷説百物語シリーズ第一弾。
シリーズ完結とのことで、なんとか最終巻が文庫落ちするまで追いつきたい。
妖怪に絡んだ事件を必殺仕事人かのように裁いていく短編集。
久しぶりに京極夏彦の作品を読んだけど、こんなにも読みやすかったかと驚いた。百鬼夜行のシリーズが難しいから、なおさらかもしれない(そこも大好きなのだが)…
どの作品も、人の業というか、悲しい話が多い。しかも悲劇が既に終わってしまっていて、なんともやるせないことが多く、故に、又市たちの仕掛けにスカッとさせられる。
第一作目しか読んだことがないので、次作以降もちまちまと読んでいきたい。
文庫落ち前のハードカバーで読んだよなぁと思い調べると、四半世紀、経って、いた………
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なんというか、途中自分の中でダレることはあったけど、表紙にもある「帷子辻」がなんとも切なく、京極節もうまく効いてたから面白かった。
「人に魂などない!」
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再読。
とはいえ、20年ぶりに読み返したので新鮮な気持ちで読むことができた。
〈巷説百物語〉シリーズ第1巻。騙りや手品、変装などを駆使して事件を解決する小悪党たちを主人公とした、1話完結型の作品集。
深い因縁からの執着や迷妄を祓い、現に向かい合わせるとでもいうような「憑物落とし」を行う〈百鬼夜行〉シリーズと対を為して、この〈巷説百物語〉シリーズでは逆に怪異を利用し、作り出し、またはわざと読み違えて事をおさめてしまう。(又市の
「目ェ醒まして本物の真実見ちまえば、辛くッて生きちゃ行けねェ。人は弱いぜ。だからよ、噓を噓と承知で生きる、それしか道はねえんだよ。煙に巻いて霞に眩まして、幻見せてよ、それで物事ァ丸く収まるンだ。そうじゃあねェか──」
という台詞がよくそれを表している)
狐狸妖怪の仕業であったと思いたい、その方がまだ救いがある、というような、人間のどうしようもない愚行、醜態を相手にする話、ということでもある。だから語られる話はどれもどこか寂しく、人間の仕方なさが底に流れているように感じる。(特に前半3話くらいは陰惨な話で、読んでいて堪えた)
けれど、流石に話の運びが面白くて、騙しの術も大仕掛けになっていき、中盤以降の「芝右衛門狸」や「塩の長司」などは読んでいて楽しく読後感も良かった。
途中から未読になっていたシリーズだけれど、先日完結したとのことなので、続けて最後まで読み進めたい。
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江戸時代が舞台。各地で摩訶不思議な事件・現象が起こるが、依頼を受けた腕利きたちがそれを解決する話。
最初ホラーと思いきや必殺仕事人だった。京極夏彦の本はなんとなく難しいイメージがあって避けていたけどとっても面白い!もっと早く読めばよかった。何が何だか分からないまま事件が落ち着き、その後種明かしされる展開がスッキリしていて良い!文体は癖があるけど慣れるとリズミカルさが良い。
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怪談かと思いきや。
怪談に偽装するスパイモノだった。
御行の又市。その人らが行う小股潜り。これがどうやって行われるか。
ミステリとして見るより、少しファンタジックなモノとして見た方が良い。謎を解こうにもあまり現実的とは言えない場面があるので。
しかし現実的ではないにも関わらず、リカバリーの跡や現実と非現実の線引きがあって、読み手側としては難しい言葉使いとは裏腹に意外と読める。
誰が何だったかを忘れることがあるから、メモるのも手段。分厚いし、通勤通学中には向かないかな。でも文学作品としてはライトと文芸の中間っぽいから面白い。
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金で依頼を受けるし騙しもする小悪党といえど、やっていることは人情溢れる人助けと世直しに他ならない。善人が不幸になるのを黙って放っておくことはできない、悪人が道理に反することをやってのさばるのも良くないと考えているフシがある。世の中はうまく回らないといけない。
裏の世界を知っているからこそ得られる情報量を駆使して、事件を落ち着くところに落ち着かせる手腕が、見ていて楽しかった。
完全な正義ではないけれど、又市にはポリシーがあり筋は通っている。又市がどんな人間なのか、すごく気になる終わり方だった。シリーズを読むのが楽しみ。
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シリーズが完結し、オフシーズンになったのでシリーズ通し読みのため再読。もっと妖怪妖怪した小説だと思っていたが、読み返してみて幻想味はわりと薄いのだと気づいた。それにしも、京極さんの語り、文体はうまい。そうか第一作から、又市は関西へ出張っていて、林藏も登場していたのね。
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季刊『怪』に掲載されていた連作短編をまとめたもの。小股潜りの又市をどうやら中心に動いているらしい、この連作に登場する組織がいかなるものなのか、どうにもはっきりはしないが、<必殺仕事人>のようなものなのか?表立っては裁きようのない者を仕掛けを通じて「御行奉為(おんぎょうしたてまつる)」わけだけれど、その仕掛けに小豆洗いとか白蔵主とか妖怪がからんでいるところが京極夏彦的なのですね。
話としては、情をかけられた狸が人間の形に変化して礼に訪れるといったことを仕掛けに用いた「芝右衛門狸」が面白いです。狸の仕掛けと悪人退治の結び付け方が奇抜なのですよね。
それとやはり末尾を飾る「帷子辻」が何とも怖い。このテーマは古来よく怪談にとりあげられていますが、ここまで徹底しているのはちょっとないのでは?最後の一行の又市の台詞がなんともいえません。ちなみに、この編でとりあげられている九相詩絵巻は、作中でのものとはちょっと展開のさせかたがちがうようですが、本(※ハードカバー版)のカバーの裏側に入れられています。
余談ですが、帯にある「京極世界、初の映像化」ってのは間違いですよね?ご承知の通り「目目連」という短編がすでに<幻想ミッドナイト>というシリーズのひとつとしてTVドラマ化されています。
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初めての京極作品です。
本の厚みが気にならないくらい、物語に引き込まれました。
切なく、少し悲しい物語もありましたが、爽快な読後感です。百介、又市、おぎん、治平のチームプレイをもっと読みたいので続編も買おうと思います。
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世評高い「巷説百物語」がaudible(2025年12月15日)に入ったので、ヤツガレ早速耳を傾けまして御座います。
百物語と云い乍ら七編しか収めては無く、同事務所宮部嬢「三島屋変調百物語」の二番煎じかと思いきや、はや26年も前のお話と聞き、こちらが先と恥入り。而も、実は妖怪譚でさえ無いと云う。
流石、冒頭「小豆洗い」が一番で御座いました。何が一番て、山中深く大雨で避難した小屋に集まった5人の人物正体が一向に判らぬ儘語られ始まる百物語が不思議過ぎて、総てが妖しく怪しいので御座います。
いつも最後の章が謎解の回となっております。よって彼らの仕掛けと種明かしに興味の焦点が移る始末。それでも、江戸時代の世界の不思議は充分、小泉八雲の世界に通じます。庶民の恐い怖い怕い、畏ろしい、虞(こわい)、悲しい哀しいかなしい、そして小さな幸せが一杯なので御座います。
如何せん、各話冒頭「絵本百物語」の引用が気になり過ぎて、ヤツガレ、類書の森を掻き分け探し出して参りましてで御座います。そしたら、なんと京極うじが一筆認(したた)めていたという。それはまた、次の書評にて。
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昔の言葉遣いなので理解に時間がかかったり、漢字の読みが覚えられず 読むのに苦労しましたが、後半慣れてだんだんスムーズに読めるようになりました、
難しいなあと思いつつ短編なので読みやすく内容も妖怪関連のコンフィデンスマンみたいな感じで最終的には丸くおさまる感じが好みでした。
解釈はあなた次第みたいなモヤっとした終わり方があまり得意ではないので、ちゃんとネタバラシ?があってスッキリして終わるのも良きです
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悪い奴がいたけど不思議なことが起きて懲らしめられました!きっと妖怪とかおばけとかそういうののせいだろうね!(すっとぼけ)みたいな話
メインの登場人物もみんなそれぞれいいキャラクターをしていて憎めない
1話完結系だからちょこちょこ時間の空いた時に読めるし、面白いし今後追っていきたいシリーズもののひとつになった
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今日は、娘と息子と鬼滅の刃の映画に行ってきました。
近年稀にないくらいの人だかりでした。
私が行ったのは朝7:30からの上映だったのですが、ポップコーンに並ぶ行列。
見たこともないくらいの行列でした(^◇^;)
凄いな鬼滅の刃( ̄O ̄;)
先週は旦那と国宝を観に行ってきました。
こちらもかなりの盛況振りでしたよ。
主演のお二方の演技が凄かったです。
かなり練習なさったのだろうなぁ。。。
感心しかありませんでした。
この本もいつか読みたいなぁと思いました(*´꒳`*)
さて、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズはちょこちょこ読んでおりましたが、こちらは初となります。
雪さんのレビューで急に読んでみようかな?という気持ちになりました。
連作短編というか、連作中編なので私に読めるのか?若干心配でしたが(-。-;
やっぱり中編でも、短いとどうも私の集中力は切れてしまうようで、百鬼夜行シリーズほどガッツリはハマりませんでしたが、さすが京極夏彦先生。読ませるなぁって思いました。
漢字は難しいし、文章上手過ぎです!
読む度、勉強になるなぁって思います。
京極夏彦先生は天才ですなっ (๑˃̵ᴗ˂̵)و
短編でもかなり好きな作品があり、舞首や、芝右衛門狸などはかなり面白かったです。
短編はすぐ忘れちゃうので、一作一作かなりメモりました(笑)読書メモの方に貼り付けておこうかなって思います♪
この短編のうち、何編かで、陰摩羅鬼の瑕を思い出してしまいました(*´꒳`*)
百鬼夜行シリーズ、再読したいなぁ。
↑いつも言ってる(笑)
京極夏彦さんを読むと、昨日よりちょっとだけ頭良くなったんじゃない?って錯覚出来るのも嬉しい♪
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直木賞受賞作家の作品を読もうと、探していたところ、何度も名前を聞いたことがあるこの作家さんに辿り着きました( 直木賞を受賞したのは、本シリーズの別作品ですが、シリーズものは最初から読みたい派なので、まず本作を読みました。)。
辞書をひかないとわからない難しい言葉を多用しているのですが、不思議とすんなり読めてしまうそんな作品ばかりでした。
「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉が、作中何度か出てきましたが、まさに勧善懲悪の話ばかりで、読んでいて、スカッとしました。水戸黄門やアンパンマンのように、日本人にはスッと入ってくる展開ばかりだったと思います。ダークヒーローな感じがまたカッコよかったです。
話としては、一番最後の『帷子辻』が一番印象に残りました。高校の倫理の授業で「色即是空、空即是色」なんて言葉を習ったことを覚えていますが、よく意味はわかっていなかったです。『帷子辻』に出てくる九相図について知り、調べたことで、少し意味合いがわかってきたような気がします(実際にはわかった気になっているだけで、もっと徳の高い修行をつまないと「わかった」などと安易に言っていい言葉ではないのでしょうけど…)。いつか京都の西福寺に行き、本物の九相図を見たく思いました。
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百鬼夜行シリーズ以外、初めて読んだ…
かたちを変えた憑き物落としじゃないか!
シリーズ完結しているみたいなので地道に読んでいこう
最終巻のこれまた分厚いこと…
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昔の文豪の小説って面白いけど読みにくい。京極夏彦の小説の面白さは、昔の文豪みたいな古風な雰囲気を漂わせつつも、それほど読み難くない処にあると思う。もちろん難しい表現はある(意味わからないまま読み進めてる部分も多い笑)けど、雰囲気を味わってるだけで面白い。
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いいですね〜このシリーズ♪
巷で囁かれる不思議な話。
それを集める百介が出会った三人の怪しい者達。
京極夏彦ならではの妖怪、伝承、事件…そして鮮やかな解決‹‹\(´ω` )/››
時代物らしく粋!三人が粋でカッコ良い!!
又市の決め台詞
りん。 「御行 奉為」
って〜わぁ〜〜素敵:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎
京極版必殺仕事人♪
土瓶さん面白かったよ〜!!
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りん。
御行奉為ー。
御行又市さん一座が考えもつかないやり方で謎を解いていく?事件を解決していくシリーズ。
百鬼夜行シリーズとは雰囲気も解決方法もまったく違いますが、こちらもとても楽しいシリーズでした。テーマになっている妖怪との絡ませ方が素晴らしいです。
1話目の小豆洗いはお見事で、繰り返し読んでしまいました。狸のお話も好きです。
又市さんとおぎんがお気に入り。
私も一座に入りたいな...
シリーズを一気に読んでしまうのはもったいない気が既にしていて、他の本も読みながらゆっくり読み進めたいです。
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【2024年142冊目】
御行奉為――ある雨の日に山小屋に居合わせた人々。足止めを食らった彼らが始めたのは、江戸で流行している百物語だった。ひとり、またひとりと語るに連れ、一人の男の様子がおかしくなっていく。ついに男は雨の中――。小豆洗いから始まり帷子辻で終わる7つの短編集。巷説百物語シリーズ第一弾。
再読です。読み始めのあの感覚は、何も知らずに読んだ方がきっと面白いので、未読の方はあらすじも何も読まずに読んで欲しいなと思います。そ後は、多少の流れは理解した上で読むことになるわけですが、どの話も「はい、はい、最後はそうなりますね」とはならない仕掛けが施されており、毎話「んぐわぁー!そういうことね!」と思って大変楽しめる建付けになっています。
これは人気のシリーズになったのも頷けますし、シリーズものはあんまり続けて読まずに、間に違う本を入れて読もうと思ってるのですが、続いてこのシリーズに手を伸ばしたくなってしまいました。んん。
一番好きなのは狸のお話です。私も狸と会話してみたい。
初読:2012年11月1日以前
Posted by ブクログ
お友達に勧められた本です。1999年発表の、京極夏彦さんの時代小説。
勧めてくれた言葉通り、割と理屈抜きで愉しめる、勧善懲悪の江戸時代モノ。
味わいとしては、鬼平犯科帳が横溝正史さんになったような感じ、という印象。肩の凝らない、胃にもたれない、大人の娯楽小説、愉しめました。
江戸時代を舞台に、レギュラーの「必殺仕事人」的な、善玉小悪党たち?とでも言うべき、個性的な面々が、法を逃れた非道な殺人者を、懲罰していきます。
あるいは自殺に追い込み、あるいは、直接描写されないまでも殺します。
(中には、悪党というよりも、「可哀そうな殺人愛好者的な変態さん」というのも含まれますが)
で、この小説の仕掛けは、全てが「魑魅魍魎、妖怪、怪談」と言った類の仕業に見せかけて終える、というところです。例外はありますが。
読み始めて判ったのは、前に読んだ「姑獲鳥の夏」もそうだったんですが。
まあ、強引と言えば強引なんです。
「それってものすごい偶然というか…あり得なくない?」
という部分も、たいていあります。
だけど、そこは小説としての面白さとは別次元なんですね。
横溝正史さんの金田一耕助だって、ホームズだって、そういうところはありますから。
謎があって、それが解けて、勧善懲悪になる。そこに、ヒトの業とでも言うべきやるせなさとか、無常観みたいなものが残る。人間ドラマになっている。
そういうことですね。
言ってみれば、ホームズから始まって、殺人と解決のミステリー物語の王道、と言えます。
それが、舞台が江戸時代で、仕掛けが怪談妖怪話。
そこのところで、嘘が跳ねて、小説が粗筋から飛翔する娯楽があるなあ、と思いました。
「気味が悪い」を「鬼魅が悪い」と書くような、歴史的な整合性は知りませんが、京極さん独特の(かどうかも判りませんが)、深い(狭いのかもですが)博識を基にした、確信犯な演出が冴えていると思いました。
連作短編な訳ですが、俯瞰的に説明するところから、証人の一人称をぶん回す下りまで、実に読み易く自在な筆運び。パチパチ。
「姑獲鳥の夏」「巷説百物語」と読んでみて、成程、京極さんの持ち味と旨さ、なんとなく分かった気になりました。
この人の本は、なんていうか…「所詮、そういうことでしかない」という限定を自覚した上で、小説、コトバ、日本語、という武器をしたたかに使って、独自の水木しげる/横溝正史的世界観に、ぐいっと連れて行ってくれる強力さがありますね。
今後も、慌てず愉しみたいと思いました。
連作短編、ヒトによって好みがあると思います。
僕は、「殺人愛好者の変態さん」の巻よりは、「頭が下がるほどの悪党」が出てくる回の方が面白かったです。
「塩の長司」「白蔵主」あたり、好きでした。
####以下、思いっきりネタバレの個人的な備忘録です####
●小豆洗い
無念を持ち死んだ小僧がいた家で、小豆を数える?音が聞こえる、という怪談?をもとにして。
かつて殺人を犯した男を、百物語で脅して自殺させる。
●白蔵主
悪党の一味がいて、その手下の男がいる。
手下はかつて、キツネ狩りの猟師だった。
殺生を止めるように説いた僧を殺したのを、悪党の親玉に見られて、手下に。
狐の怨霊、みたいな怪談で騙して、親玉と手下を会わせ、親玉を殺させる。
親玉は長年、寺の僧に化けていた。
●舞首
女を誘拐してレイプして、というホントに悪い男がいる。
それに妹を浚われて、言いなりになっている巨漢がいる。
その街を仕切っている悪党のやくざがいる。
この三人をそれぞれに騙しておびき寄せ、殺し合いをさせる。
最後に、三人の首のない死体を遺棄。
クビが殺しあった、という怪談にのっとって。
●芝右衛門狸
徳川の御落胤という若者がいる。
表に出れずに失意の日々を送り、殺人愛好者になる。
この人を葬るために、淡路の国の狸の怪談というか言い伝えを利用。
狸が化けたもの、として、葬る。
淡路の国の人形浄瑠璃の話が印象的。
●塩の長司
加賀の国。
馬を売買する金持ちの商人がいる。
そこに、兄弟の悪党が、狙いを定める。
知能犯で馬に詳しい弟が入り込み、気に入られ、婿になる。子も出来る。もう、悪党であることを止める。
収まらない兄が、手下と、その商人の道中を襲う。
そして、ほぼみな殺し。弟と顔が似ているので、入れ替わる。
そのからくりを見破って、もともと兄がもう病身であったので、狂わせ自害させる。
馬の霊みたいなものが取りつく、という怪談を利用。
●柳女
品川宿。
大きな宿屋があり、中庭に大きな柳がある。
色々言い伝えがある。
そこの当代の主人が、良い人なんだけど、「赤ちゃんを殺す」という癖がある。
その人が、妻も含めて殺してはのち添えを貰っている。
そのからくりを暴いて、殺す?。
柳の仕業、みたいなことにする。
●帷子辻
京都、広隆寺近く、帷子ノ辻(今は撮影所がある)。
かつて皇族の誰かが、無常を知らせるため、自分の死骸を放置させた、という言い伝え。
京都の役人が妻を病気で失う。
この人が、死体愛好者?という癖がある。
妻も含めて連続して、殺しては死体を保持し、腐っては帷子の辻に捨てる。
狂ってくる。
このからくりを暴いて、自死させる。
全体を、無関係なヒトの犯行に見せて、役人の名誉を守る。
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シリーズがとうとう完結したという事なので
始めから読み直そうと再読。
初めて手に取ったのはおそらく高校生前後の頃。
貪るように読んでいたのを覚えている。
が、内容の方はほぼほぼ飛んでいて
覚えているのは登場人物たちの名前くらい。
何とも信用ならない自分の脳みそ。
これを機に改めて楽しんでしまおう。
Posted by ブクログ
初めての京極夏彦先生だったけど、アニメ化も頷けるエンタメ作品で 言葉遣いは難しいが慣れれば読みやすかった。 妖怪ものかと思いきや全然違ったけどこれはこれで楽しめた。 「芝右衛門狸」がお気に入り。
Posted by ブクログ
怪異譚かと思って読んだ巷説百物語、なんか違うなと思いながら最後まで読み切ったのはミステリかホラーかというすれ違いのせいでした。
怪異を題材にするミステリ作家と思えば納得した。
文体も癖が強く、なかなか疲れる。
怪異に準えて人の業を描き暴き、成敗していく。
同じ登場人物が次はどう出てくるか何を演じているのかと少しずつ楽しみになりながらよんでいた
Posted by ブクログ
京極作品、これは人に勧められまして新年一発目がコレです。
江戸時代の妖怪図鑑、「絵本百物語.桃山人夜話」を元ネタ(といっても絵しかない)に奇妙な事件が起こるんだけど、主人公らの御行、艶っぽい傀儡師、変装の妙手じいさんのチームが解決に導くその過程が練りに練られている。仕掛けに結構時間をかけていて答えは最後までこちらにはわからん。で、ここに諸国の怪異譚を集める書物師志望の百介が巻き込まれてるというか気がつけば三人のシナリオに巻き込まれてる。何も知らんヤツが追加されてるのでシナリオがリアル感を増してる。人情系時代小説なのは間違いねぇ。
江戸時代が舞台なのか?その時代の雰囲気を感じられるし、なんだかんだとあっという間に読んでしまったが、私は好きかといわれるとふうん、そうか。という感じ、すみません。妖怪とか怪異とかがどうも、、、。ファンタジーは好きなのだから、同じ穴の狢のような気もするが笑