あらすじ
怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧――。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが……。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。世の理と、人の情がやるせない、妖怪時代小説、第一弾!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
京極夏彦の巷説百物語シリーズ第一弾。
シリーズ完結とのことで、なんとか最終巻が文庫落ちするまで追いつきたい。
妖怪に絡んだ事件を必殺仕事人かのように裁いていく短編集。
久しぶりに京極夏彦の作品を読んだけど、こんなにも読みやすかったかと驚いた。百鬼夜行のシリーズが難しいから、なおさらかもしれない(そこも大好きなのだが)…
どの作品も、人の業というか、悲しい話が多い。しかも悲劇が既に終わってしまっていて、なんともやるせないことが多く、故に、又市たちの仕掛けにスカッとさせられる。
第一作目しか読んだことがないので、次作以降もちまちまと読んでいきたい。
文庫落ち前のハードカバーで読んだよなぁと思い調べると、四半世紀、経って、いた………
Posted by ブクログ
再読。
とはいえ、20年ぶりに読み返したので新鮮な気持ちで読むことができた。
〈巷説百物語〉シリーズ第1巻。騙りや手品、変装などを駆使して事件を解決する小悪党たちを主人公とした、1話完結型の作品集。
深い因縁からの執着や迷妄を祓い、現に向かい合わせるとでもいうような「憑物落とし」を行う〈百鬼夜行〉シリーズと対を為して、この〈巷説百物語〉シリーズでは逆に怪異を利用し、作り出し、またはわざと読み違えて事をおさめてしまう。(又市の
「目ェ醒まして本物の真実見ちまえば、辛くッて生きちゃ行けねェ。人は弱いぜ。だからよ、噓を噓と承知で生きる、それしか道はねえんだよ。煙に巻いて霞に眩まして、幻見せてよ、それで物事ァ丸く収まるンだ。そうじゃあねェか──」
という台詞がよくそれを表している)
狐狸妖怪の仕業であったと思いたい、その方がまだ救いがある、というような、人間のどうしようもない愚行、醜態を相手にする話、ということでもある。だから語られる話はどれもどこか寂しく、人間の仕方なさが底に流れているように感じる。(特に前半3話くらいは陰惨な話で、読んでいて堪えた)
けれど、流石に話の運びが面白くて、騙しの術も大仕掛けになっていき、中盤以降の「芝右衛門狸」や「塩の長司」などは読んでいて楽しく読後感も良かった。
途中から未読になっていたシリーズだけれど、先日完結したとのことなので、続けて最後まで読み進めたい。