あらすじ
時代がどんなに困難でもあなたという星は輝き続ける。売れっ子コピーライターの文香は、出張後に立ち寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め――「星がひとつほしいとの祈り」。このほか、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。「楽園のカンヴァス」で注目の名手が静かな筆致で描く、極上の短編集。
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Posted by ブクログ
ひとつひとつの物語がまるで夜空に浮かぶ星のように、静かに心の奥で光を放つ短編集でした。日常のなかに潜む小さな奇跡や、人と人との絆のあたたかさが、やさしい筆致で描かれています。
どの物語も穏やかな温度を持ちながら、ふとした瞬間にせつなさが胸を締めつける、そんな感情がページをめくるたびに広がっていきました。
特別なことが起こるわけではないのに、登場人物たちの想いや選択が、静かに「生きる」ということの意味を問いかけてきます。読後には、誰かを思い出したり、見えないやさしさに気づいたりするような、あたたかい余韻が残りました。
まさに“暖かくも切ない、心にグッとくる”一冊でした。
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斉唱というお話が、とても心温まりました。絶滅危惧種トキを、愛情深く抱きしめる表現に、涙が込み上げました。原田マハさんの、心の表現が大好きです。トキに会いたくなりました(^^)
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星がひとつほしいとの祈り、号泣しました...盲目の女性に生涯を捧げた女中さん、愛する人との出会いと別れ。戦争を経験した事がない現代の女性が、今のささやかな幸せに気づく事が出来る、とても心温まるお話でした。私も、盲目の女性のように、誰かの心を癒す人でありたいと、生き方に影響のある深いお話でした。マハさんの、心を綴る小説が大好きです。
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どれも女性視点の短編集。妻子持ち男との子を孕んだ女、父不明母が大女優の娘、元華族の老婆の話を聞く売れっ子コピーライター、アラフォー女女の旅行で出会った25歳の喪服女、娘とトキを見に行く、夫を死別した妻の娘夫婦との旅行、元娘が人気歌手だが大麻の罪を、
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妊娠、母との関係、恋愛、仕事、夫婦などなど、女性が岐路に立つ場面での物語を優しく繊細に描いている。それは、人生の寄り道だったり、女性としての自立だったり、夫婦の互いの感謝だったり、そして再出発の背中を押してくれたりと、気持ちが温かくなる内容だ。短編小説で7話収録されている。どれを読んでも中身が濃いので、1話だけで読んでも良いくらいだ。読んだ後には、そっと一歩踏み出している気になる。やはり原田マハは良い小説を書くなぁ〜!!
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7編からなる短編小説。
どの物語も素敵ですが、 「星がひとつほしいとの祈り」がとても印象に残りました。哀しい物語ですが、嬢さまと女中ヨネとの互いを信頼し思いやる様に心温まり涙しました。
「星とは何か」 私にとっての“星”は...なんだろう、と。
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読後感がものすごく良い。
人間っていいな、人生って悪くないな、と前向きな気持ちにさせてくれる。
様々な年代の女性が主人公の短編小説ですが、男性が読んでも十分に楽しめます。
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全て女性が主人公の7編の短編集
『あなたは、誰かの大切な人』の登場人物だった、ハグとナガラがこちらの短編集でも出てきた
先に『あなたは〜』を読んでいたので時系列が逆だったのですが、違う短編集に同じキャラクターが違うストーリーで出てくるのは読んでいて面白いなとおもいました。相変わらず2人の関係性がちょうど良いなと思います。
表題の「星がひとつほしいとの祈り」では、内容は全然違いますが、狐につままれた感じから、村上春樹の一人称単数のサルの話を思い出しました。
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2025.6.11
気づかず最後まで読んだけど二回目だった
一回目とは違う感想で面白い
確かにハグとナガラの話はちょっと既視感?あり
個人的には寄り道と長良川の話が良かったなぁ、
自分が歳とったからこそ、感じ方が違うんだろなと
キラキラした星を集めたよう
一編一編がどれもキラキラと輝く星のような短編集でした。楽園のカンヴァスを読んで、原田マハさんのほかの作品も読みたくなり、でも絵画に関係する小説のほうが面白いのかな、と思っていたのですが、本編は絵画に関係したお話ではなかったですが、すごく素敵でした。
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20〜50代の女性の希望と祈りを見つめ続けた物語7篇。
いつもながら著者の観察力と表現力に驚かされる。
序盤から一気に惹き込まれる。
「斉唱」と「沈下橋」の母娘の心の動き、徐々に通じ合っていく姿に涙する。
またしても旅したくなる。
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どの短編小説もよかった心があったまった
長良川がでてきたのが地元民として嬉しかった
前にママが私の夫になる人は3人で旅行とか行ってくれる人だといいねって言ってたのを思い出した
そんな人を早く見つけたいねー
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表題作を読んだ。とても素敵な話だった。涙が出た。結構切ない話だけど、原田マハさんらしさの溢れるような文章だなと感じて、とても好きだった。上品な人になりたいと、改めて思う。
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一遍ずつ書いていきます。(故に評価は最後)
椿姫「3.0」
男の子凄いね。大人と子供の違いって、「責任感」の有り無しで自分は区別しているので、それがある少年は少なくとも大人だなと感じた。
よって、主人公、主人公を妊娠させた男、少女はまだ子供だと感じた。
最後の主人公が男の子の肩に安心したように頭を預けたのは、一瞬の安心を求めてそうなったのかな。
夜明けまで「4.0」
この物語を読んで夜明けっていうタイトルから
連想する言葉は「希望」「安心」「帰るところ」ってワードかな。軽自動車に乗って山道をヒカルと一美が陽気に楽しんでいるシーンと、村落の自然と一体化するような雰囲気がとても好き!
星がひとつほしいとの祈り「5.0」
ヨネさんとお嬢様の関係性が自分には星のように輝いてみえました。どれだけ辛いことがそれぞれに起ころうとも、互いを生きる希望として乗り越えていく姿勢…。感動しました。
自分も誰かの一番星になれるだろうか。
また、自分にとっての一番星は見つけられるだろうか。終わり方は、なんであのようにしたのでしょう…。
寄り道「5.0」
親と過ごせる時間を大切にしたい…。ほぼ確実に自分より早く居なくなってしまう存在だとわかっているのだから、大事にしたい。現世に残る人の心に故人の思い出が残っている時は、まだ生きていられるってよく聞くから、長生きさせるためにも思い出を残したい。
妙子と喜美の関係性がとても好き。特に妙子好き。喜美と同じ感想で前向きな所がとても、、。妙子の前向きさを見習いたい。
風景描写も相変わらず好きだな〜。物語の季節は夏だし。とても良い
斉唱「4.0」
唯と亮太が一緒にトキを呼んでるシーン好き。
亮太嬉しかったんだろうな〜。
日本のトキ「キン」は救えなかったけど、梓と唯は最後救われて良かった。
亮太の家族と唯、梓が一緒に食卓を囲んでるシーンで美味しいご飯を食べられる喜びをもっと深く感じたいと思った。
長良川「5.0」
読んでて安心する…。いい人生だな〜堯子さん。
小さい幸せをみつけて楽しみ合うパートナーってなかなか、、ね笑
自分自身もそうでありたいけど、なかなか、、笑
女性側の結婚観ってこんな感じなのかな〜。でも僕自身もこんな感じなような気がするな〜。
長良川行って屋形船乗ってみたいな〜!!
沈下橋「4.0」
最後にこの話を持ってきますか!!最後に辛い気持ちになっちまったな〜…。こりゃ参った…。
でも、まだ希望がある終わり方で良かった。沈下橋のように辛い時はその状況を受け止め、落ち着き始めたら何事も無かったかのように。良い生き方というか耐え方というか、学ぶべきところがありました!しかし、沈下橋という知らない存在から学びを得るなんて…。その存在を使いながら私に語りかけてくる感じが凄いなぁ…。
Posted by ブクログ
短編とはいえどのお話も内容が深い。
二つ目と三つ目のお話は泣かずにはいられない
それと、お話に出てきた場所どこか一つでも行ってみたいと思った。
Posted by ブクログ
特に
星がひとつほしいとの祈り
長良川
がぐっときた。
私にとっての星はなんだろう
長良川、鵜飼見てみたいな。
マハさんの作品は私に旅をするきっかけを与えてくれる。
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新婚旅行に夫と旅行に行った長良川。
2度目は癌の告知から退院していったとき。
3度目は夫が亡くなって半年後に娘と娘の婚約者と。
幸福のかたちがめにみえた
地味だったけれど安息に満ちていた
君はひとりになるけれど
寂しくなるかもしれないけど
第二の人生を始めてほしいんだ
すきなところに行って、すきなものを食べて、好きな音楽を聞いて
好きな絵を見て、好きな花を育てて、好きな本を読んで
そしてもし、好きな男がてきたら迷わずにそいつと生きていってほしい。
そうしてくれよな、
おれが死んだら
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やっぱり安心安全の原田マハ。
失敗したくないタイミングの時には、朝井リョウか原田マハを読むようにしてる笑
どの短編も主人公は女性で、母と娘がテーマなのかな。
ここに描かれてるのは人生のほんの一瞬。
だけどスポットライトを浴びているできごとの前にも後にもその人の人生は続いているのが感じられる。
どこかで賢明に生きている生身の人間の、ある一場面を覗いているみたい。
登場人物と同じような女性達が今日もどこかで生きていて、その人たちと「お互い色々大変だけど頑張ろうな!」って励まし合ったり、「少しでもあなたの明日が幸せでありますように」って祈っているような不思議な気持ち。
なんとなくノスタルジーを感じるのは今帰省中だからっていうのもあるのかも。
私は母とあと何回会えるのかな。
ありがとうとごめんを何回言えるのかな。
ちゃんと聞きたいことを聞いて、言いたいことを伝えて、母を見送ることができるのかな。
Posted by ブクログ
美しい文章でスラスラと読めてしまった。
通勤時間にちょうどいい短編。
夜明けまで、寄り道、長良川がお気に入り。
現実離れしすぎてなくて、どこか人生でつまずいてしまった主人公が人の温かみに触れて希望を感じるような話が好きだな〜と。
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20代から50代に渡る女性の心情を描いた短編集。
それぞれの世代のそれぞれの思いと、その土地ならではの温かい言葉があふれる作品だった。
表題作の「星がひとつほしいとの祈り」のしみじみとした語り口が印象的だった。
ファンタジーのような要素があるところにも惹かれた。
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心に傷を負った女性が、ほんの少し明るい希望の光を見いだして一歩前に進もうとする短編集。自分のことを決して諦めたりしない、それぞれの姿勢に心強い意志を感じれて応援したくなる。
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短編集を久々に読みました。
妊娠中絶という現実が自分の目の前に来たら、どうするだろうか。考えたこともないし、なんとか産ませてあげたいと思うのが普通だが、いろんな事情があって、中絶になることはあるかもしれない。
耐え難い経験であることに変わりはないだろうが、もし身の回りに経験をこれからする人、したことがある人がいたら、心の助けになれる行動、言葉をかけたい。
「沈下橋」
人の人生は、成功するのに長い時間がかかる場合が多いが、崩れるのは一瞬である。そんな時に身の回りに頼れる人はいるだろうか。何人いるだろうか。その人と関わることで、立ち直れるだろうか。自分にとって、助け合いができる人を何人作れるか、これが人生で一番大事なことじゃないかと思う。窮地に追い込まれた時は視野が狭まるものであり、そんな時でも、頼れる関係性を作ることを、元気な時から意識しないといけないからである。
自分が沈んだ時だけ、見える道がある、可能性がある
そんな時だからこそ、できる選択があり、人生をいい方向に舵を切り直すことができるのだ。
「自由になればいい」もし、今が窮屈な状況なら
気を楽にもつしかない。何か苦しくなっている理由があるなら、その状況を解決するために、一旦償うしかないのかもしれない。やり直して、自由になって新しい人生を歩き出すことも大事かもしれない。生まれ変わった自分を待ってくれている人は必ずいる。
この橋になればいい
嵐の時には水に沈み、じっと耐える橋。
空が晴れ渡れば、再び姿を現す沈下橋に。
Posted by ブクログ
表題作よりも、長良川という短篇が抜群に良い。
表題作は、入れ子構造なのだが、外枠のストーリーが安直かな?もっと良い設定をつくれたんじゃないかな?と思わずにいられない。
Posted by ブクログ
長良川が1番良かった。自分が死ぬときに、色々後悔しながら死ぬんじゃなくて周りの人の幸せを祈りながら死ねるように、これからの人生真っ当に生きていこうと思った
Posted by ブクログ
一見男女の物語のようだけど、
全て母と娘の関係が根底に流れるテーマの短編集。
母娘の関係性は複雑だし、全て上手くいっている母と娘って果たして世の中にいるのかなと思うけど、
この短編集は希望が見える終わり方が多くて、良かったかな。