あらすじ
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!(解説・今野敏)
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Posted by ブクログ
『ザ・ロイヤルファミリー』
第1章:知らなかった競馬の世界への扉
普段は競馬をせず、レースの経過も知らない僕ですが、SNSでの話題をきっかけに本書を手にとりました。
そこに広がっていたのは単なるスポーツやギャンブルではなく、人生のすべてを懸けた熱い人間ドラマでした。
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第2章:絶対の信頼と、宿命の血脈
作品の魅力は、ワンマン馬主、オーナーの山王耕三と、彼を支えるマネージャー・栗須栄治の絶対的な信頼関係です。
経営者は、リスクに敏感です。
それゆえ、「人は裏切る」という性悪説の視点も織り込んで業を励行します。
オーナー山王氏の「だからこそ俺を裏切るな」と迫る凄みに、わけもあり一気に引き込まれました。
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第3章:父を超えたい執念と、隠し子の涙
真に涙を誘うのは、山王の隠し子である耕一の葛藤です。
「父を超えたい」と執念を燃やすものの、挑むほどに父の背中は遠ざかります。
ましてや、もう、この世にはいないのですから、、、。
血統の世界で無名馬が奇跡を起こす展開。
また、人間が馬の特性に寄り添う姿にも深く胸を打たれます。
馬そして人間双方における、血の宿命が生み出す、紡ぐ物語に胸が締めつけられたのは、自然なのかもしれません。
静かに涙が溢れ出したのでした。
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第4章:時代を超えて受け継がれる、魂の物語
本作の真骨頂は「継承」のドラマにあります。
馬の血統だけでなく、人間の執念や愛憎までもが時代を超えてバトンされ、ラストへ向かって結実していきます。
まさに、馬のようにゴールにむけて疾走する展開です。
競馬の知識が全くない人でも一気に引き込まれ、読み終えたときには、馬の走りを見たくなるそんな名作です。
ぜひに、ご覧ください。
Posted by ブクログ
この作者さんは群像劇、人の心理を描くのが上手いと思います。
競馬が分からない自分でも、人間ドラマとして楽しく読めました。事実、題材が競馬でなくとも成立する話だったでしょう。人の意志、誇りが次の世代に継承されていく作風が自分の好みでした。
Posted by ブクログ
話題になっていたのでいつか読もうと思っていました
記憶違いでなければ本作はメディア化もされたと思います
きっと面白いのだろうと思いながら、テーマが競馬なのでついつい後回しにしていました
数年前まではウマ娘にドはまりして毎日ソシャゲに勤しんでいたのですが、引退してから数年経ち今ではギャンブルそのものに嫌悪感しかない思考になってしまいました笑
もちろんウマ娘はとても楽しかったし競馬に詳しくなれたのは財産なのですが、そもそもの競馬はギャンブルでしかないので近づきたいとは決して思いませんでした
そのため本作も「面白いんだろうけれど共感はできないかもしれない」と危惧し、読むのを後回しにしてきました
読み終わった今、あまりの感動に泣きっぱなしだわ興奮し続けてるわで情緒が大変な騒ぎになっております笑
間違いなく本作は名作だと思いました
なんて人間ドラマでしょう
二世代にわたる壮大な家族の物語でした
登場人物も魅力的で人間らしくてリアルで想像しやすい人たちでした
どの人も最後には好きになってしまいます
そして馬たちが躍動感たっぷりに描かれていて、本当に可愛くて愛おしくて最高に良かったです
ウマ娘をしていたので競馬に関する知識は最低限持ち合わせています
そのため本作を読み進める際に困ることはありませんでした
もちろん競馬について何も知らない人が読んでも必ず楽しめるはずです
主人公は競馬を何も知らない状態で競馬の世界に飛び込むのですから笑
読後感も素晴らしかったです
続編を待ち望みたくなるくらい面白い作品でした
Posted by ブクログ
早見さんはイノセントデイズで初めて知って、その後店長がバカすぎて、アルプス席の母を経て今作に。
多彩な作家さんやなー、全部面白いなーというのが第一の感想。
小説が終わったかと思いきや、最後の1ページの内容にもグッとくる。最高。
ドラマを見て読んだので、同情人物の顔がチラリと思い浮かび読んだのも良い。
こう思ったらキャスティング良かったなー。
ドラマとは違う箇所もあるけど、いい作品だった。
これはドラマ化したくなるなーとうなる1冊。
Posted by ブクログ
秘書となったクリスの目を通じて描かれた、馬主、牧場生産者、ジョッキー、競走馬の物語
臨場感あふれるレースの描写、実際にレースを見ているような感覚になった
親から子へ血のつながり、継承
馬も人も色々なドラマがある
競馬、完璧と思っても思い通りには行かないところは、人生と同じ
久々に感動した物語でした
Posted by ブクログ
久々だな。こんなにも物語に引き込まれたのは。次どうなるの?勝ったの?正に寝る間を惜しんで。ほんと丁寧な小説だなぁ。競馬はやらないけど、ちょっとやる人の気持ちを垣間見た気がする。次の有馬記念を楽しみにしています。素敵なお話をありがとうございます。
Posted by ブクログ
日曜劇場でドラマにもなった話。乗馬を少ししたことあるだけで競馬についてあまり知らなかった。その裏側を知れて面白い。競馬のレースの裏側にもこんなにも多くの人が絡んでいてそこに夢や欲望、挫折絶望などが織り込まれている。この一瞬に大人達が人生を賭けて挑むのは素直にカッコ良いと思った。人生を狂わせる魔力帯びている。あとは社長の気持ちも共感できた。裏切られたくない癖に不器用だから人を試すようなことをする、心の底から信じれない生きにくい人。それにして人情もある。経営者は不器用な人が多いのかもとも思った。
Posted by ブクログ
一言で表すと継承がぴったりのお話。最近競馬場に行くことが好きになったから読んでみようと軽く読み始めたけど500ページ越えのボリュームに最初は面食らった。けど、2.3日で読み終えてしまうほど面白かったし、馬のリアルな疾走感や表現を通して本物の馬が見たい、、、と思った。競馬好きさんは読むべき、、!
Posted by ブクログ
一人の秘書の目線を通して綴られる、馬と人間のドラマの数々に何度も涙が。馬主の、騎手の、そして馬自体の継承。月並みではあるが、まさに「競馬はロマン」という言葉の意味するところが理解できた気がします。ラストに鳥肌が止まらない。
Posted by ブクログ
競馬全然分からないけど大丈夫かな?と不安ながら読んでたけどどんどんのめり込んでしまって
途中からじわじわ涙してしまった。
人と人と馬と…みんなの絆が心に響きました!
競馬の知識がなくて、最初は話に入っていけるかなと、不安でしたが、とても面白かったです!
馬主や騎手他にも沢山の人達がレースの為に力尽くされるのが伝わりました。ドキドキハラハラでした!
少し競馬に詳しくなれました。
Posted by ブクログ
最後に馬柱でその後のストーリーを説明する感じいいね。感動した。競馬は馬にも人にもドラマがある。
あまり馬主のことを意識したことなかったけど、これからは少し見る目も変わったかな。
競馬好きにはたまらない小説。
Posted by ブクログ
競馬自体には興味がないという立ち位置から読み始めたので最後まで感動はあまりわかなかったが、物語の進め方が斬新だなと感じた。ドラマをちょっと観てたので山王社長は佐藤浩一、クリスさんは妻夫木聡の顔しか浮かばなかった。
Posted by ブクログ
この作家さんの作品は割と重めなものしか読んだことが無かったし
競馬についての知識も興味も無かったので
手に取るか少し悩んだ1冊。
結果、夢中で読みふけってしまった。
命や血統については少し思うところがあったけど
本当に一気に読み終えてしまった。
競馬、熱いんだな。
Posted by ブクログ
2026.8.28
言葉にトゲがなくなったからこそ、よりすごみを増したと言えそうです。
『お前はこわい顔で仕事しすぎだ。馬に緊張を与える態度を見せるな。ウソでも笑ってろ』
自分が何かを成し遂げたわけではありません。ただ成功者のそばにいるだけです。そんな当たり前のことを自分に言い聞かせていなければ、一般のお客様よりずっといい席にいられることを勘違いしてしまいそうな予感がありました。
そもそもそのうしろめたさ”の正体こそが、まさに楽しさ”なんじゃないですか?
僕はたくさんのものを背負っていらっしゃるオーナーが好きなんです。いや、それはべつに馬主に限りませんね。たくさんの人の思いを引き受けている人間が好きなんです。意外と少ないですからね。背負っているふうの人はたくさんいますけど、きちんと背負えている人ってあまりいない。
目の前の何かを心から楽しんでいる大人ってカッコいいじゃないですか。こんなふうになりたいって思わせてくれる稀有な人
Posted by ブクログ
主人公・栗須栄治は、ひょんなことから豪快な馬主・山王耕造と出会ったことをきっかけに、まったく縁のなかった競馬の世界へ足を踏み入れる。
競馬を通して、夢と家族・仲間の絆を描いた長編物語です。
学生時代に、競馬を見ていた自分ですが、本当に齧る程度でしか見ていなかったので、馬主、調教師、騎手、生産者など、競馬に携わる様々な立場の人間の思いが描かれており、とても面白かったです。
競走馬は、決闘が重要であることはもちろんですが、この作品では、人間の家族の繋がりがとても温かく感じることができ、目の奥がじんわりとしました。
Posted by ブクログ
競馬に全く興味がなく何の知識もない私でも、相当な引力で惹き込まれてイッキ読みでした。
競馬=ギャンブルのイメージしかなかった。
でも、一頭の馬の生産から調教、レースへと、様々な人がたくさんの思いを込めて関わっているのですねぇ。
みんな「馬の物語」に惹かれるのだなぁ…
競馬が愛される理由がわかった気がする。
どんな世界でも生まれ持った才能を備えている人がいるけれど、その才能を支える人がキーパーソンであることは多い。
競馬の世界でも馬も人もその才能を見抜くことができる人やその人をどれだけ支えられる人がいるかで、彼らが見ることができる景色は大きく変わるものなのだろう。
クリスというマネージャーから語られる口調で小説は展開するけれど、彼の支えがあってこその物語だった。
そして、競馬界というものが山王耕造のように、自分の能力やお金を馬やその周辺で働く人達の幸せのために使うことのできる人によって支えられているということも驚きだった。
単純に金儲けだけの馬主もいるのかもしれないけど。
継承がテーマの小説。
一章の山王耕造と二章の息子耕一。
競走馬が種馬となってその子ども達がレースを継承していく。
そして馬主も継承される。
耕一は、父を超えることを目標にしていたけれど、負け馬の将来までを考えて、レースへの出場を算段して馬を守ることができたことが何より父を超えていたのではと思う。
なかなか勝ちに行けない馬をハラハラしながら読み進めて、勝てないままラストまで持って行くあたり、早見和真さんはなかなかだなぁ。
最後の競走成績一覧を見てものすごくホッとしてしまった(笑)
Posted by ブクログ
馬主である大企業の社長に振り回される秘書の主人公が競馬を通じて人と人との繋がり、親と子、旧世代と新世代の継承の様を美しく、熱く表現された小説。
競馬をしているためかすごく読みやすく、面白く、泣ける内容だった。
おそらくドラマの方が映像や音楽がある分面白く、感動すると思う。小説ではレースの結果がものすごく簡単に書かれていたり、あれだけ求めていたG1制覇をにものすごく短く簡単に描かれていたり物足りない感じもあったが、小説の中でクリスが涙を流してしまうシーンは感情移入してしまい感動した。
継承の様(本編では結局旧世代が新世代に譲らない形になるが(笑))は心に来るものがあった。
競馬している人は絶対にオススメな本
Posted by ブクログ
うーん面白かった、なかなかに読み応えがあって良かった。ドラマも気になるところ。
けいばをあんまりしらないわたしでもレースシーンは熱いものがあった
Posted by ブクログ
私が早見和真さんを知ったのは、昨年の夏に読んだ「アルプス席の母」。甲子園を目指す高校球児の母に焦点を当てた感動の物語でした。そして、その年の秋から始まった日曜劇場のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」がとても面白く、原作者が早見さんということで、いつか原作も読もうと思っていました。
ドラマと原作では少し展開が異なる部分もありますが、全く気になりませんでした。むしろ読み進めながら、頭の中では佐藤浩市さん、妻夫木聡さん、目黒蓮さん、松本若菜さんら豪華俳優陣が躍動していました。
この物語の大きなテーマは、年末のグランプリレース「有馬記念で勝利する」という、無謀とも思える野望をオーナー親子が「継承」していくこと。そこに牧場、厩舎、調教師、騎手、新聞記者など、競馬に関わるさまざまな人々が絡み合いながら物語が展開していきます。
私の競馬歴は長く、予想する際に重視するのは、距離は? どこの競馬場のどのコースか? 天気は? 馬場状態は? 厩舎は? 騎手は? 戦歴は? そして、やはり血統。それらの条件を総合的に判断して馬券を買うのですが、結果は毎年惨憺たるものとなっています(笑)。
それでも、サラブレッドのカッコよさと、その一頭一頭が持つドラマに強く惹かれて競馬はやめられませんね。
今年こそはなんとかプラス収支で、年末の有馬記念に臨みたい!作品に登場するオーナー親子には遠く及びませんが、私も密かに「無謀な野望」に燃えています。
Posted by ブクログ
ドラマ版先に見てるから比較しての感想になっちゃうけど、ドラマ先に見てたから競馬にわかでも読みやすかったし、ドラマは大分膨らませてるんだな〜〜〜という印象が強い。
原作は意外とそれぞれのエピソードが薄かったり、逆に優太郎さんや展之はドラマ版より好感が持てたり。
でも話そのものはやっぱ熱い
Posted by ブクログ
馬主の読み方、知りました。
読み終わって、話題だったドラマ一気見しました。
どっちも好きですが、競走馬の怪我の難しさが、原作の方がたっぷり表現してあったように思いました。
Posted by ブクログ
金持ち(実は複雑な)家庭の話かと思った。『あのポプラの上が空』のせいですね。
めちゃくちゃスポーツ漫画みたいな話だった。
親編と子編で分かれてるのが良い。最後負けたところで話を終わらせて、ロイヤルファミリーの経歴でその後勝ちまくったのを知らせるのも良い。
話がクリスの一人称視点で進むのがたまにウザいなと思ったけど、それも敢えてなんだろうな。
Posted by ブクログ
この本面白いらしいですよ、と薦められたのをきっかけに購入。
私自身、馬が好きだったのでどんなお話かな〜、と読む前からワクワクしました。
派手に開催される競馬のレース。
レース自体にどうしても目がいきがちですが、そこにたどり着くまでの、それぞれの馬たちのオーナーさんが主体となった物語でなんだか新鮮でした。
面白くてどんどん続きが気になり、スムーズに読み進められましたが、「………そこで終わるの?」と少しだけ結末に物足りなさを感じてしまいました。
匿名
ザ・ロイヤルファミリー
テレビドラマ化されると知って、久々に小説を読みましたが、文章も読みやすく、競馬に詳しくない私でも最後まで飽きずに読めました。競馬に関しては、説明というよりは簡単なガイド的なものなので、逆により興味を持てました。順風満帆なサクセスストーリーではないのに、読み終えた後は、何となく競馬場の緑の芝生の爽やかな風が吹いてくるような後味の良さがあります。ドロドロした人間模様は疲れるから敬遠したい方におすすめです。取り敢えず私は、競馬場に行って美しい競走馬をこの目で見たくなりました。
競馬を知らなくても楽しめるかも
登場人物が順風満帆とはならなかったり馬も簡単に勝たしてもらえないストーリーにちょっともやっとしましたが、小説の結末の先にも物語があるなかなか上手い作品でした。宮本輝の「優駿」やディック・フランシスの競馬ミステリーとはまた違った面白さがありました。
Posted by ブクログ
好きな作家さんだし、ドラマ化されていたので、期待して読んだ。
悪くない。
人の描かれ方、物語の持っていき方、よい。
自身の期待していた展開がなかったのだと思う。
何か裏があったり、最後の最後で繋がるようなこと。
終盤を読み進めるのがペースダウンした。
Posted by ブクログ
競馬の世界は継承こそが本当の姿、一頭だけで終わる物語じゃない。お金持ちの道楽と思っていたけど、ここまで熱い思いで、人生を懸けて競馬の世界に没頭する人たちの姿が印象的だった。
山王社長も椎名さんも、次の人生では競馬をしないっていうのも、人生を懸けているからこその言葉だと思う。
山王社長に肺がんが見つかった後も競馬の世界を引退せず、息子にホープの血を継承するために生きる姿を見て、人生っていうのは目標を持って生きることが活力を見出すんだろうなぁ。
旦那がよく競馬をしていて、ギャンブルしているなーくらいの印象だったが、その世界で関わっている人たちの話を読んで、実際の競馬場に足を運んでみたいと思った笑
Posted by ブクログ
著者作は『春までのセンセイ』『問題。』『アルプス席の母』『笑うマトリョーシカ』『ひゃくはち』に続き6冊目。
競馬は全く知らないのだが、1頭の背後にここまでの熱狂、嫉妬、羨望、後悔、屈託などの物語があるとは思わなかった。知識があればもっと楽しめたと思うが、それでも人間ドラマの部分は面白かった。
ドラマのキャストで、椎名善弘が沢村一樹だったと知りめちゃくちゃ納得。