あらすじ
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!(解説・今野敏)
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Posted by ブクログ
祖父が北海道で生産牧場を営んでいたり、親戚も競馬関係が多かったりと、他人事とは思えないまま読み進めた。
ドラマはドラマで本当に素晴らしくて、かつ日曜劇場ならではの良改変で、毎週盛り上がりがある大変ドラマチックな作品だった。
…が、時系列の長い作品ということもあって、個人的には静かで淡々としているんだけど、その分心にグサグサ刺さるこの原作が大好き。
それにしても…成績表で泣く日が来るとは思わなかった。
Posted by ブクログ
ドラマを見終わってから、原作を手に取った。ドラマとは所々違う部分もありながら、大枠は同じストーリーとして進んでいった。どちらが良かったかという議論をここでするつもりはないが2つ言えることがある。
作者の熱量、本当に馬が好きなのだろうということ、もう一つはドラマの制作に携わった方も相当の解釈を以て制作に臨まれたということ。
作者もドラマ陣も競馬というストーリーを通し、伝えたいことを伝えようとするその姿勢に胸が熱くなった。競馬がこれだけ長く続いている理由がよくわかる。私も何かの縁で今年、競馬を始めたのだが、誰しもが持つ欲を感じ取れるところに魅力を感じている。人の持つ欲は時にドラマを生む。
この作品の名シーンはロイヤルの馬が勝つことではないと思う。最後、ロイヤルファミリーでもなく、ソーパーフェクトでもなく、ビックホープが勝ったことこそがこの作品の肝となる「継承」を表したものであり、最大の名シーンだろう。社長の想いが繋がったとみてもよいが、私はそれ以上に社長が背負い込んできた全ての人の想いが次に繋がったのだと感じた。だからこそ、一度は引退を決めたロイヤルファミリーが引退をやめたのだとそう解釈している。
是非次回作を、凱旋門、有馬記念の勇姿を描いてほしい。今年最後に読めて本当に良かった。
Posted by ブクログ
読後感がとても良くいい本だったなと思いました。
知識は全く無くギャンブルというイメージしかなかったが競馬というものがただの道楽ではなく牧場、調教師、ジョッキーといったいろいろな人が関わりそれぞれの思いが1頭1頭に託されていることを知り見る目が変わりました。
それでもなかなか勝てずに今度こそは、ともどかしく感じられたが最後にああっ、っと安堵のため息がでました。
自分の人生で継承ということを意識していなかったが親から自分、自分から子供へ何を伝えられるのかを考えてみようと思います。
Posted by ブクログ
ドラマで有名になり、友人の評判から以前から読みたいと思ってました。つい先日、有馬記念があって、今が読むタイミングだ!と感じ急遽読み始めました!
テーマは「継承」だったのかな?自分の知らなかった競馬の世界にここまでのストーリーや人々の思いが詰まってるのかと感動しました。こういった視点を持つだけで周りの見方が変わるなと感じました。
特にぐっときたのはラストの後!ロイヤルファミリーじゃなく、ビックホープが優勝し、これもまた一つの継承だったと気づいて感動していたのも束の間、ロイヤルファミリーの戦績表にはその後も載ってるじゃないですか!!あえて、物語上では簡単に勝たせてくれない中で、しっかり雨の中の有馬記念で感動の余韻を残してくれた著者は粋だなと思いました。
ドラマでも観たいなー、やっぱり馬が走ってるのを観たい!
匿名
ザ・ロイヤルファミリー
テレビドラマ化されると知って、久々に小説を読みましたが、文章も読みやすく、競馬に詳しくない私でも最後まで飽きずに読めました。競馬に関しては、説明というよりは簡単なガイド的なものなので、逆により興味を持てました。順風満帆なサクセスストーリーではないのに、読み終えた後は、何となく競馬場の緑の芝生の爽やかな風が吹いてくるような後味の良さがあります。ドロドロした人間模様は疲れるから敬遠したい方におすすめです。取り敢えず私は、競馬場に行って美しい競走馬をこの目で見たくなりました。
Posted by ブクログ
競馬を題材とした小説で、テーマ、文体、テンポからなのか、文章が最初から最後まで、競馬実況の声で脳内再生されてた。たぶん馬が走るペースぐらいで読んでるなという謎の感覚にもなってた。笑
競馬にはほとんど関わってこなかった人生だけど、擬似競馬体験をしたと思える、手に汗握るシーンがいくつかあって、時々興奮状態に陥ることがある。ただし、そういう時は決まって勝てない。(勝つも負けるもないけど) この「負けた時」の、実感に近い「惜しかった、悔しい、また次こそは」の気持ちの繰り返しの中で物語が進むことが、この小説の醍醐味であったように思う。
最後に、競馬に興味は湧いたのだが、一回も勝てなかったので、たぶん競馬を始めることはない。