あらすじ
美容外科医の橘久乃は幼なじみの志保から「やせたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。有羽は高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。もともと明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか? 「美容整形」をテーマに、外見にまつわる固定観念や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリー長編。
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Posted by ブクログ
私は美容整形肯定派。とても考えさせられる考察のし甲斐のある本だった。
有羽⇒自分自身の容姿に自信があった
だからそれを失ってしまったことで自信を喪失
→世間一般からの「美しい」「幸せ」が誰にでも当てはまるわけではない
→美容整形が誰にでも「幸せ」をもたらすわけではない
→容姿というものは「自信」の大きな要である
⇒でも、健康面で考えると「太っている」のはマイナスなのでは?
・気分が落ち込みやすくなる
⇒実際に有羽は、結構すぐにちょっとした要因で自殺してしまう
・体が動かしずらくなる、生活しずらい
⇒けがをする確率が上がる
有羽の中学の時の担任
⇒太っていて、今まで辛い思いをしてきたけど自分のことを「容姿」関係なく愛してくれる人を見つけた
⇒幸せ
*有羽との違いは何か?
⇒有羽は思春期だった、若かった。やはり人間小さい時に受けた影響がその後の人生に大きな影響を及ぼすと思う
⇒世界が狭いから(自分の見えている世界がすべてだと思ってしまうから)
以前「自殺をした人は逃げた人じゃなくて逃げられなかった人だ」という言葉を聞いたことがある
有羽は自分の「お母さん」からの評価(小さい世界)をもろに受け取ってしまい傷ついてしまった。
そして自分に「自信」がないからこそ、「逃げる」選択が取れなかった。
大人だったら、「逃げる」という選択肢があることを知っていたかもしれないが、有羽はまだ若く、できなかった。
有羽の高校の時の担任
⇒思春期の子供にとって、どれだけ近くの大人が影響を及ぼしうるのか
自分自身「容姿」で辛い経験をしたことがある彼女にとって「太っている」ことは悪いことだった
だから有羽も辛いに違いないと考える
彼女は自分自身の信念に従って動いている
→自分は「良いこと」をしていると信じている
しかし結果として有羽を追い詰める要因となる
→客観的に呼んでいるから、この担任の行動が「よくない」ことであることは明らか。しかし、自分自身が知らず知らずのうちに他者にこういう干渉の仕方をしていないか、考えさせられる。
多様性が唱えられる時代において、「容姿」を一つの基準として人に優劣をつけるのはおかしいのでは・・・?
→でも「内面」よりも先に「容姿」が目につくのも事実。
→でも、なりよりも「自信」があるという雰囲気が大切なのでは?
→自分自身に対してのゆるぎない自信を身に着ける。これが、内面よりも容姿よりも人を引き付けると私は考える。
→どんなに美人でも冷たい印象を受けるととっつきにくい。よく見るとブスだけど愛嬌があるとかわいい。
⇒もちろん容姿は大切だがそれよりも自分自身に対してゆるぎない自信を持つこと
そうすれば人生を楽しく生きることができるのでは・・・?
↑などなど、ノート6ページくらい自分で考えたうちの一部分。
他者の目なんて気にせずに生きていこうよ!って言いたいところだけど、そうもいかない世の中。
でも、この人生は私が主人公であり、読者である私のための物語なんだから、ハッピーエンドじゃないとだめだよね(笑)
Posted by ブクログ
久しぶりの湊かなえさん
最後の最後までドキドキさせてくれる
勘違いとかすれ違いとか、同じことが起きてても人によって見方も感じ方もこんなに変わることがあるっていつも驚かされる
読むの2回目だけどすっかり中身を忘れて新鮮に読めた。最高です
Posted by ブクログ
それぞれの視点で話すので、登場人物の印象が変わっていき面白かった。
本編では主人公に否定的な声が多かったけれど、それはその人から見た人物像で、主人公は悪い人ではないのだろうと思う。天然で気に障る言動をすることがあるだけで。
八重子と有羽や、星夜と有羽、主人公と堀口(父)など、互いを思い合っていたのにカケラがぴったりはまれなかったのが切ない。両思いってだけで上手くいかないのはリアルなのかも。
Posted by ブクログ
現代ぽい話でとてもよかった。
太っている痩せている、かわいい可愛く無い..
そこへの執着が比較的強い方なので、今は小学生の子でもオシャレするのが当たり前の世界なのが楽しくもあり、疲弊もしそうな時代
話は1人の女の子へ対する印象などがさまざまで、だんだんとその子がどういう子なのか浮かんでくるのが読んでいてたのしかった
Posted by ブクログ
面白かったです。
外見からその人の背景や環境を想像できても本当のことはわからないし、何が良くて何が悪いのか、現在に至るまでの原因がいつの何なのか、向き合うというのは難しいなと思いました。
Posted by ブクログ
事実を知るのに多面的な意見とても大事ですね。
自分の娘を、不倫した旦那への復讐に使う実の母親が1番グロい。
横網さんも気付かないフリしてるのがキモい。
こういう嫌な気持ちで終わるのが本当に湊先生うまい。
Posted by ブクログ
私は醜形恐怖症を経験したことがあるので、この本は自身に関係あるテーマを扱っていると思い、読み始めました
人を褒める場合であっても外見のことを言及してはいけない という内容が書かれていましたが、私も常にそう思っています
悪口のみならず、褒める場合でも 外見のことを口にするのは品がなく、失礼なことだと思っています
簡単に、他人の外見をジャッジする人がいますが、「自分が理想的だと思っていることが、必ずしも他人の理想とは限らない」という文を読んで、本当にその通りだと思い、ブスやデブなどの言葉は、ただの悪口であるだけではなく、一方的な理想の押しつけとも取れますね
Posted by ブクログ
悲しい物語。どんなに言葉を重ねても、人と人との感情のすれ違いは起きてしまうことを実感した。またその過程やその人の人生の背景も非常に解像度高く描かれている。人に対しての評価や思い込みもそう。物事を表面的に見るのではなく、いかに真意を理解するために、情報を集めて解像度を上げることが大事か、考えさせられた1冊だった。
Posted by ブクログ
結局、有羽が自殺した理由は推測でしか分からなかった。私の推測としては、大好きなお母さんに拒否された事により躁鬱が悪化したためだと考えたのだが、すっきりはしない。
一人称語りで湊かなえさん特有な感じであったが、私はそれが好きなので読んでいておもしろかった。
そしてルッキズムが加速していることを改めて実感することができ、最後のクノちゃんのエピローグには感動した。私も自身の容姿で悩んだときには、あの言葉を思い出して励まそうと思う。
Posted by ブクログ
美容外科の先生と登場人物との喋り言葉がメインで構成されている。
ほんとにリアルな内容の会話、些細な会話があってすごい状況は入ってきやすい。
自分が美容外科の先生になって、登場人物と話してるような臨場感がある。
みんな独特で(美容外科の先生自身も笑)面白い。
読んでいくうちに、美容外科の先生がどんな人柄なのかも次第にわかってきて面白ってなる
色んな立場の人がいて、色んな意見考えを持ってる。これは当たり前。だからこそ、自分が見えてる一方向からの視点で相手の全てがわかる訳じゃない。悪評の裏には切ない過去があるかもしれない。
皆が皆それぞれに自己正当化をしていて、なんか少し醜いなと感じた。特に学校の先生はあまり好きじゃない。
最後まで読んでみて、個性の尊重と他人を非難することの醜さを改めて感じた。
Posted by ブクログ
整形美容の医師てある主人公がある女性の死について事実を知るため関係者に話しを聞いていく。
人は外見を少なからず気にする。
また人が羨む外見である人は内面を見てもらえなくて悩む。
人は皆、形が違うカケラであると。
自分を大切にし他人を大切にする。
自分の居場所が見つかるように。
Posted by ブクログ
いじりは相手にとって得があるものをよぶ。それが無ければそれはいじめになる。
皆がみんな同じ基準を持つ必要は無い。
いろんな欠片、ピースが上手くハマってひとつのパズルができるように、かけている所があるからこそピッタリとハマる。
一人の女の子が亡くなった。美容外科似通っていたようだ、そこの先生が自分が原因なのではないか、と有羽ちゃんの死んだ原因を突き止めるためいろいろな人のところを訪れる。昔の同級生や、有羽ちゃんのお母さん、担任など、、。まるで読者が先生の立場になったかのように物語はすすむ。外見で人を判断する醜さが伝わった。太った体型で馬鹿にされ嫌な思いをした横綱さんが、痩せた体型と言うだけで有羽ちゃんを千佳さんに重ねてしまい殺してしまったという終わり方で、外見で判断された人が判断する側に回ってしまったというなんとも言えない悲しさがあった。
Posted by ブクログ
「自分ではそれほど気にしていない、もしくは気にしないようにしているのに、他者が無遠慮にそこを触り袋に穴をあけてしまうこともあります。
避けた袋からは砂が溢れ出す。この砂とは何か。自信です。自己肯定感です。誇りです。尊厳です。」
この文章がとても好き
本当に引き込まれる文章を書く人
Posted by ブクログ
私も日々生きていく中で、外見が人の価値を決めている事が多いと感じる事が多々あります。
そのような現実の中で生きる人の内面をこの本を通じてみる事ができた気がします。
自分の内面と外見に今一度向き合おうと思いました
Posted by ブクログ
「あたしは、幸せに、幸せに、太っていったの。」
主観のカケラの寄せ集め。
根っこの部分は何も変わってない(、きっと)。
躁鬱メーターが、一気に鬱側に振り切れてしまっていたのね。
ここまで真相を究明しようとするサノちゃんの意図は分からなかった。子供がいるという描写の必要性とは? 等。
構造上本作のストーリーテラーと言われたらそう。
幸せに太っていったの言葉に惹かれ、その観点の発想に相応しい見事な精神の登場人物でした。
Posted by ブクログ
何人かの単独視点で話が進んでいくのですが、前半のキャラの性格がキツくて読むのが辛かったです。最後にすべての流れがつながるのはスッキリしました。
Posted by ブクログ
久しぶりに湊かなえを読んだ。
それぞれの人物の語りによって進んでいくから、見る人によって捉え方がこうも違うのか!と当たり前だけど思った。ルッキズムが良くも悪くも言われすぎてる時代に読むべき本かもしれない。
Posted by ブクログ
整形ルッキズム物ダーイスキ♩と思って読み始めた
これも語り口調のオムニバス形式で告白の時も少し思った登場人物が分からなくなるのが少し読みづらかった(登場回の人によって登場人物の呼び方が変わるから)
自殺した子はどんな子?どんな理由で死んでしまったの?っていう話だけど家庭環境が悪くて精神病んで躁鬱の波で死んでしまったってだけかぁ(自殺の決定打は親の反応)っていう典型例に感じてしまった
最初に出てくる自殺した子の状況や周りの証言が盛られすぎて事実はそんな事なかったていうのが現実っぽくリアルに感じれる人にはいいのかなぁ、、
ちゃんと話を通してそれぞれのルッキズムや美的観念、他人に対しての見え方感じ方は書かれてたから不満は無いけど衝撃さとかパンチ感じれなくて星3。普通
Posted by ブクログ
美醜について
自分自身が過去の経験から外見を気にしているから刺さる部分が多々…
色々な人から話を聞いているので視点を変えて読めるけど、少し難しいかもしれない
無理に押し込まずに、少し形を変えるっていうのはお互い譲歩して落とし所を見つけるってことかな。
Posted by ブクログ
美容外科医師の橘久乃が同級生のカウンセリングをきっかけに、ある事件にまつわる人物から話を聞く形で物語が進んでいく。
聞き手目線の文章で読みづらいと初めは思ったが、だんだんと話が繋がってきて夢中で読んでしまった。ルッキズムや人間の醜さついて考えさせられるし、色々話を聞いた最後に、自殺してしまった少女 有羽の自殺の原因を知って苦しくなった。
Posted by ブクログ
久しぶりの湊かなえ作品ですよ。
美容整形外科・久乃が、ある少女の死について関係者に話を聞くスタイルで物語が展開していく。
どの人物も読んでいて微妙に苛立つし共感できないし裏の顔がどす黒い。
湊かなえ節とでも言うのかな。
このイヤな感じ、堪能しました。
途中登場人物が多く二世代に渡るので若干整理が必要だったけど、最終章でスッキリした。
(いやでも、オチはあれでいいのか?)
ルッキズムが問題視される今、ちょうど面白い題材なのかも。
Posted by ブクログ
著者お馴染みの、章ごとに語り手が変わりこちらは完全に聞き役に回るパターン。
本人はそう思っていないのに、見た目だけで「可哀想」認定されるのはどれだけ辛いか。ルッキズムに切り込んだ作品である。
ちょっと脱線話が多くて、これ伏線になるのかよく分からない描写が見られ、少し読むのに疲れた。
Posted by ブクログ
一人一人の過去を聞かされる度に、有羽が自殺した理由は、想像からコロコロと変わっていった。
それこそ高校の担任の話を聞いた時は、まんまと母親のせいだったのではないか、と思わされてしまった私は、結局他人が人の幸せにとやかく言う権利はないことを身をもって体験させられた。そして大人同士が心に秘めたそれぞれの事情のせいで、ひとりの子供が自死に追いやられていた。有羽の育ての親でさえ、憧れの千佳さんの夫に好意を抱いていた。そして、それが原因で、最後有羽を自殺に追い込んでしまった。
美醜だけではなく、貧富も、地頭の良さも、生まれつき差があることはいくらでもある。学歴だって、いくらでも差がついてしまう。だけど人の幸せの形は、生きている人達の分だけあるのではないか、人が不幸か勝手に決めつけて他人がその形を変えようとしてはいけない、そう学ぶことができた。
なぜなら、当時塾講師をしていた私にも、人の幸せの形を決めつけてしまったことはあったのではないか?そう今になって思わされることがある。
Posted by ブクログ
全てがセリフで構成されていて、それぞれの視点から少しずつ全貌がくっきりしていく感じ。
全部セリフだからこそ少し疲れる。真相に驚きや不快感はあまりなく、じわじわ明らかになっていくところと、異なる立場視点思考を楽しむ感じ。
イヤミスを求めてるなら物足りないかも。
Posted by ブクログ
率直に言うと、疲れた。笑
というのも、物語が全てセリフで構成されているから。誰が話してるのかわからなくなったり、会話ではあるあるの話が飛んだりというのが頻繁で、メモを取り整理しながらやっと読めた笑
美醜感覚というのは人によって違うと言いつつも、とにかく美しくありたい、美しさ=幸せ、といったざっくりした感覚は人間が本能的に持っているものなのかもしれない。それにしたがって自分(カケラ)の形と人の形を日々比べているのがわたしたち。
この作品では、どの人物でも美醜感覚という見た目のこだわりが内面の豊かさや美しさをことごとく蝕んでいってた。
その中で有羽が言ってた私のぜい肉は受けた愛のかたまり、と言う言葉には心が熱くなった。
Posted by ブクログ
全ての編が聞き手目線で進む文体は新鮮であった。
それぞれの登場人物が持つ体型とそこからなる内面に関する対する偏見を通して自分の容姿に対する価値観も問いただされた気持ちになった。
登紀子のようにエスカレートして相手に伝えるまでは行かないが自分も少なからず太っていることに対してマイナスのイメージを持ってしまっていた。
自分に対するイメージだけであれば良いがこのイメージを無意識に人に向けてしまってはならない。
容姿に関わらず多くの登場人物が自分の都合の良いように物事を解釈し思い込んでいるような様が印象的だった。
解釈すること自体にに非はないと思うがそれを正しい思い込んでしまうと自分の価値観を狭め、相手との溝を作ることになってしまうだろう。
これに関しては無意識のうちに自分もやってしまっていることがあるかと思うので自戒にしたい。
伏線回収も多く物語としても楽しめた。
八重子の作るドーナツは文章で読んだだけでもとても美味しそうだった。
おかずの田野倉のメンチカツに匹敵する。
Posted by ブクログ
自分が好きな自分でいることが一番大切だと思っているものの、そうしていると周りからの評価や見られ方は思っているものと違ったり
自分視点と相手視点が違うことは当たり前なのだから、それに一喜一憂するのは馬鹿らしいなと思いつつやっぱり気になってしまったり
考えれば考えるほど考えたっていいことないなと思う
さまざまな人の視点から語られる物語は読むのが難しかったけど、本書を読んで"見た目"について考えるいいきっかけになった
それぞれの登場人物に少なからず希望があってよかった
Posted by ブクログ
聞き取り型のスタイルにちょっと慣れず
調子がでるまで少し手間取りました。
読んでいくうちにこれは浅田次郎氏の珍妃の井戸的な感じ?と最後に主役の女医さんが
凄い悪役になるのを期待していたけど、
そんなどんでん返しは無かったのが
少し残念でした。
他人からやんや言われない程度、
ほどほどに"美しさ"を保っていこう!と
思った次第です。