【感想・ネタバレ】白ゆき姫殺人事件のレビュー

あらすじ

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方。匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。

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Posted by ブクログ

美人OLが、メッタ刺しにされ、焼死した状態で見つかった。その真相を、関係者による証言から追う話。犯人だろうと追っていた人と実犯人が全く違っていてええーっとなったが、お話的には面白かった。人がどう思っているのか、心の中はわからないなぁ。怖いですね。

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2025年12月06日

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同じ状況に立ち入っていても感じることや思うことは全く違う事が言語化されていて面白かった。
真実は一つだけど事実は複数。という誰かの言葉を思い出した。

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2025年11月30日

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この本で初めて「オムニバス形式」というものを知りました。ネット上の書き込みのように、登場人物それぞれの視点で語られるため、同じ「殺された人」や「被疑者」に対してまったく違う印象を受けました。
優しい、重い、意地悪、怖い、ほがらか――人によって語り方が変わるたびに、人物像が少しずつ違って見えて、とても面白かったです。
最後に主人公の視点から真相が明らかになると、実際に会わないと本当の人柄は分からないということが強く伝わってきました。現代のSNS社会にも通じるテーマで、読み終わった後もしばらく考えさせられる作品でした。

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2025年10月10日

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ネタバレ

この手のミステリーは必ず別の犯人がいる。
そのように読み進めていた。
犯人がまさかの。。。
最後の城野美姫の章により全てが覆された。
先入観、SNSの怖さを書いた本だと私は感じた。
ぜひ小学生の読書感想文のテーマにしていただきたい。
子供達が人の外側のところだけで判断せず、本質を見抜けるような素晴らしい教材になると思う。

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2025年10月02日

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ネタバレ

読みたてホヤホヤの感想です。
直接的なネタバレになることは言わないけど、なんとなく反応でわかる人はわかっちゃいそうなのでネタバレってことにしておきます。

まさか犯人あの人なの!?しかも動機それ!?
って感じです。

SNSの意見に左右されがちなこの時代、SNSの言葉がすべてじゃないと分かっていても信じてしまう。
情報の取捨選択や先入観について考えさせられました。

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2025年09月28日

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映画を先に観てしまったのでネタバレ状態だけど楽しめた。
映画より不自然感がなく、雑誌の記事やサイトも凝ってて本のほうが面白かった。

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2025年07月19日

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ネタバレ

あぁぁ~!やっと読み終わって何度も読み返して、面白くて、映画ももう一度見てしまった。


イヤミス女王、さすがです。同じ事象を別々の人物の視点から説明するスタイルだから、伏線回収に加えて、証言や時間の照らし合わせのために何度も読み返してしまう。更に今回は、最後の方に資料や記事のページがついていたからそことの並行読みでも忙しかった。

湊さんは、登場人物の背景の作り込みや人格の描写が具体的で、言動からもどんな人か窺える。。
最後まで、え?彼女が犯人なの?それとも違うの?と揺り動かされた。

現代社会のあらゆる問題が詰め込まれていて、田舎の陰湿なイジメ、人間の嫉妬からくる歪み、

メディアやSNSの便利さの裏にある怖さが伝わってくる。ちょっとした認識のすれ違いで自分と相手が全く違う捉え方をしていたり、
事実に自分のイメージや推察を巧みにまぜて、話す証言者や更にそれを番組受けするように切り取って届けるマスメディア。証言をしながら相手を意のままに動かそうとする人たち。

本当のともだちってなんだろう?親友と言いながら、マウントを取り、足を引っ張る友達。
私って周りにそんな風に思われてるの?友達だと思ってたのに…人の言葉はなんて、当てにならないんだろう。と人間不信になってしまいそうな話。この人たち全員に星の王子さまを読んでもらいたくなる。友達とはなにか。そこから学び直してもらいたい。


こういう人たち、実際にいるよね。一人一人の言葉はささやかでもみんなが同じ方向を向いて、何かを決めつけたり、無責任な言葉を紡ぐのは危険、匿名で発信できる場だと言動が奔放になる今の社会を的確に映し出している。

本を読み終えたので、その後映画を観ると、状況が割とわかりやすく把握できるので両方楽しめると思います。私は数年前に映画を見て、原作を読み、映画をまた観るという流れでした。
映画の方のキャストも菜々緒、井上真央、共にキャストとして合っていて演技も良かった。菜々緒さんの美人な白雪姫役、「主に泣いてます」でも可哀想な美人役、「サイレーン」では美人だけど狂気の殺人犯、結構色んな場面で活躍されてるけど結構好きです。それから井上真央ちゃん。可愛い役もできるけど、垢抜けてなくて、地味な人も出来るのは演技派な証拠。自分の妄想の流れで笑い、周りからはニヤっと不気味な笑顔と言われる笑いやコミュニケーションが下手で、引き攣って笑ってる姿とか、人によって捉え方が違うという描写を表現していて素晴らしかった

綾野剛氏のちゃらんぽらんでいい加減な記者役もピッタリ!こういう人、いるよね!と思わせる。更に周りを固めるテレビ局のクルーと昼の情報番組の出演者たち。特に司会のアナウンサーが生瀬さんなんだけど、ほんとに宮根さんや坂上さんの特徴を捉えていて、仕草とか口調とかこんな感じの人、いるいる!と思わせる。この人物真似も絶対うまい。原作では「マンマロー」という架空ブログサイトと「週刊太陽」という週刊誌がマスメディアだけど、映画ではTwitterとテレビ番組になってる。晒される被害者と容疑者と浮上してる人の顔や住所、学校などの経歴。モザイクはかかってるけど、ほぼ誰かわかってしまう証言者たちのビデオ。テレビにしてしまうと若干、やりすぎ感が否めない。
週刊誌だったら、匿名でどんな人が言ってるかもわからないように書けるから、書き放題な気はする。テレビはやっぱり責任の所在もはっきりしやすいから、あそこまで容疑者を断定するような事はしないと思うな。

ゴールデンスランバーの中村義洋監督と言うのもピッタリ。最後の方の原作には無い終わり方も救いがあってよかったです。個人的に貫地谷しおりさんが好きなので、それも合わせて楽しみました

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2025年08月26日

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面白かった
やっぱり湊かなえの作品は続きが気になってページを捲る手が止まらない

最後の最後まで謎が解けないドキドキ感と資料で謎が解明されていく爽快感がたまらなく楽しい

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2025年12月06日

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ネタバレ

OLが殺され、その事件を記者目線、証言のみで追っていくストーリー。普段何気なくしている噂話だったりSNSでの発言にも確かに言葉の重みや、発言の責任はあるのだと再認識させられる本。どんでん返し要素もあって面白かった。

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2025年12月03日

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友人からのお勧めで読んだ本。
のっけから漂う不穏な空気がたまらない。
次々に出てくる色んな人の証言に目が離せず一気読み。
後半は事件に関するコミュニティサイト、雑誌、新聞、ブログのページを関連資料として読む構成になっているのがおもしろい。
量が多くて読むのはちょっとしんどかったけど、人々が勝手な憶測で加熱するところにリアリティがあった。
犯人の動機はちょっと弱いように思った。

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2025年12月03日

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週刊誌のライターに取材を受けてる人の語りで展開するミステリー
ちょっとずつ当事者たちの人柄がわかってきたり印象変わってきたりするのが面白かった

しゃべった内容からかなり嫌な切り取られ方をして記事になっているのとか、そもそも取材だからって盛って話しちゃうのとか人間のよくないところをすごく感じた

末本当に予想してない方向で、本当にびっくり。

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2025年11月27日

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取材形式で物語が進んでいく。
人から作られた自分と、自分だけの自分での違いが明らかに見えてくる。
人が話を盛って話すことでどんどん誤解を産む。
個人の週刊誌などの記事は信ぴょう性にかけるのではないかと思った。
最後の実際の記事やサイトが乗っているのも面白かった。

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2025年11月18日

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湊かなえさんの映画化されている作品。数ある中の1つ。映画は見たことないけど、どうやって実写化したのか…



週刊誌記者の赤星の恋人「狩野里沙子」が警察に事情聴取されたと電話をもらう。事情聴取の内容…それは里沙子の会社の社員が十数ヵ所を刺され、その後燃やされた死体で発見されたことについて。
殺されたのは誰もが認める美人「三木典子」
彼女たちが勤める会社は「白ゆき」石鹸というヒット商品を持っており、三木典子の美しさから、その事件は「白ゆき姫殺人事件」として取り上げられる。


構成は「カケラ」と似た感じ。 
記者の赤星が関係者から話を聞いている。
また各章ごと本末に参考資料として2ちゃんねるみたいなサイトでの赤星のつぶやきや、白ゆき姫殺人事件の週刊誌記事などが載っていて、その章を読んだあとに見るとおもしろい。またその構成がおもしろいよねぇ。斬新でさすが湊かなえさん!ってなる。

各々の登場人物が自分の都合のいいように嘘をついていて、また赤星も都合のいいとこだけ記事にして、こうやってしょーもない週刊誌ってできていくんだなぁーって思った。

犯人はまぁーーうん。なんとなくわかってたけど、犯人のブログの最後が話の最初に繋がってるのはおしゃれ«٩(*´ ꒳ `*)۶»

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2025年11月03日

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ネタバレ

他人の噂話が事実のように見えてくるのがリアルで怖い。さいごの城野美姫の文章を読んでいるとき、自分もただの噂話を鵜呑みにして読み進めていたことに気づいて怖くなった。現実世界でも、自分は他人の噂話を鵜呑みにしてしまいがちな人間なのだと気付かされた。

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2025年11月01日

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湊かなえの長篇ミステリ作品『白ゆき姫殺人事件』を読みました。
湊かなえの作品は、昨年読んだアンソロジー作品『みんなの怪盗ルパン』に収録されていた『仏蘭西紳士』以来ですね。

-----story-------------
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。
ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。
人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。
ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。
噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。
傑作長編ミステリー。
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集英社が出版している月刊小説誌『小説すばる』に2011年(平成23年)5月号から2012年(平成24年)1月号に連載され、2012年(平成24年)に刊行された作品……2014年(平成26年)に井上真央主演で中村義洋監督により映画化されているようですね。

 ■第一章 同僚Ⅰ
 ■第二章 同僚Ⅱ
 ■第三章 同級生
 ■第四章 地元住民
 ■第五章 当事者
 ■「しぐれ谷OL殺人事件」関連資料
 ■解説 中村義洋

美人会社員が惨殺された不可解な殺人事件を巡り、 一人の女に疑惑の目が集まった……同僚、同級生、家族、 故郷の人々、、、

疑惑の女の関係者たちがそれぞれ証言した 驚くべき内容とは……ネットや週刊誌報道を中心に、無責任な「噂話」が 広まり、彼女の人物像はますます見えなくなっていく。

果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも……ヒットメーカーの湊かなえが描く、 意地悪目線がじわじわ怖い、最新ミステリ長篇。

スクープを狙って取材を進め、都合の良い情報だけを繋ぎ合わせて報道する記者、自分の都合や嫉妬、見栄によって脚色されて客観的な事実が曖昧になり事実と想像が入り混じった状態で記者の取材を受け、高揚して盛った証言をする職場の同僚、学生時代の同級生、故郷の知人、家族たち、そしてインターネットでの無責任な偏向報道、個人情報の暴露……各章の合間で『「しぐれ谷OL殺人事件」関連資料』を参照することにより、情報の不確かさや無責任な憶測、マスメディアやネットの持つ恐ろしさが巧く表現されていましたね、、、

単なる犯人当てのミステリに留まらず、現代社会が抱える問題に切り込んだところが印象的でしたね……人間の醜さや無責任さがリアルに描かれており、人間不信になりそうですが、実際のところ自分の気持ちや考えは、いくら伝えたところで、半分も理解されないと思うので、そういうものだと思って受け入れるしかないんでしょうね。

真犯人や動機についても意外な展開で、謎解きのミステリとしても充分愉しめました……現代の魔女狩りですね、怖いなぁ。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

後ろの方に捜査資料や、新聞記事や、週刊誌などが乗っていて途中でそれらを読むというのが新鮮で面白く読めた。
犯人は最後まで分からなかった。最後まで読むと犯人に納得できた。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

湊かなえさん著「白ゆき姫殺人事件」
いつか読もうと何年か前から本棚でずっと眠っていた作品、なおなおさんに薦められてやっと読む手を伸ばせた。ありがとうございます。

作品は著者の十八番、多人数の独白形式で多角的に真実に迫っていくミステリー。
今回の作品、物語自体には特に叙述的なミスリード等があるわけでもない。
しかし平行して描かれていく「資料」の頁、ツイッター形式のSNS「マンマロー」という投稿サイト、これを読み込むのに頭を相当使う。
ハンドルネームから登場人物を割り出せるが、誰が何をツイートしたのかでその意図やその人の人格の表裏が見え隠れする。
凄く複雑で、かつ現代的な感覚が斬新に思えた。

インタビュー形式の独白スタイル、赤星という記者が聞き手になっているのも秀逸。
彼が情報を集め、週刊誌に記事を掲載していくと同時に投稿サイト「マンマロー」でも投稿が活発化されていく。
真偽を含め、言葉の羅列。ネット社会においてかなりのリアリティーさを感じさせられた。

物語自体はそこまでという感想なのだが、斬新さが特出しているという読後感。
面白かった。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

美人社員がどうして殺されてしまったのか。その関係者への取材という形で物語が非常にスピーディーに進んでいく。

-自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。-(抜粋)

些細な出来事や噂話から、人物像が作り上げられてしまう。それはSNSが発達した現代ではより加速していると思われる。

私はこのようにありもしないことをでっち上げ、それを楽しむような人はもちろんだが、そのような人たちから被害者を守ろうとする人々も、結局同じ土俵に上がってしまえば、被害者を傷つけていることに変わりないことをこの物語から感じた。
たとえそれが善意だとしても、他人から提供される自分のエピソードや記憶により、自分の知らないところで世間に対する「私」というイメージがいつのまにか出来上がっているのは、とてつもなく怖いことだ。

-自分の目の前五センチくらいのところしか見えてねえもんな。-(抜粋)

この物語の登場人物のように、視野が狭く盲目的に、自分の立場からしか事象を捉えられない人は、この情報社会で非常に目立ってきたように感じる。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

ミステリーとしてとても面白くて、読み終わった後の心のざらざら感もほぼなく、非常に読みやすい本だった。もっと精神を抉ってくるような女性がでてくる湊かなえ作品も好きなので、個人的には少し物足りなさもあった。
証言者たちが自覚しないくらいの小さな悪意とそれを恣意的に切り取るライターによって、真実の周りに紙粘土みたいな嘘が貼り付けられて行って、事件がどんどんわかりやすい形に成形されるのがとてもメディアっぽいなと思った。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「事実は存在しない。存在するのは解釈だけ」という、最近何かで読んだ言葉がありますが、まさにそれの面白さ(恐ろしさも)を感じさせてくれる作品でした。

安定に一気読みでした。いや〜面白かったです。

1番最初の人が...という、しっかり伏線回収でしたね、さすがです。視点とか話し手とか書き方とかでこんなに同じ出来事が違うように伝わるのはやはり人間の情報交換って、言葉って面白い。

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2025年07月29日

ネタバレ 購入済み

小説として面白かった

湊かなえの本は初めてだった。
この作品ミステリーとしては
謎解き等が弱いかもしれないが、
登場人物の心理やその動きが
面白い。

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2017年06月28日

Posted by ブクログ

淡々と進んでいったストーリーだった。
特に二転三転、とか、どんでん返しがあった感じでもない。
「へぇー」で終わった。
まあ女が多い会社は裏のドロドロあるわなーって感じで。
もっと驚きが欲しかった。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

読みやすくて、面白かった。
巻末資料もあって良かったけど、最後のページにまとめられてたから、少し読みづらかった。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく釈然としない終わり方だった。最後の方はもうどういうことだ❓になりながら犯人について明かされるのを読んでいた。
SNSの誤情報に踊らされる現代を風刺しているのだなと感じ情報の取捨選択について考えさせられた。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

湊かなえは何となく読んだことはあったしこの小説は小学校にあった気がするけど、初めて湊かなえをしっかり読んだ!OLになったから分かるけど、給湯室の解像度が高くて社会経験もある人だろうなと思った
城野さんがひたすらに可哀想だったけど、城野さん視点だからなのかな、きっとどんな人も美化したり嫌になる言い方にできたりするんだろうと思った
本当は殺人しそうな人に見えるけど、狙われるのが怖くて「人殺しをする人に見えなかった」とみんな言うという視点にはびっくり。確かにそうなのかなと考えさせられた。
最後のブログとか新聞は読みにくかったし湊かなえの文章で読みたかったな〜と思った

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

登場人物たちが、週刊誌『週刊英知』の記者さんに、事件のことや事件の容疑者に関することを話しているように書かれていた。
終わりの方には、「しぐれ谷OL殺害事件」の関連資料として、SNS(この小説では、コミュニティサイト・マンマロー)や週刊誌の記事など、事件について読み手にわかりやすい工夫がしてあった。
犯人については、最後まで分からなかったので、犯人が誰なのか考える面白さはあったし、犯人が分かって、この人だったのか!?という驚きはあったが、読後のスッキリ感はなく、なんだかモヤモヤ感が残る。
容疑者だった、城野美姫さん。
彼女について、犯人だと決めつけて、話す人が多かったが、やっぱり事実は本人にしか分からないんだなと改めて思った。
人の怖さとか、SNSの怖さとかも改めて感じる小説でもあると思った。

P169 「自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作ら
れる過去。正しいのはどちらなのでしょう。」
という言葉が印象に残った。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

本文と関連資料からなるタイプの小説で、そこも楽しむ点なのだと思うが、SNSのやり取りなどから推察しなければならないことが読書力の低い私には少ししんどかった。

しかし全体的に読みやすく、自分なりには楽しむことができたと思う。

メディアの報道に限ったことではないが、一部の偏った情報だけで判断することは危険だと感じた。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

美人OL惨殺事件をめぐり、同僚や地元の人々が容疑者について語る前半と、新聞・雑誌・SNSの記録を集めた後半で構成された作品。
さまざまな視点から「容疑者の幼少期から現在までの人物像やうわさ話」が語られることで、彼女の一面しか知らないのに、あたかもすべてを知っているかのように語ってしまう人間の怖さが浮かび上がる。
また、蔓延するニセ情報に翻弄される現代人の姿を描き、現実味のある社会的テーマに強く引き込まれた。
一章ごとに読み進め、巻末の参考資料を確認する読み方が新鮮で面白いが、資料は各章ごとにあった方がより読みやすいと感じた。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

化粧品会社の美人社員が黒焦げの遺体で発見された。
果たして、犯人は誰なのか。
記者の赤星は、独自に調査を進める。
被害者の同僚などから明らかとなる真実とは?
そして、最後に以外な人物が浮かび上がる。
その人物とは?
ネットの記事や新聞のきりぬきなど、関連情報が充実しています。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

自分が認識している世界と他人が認識している世界は決して同じではない。当たり前のことなのに、しばしばこの事実を忘れてしまう。自分が見ている世界が正しいと思い込んでしまう。
さらに、ややこしいことに、自分が認識している世界を言葉にしようとしたとき、描かれる世界は決して自分が認識した世界そのものを正確に表現しない。つまり自分が認識する世界を、そのまま他人に伝えること自体、非常に難しい。

人間社会における世論、評判のようなものは、上記のような不完全なコミュニケーションのもとに形作られる。

以下に、この本の中で一番気に入った箇所を引用します。
「自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。」
第5章 p.193

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが湊かなえといった感じで、読みやすくも面白かった。あとがきでも書かれていてなるほどなと納得したのは、犯人を途中まで分からせない展開と独特な犯人のネタバレ?だと思った。

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2025年07月29日

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