あらすじ
人類はゆるりと滅亡に向かう?
人類滅亡の危機がやってくる――ただし百年後に。世界を駆け巡った衝撃ニュースだったが、「終末」を意識させるには、小惑星衝突までの猶予が長かった。人々のささやかな勇気が少しずつ重なり合い、世界に希望をともしていく奇跡の連作短編集!
――これを機に、人類は捨てたりしないのかな。
――なにを?
――種の存続っていう根源的な本能を。
ベストセラー『#真相をお話しします』著者にして、ミステリ界のエースががどうしても描きたかった、未来なき世界で“希望”を編む人々の物語。
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Posted by ブクログ
タイトルからもっと刹那的というか「どうでもいい」という雰囲気漂う作品なのかと思ったら全然違って面白かった。
100年先に滅ぶ、だけど今日を生きる人たちの「自分の置きどころ」を確かめる作品のような気がした。
ままならないことの多い日々だけれど、私もぼちぼち頑張ろうと思えた。
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世界は終わる。ただそれは、100年後。
捨て鉢になるには早すぎる、人生残したことをより数えるには時間がありすぎる。
どうせ世界は終わるけど、どうせ終わる世界だとしても。その時まで、世界はあり続ける。
「一緒にいるよ」最後の1日まで。最後の1秒まで。
どうせと自暴自棄になる人、好きなように生きる人、希望を持ち続ける人。でも、世界がどうなろうと、人は自由に生きればいいはずだと、終わりの世界に希望が持てた。
Posted by ブクログ
直径20キロを超える隕石が地球に衝突して、
人類は滅びてしまうことが判明しました。
でも、それは100年後のことです。
マクロ視点では、当然全世界が叡智を結集して
衝突の回避を目指します。
では、ミクロ視点である人々の暮らしは
どう変わるのか。これが本書の主題です。
伊坂幸太郎の「終末のフール」でも示された
「あなたの生き方は何歳まで生きようとする生き方
なのですか」という、根源的な問いかけを読者に
突きつける一冊です。
Posted by ブクログ
短編集なんだけど一つ一つの話がホープ襲来という出来事でつながっていて、さらに時間軸が違うことで各話が絡んでいて、読んでいて心地よい作品だった。一つ一つの話も心温まるもので読後感もよい。
人に勧めたくなる作品だった。
Posted by ブクログ
「どうせ、世界が終わるけど」
それが明日だろうが来年だろうが100年後だろうが、それはいつか来ること。
その期間に左右されるのではなく、ただ自分の「好き」や「やりたい」に素直に向き合うことが大切。
ただ、とは言ってもなかなかできることではないよな〜とも思う。
それでもなるべく、できるだけ、「どうせ、世界が終わるけど」という事実に掻き回されないように、「好き」や「やりたい」を実行していきたい。
Posted by ブクログ
設定が面白い。ものすごいSFチックな作風を予想してたのに、ゆっくり進む展開が却ってジワジワと終末を意識させた。最後に希望を望ませる雰囲気が良い。
Posted by ブクログ
どうせ世界は終わるのに、日常は続いていく。みんなが「どうせ世界は終わるのに」と思いながら、生活をしないといけないやるせなさ。
その中でも、最後には希望が見える素敵なお話たちだった。
短編ではあるけど、どのお話も伏線回収が散りばめられていて、一気読み。
Posted by ブクログ
短編集なので読みやすかった。
最後の章はそれまでの登場人物が再び登場して、その後がわかり良かった。
絶望的な状況の中、皆自分の人生に向き合い良い方向に意識が変わる。
どうせと何でも決めつけるのはやめようと思う。
Posted by ブクログ
人類が滅びるというテーマにしては、登場する人達はみんな個人の悩みに終始していて、うん、まあ人類が滅びるとしても100年後だったらこんな風だよな……となる小説。「世界が終わる」という言葉が免罪符のようにも救世主のようにも使われていて、その中でこの時代に生きる自分達がどう生きるのかがテーマになっていて、読んでいると「100年後に世界が滅びなくたって世界は滅ぶことがあるし、どう向き合うかだよ」と言われている気がする。
Posted by ブクログ
約100年後に小惑星の衝突によって、滅亡することが確定している地球。夢や希望を抱くことが難しいと感じるようになった社会でどう生きるかを描いた6篇の物語。
最初にタイトルと内容を見た際、パニックものかと思ったがそんなことはなかった。日常生活にほんの少しだけ毒と影が含まれるようになるというところが、中々にリアルで面白いと思った。また、1話1話にどんでん返しが仕込まれていて、ミステリではないけれどそれを読んでいるような感覚になれた。
Posted by ブクログ
100年後に滅ぶとわかっているというのは、どうにも将来の希望が持てない絶妙な設定。出産年齢の人々は子どもを作るかどうか、迷うだろうなぁ。
自己肯定感低めな女子高生、ヒーローになりたい就活生、無人島での逃亡生活、反抗期少年少女の家出、父と娘の嘘話、不登校の息子の散歩の謎、と短編が続き、最初の物語が最後につながる構成が綺麗だなとおもった。最終話で今までの登場人物たちがちょい役で出てくるのは、群像劇のお手本のよう。
「どうせ世界は終わるから楽しく生きよう」みたいなのを「じゃあ世界が終わらなければ楽しまないの?」と否定する息子の言葉は重い。
Posted by ブクログ
総じてきれいなお話でした。
「人類は99%の確率で絶滅するが100年後」
というテーマが斬新で面白いと思ったが、ほとんどの短編ではほんのりエッセンス程度で、ともあれ人間の心の葛藤とかを描きたかったんだろうなぁと思ったら最後の話で上手くまとまりました。
少し物足りないと思っていたけど最後に満たされました。
Posted by ブクログ
『100年後に世界が終わります』と
宣言され『未来のバトンを渡すのか』と問われても答えは『渡しません』今の自分の生活を淡々と過ごすのみと思ってしまう
間違いなのだろうか?
世界が終わるはずはない、きっとなんとか
回避できる方法があるから、未来へのバトンはしっかり渡すべきそう考えるべきなのか?最後まで葛藤しながら読んでいたが
結局いつかは自分の世界は終わるのだから自由に生きる自然に生きるって事に尽きる気がした。
何が起きようと、今を生きている事が大事なんじゃないかと
Posted by ブクログ
世界が100年後に終わると分かった時、人はどう生きるのか。
刻々と迫る終末の刻。どうせ、と投げやりになるのか、どうにかならないのかと足掻くのか、自分のやりたい事を突き詰めるのか。
私ならどうするだろうか。時間の経過とともに短編が次々と描く立場の違う人々のいろいろな考え方や行動に我が身も振り返ってしまう。
最後の作品では、いくつかの作品に出てきた人たちが関わる。つい見返してしまう。
読み返したくなる良い作品だった。
Posted by ブクログ
百年後に人類が滅亡する…
自分に置き換えたらその頃にはもうこの世にはいないからあんまり関係ないかなって一瞬思ってしまったけどそんなことはなかった!バタフライエフェクトのように小さな変化が、小さな関わりが、小さな言動が、小さな繋がりが世界を変えていく。それが良くなるか悪くなるかはわからないけどとにかく今、目の前にあることに真剣に向き合って生きていくしかないんじゃないかと思った。
どうせ世界は終わるけど…今、信じた道を生きていく。
100年後に地球に巨大隕石が衝突し人類滅亡とのニュースが流れてから、衝突まで68年となった時点までの6つの短編です。あとの短編が以前の短編に関係することで、色々と生き方を考えさせてくれる作品と思います。
書名は、内容を表してはいるのですが、内容の半分だけのようで、次へのイメージを出す書名が良かったと思います。
Posted by ブクログ
個人的に響いたのは、最後の子供をおいて出て行った母親が どうせ滅びる世界でただの母親として一生を、終えたくないと思いました
って書き置きをして蒸発したエピソードあるんだけど
おいてかれた息子が最低だよねあの人っていうシーン。
性マイノリティで自殺してしまった友人
トガっていた少年が就活先で、元バイト先の学校のマドンナと再開して自分の高校での実績を、就活先で語るストーリー
目の前で妻子を殺され犯人を殺し 服役も後1日で釈放で逃げた犯人と、犯人の実の兄との無人島での同居生活
同級生と家出した小学生
娘に嘘をついたパパが本当に宇宙操縦士を目指す話
Posted by ブクログ
自分の命の終わりさえ分からないのに、人類の滅亡、地球が終わるその日のことは、ほぼ正確に計算できてしまうという、やるせなさ。
科学の進化を賞賛すべきか、生命の神秘に隠された残酷さを憐れむべきか。
Xデーが約100年後、という設定がなんとも良い。
これ以上近くなると、おそらくどの国でも"出産禁止"の議論がなされ、世界は少子化に向かうと思う。
そうなると、必然的に科学や文明もとんでもなく縮小されていき、小惑星撃墜というミッションが絶望的となる。
今が、人類が"詰む"か"詰まない"かのギリギリライン。
そんな世界で生きる者たちの、人生の微かな軌道修正の物語。
Posted by ブクログ
100年後に世界滅亡すると言われたらあなたはどうしますか?
「100年後」というのが、絶妙な設定で、自分が生きている間に地球が滅亡することはないけど、確実に人類が滅亡する未来が見えている。そんな世界で、あなたはどう生きますか?と問われている作品でした。
連作短編で、色々な登場人物の視点で話が進みます。各章ごとに、時間も少しずつ経過していき(世界滅亡に近づいていき)、世の中も変化していく様が面白かったです。
個人的には「友よ逃げるぞどこまでも」がお気に入りです
Posted by ブクログ
百年と九十三日後に直径二十二キロの小惑星が地球に衝突し、人類が滅亡するかもしれない
という状況の日本が舞台。
百年後なので、今生きている人は、ほぼ生きてはいない。
でも、二十年後、三十年後に生まれてくる子どもたちには、現実味がある。
そんな日本の中で起きた六つの物語。
もし自分が同じ状況になったとしたら
「どうせ世界は終わるけど」と言って下を向くのか
「どうせ世界は終わるけど」と言って上を向くのか
希望を持って、前を向いて進むことができる後者でありたいと思いました。
また第六話で小学生が放つ言葉。
「『どうせ世界は終わるから、好きに生きた方がいい』みたいなやつ。もし滅びないなら、好きなように生きちゃダメなの?てかさ、いずれ人類が滅びるのは、別に昔から同じだったよね?」
ハッとさせられました。
人はいつ死ぬかわかりません。
明日事故に遭って死ぬかもしれないし、今日病気で突然亡くなるかもしれない。
いつかやろう
そういってやりたいことを後回しにした時、その「いつか」はいつくるのでしょうか?
死が目の前にきた時に後悔しないように、やりたいと思ったことは、期限を決めて、きちんと行動に移さなければいけないと改めて思いました。
Posted by ブクログ
100年後に小惑星が地球に衝突して人類は滅びる。
同じような設定は1年後や8年後で読んだことがありますが、滅びるのは次の世代である100年という設定が良くも悪くも特徴的。
終盤の言葉にはハッとさせられる一方、時間による技術の進歩が気になるところ。
Posted by ブクログ
人性を振り返ったりこの先を想像する時、一本の途切れない道を歩いていくイメージをしがちだけど、実際は瞬間瞬間が積み重なって道になり、生活の一瞬一瞬に感じる気持ちや相手とのやり取りが連なって続いていくんだなと、そんなことを考えた
未来のために生きるんじゃなくて、今の自分のために日々を生きて、それが未来になる
Posted by ブクログ
人類が数十年先に滅ぶと知った場合、私の生き方は変わっていただろうか。人類の期限を知った時、どのような変化が現れるのかも少し知ることができたような気がする。
それを見た上で、人類が滅びるから、滅びる前にとかではなく、「自由に生きる」こと、大切だなぁと思った。
私も人生後半に突入しているが、人生を諦めずにもう少し自由に生きていきたいと思った。
Posted by ブクログ
100年後に隕石衝突により人類が滅びることになった世界の短編集。
隕石衝突による人類滅亡小説3作目にして、猶予期間が長過ぎて…。
最初は、「人はいつまで子どもを産むんだろう」ということが気になった。
あと40年とかそれ以降とかだと、子どもを産むことは無責任なのでは?などの葛藤が生まれそう。
だとすると、隕石衝突寸前には中高年以降の人類しかいないのか?
でも、きっとそれはないだろう。
いつの世でも、子どもを産む人は産むんだろうな。
結局のところ、隕石を言い訳にするなってことなんだろうけど、どうせ世界が終わるなら、カウントダウンされるより突然が良いなぁと思った。
Posted by ブクログ
100年後に小惑星が地球に衝突するという、人類滅亡の危機の中生きる人々を描いた連絡短編集。
話題作を発表してきた著者だけに、なにか仕掛けがあるのでは?と思ったけど、終末へ向かう中で、人々はどういった生き方を選ぶのかという、まじめに、落胆から希望へとを描いた小説でした。表紙はその象徴ともいえるかもしれない。
どこか既視感があると思ったら、「週末のフール」でした。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」はいまだに忘れないセリフです。そして、今を生きろというところに着地するのは、変わらないテーマなんでしょうね。
Posted by ブクログ
100年後に隕石がぶつかって人類は滅亡する世界。人類は滅びることがほぼ確実視されている中で、人々はどう感じどう生きるのか。
衝撃の設定なので、激しい展開を期待したのだが、どちからというと繊細な心情をリアルに描いている、奥ゆかしい作品だと思った。
Posted by ブクログ
元々いつかは世界が終わる。
なんで100年後に終わるとなると自由に生きるということになるのか。
常に楽しく、自分の好きなことをして過ごすべきだと改めて思った作品。