あらすじ
人類はゆるりと滅亡に向かう?
人類滅亡の危機がやってくる――ただし百年後に。世界を駆け巡った衝撃ニュースだったが、「終末」を意識させるには、小惑星衝突までの猶予が長かった。人々のささやかな勇気が少しずつ重なり合い、世界に希望をともしていく奇跡の連作短編集!
――これを機に、人類は捨てたりしないのかな。
――なにを?
――種の存続っていう根源的な本能を。
ベストセラー『#真相をお話しします』著者にして、ミステリ界のエースががどうしても描きたかった、未来なき世界で“希望”を編む人々の物語。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
100年後に地球が滅びると分かっているのに、直接自分たちの世代には関係のない人々の想いが丁寧に描かれている。心のどこかにいつも「どうせ世界は滅びる」という言葉が住みついていて、それが逃げ道になったり、後押しになったり、自分の都合のいいように使われてしまう。
でも本当は、地球がいつか滅びることなんて、もともと決まっていたことなのかもしれない。それがただ100年後になっただけ。大人はその重みを心で受け止めることが難しいけれど、子どもは生まれたときからその前提で生きているから、むしろ余計な制約を感じない。6章の未来くんの言葉には、子どもだからこその純朴な確信が込められていて、胸を打たれた。
もう一度読みたい。時間を置いて、いまを噛み締めながら、ゆっくり読み返したいと思える一冊だった。
Posted by ブクログ
連作短編集。
人類滅亡、ただし100年後、の世界で生きる人々のお話。
最後の話が書き下ろしで、全体的にうまくまとまっていて良かった。
もっとドロドロの作品かと思っていたけど、めちゃくちゃ爽やかな感じで面白い。
登場する、特に子ども達が生き生きしてて好き。
隕石ホープが衝突しなくても、いつでも、いつかは、人類は滅亡するし、、、っていう視点に立ち戻るのは、良き。
ま、厳密には違うやろ、とも思うけど。
これを機に「種の存続っていう根源的な本能」を人類は捨てたりしないのかな?
っていう件が印象的だった。
Posted by ブクログ
100年後に、地球に小惑星が衝突し、人類は滅亡する…そんな世界線の、全6話の連作短編集。
第1話、第2話…と、話が進むにつれて、そのタイムリミットがじわじわと近づいていくのが、薄らとした恐怖を感じた。
第1話では自分の世代には関係ないなぁという感じなのに、第5話〜第6話になると、自分の子どもたちが「人類滅亡」という危機に直面するかもしれない…という現実味を帯びてくる。
世間は「どうせ世界は終わるし」と諦めきった雰囲気だけど、その中にも希望を持ち続ける人がいる。
第6話には、それまでの話で登場した人たちらしき人物やエピソードが再登場して、胸が熱くなる。
どんな時でも、希望や未来は確実にある。それがどんなに小さなカケラでも、見つけて、大事にできる人がいる。大事にしたいと思える人がいるように。