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Posted by ブクログ
2005年刊のロングセラー。私の手元にあるには2024年発行の第17版。
洒落たサブタイトル通り、「フランケンシュタイン」がこれほど解剖しがいのある作品だとは思ってもみなかった。
2部構成。第一部は、この作品の小説技法を、語り手、焦点化、性格描写など、15の観点から分析。第二部は、この作品をどう読むか、伝統的批評、ジャンル批評、文化批評など、13の批評で読んでいる。
構成は緻密。語りも巧い。しかも楽しんでいる。トリビアもあちこちにある。
(p.s. メアリー・シェリーが妻子あるパーシー・シェリーと駆け落ちし、スイスにいたバイロンと合流。退屈しのぎに、めいめいが幽霊話を書くことになる。その時にできたのが「フランケンシュタイン」の原型。その場には、バイロンの友人ジョン・ポリドリもいて、彼は「吸血鬼」を書いた。えっ、そうなの! このトリビアは「ちなみに」で始まる一文に書かれている。)
Posted by ブクログ
「小説とは、人物を造形するものである」
イギリス文学の研究家で、京都大学名誉教授の廣野由美子さんによる『批評理論入門』です
廣野由美子さん…なんとなくどっかで見たな〜と思ったら、光文社古典新訳文庫のオースティン『説得』の翻訳をされてた方やないですか、あの翻訳も素晴らしかった
さて、本書ですが、まさに『批評理論入門』です
「小説技法篇」と「批評理論篇」の二部構成となっていて、爆烈面白い
特に「小説技法篇」は小説を読む時に新たな視点や深みを与えてくれる
こんな面白い講義が聞けるなら、わいも京大行っときゃよかったな〜(行こうと思えば行けたみたいな言い方!)
まぁ、だいたいはなんとなく感じてたことでもあるんだけど、なんかふんわりしてたもののちゃんとした名前を知ったことは大きいと感じました
まぁ、明々後日には忘れるけどw
Posted by ブクログ
フランケンシュタイン読んだすぐ後に。
合わせて読んでよかった。
そういうふうに読み取るのかーとか
読者的に読み飛ばしそうなところも
作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと
これから、もうすこしじっくり読もうと思った
もう一度読み直して、次から読む時は
心の片隅に意識したい
入門とあるので、この次の段階のものも読みたいなー
あまり専門すぎると難しそうなので。
ただ、
本との相性は絶対あると思う
自分にとって読みにくい本
とっつきづらい本
難解な本
それは、これからも
じっくり読む前に閉じてしまうだろう
それでも読書がただ好きなだけだし
まーいっか。
これ好き!って本に出会うたびに
その本を深掘りしたくなるツールを
少しだけ学べた気がします。
初心者にも読みやすい
『フランケンシュタイン』の物語を知らなくても本書は読むことができる。批評理論を学びたくて本書を手に取ったが難解な解説もなく入門書として大変分かりやすかった。
Posted by ブクログ
三宅さんのおススメの本。いつもただ漫然と小説を読んでいたけどここまで分析する方法があるんだなと大変勉強になった。自分の好きな本のジャンルで同じ事象を様々な人の視点で語られる描き方を「多元内的焦点化」というのを知った。芥川龍之介の藪の中とか。同じ事象であるはずなのに人によってこんなにもとらえ方が違うんだなと初めて読んだ時は目から鱗。
*固定内的焦点化で書かれた小説ではその語り手の主観やある種の思い込みでの視点であるため、文面通り読むとそこに書かれている内容の範囲内でしか吟味できない。信頼できない語り手であっても自分は鵜吞みにしてしまう。
三宅さんの本でも書かれていたけど、書かれていない事や書いてあるけど必ずしも正しくなさそうな事を俯瞰して批評的に読むにはどのようなトレーニングがいるのだろう?他の類似作品と比較する、となるとやはりたくさんの読書体験(に限らず様々な作品鑑賞)は必要なのかもしれないなと思った。
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物事の構造や意図を読み解いたり、情報に対する解像度を上げることができる本。様々な視点、複眼的な思考、本質的な考えを感想に終わらせず言語化する能力がつく。
小説技法、批評理論
冒頭:作者が作品全体を見渡して最も苦労して書く部分
現実と虚構との世界を分かつ敷居。人物の名前、人間関係、時、場所などの情報を記憶しつつ絶えず推測を働かせないと物語についていけず最も負担が大きい部分
ストーリー:出来事を起こった時間順に並べる
プロット:(自分が書きたい事を最も効果的に読者に伝わるように)物語が語られる順に出来事を再編成したもの。
ナレーター(語り手):信頼できる語り手
信頼できない語り手
審議を見分けることが可能な世界であるべきで信頼的内語り手を用いる事によって見せかけと現実とのギャップや人間というものがいかに現実を歪めたり隠したりする存在であるかを露にする
上ずった口調を通して語られる内容を割引きながら聞かなければならない
物語の骨組み、
プロット 因果関係で繋がった順番
焦点化 誰の視点で語られているか。複数の語り部
外的焦点化:物語世界の外側にいる全知の語り手
内的焦点化:物語の内部の語りて
固定~:一人に絞る。自分の知識の範囲内でしか語る事ができない(使者たち、メイジーの知った事)
不定~:複数(フランケンシュタイン)
多元~:同じ出来事が複数の人物によって語られる(藪の中、指輪と本)
提示(show):あるがままの会話を記録・報告
叙述(tell):語り手が介入して出来事や状況、人物の言動心理・動機について読者に解説
時間
アナクロニー:ストーリーの出来事の順序が合致しない事
フラッシュバック、後説法:過去の出来事や場面に戻る
フラッシュフォーワード、先説法、伏線:未来に起きる出来事をちらりとほのめかす
in medias res:ある程度進行してから語りだす
声:
モノローグ 作者の単一の意識視点
ポリフォニー・対話的 多様な考えを示す意識や声
小説とはいくつもの異なる文体や声を取り込んで多声的なメロディーを織りなす文学形式
イメジャリー:ある要素で想像力を刺激させ視覚的映像を喚起させるもの
メタファー あるものを示すために別のものを提示しそれらの間にある共通性を暗示する(風車の森:風車がたくさんある光景)
シンボル 特に類似性のないものを示して連想されるものを暗示する(月:毎回怪物が現れる)
アレゴリー 具体的なものを通じて抽象的な概念を暗示し教訓的な含みを持たせる(森に迷う:過ち、文明からの逃避、自由、再生、調和、回帰)
異化(defamiliarization):ふだん見慣れた事物からその日常性をはぎとり新たな光を当てる事。習慣化によって蝕まれてしまった生を回復する事こそが芸術の目的。
前景化(foregrounding)ある要素や属性を強調し読者の注意を惹きつけるように際立たせる方法
まだ事物の名称を知らない怪物によってこの世界に存在する一つ一つのものが新鮮に捉えなおされ異化される。
ミルトンの失楽園を読んでアダムとサタンを自分と重ね合わせる。
間テクスト性:先行する文学テクストから意識的ないし無意識的に何らかの影響を受けている
メタフィクション:語り手が前面に出て読者に向かって語り自体の口上を述べる。真実と語りの間には距離がある、あくまでフィクションである。トリストラム・シャンディ 物語が脱線しそれについて語り手が弁明を繰り返す
閉じられた終わり(closed ending):ハッピーエンド、悲劇的結末、意外な結末
開かれた終わり(open ending):読者の自由な想像の余地を残す、二重の結末(二通りの解釈の可能性を残す)、円環構造(冒頭に戻る)
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