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Posted by ブクログ
ありがとうヴィクトリア
というわけで先日読んだ『批評理論入門』があまりに面白かったイギリス文学の研究者として名高い廣野由美子さんおかわりであーる
今回は「探偵小説」
うんうん、それはわいの得意分野でもある
いや、違う
ごめんちょっと見栄はった
得意っていうかただ好きなだけ
だがしかーし!
常々思っていたことを廣野由美子さんが明確に言葉にしてくれたので、大満足の一冊であった
そう、良き「探偵小説」とは人間を描いたものということ
もちろん、誰も見たことのないトリックを探偵と競いながら解き明かすことこそ「探偵小説」の醍醐味だという意見を否定するつもりはない
いやむしろ全くその通りと諸手を上げて賛成する
でも、それだけで終わってしまっては、かなりもったいないと言いたい
そして本書で登場し、廣野由美子さんがその人間描写の巧みさを解き明かしてくれたディケンズ、コリンズ、ドイル、チェスタートン、クリスティーなどの英国古典探偵小説の名手たちの作品を読むときには、やはり人間とは何かというところ、犯罪に際して暴かれる人間の深みみたいなところを楽しみたいし、それが「小説」を読む意味なのじゃなかろうかと主張したい
まだまだ廣野由美子さんの脳髄がしびれる論評を読みたいが、そのためにはもっともっと古典英文学を読まないと!いや楽しまないと!
Posted by ブクログ
著者は、NHK Eテレ「100分de名著」、シャーロック・ホームズスペシャルで解説者として登場した。
本人の解説が面白かったので、テレビの画面にうつっていた著作を読むことにした。
ミステリーとは「人間の描写」であると著者はいう。
特に面白いのは、コナン・ドイル、そしてアガサ・クリスティ。
私はそこまで古典のミステリーに詳しいわけではないが、一般常識程度には知っている。
この二人は作品や人柄、キャラクターなど非常に多く語られている。
人間の描写という視点から見てみると、ただミステリーを読んで面白い、ではなかったことに気付く。
その面白いという感覚が何なのかという深い考察に至ることができる。
「英国ミステリーのその後」では、ドラマでもお馴染み、主任刑事モースも挙げられている。
モースは、ドラマでしか見たことがない(しかも、endeavorなどスピンオフの方が好き)。
人間という点に視点を置いて見てみると、インテリという設定があることで、彼の言葉の端端にあるイギリス文学の香りを楽しむことができる。
また、時代設定を現代にすることで現代の人間についても深く感じさせる。
ミステリーとは、人間。
トリックだけがミステリーの面白さではない。
そのことがよりミステリーの面白さを引き立てるのだ。
Posted by ブクログ
チャールズ・ディケンズ、ウィルキー・コリンズ、コナン・ドイル、G・K・チェスタトン、アガサ・クリスティを中心に取り上げ、イギリスのミステリの古典における人間に対するまなざしのありようを論じた本です。
「探偵小説とは人間を描くものであり、とりわけ人間性の暗部を描き出すうえで、特殊な方法論を有するジャンルである」と著者は規定し、こうした側面から、それぞれの作家が作品中でどのようなミステリの手法を用いて、人間についての探究をおこなっているのかを明らかにしています。
ミステリというジャンルが形成されるプロセスとミステリの特徴について一般的に規定した上で、個々の作品に立ち入って議論をおこなっています。ただし、文学史の中でミステリというジャンルを位置づける議論はあるものの、ミステリ史そのものに立ち入った議論はあまりなされていません。推理小説マニア向けの本というより、英文学史の中でミステリの位置づけを考察した本だと思います。
Posted by ブクログ
書架で見かけて。
アンビバランス、という言葉がある。
ある対象に相反する感情を抱くことだ。
愛と憎しみとか。
この本ほど、この言葉にぴったりくる本はない。
読んだことのなかった、読むつもりもなかった作品を、
探偵小説の歴史とともに、
著者の人間観を明らかにし、
後世への影響も含め、
面白そうに次々と紹介してくれるのは良いのだが、
それ以上はもう書かないでくれ、というほど解説してくれる。
読み進めたいのに、読みたくない。
とても複雑な気持ちになった。
実際、何ページが本当に読まずに次の章に行ってしまった。
長い読書人生、こんなことをしたのは初めてだ。
後半になって読んだことのある作品を、解説されるようになって、少し落ち着いてきたし、
紹介されていて嬉しくなってきた。
特に最後の「フロスト警部」が、ためらいとともに掲載されていたのには、
ガッツポーズをしたいぐらいだった。
そう、「フロスト警部」は面白い。
とにかく、ただのミステリーの紹介の本ではない。
それなら、ここまであらすじを書かないし、
こんなに全ての本を読みたくなったりはしない。
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