あらすじ
批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。
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2020年の出版なので、読んだ記憶はあるが、記録には残っていない。メディア・リテラシーとして、メディアを分析するための基礎的な語句がここでうまく説明されている。したがって、動画のメディア・リテラシーを行なう場合にも、基本書として読むのがいいと思われる。
小説の技巧をもとにしていると書かれている。
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私は批評理論を勉強したかったわけではなく、「フランケンシュタイン」を読んだことがあったことからこの本に興味を持ち、読んでみた。
この本は内容が第一部と第二部に分かれ、第一部には小説技法について、第二部には批評理論について、具体的な例を挙げて書かれている。私は技法とか理論の名前を覚えたかったわけではないので覚えられなかったけれど、読んでいて面白い箇所があった。
例えば、「信頼できない語り手」のところ。
小説は全て誰かしらが語り手になっている。その語りから読み取れる口調とか価値観で、語り手が信用できるか(内容を事実と受け取って良いのか)どうか、読者は判断する。
語り手の信用できなさも利用する。これは私にとっては新しい発見だった。語られていることを読者が鵜呑みにしないか、試しているみたいで面白いと思った。
また私は世界は個人個人の主観でできていることを思い出した。人は事実を歪めるもので、歪めない人はいない。
「フランケンシュタイン」の著者の夫が書いた評論では、3種類の読者が設定されているらしい。恋愛小説にしか反応しない低級な読者、恋愛以外の感情にも共鳴できる読者、そして、頭で考えることによって真の共感を得ることのできる高度な読者。高度な読者はこの作品を理解できるだろうということ。
やっぱり、読者は試されているんだと思った。
自分も「高度な読者」を目指したい、と言ったら烏滸がましい感じがするが、今後読書の経験を重ねていき、「共感を得られる読者」に近づきたいと思った。
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「小説とは、人物を造形するものである」
イギリス文学の研究家で、京都大学名誉教授の廣野由美子さんによる『批評理論入門』です
廣野由美子さん…なんとなくどっかで見たな〜と思ったら、光文社古典新訳文庫のオースティン『説得』の翻訳をされてた方やないですか、あの翻訳も素晴らしかった
さて、本書ですが、まさに『批評理論入門』です
「小説技法篇」と「批評理論篇」の二部構成となっていて、爆烈面白い
特に「小説技法篇」は小説を読む時に新たな視点や深みを与えてくれる
こんな面白い講義が聞けるなら、わいも京大行っときゃよかったな〜(行こうと思えば行けたみたいな言い方!)
まぁ、だいたいはなんとなく感じてたことでもあるんだけど、なんかふんわりしてたもののちゃんとした名前を知ったことは大きいと感じました
まぁ、明々後日には忘れるけどw
Posted by ブクログ
『批評理論入門』はフランケンシュタインを題材に、文学をどんな視点から読めるかを体感させてくれる一冊。
形式主義で技法を、マルクス主義で社会背景を、精神分析で無意識を…。
批評は作品を縛るものではなく、むしろ「作品を開く」楽しみだとわかる入門書。
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一部の小説技法はとても勉強になったし、二部の批評理論も、一つの小説からこんなに沢山の解釈が生まれるんだと驚きました!
今後小説を読むのがますます楽しくなりそうです。
Posted by ブクログ
フランケンシュタイン読んだすぐ後に。
合わせて読んでよかった。
そういうふうに読み取るのかーとか
読者的に読み飛ばしそうなところも
作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと
これから、もうすこしじっくり読もうと思った
もう一度読み直して、次から読む時は
心の片隅に意識したい
入門とあるので、この次の段階のものも読みたいなー
あまり専門すぎると難しそうなので。
ただ、
本との相性は絶対あると思う
自分にとって読みにくい本
とっつきづらい本
難解な本
それは、これからも
じっくり読む前に閉じてしまうだろう
それでも読書がただ好きなだけだし
まーいっか。
これ好き!って本に出会うたびに
その本を深掘りしたくなるツールを
少しだけ学べた気がします。
Posted by ブクログ
この本で紹介している知識(小説技法、批評理論)を持って、今まで小説を読んだことがなかったので、遅ればせながら、それらの視点を自分が得ることができ非常に有益であった。
題材としてフランケンシュタインの小説を上げているが、恥ずかしながらこの小説を読んだことがなく、本書で初めて、そのあらすじを知った。しかし、小説ってこうやって読む遠くが深く楽しめるのだなということを初めて知った。
フランケンシュタインの小説は奥深く楽しめるものなんだな。
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科学としての文学。こういう技法こそ高校の現代文で教えてほしかったよ!
小説も漫然と読んでるだけでは作者の意図の1/10も汲み取れないのね。もう少し若い時に知っていたらと思うと悔やまれる。
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『小説をより深く理解し、より楽しむための視点』
小説のしくみを示した【小説技法篇】、読み方を説いた【批評理論篇】に分けて、『フランケンシュタイン』を様々な視点から徹底的に解剖。うん、『フランケンシュタイン』をじっくりと読み返してみよう…
Posted by ブクログ
『小説読解入門』の姉妹本。主に『フランケンシュタイン』を題材にしている。
前半は小説技法について触れられていて、書き手のテクニックを学ぶことができた。
後半は批評がテーマになっているが、少し読みとくのが難しかった。ここはもう一度再読。
初心者にも読みやすい
『フランケンシュタイン』の物語を知らなくても本書は読むことができる。批評理論を学びたくて本書を手に取ったが難解な解説もなく入門書として大変分かりやすかった。
Posted by ブクログ
自分が読むときは、小説はとかくストーリーを追いがちで、主人公もしくは作者に共感して終わりとなる。しかしこれからは、少なくともストーリーを追う楽しみだけでなく、2、3の角度から読むことができるような気がする。作者の生い立ちを先に調べるかもしれないし、疑問点をメモしながら読むかもしれない。最後まで読んで解決しなければ、主人公の世界に入り込んで推測するかもしれない。これは小説を読む楽しさを何倍にもしてくれる素晴らしい指南書であると思う。
構造主義、脱構築についても入門から読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
フランケンシュタインを題材に、様々な批評理論を紹介する本。
2部構成になっていて、1部はフランケンシュタインの解説。2部は様々な批評論文の紹介になっており、原作版フランケンシュタイン未読でも安心です。
私もフランケンシュタインについては人造人間のイメージしかない状態で読み始めたので、主人公の名前がフランケンシュタイン氏で、人造人間は名無しの「怪物」だったとは驚きでした…
2部は少し難しく感じましたが、「批評理論とは〇〇という観点から物語を読み解こうとする試み」ということが分かると、少し理解が進みました。
個人的に面白かったのは「文化批評」の項。フランケンシュタインが様々な舞台や映画のモチーフになるにあたり、時代に合わせて原作ブレイクとも言えるほどの改変がなされて行きます。実際、私も全然違うイメージを持ってました…。作者のメアリが知ったらなんて言うんでしょうね?
わたしはガッツリ理系ですが、「大人のための国語の授業」って感じで楽しく読めました!
Posted by ブクログ
小説技法に注目した内在的アプローチと、批評理論に基づく外在的アプローチの2つを駆使して、小説「フランケンシュタイン」を題材に、小説の読み方を解説した1冊。
小説は娯楽であり、個人の好きなままに読めば良い代物ではある。しかし、個人の貧弱な感性のみでは「面白かった」「感動した」等の陳腐な感想しか出てこない。本書を読めば、より深層に迫る読み方が出来るようになるだろう。
Posted by ブクログ
文学理論について分かりやすく書かれた新書。
小説のフランケンシュタインを題材にさまざまな理論、方向性から分析している。
難しい理論も、フランケンシュタインを通して解説されるのでわかりやすかった。
さまざまな批評の中で、フェミニズム批評やジェンダー批評など、フランケンシュタインとはおおよそ結びつかないと思ってたものも取上げられて面白かった。
Posted by ブクログ
自分がいかに小説の上部だけしか読めてなかったか…
「こういう読み方は無粋かな」という気持ちになるような事でも
むしろ、そんな読み方こそしていいんだという気にしてくれた
特に
・怪物とドラ・セーのとやりとり
・エリザベスからの手紙から読み解く彼女の本心
・フランケンシュタインとクラヴァルに見る友情以上の関係性
・フランケンシュタインの弟アーネストはその後どこへ行ったのか
など興味深く原作小説をもう一度読み直してしまった
Posted by ブクログ
特に、後半の「批評理論篇」は、さまざまな批評理論を取り上げて、それぞれにわかりやすい解説が施されている。1篇の小説についても、いろいろな「読み」が可能であると知った。
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モノローグ ポリフォニー イメジャリー メタフィクション 形式主義 脱構築 決定不可能姓 コロニアル
「小説の技巧」と似通う部分が多いという話を聞いた。目を通すべきだろう。
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前半が小説の書き方、後半が文学作品の批評理論について書かれた本。
批評や書評にはしっかり書き方があると知って、「批評の教室」北村紗衣(ちくま新書)を以前読んで大いに勉強し、そしてその本に批評理論について書かれていると紹介されていたのが本書。本書は小説「フランケンシュタイン」を題材に、小説の書き方と批評理論を説明して行くというコンセプトの本。「フランケンシュタイン」はこういうことに耐えうる様々な読み方ができる奥の深い怪物みたいな物語で、まさに怪物も出てくるし、ただよく言われるのは、怪物とフランケンシュタインを混同してしまいがちで、実際間違える。
批評理論というのは、いくつか切り口があるとしても、批評をするときには使う理論を一つに決めて批評していくのが普通で、あまり色々盛り込まない方がよいらしい(「批評の教室」より)。批評理論は様々だから批評するときは自分で使う理論を決める。理論に慣れる必要もあるし、様々使っていくうちに批評らしくなっていくだろう。
Posted by ブクログ
文学理論について学びたいと思っていくつか手を出してみた入門書のうち一冊。具体的な一作品を使って解説を行う方法は理解しやすく、同種の本の中で初めて最後まで読むことができた。これを足がかりにイーグルトンなどにも手を出してみたい。ただ、まだ自分の理解が「おもしろい」にとどまっているので、文学について語る意味についてあらためて考えたい。ちなみにこの本が想定している根本的問題は小説とはなにからしい。
Posted by ブクログ
【小説技法篇】と【批評理論篇】の2部構成
小説技法篇は、意識していたものから普段気にしていないものまで様々な技法をもとに『フランケンシュタイン』を分析する
批評理論篇は、精神分析批評やジェンダー批評、マルクス主義批評など多くの切り口から『フランケンシュタイン』を解釈する
SFの先駆的作品なだけあって『フランケンシュタイン』はすごい
あと、メアリ・シェリーの家族すごい
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小説の読み方を『フランケンシュタイン』を例に小説技法と批評理論という2面から考察した批評入門書。
例を用いた解説が非常に分かりやすくすらすら読めるし面白かった。ただ技法と理論を合わせるとかなりの種類があるため一読だけでは頭に入らない。「こんな表現方法や考え方があるんだなぁ」といった感覚で読んでいくものなのかと思った。
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三宅香帆さんが自分が批評の面白さを知った一冊と紹介しており、興味を持って読み始めた。
『フランケンシュタイン』を題材にして、批評の手法について具体例を用いて説明してくれる。驚いたのは、フランケンシュタインだけでこれだけ書くことがあり、読み解く事ができるということ。これから読む際、より面白く読むための技法も知ることができたし、小説とはなにかという大きな問題の一端を知ることができた気がする。
フランケンシュタインは読んだことがなかったが、面白く読めた。ちゃんと読んでからもう1回帰ってこようかな。
Posted by ブクログ
スケザネ読書本から。ひとつの物語を、これだけ多種多様な視点から眺められる事実にビックリ。つまり、読んだ気になるってことは、ここに書かれた一通りを経た上でにしないとってことだな。ハードル高っ。
Posted by ブクログ
「シラバス読んだらめちゃくちゃ面白そうだったのにいざ取ってみるとそうでもない授業」みたいな感じだった。例えになってないけど。
メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、合計21もの批評理論の立場とその実践例を紹介する本。批評理論を抽象的に羅列されたところで何が何だか分からなかっただろうから、その点では理解の助けになった。
ただほとんどの批評理論が、小説をより深く理解するためのツールではないように思えた。むしろ自分のイデオロギーの正しさを証明するために小説をダシに使っているようで、率直に言えばこんなことをして何になるのか分からない。
今までに提示されていない読み方を提示することそれ自体に価値があるんだ、と言われたらそうなんだろうが、先にゴールありきで「この小説は実は◯◯主義的である」とか主張されてもふーんそうなんだ、としか思えない。手段と目的が逆なんじゃないの、と言いたくなる。
もっと実用的で日々の作品鑑賞が楽しくなるような批評理論を期待していたので少々ガッカリ。次に読むとしたら物語論あたりかな。
Posted by ブクログ
小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の読み方について体系的に学ぶことができます。小説のみならず、様々な作品、コンテンツを批評したり分析するのに本書の知識は役に立つと思いますよ。映画とか小説とか読んで考察するの好きな人は読むことをおすすめします!また創作する側の人にとっても学ぶものは大いにあると思います!鑑賞に耐えうる作品を作るには最低限本書に書かれていることくらいは知っておく必要があると思いますね。
Posted by ブクログ
本書がどういう本なのかということについては、筆者が書いた紹介があるので、それを引用しておきたい。
【引用】
批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説「フランケンシュタイン」に議論を絞った。
【引用終わり】
私は小説をよく読む。本書は、その小説をよりよく、より深く味わうために有用ではないかと思い手にした。
「小説技法篇」では、「冒頭」「ストーリーとプロット」「語り手」等、15の技法が紹介されている。「批評理論篇」では、「伝統的批評」「ジャンル批評」「読者反応批評」など、13の批評の方法論が紹介されている。
小説はよく読むが、このような小説を読むための「理論」に触れるのは初めてのことなので、いずれの技法・方法も、初めて目にするものばかりであるし、その前にそもそも、このような技法や方法論が存在すること自体を初めて知った。多くの技法や手法を230-240ページ程度の新書でコンパクトに説明しているので、1つ1つの技法・方法論の説明に割かれている紙数は少ない。そのため、技法・方法論について理解が出来たとは言い難いが、小説を読むための助けになるであろう、このような方法論があることを知ることが出来たことが、本書からの収穫になるだろうか。
それにしても、このような技法・方法論を使った批評や論文をこれまでに目にしたことはない。それはアカデミアの世界に存在するのだろうか。週末の朝刊各紙には、「書評欄」がある。私は自宅では日本経済新聞を購読しているので、目にするのは日経の書評だ。最近では、書店に「書評コーナー」があり、ここ数週間の各紙書評で取り上げられた書籍を置いてあったりする。「書評」の中で、この本で紹介されている技法や方法論を使って小説が紹介されているのを目にしたことはない。繰り返しになるが、本書で紹介されている批評はどこで読むことが出来るのだろうか、ということに関して、少しモヤモヤが残った。
Posted by ブクログ
「批評の教室」で紹介されていた本。「批評の教室」よりも本格的で、教科書的。よりステップアップする人は必読だ。
小説技巧篇と批評理論篇の二つで構成されている。どちらも、19世紀の英国の小説「フランケンシュタイン」を読解することを通して紹介していく。
前半では、ストーリーとプロット、語り手、結末など、作り手が仕掛ける技巧がクリアに分かる。後半は、脱構築、精神分析、フェミニズムなど、あらゆる「読み」の可能性が実感できる。
非常に巧みな、そして親切な入門書だ。もっと早く出合いたかった。