あらすじ
交わることのない、人の想い。切ない終わりがやってくる。「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に2人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならない――。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
読み始めは、誰の目線なのか、いつの話なのかということが捉えづらく(そうなるように構成してると思う)、話の筋が見えなかったが、無数のエピソードが、店と店がひとつの結末に収束していく展開はとても読み応えがあった。また、加害者の視点で殺人シーンを描くこと(しかも唐突に始まる)で、「バレてしまうかも」と感情移入しながらスリルをひしひしと感じながら読み進めた。
読み終えてわからなかったことがふたつ。
①石澤恭司は、たまたまネットカフェで浅葱を見つけたのか、それとも意図的に?全てとは言わないが、浅葱が何をしているのか察していたのかもしれない。
②秋先生は、ミスリード要因なだけなのか?男子学生を消した一件については回収してないのでは?
とてもボリュームのある作品だったが、一気に読み進めた。記憶を消してもう一度読みたい作品。
Posted by ブクログ
ただただ、やるせない!!!!
もう、、つらすぎて、悲しすぎて
最後の浅葱のセリフ
「人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在が必要なんだって。」
ほんまにそうやと思った。
うちもより大切にしたいって思ったし
そんな存在がいてくれるからこそ自分も頑張れる
いつかまた会えたらいいな、、
あって欲しいなぁ、、
あと話の途中で【ぼくのメジャースプーン】の内容が出てきてむちゃくちゃ感動した!
先に読んでてよかったよ!!ってなった笑笑
Posted by ブクログ
夜に浮かぶ月と、一人泣いている子どものお話。
(以下ネタバレ含む)
月子こそが浅葱くんの寒い冬(人生)における光であり、藍は辛い季節に浅葱を縛り付ける縛り月は一人では輝けない。月子ちゃんを明るくしていたのは孝太くんや周囲の人だったのかもしれない。殺人ゲームを軸に、人々の心理が鮮烈に描かれている。
所々フィクション的な都合を感じられるが、心情に注視すれば写実性はたいして重要でないので気にならない。ただ話の密度をだす装置として、萩野先輩が使われたのは悲しかった。
スピード感やモチーフの引用、伏線に読み応えを感じることが出来た。
Posted by ブクログ
こんなに長い小説を読んだのははじめて。
上下巻合わせて千ページくらいある。
ただ不思議と長さを感じなかった。
iの正体はなんなのだろう、浅葱は救われるのだろうか、といろんなスリルがあってひやひやしながら楽しめた。
孤塚と月子の関係やiの正体が明かされていく場面は切なくもあり残酷。
伏線が回収されていく怒涛の場面に息を呑んだが、トリックよりもなによりも余韻を強烈に残すのが浅葱の壮絶で悲惨な人生。
それと月子の内に秘めた恋心もそうだし、妹をあんな状態にされてもなお浅葱と向き合おうとする孤塚の誠実さにも胸打たれた。
登場人物が本当に魅力的。
Posted by ブクログ
とても怖かったけどハラハラしておもしろかった!!浅葱とiの一人の人間による闘い。
身の回りで起こる事件が胸痛かった…
変わろうと、止めようと、会いたいと願い必死でボロボロな浅葱がつらい。
人を好きになって支えられて考え方が変わっていくことって沢山あるよな〜
秋先生が囁いた男の子と最後の恭司と浅葱のやつ、自分の理解力のなさでよく分からんだ!
これからググります…!
Posted by ブクログ
すごすぎた。
ものがたりとしてあまりにもすごい。
自分の語彙力が無さすぎて、どう表現をしたら良いのか分からないし、到底現実では理解できないものなんだけど、小説としてものがたりとしてあまりにも惹き込まれる。美しいって表現したくなった、光だったあまりにも。闇なんだけどすごく暗いし、暗いどころじゃないくらい深いとても深い地獄の果てみたいなんだけど、あまりにも、光だったよ。
意味分からないこと書いてるけど読んだ人なら分かってくれると思う
すごく胸がいっぱいになる。ここ数年で1番刺さった。
Posted by ブクログ
最後まで読者の予想を裏切り続ける物語運びと結末であった。個性的かつ確固たる信念を持って生きている登場人物が多く描かれているがゆえに、読者自身もこれまで触れたことのない幅広い生き方・考え方に遭遇できるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
最初のプロローグは誰がやって誰がやられたのかずっと考えてたけど、それは思ってもいなかったもので驚いた。この本ではたくさんの驚きがあって、ボリュームがあるものの飽きなくて、早く読みたいなっていう気持ちにさせられた。
人の存在っていうのは大切なんだね
Posted by ブクログ
まさかまさかの展開が続き、
1日で一気読みしてしまいました。
感情移入して切ない描写もありましたが、読み切った時の達成感がたまりません。
大変おすすめしたい作品です!
Posted by ブクログ
重くて、切なくて、心が痛くなる作品。
細かい伏線回収もすべてされてて鳥肌立った。
どう生きてきたらこんな作品を書けるのか…。
余韻を凄まじく感じて、しばらくはこの本のことばかり考えてた。
匿名
木村浅葱に惚れた
木村浅葱のあの闇深さ、儚さは最高です。辻村作品の大ファンである私ですが今まで読んだ辻村作品の中のキャラクターでダントツで好きです。辻村作品は細かいところまで描写してあるので読み終えた後にもう一度読むと多くの伏線を発見できます。また他の作品を読むとキャラクターが出てきたりして繋がっているところもファンとしては嬉しいです。私としては木村浅葱を一行でもいいので他の作品に登場させて欲しいです。一言でもいいです。
匿名
悲しい話し、やるせない気持ちになりました。
後半、あれ?あれ?となりましま。
それまで少し嫌なタイプかも。と、思ってたのに
見方が変わると全然違ういい子に見えるから魔法にかけらるたみたいな感じです。
上巻から読み返してしまいました。
Posted by ブクログ
辻村ワールドすごろく5マス目の下巻。
浅葱とiの殺人ゲームはクライマックスを迎える。
上巻で感じたやるせなさは、下巻で更に大きくなる。人間の痛ましさ、愚かさ、精神的脆さが詰まった物語だった。
他者からの愛を渇望するあまり、刹那的な感情に駆られ歪んだ行動に出てしまうけど、取り返しのつかない行為に悔やむ心の叫び、この時の描写が何とも気持ちを抉られた。
っていうか、iの正体…そうきたか。。
相変わらずお上手な伏線の回収で、ラストは綺麗に着地した感じ。やるせなさは消えないけど(汗)
読後は切なすぎて、ふーっとため息が出た。
辻村先生の作品は、これまでどちらかといえば白い方の作品を読んできたからか、今回の作品で改めて振り幅の広い作者さんだなぁって思った。
Posted by ブクログ
これはやられました。
終盤での盛り上げが凄まじい。
序盤はひっかかるところが多かった。
同じ段落で主語が変わることがあるのが分かりづらい。
鉤括弧内での改行が多用されているのも読みづらい。
彼や彼女が誰を差しているのかがわかりづらい
そして、iの正体。
月子か?違った。恭司?違う。秋山先生でも狐塚でもない。
浅葱が乖離性同一性障害。読めたし、少しチープに感じた。
これが決定打だと思った。
ところが。
月子が妹という叙述トリック、上原愛子の関わり、赤川翼、そしてラストの恭司と浅葱。
すごすぎた。ここまで練り上げて超長編としてまとめ上げた、若き辻村深月さんに脱帽した。
時たま、キレッキレの比喩に出会えるのも良かった。
Posted by ブクログ
後半になればなるにつれ楽しくてサクサク読んでしまった。今までの辻村美月さんの本とは少し違う雰囲気だったけど楽しかった。月子が生きていてよかった。
Posted by ブクログ
この話はフィクションなんだぞ、と何度も思い直さないといけないほどに、そこにはリアルがあった。
浅葱と恭司の人間離れしてるところには、あれこの人たち人間だよね?超人かな?って何度か思いましたし、偶然も必然もご都合展開も、こんなの現実的じゃないって思うこともあるけれど、そもそもこの話はフィクションなんですよね…それを忘れさせる没入感あります。
次にぼくのメジャースプーンを読んで、子どもたちは夜と遊ぶを再読するのが楽しみです。
Posted by ブクログ
読書がどうのこうのではなく、泣いたり戦慄したり怒ったりしたことを含めて、この本を読んでた時間が忘れられないものになりました。読み終わった事実をまだ受け止められない…
Posted by ブクログ
ヘビーでしたが、面白かったです。虫が苦手なので、途中ちょっと大変な描写はありました。
私は月子の内面に似たところがあって、とても感情移入して読みました。真紀ちゃんや萩野さんに憧れる気持ちがすごくわかるし、女の子に気を遣いすぎて女友達ができにくいかもしれないと真紀ちゃんが言ってくれてるところもうらやましいなと思いました。上手く言えないけど、少し経ったらもう一度読みたいです。
Posted by ブクログ
辻村深月さんは女性作家で一番好きかな!
人の心理を細かく描くから人物への感情移入が半端ない!病院で生死をさまよう!この人は助かるのか?ページをめくるのが止まらない!
辻村さんの作品ではかなりヘビーな方である!
結末は?私は推測出来なかったw
また、何年か先に再読する時、違った感覚で読めるからその時はわかるかも!
Posted by ブクログ
下巻に続き再読です。
最初に読んだ時には、ただただツラくて痛いてコワイ、そんな感想だったけれど、改めてゆっくり読んでみてちょっと違う見方もできるかもしれないと感じました。
浅葱の境遇には同情はするけれど、それでもやっぱり狐塚もいうように、浅葱がしたことは到底納得できることではない。心理学的に同情と共感の違いっていうことがよく言われるけれど、これほどわかりやすい例もないな、って思ってしまった。
辻村深月さんの作品は、過去の登場人物たちが後の作品にも出てたりするのが魅力のひとつでもあるけれど
この作品で最後に大きな仕事をやってくれた恭司が、後の「本日は大安なり」で当たり前のように狐塚の隣にいたことが本当に嬉しかったです。
Posted by ブクログ
非常に読み応えのある大作だった。
iが誰か予想しながら読んでいたが自分の予想は見事に外れた。エピローグまで秀逸だった。
タイトルの意味がよく分かってない。読み返した方がいいな。
Posted by ブクログ
途中殺人の場面が多くてしんどかったです。
月子の苗字、そういえば出てきていないな、と思っていたら孤塚孝太の妹…!びっくり…!
月と対応する名前?と思ってどこが?!と思ったけど太陽だったんですね〜!
浅葱もそのことを知っていたらこんなことにはならなかった、いやどうだったんだろう…
浅葱と藍もそんな関係だったなんて、というのがびっくり、こんなのを思いつく辻村さん、本当にすごすぎます。
Posted by ブクログ
上巻でまいた種をしっかりと下巻で収穫。
他の辻村作品とはテイストが違いますが、これも面白かった。
多重人格は何となく感じていた。自分が感じるくらいなのだから多くの人がそう思っていた事だろう。
しかしそこから一捻りも二捻りもする。さすが辻村深月。
藍とiに愛子が絡んで、なるほどそんな感じだったか。
そして月子ちゃんはそうだったか!盲点でした。
暴力的な記述も多く、人間の、子どもの持つ残酷さについて考えさせられました。ですが、友情とは親愛とは、そして愛情についても考えさせられます。
狐塚家、いい家族だなぁ。
Posted by ブクログ
上下巻にするほどの長さが必要なのか? と思いながら読んでいたら、途中から怒涛の展開。夢中でどんどん読んでしまった。そして今までに読んだ辻村作品の中で一番ヘビーだった。メンタルが低調でない時に読むのがオススメ。しかしまさかこんな…いやいや詳細は秘す。
生きること、共依存、そんなテーマを持つ作品。女性の友人関係のややこしさがひたすら興味深い。
Posted by ブクログ
4.5
いやものすごい読後感。いろんな感情からため息が止まらない。正直最後の方の怒涛の展開は全て理解できていない。かなり難しかった。これから考察読みまくります。ミステリ的展開でどんどんひっくり返される。下巻の後半はもう最後まで安心できないくらいひっくり返されまくった印象。そして登場人物たちの間の関係や感情が独特で面白い。面白い。辻村深月さんの小説は全部違う作者なのか?って思うほど、作品によって感じが変わる。でもこの小説は「スロウハイツの神様」を書いた辻村深月さんだなって感じた。登場人物同士の関係性の描き方が同一人物だった。
浅葱、会いにきてくれたの。なんか嬉しかったよね。
複雑な多重人格の構成、すぐに忘れてしまいそうだから今の解釈を記しておく。↓
物語はθ(浅葱)目線で進んでいく。
θはiを実の兄だと信じてゲームを頑張って続ける。
でも実は主人格はiの方。
時間は遡り…
幼い頃iは兄である藍を殺してしまう。
大好きな兄を殺してしまった自分への罪悪感や孤児院で壮絶ないじめにあった経験から、別人格のθを生み出した。θは自分が兄を殺したことを知らない。
iは壮絶な経験から、自分はθの影に隠れ、静かに息を潜めることにした。読者はずっとθ目線で描かれるので、θが主人なくだと勘違いする。
月子に会いに行ったこの人はiだよね。θのことを想い続けてる本当の主人格iはθが死んでしまったと言いながらも、眠ってるかもしれないθのために、月に好きの気持ちを代弁した?iはθが好きだから、θの好きな月子との思い出を作ってθを呼び戻そうとしてる?
恭司は?どういうことだったの?警察病院から逃げたiと連絡をつけて見つけ出し、iを殴り月子に合わせた?恭司は心から月子と恭司が好きだから。
Posted by ブクログ
辻村深月さんの作品は途中から本当にページをめくる手が止まらない。この作品も上巻後半あたりから手が止まらず、下巻は一気に読んだ。
事件についてはもしかしてと思ってたのが当たりはしたけど、物語の回収はそれ以上でさすが。
登場人物たちがこの先どう過ごしていくのか知りたい。
Posted by ブクログ
暗い過去と同じ顔を持つ双子の殺人ゲーム
上巻の忌々しい描写が忘れられないまま兄が提案したゲームは続き、大切な人へもその刃は向かおうとする。
どんどんゲームが加速すると共にページを捲る手が止まらなくなる。面白かった。ヒントが狐塚に向かった時はハラハラした。個人的には紫乃ちゃんと月ちゃんの関係がどう変わって行くのか興味があったのでそこが見れないのが残念だったな。
浅葱の孤独も。
オチはきっとこうだなぁと予想がつきその通りにオチてしまったのもまた残念。
Posted by ブクログ
内容の濃い長編でした。
⭐︎5に限りなく近い⭐︎4です。最後のエピローグにゾクっとしました。
色んな感情が入り組んで、読んでる最中の自身の顔すごい顔になってたんじゃないかなぁ。とにかく夢中になれるミステリー作品でした。毎度のことですが辻村作品は他の作品との繋がりが強く、読んでる最中に鳥肌が立ちます笑
Posted by ブクログ
孝太と月子はずっとカップルだと思って読んでたから、孝太が月子にサーカス断られたあと、真紀ちゃん誘ってて、えー(T_T)となったけど兄妹だったとは!!名前が太陽と月で繋がってるの全然気付かなくて感動⭐︎
登場人物多くて、誰かが藍のフリをして裏で浅葱を陥れようとしてるんじゃないの?(秋山先生のことちょっと疑ってた。笑)と最後まで期待したけど、多重人格オチでした。。
オチはあまり好みではなかったけど、面白くて、インフルで発熱中でも先が読みたい!と思える作品でした♡
Posted by ブクログ
とにかく重くて辛くてグロめだった…。けど、辻村さんハマり中なので先が気になってどんどん読めた。 月子があんな状態になってても浅葱のこと庇おうとするのすごすぎて。先輩のときもしのちゃんもショック受けてたから思いっきり当事者なのに。 他の作品で出てくるの知っちゃってたから狐塚と恭司は死なないしiじゃないのわかってて勝手にネタバレだったかな。エピローグの恭司かっこよ!
Posted by ブクログ
辻村さん2作目。
最近のとは違った雰囲気。
嫌なシーンがけっこうあるので、読み進めるのが大変だった。
結果はどうあれ、妊婦のところは読むのがきつい。
Posted by ブクログ
辻村深月さんは、好きな作家の一人だ。
とはいえ、どの作品もぜんぶ好き、というわけではなく、読みづらい作品、苦手な作品もなかにはある。この『子どもたちは夜と遊ぶ』もそう。
ストーリーも結末もあまり好みではない。ただし、それでも読ませてしまうのが、辻村深月さんのすごいところであり、つい登場人物の絶対的な孤独に胸が痛み、やりきれない思いを抱いてしまう。
結局、辻村深月さんの作品が好きなのだと実感。