あらすじ
交わることのない、人の想い。切ない終わりがやってくる。「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に2人のゲームを進めていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならない――。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
面白すぎて下巻に突入して読む手が加速しました、、。よくできたお話で安易な言葉で表すのが憚られる内容でした。
何となくiについてはそうかな?と思う場面もありつつも、想定より多くの伏線を回収しつつ、あのラストに持ち込むところがさすが辻村さん、、。
iのしたことは凶悪でしかないものの、それを完全悪と言いがたい背景に複雑な感情を持ちました。
またそれを虫に喩えるあたりもなんだか不気味でゾッとしました、、昆虫ではよくある寄生も人間に置き換えるだけでこうも複雑になってしまう、同じ生き物なのに。
最後は救いのために用意された章だと思いたかったけど、藍はもう死んでしまった。頬が切れてるのを見ると恭司に殴られに行ったことがよくわかる、殺人者にこの機会を譲る恭司もすごい。ただ、再会はできなかったと思うと切ない。
Posted by ブクログ
めまぐるしく次々に判明する真実。
予想もしなかった展開がこれでもかと続く。最後の数ページになっても、まだ続く。
読みながら何度混乱させられたことか。
iは一体誰なんだ???
浅葱とは誰だったんだ??
孤塚ですらなぜか怪しく見えてくる自分に笑ってしまった。
下巻を読むまでは、iは誰なのか、浅葱は兄と会えるのか、いずれはみんなにバレて、苦しい展開になるのだろうかと予測を立てていたが、見事に裏切られた。まず月子がこんなことになるなんて。そしてまさかの兄弟だったなんて。それを知らずして両想いなのにすれ違う悲恋。
iが好きだった浅葱。手記を書くことで落ち着いていた浅葱、人間らしい浅葱は偽のiとの出会いで不安定になってしまう。攻撃的な浅葱が目覚めてしまった。iは終わらせなければと思った。人間らしい浅葱はすでにいなくなってしまった。でも本来はこれが正しいのだ。iは死に、攻撃的な浅葱が生き残ってしまった。全てはそこから狂い始めてしまっていた。
二重人格の設定はこう言ったミステリーで定番ではある。けどいつも自分では予測できないし、今回に限っては顔が違った、まるで別人だった、そんな記載が目立っていて読者側の二重人格説をいつのまにか否定されていたように思う。まんまとはまってしまった。
二重人格だとしたら浅葱は可哀想だと思ったが、まさかの浅葱が攻撃的だったという。作り出された偽人格の方が人間らしく、みんなが好感を抱いていた。この矛盾もなんとも言えない感情になる。
月子と紫乃との関係もなんとも気持ちが悪い。どうして付き合うんだ。好きだから故に相手に合わせてしまうのか。月子は強いはずなのに。優しすぎるのか。そこだけは理解できなかった。
最後に2人が会えたのはハッピーエンドと信じたい。月子が愛した浅葱は戻ってきてるよね?でないと恭二のふりなんて出来ないはずだ。月子だって全然怖がってない。そう考えるとこれでよかったのかな。切ない。
Posted by ブクログ
上巻の終わりになってから一気にページをめくる手が止まらなくなり、翌日に慌てて下巻を買ってすぐ読んだ。特に下巻の後半は一晩で一気読みした。
辻村深月さんの感情描写には息が苦しくなるような没入感があって大好き。
浅葱の、一人きりで強く生きる覚悟とは裏腹にある痛々しいまでの人間くさい弱さがとても愛おしくて、月子がそれを垣間見て恋に落ちた気持ちが同じ年頃の女の子としてよく分かる。こんな風に悲しい偶然が重ならず、月子という浅葱にとっての盲目な天使が彼の人生の歯止めになることができていたなら、と誰もが思うはず。
なのに、そこに実体はない。木村浅葱の中の主人格はiでありそれが本当の生来の浅葱だから。あれほどまでに人間らしい彼の人格が、その姿形は生きているのに表情や口調には明らかにもういないこと、それが少なくとも社会的な死とは定義されないことが、ふわふわとして現実味を帯びないけれど確かな現実で。
彼の壮絶な過去が作り出した「浅葱」は、まさに実体を持たない虚数の「i」、でも、iは現実で観測できる実数解ではなくても、もっと多次元的な世界ではたしかに存在するといえる数。
確かに彼が生きた数年と、狐塚や月子や恭司や萩野やたくさんの人にとっての彼と過ごした日々は幻じゃなく、月子を含めたみんなの記憶に残るんだと思う。
Posted by ブクログ
とても重く、苦しく辛い。
あの頃の出来事が、少しのズレが、全てを崩壊させてしまう。
最後まで驚きの連続。
色んな要素がありすぎて追いつかない。
たとえ許されざることをしていようとも、みんな愛すべきキャラクターばかりなのです。
最後よかったなぁ。
恭司ほんといいやつだなぁ。
私は浅葱好きだよ。
匿名
木村浅葱に惚れた
木村浅葱のあの闇深さ、儚さは最高です。辻村作品の大ファンである私ですが今まで読んだ辻村作品の中のキャラクターでダントツで好きです。辻村作品は細かいところまで描写してあるので読み終えた後にもう一度読むと多くの伏線を発見できます。また他の作品を読むとキャラクターが出てきたりして繋がっているところもファンとしては嬉しいです。私としては木村浅葱を一行でもいいので他の作品に登場させて欲しいです。一言でもいいです。
Posted by ブクログ
上下巻計1000ページがあっという間でした。
第九章を読んだときの衝撃が忘れられません。すっかりミスリードされました。
この感じは「スロウハイツの神様」に近しいものを感じました。
Posted by ブクログ
あまり沢山の小説を読んでいるつもりも無いけれど、こんなに主要キャラクターと関係値を描写された人物が殺される話はあんまり読んだことがなく、結構キツかった。主要キャラクターと全く関係のない被害者も妙に設定がリアルでキツい。
それを補って余るほどのカタルシスは得られなかったのが本作の正直な感想である。所謂"真犯人"のオチも、「まあそうか」と言ったところだ。
が、辻村深月の描くキャラクターの立ち方と、"現実に居そう感"がとにかく凄い。別に、設定がリアルだからとかでもなく、本当にそこに暮らし、喋っている感じがする。そして皆、不完全な魅力を放っている。
だからこそ、その人が殺される描写がキツいと感じさせられるのだと思う。
Posted by ブクログ
切ない終わりかただった。
胸がいっぱいになった。
悲しくもあり、希望のようでもあり、表現するのが難しい終わりかただった。
いつか月子は全てを思い出すんだろうか…
もう少し早く、浅葱が人に執着していたら、こんなことにはならなかったのかな…
いや、全ては、親が悪かった。
エピローグ最後の
藍『 』
これを見た瞬間、ものすごく切なさでいっぱいになった。
Posted by ブクログ
面白かった。信じたいものを信じたいし、周りからどう思われても貫き続けないといけないこともあるよなって思った。
なりたいものになるためには、きちんと生きていこうと思えた。
Posted by ブクログ
夢中になりました。まとまった時間があまりとれなくて、少しずつしか読めなかったことが残念。一気に読んで話に浸りたかった。月子と狐塚の関係、月子が秘めてた浅葱への想いと、浅葱とその浅葱自身が作り出したもう1人の人格。月子と浅葱の対話では切なくて悲しくて、外出先にも関わらず涙腺が緩んで困った。最初から最後まで楽しく読めました。大好きです。
Posted by ブクログ
とにかく読んでいる間中、胸糞が悪くて早く読み終わりたい、早く解決してくれ、と思っていた。
初めての辻村さんだったが、個人的に苦手な部分と好きな部分がはっきり出てしまう作品だった。
特に月子のキャラクターが、感情の押し付けのようで好きになれなかった。月子のと紫乃の関係性に期待した以上の救いもなく、楽しくないのに一緒に居る描写が多くて、昔感じた信頼の欠片で一緒に居た描写もあったけどその印象は薄い。
狐塚と月子が兄妹というのも、あれだけ仲良いのに気づかないとかあり得ないと思う。
赤川翼の家出は余りに反省してなさすぎる。
あと、浅葱をあそこまで可哀そうにする必要はあったのだろうか。
全体的に顔が整ってる人ばかり出てくるのも少し苦手。
だが、全体的にやはり文章は魅力的で読み進める力がすごい。話は陰鬱で辛いシーンも多いが、ぐいぐい読めてしまう。
狐塚が狙われているかも、という場面や、月子が浅葱に真相を聞くところなどの緊張感はすごかった。
ラスト、恭司のふりをして月子に会いに来たのが浅葱と気づいた時は思わず読み返した。とても良いシーンだった。
「俺は彼じゃないけど」と言ってると言うことは、最後月子に会ったのはiだったのだろうか。浅葱だと良い。どんな思いで月子に最後に会ったのだろうか。どんな思いで月子に触れたのだろうか。月子に病室で語った話は、そうだったらよかったのに、という浅葱の思いだったのだろうかと思うと泣けてしまった。
個人的には話や描きたいことはすごく好きだけれど、設定面がすごく苦手な、評価が難しい作品だった。
Posted by ブクログ
初めての辻村さん作品。
辻村さんの巧みな文章力もあり、犯人視点で人が死んでいく描写が生々しく描かれていて、辛い。萩野先輩の章の描写は、察してからは読みたくなかった。。それくらいリアルに情景が感じられました。
最初は兄に会いたくてワクワクしていた浅葱が、
殺人の恐怖に段々変化していく様が圧巻だった。
伏線回収も綺麗で、
上巻後半からはすごくハラハラして
ハイスピードで読めました。
ただ、個人的に結末はどうしても
あんだけ人を殺しといてこんな展開?!と感じてしまった。。
あまりにも人を殺すから、
エピローグも浅葱が月子に会いたい一心で
恭司を殺したのかと思ってしまった。
孤塚もー恭司。って言ってたし。
考察記事を読むに、
面会権を譲っただけだったんですね。安心。
余談ですがわたしも田舎者なので水に金を出す感覚について、孤塚と同じ考えなところがある。
自販機で水買うの、なんか勿体無いと思ってジュースとか選んでしまう人間だ。
繋がりがあるらしい『ぼくのメジャースプーン』『名前探しの放課後』も今後読んでいけたら、よいな。
Posted by ブクログ
悪意に満ちた後編。
ラストシーンはハッピーエンドっぽく良かったかな?
ただ、多重人格オチはうーん。
ミスリードがうまく噛み合わなかった感。
恭司が黒幕かなーって疑って読んでたので。
時系列的な感じだと
子どもたちは夜と遊ぶ→ぼくのメジャースプーン
→凍りのくじら→名前探しの放課後
なのかな。
残念なことに、ぼくのメジャースプーンから読んでしまったので全部の伏線が回収されなかったのが残念。
いつか時系列順に再読しようかと思うけど、
子どもたち…はもういいかな。重すぎる。
Posted by ブクログ
アイは誰なのーー、なかなか明らかにならないその正体。
目まぐるしく変わる展開!つきこ!おまえ、、しぬんか??
月子は俺の中で、パーティーちゃんの信子。
まーさーかーの二重人格おちかい!!!!笑笑笑
そこはガックリ
でも最後きょーじのふりをして浅葱が月子の面会に来る展開は良い。
Posted by ブクログ
人間関係や犯人の状態は割と早めに想像できてしまったものの、狐塚が狙われたところらへんから面白いし、月子が殴られてお互いの好意がすれ違ったところは切なかったし、手術室でただ待つことしかできない無力さは涙でそうになった。
それくらい登場人物たちに魅力を感じていたのかも。
メインどころは大学生や院生と、大人になりきれない感じが不安定で良い。
なだけに思念と事故のまぜ具合に少し違和感を感じたり、その脱走は死ぬやろと思ってからの病室のやり取りが綺麗すぎて、終盤萎えてしまったのが悔しい。これが相性…