あらすじ
修司と相馬、鑓水の3人は通り魔事件の裏に、巨大企業・タイタスと与党の重鎮政治家の存在を掴む。そこに浮かび上がる幼児の奇病。暗殺者の手が迫る中、3人は幾重にも絡んだ謎を解き、ついに事件の核心を握る人物「佐々木邦夫」にたどり着く。幼児たちの人生を破壊し、通り魔事件を起こした真の犯罪者は誰なのか。佐々木邦夫が企てた周到な犯罪と、その驚くべき目的を知った時、3人は一発逆転の賭けに打って出る。
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Posted by ブクログ
⭐︎3.9
・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏に、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。
Posted by ブクログ
映画を見ているみたいだった!
主人公3人がとても魅力的で、視点がころころ変わるのに読みやすい。私は相馬が好きです。
多種多様な立場や思惑が混在する中で一本の話としてまとめ上げていく力がすごい。
ずっとハラハラしっぱなしだったけどクスッと笑える描写も多くて飽きがなかった。
初めて読んだ作家さんだったけど他も読んでみたいと思った。
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下巻になるとさらにスピード感が増していく。
そして作戦は成功するのか。
息が詰まるような展開。最後に目的は達成できるのか。相馬、槍水、修司の関係性がとても良い。
次の作品も読んでみたい。
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上下巻合わせて圧巻だった。
駅前で起きた不可解な通り魔事件をきっかけに、食品会社のモラル、経済界と政界の癒着、腐敗政治、難病に立ち向かう親子、そしてとある男の大きな計画がどんどんと繋がっていく。
マクロもさることながら、映像描写や人物像の描き方が細かい。そしてあたかも当然のように、ミステリー小説としてのホワイダニット的要素も綿密にプロットされていく。
そんなものは無いのかもしれないけれど、あえてこの小説のテーマを形容するなら“生きることの本質”なのかなと感じた。
希望の象徴であるフロリダキーズを夢想しようが、どれだけ凍結臨を追いかけようが、そこには耐え難い理不尽が連続するのみで、でも生きていかなければいけない。なぜなら生きているのだから。
それぞれが何かの“はみ出し者”として描かれる3人の主人公やメルトフェイス症候群と闘う者たち、強かに謀略を巡らすタイセイフーズの上席たちや政界の人間たち、皆々が必死に生きようとしていた。
生きることとは、その身に逆風を浴び続けることと同義なのかもしれないなぁ、なんてことを思った。
Posted by ブクログ
不可解な通り魔事件、巨大企業・タイタスと与党の重鎮政治家の黒い関係、メルトフェイス症候群の関連性、捜査する三人と迫り来る暗殺者という全てのピースが下巻で収束されていて、まるで壮大な映画を見終わったかのような満足感があった。
Posted by ブクログ
プロローグ
千葉県 五井
そう、あの小湊鐵道の出発点である五井だ
ハンドルを握ると、3分程度で一気に視界が
開ける
ひらけたと当時に、朝靄が立ち込める
ウィンドウを下げて、外気を入れ込むと
冷たい湿気と共に秋の香りが眠気を吹き飛ばす
30分程流していくと、突如近代的な建物が
立ち塞がっていた
朝靄に聳え立つザ・セントナイン東京だった!!!
本章
『犯罪者 下』激アツの★5
いゃ〰、本作がデビュー作
上下巻で約1,000頁読ませるな〰
長尺の割には、一切の無駄がなく、グイグイと
物語に引き込んで行く
そして、脳内映像化に直結する文体
まるで、一本のミステリー映画を観てるような
作品であった!
このシリーズ及び作家は、今後も追っていこう
そう思った!
エピローグ
ザ・セントナイン東京って、、、
東京ディズニーランドもそうだが、千葉なのに東京って、、、
チーバ君に倣って、◯◯チーバとかチーバ◯◯に
すれば良いのに!
建物の一室で、本作を読み終えたが、本作以上に
この“東京ミステリー”がミステリーであった!
千葉県に物申そう
そう思った!
完
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つかれた…
長いからとかではなく、追われる立場で読むので、心の疲労です。
いやもう、ここはすんなりとハプニング無しでいいやんかー!と何度思った事か。
練りに練られた計画、駆け引き、追いつ追われつの中身ぎっしりな下巻。
先が気になりすぎてほぼ一気読みでした。
正義は勝つ!な話じゃないんですね。
頑張ったけれど力及ばすな現実。
むしろ、全て丸く収まる事ばかりじゃないんだよ。そうして残された者は、生きる理由を見つけて生きて行かなきゃならないんだよ、と言われてる気がした。
でもでも、そこは報われてほしかった!プンスカ!
が本音です。
Posted by ブクログ
読み終わってため息をついてしまうような作品。やっぱりこのシリーズは人生ベスト本に入る。上巻に増して下巻は展開のスピード感がすごくて、特に作戦を実行する場面では追う側と追われる側と視点人物がくるくる変わって、自分も一緒に走っているような気持ちで読んだ。鑓水たちの計画も緻密だし、敵側の読みもかなり鋭くて、太田愛さんはどれだけ綿密なプロットを作っているんだろうと驚くしかない。はやる気持ちを抑えながら読んでいくと、何度も少し前の場面での行動やセリフの本当の意味が分かっていって「なるほどこういう意味だったのね..!」と感動する。こんなにたくさん細かい謎が張り巡らされているのに、最後には一つ残らずスッキリしているのがすごすぎる。この3人が出会えたことだけが、この一連の事件に巻き込まれた影響の唯一の良かったことだなぁ。大好きなシリーズだけど、もう3人が酷い目に遭うところを見るのは辛くて、4作目が読みたい気持ちとそうでないのと複雑。。
Posted by ブクログ
読み終わってしまったーー。
下巻も上巻同様に続きが気になって一気に読んでしまった。
脚本家の作者の初の小説がこれってすごいなぁ。
脚本家だから映像を見るように読めたのか。
ハラハラドキドキする展開満載で、本当に面白かった。
最後は悪を成敗!という感じではなく、より現実にありそうな終わり方でスカッとしたものではななかったけど、現実的だしこれはこれでとても納得。
シリーズ化してるとのことなので、あと二作も楽しみ。
Posted by ブクログ
個性的な3人が偶然巻き込まれた殺人事件の裏に巨大企業と大物政治家
殺し屋に狙われながら巨悪に立ち向かう持たざるものの戦い
周到に練られたプロットと登場人物の描き方がとても良かった
長編なのに止まらない展開は見事でした
Posted by ブクログ
どぅぉわーー読み終わった。読み終わったけど、なにこのスッキリしない後味…違う読後感。
2→3→1と変な順番で読んでしまったけど、やっとこれまでの疑問はスッキリした。
アイツもアイツもアイツもみんな真っ黒で今でものうのうと暮らしていくのかと思うと腹立たしいし、被害にあったあの子達とその家族だってこれからまだまだ戦わないといけないのかと思うとやっぱりアイツらが憎いし、突然殺されたあの人たちだってその家族だってなにも浮かばれないからやっぱりアイツら地獄に堕ちろって思ったよね。
なんか物理的に一番怖かったのこれじゃないかしら。
殺し屋とかもう伊坂幸太郎に任せておこうよーって思ったもん。
なんかすっごいモヤモヤスッキリしなーい!
あ、最後に鑓水は40代、相馬は30代、修司は18歳で私の中で決着付いたわ。
でもそういう問題じゃないんだー!
Posted by ブクログ
面白かった!!!上下2日で読み切った! 真崎さんの意思がすごい。自分に関係ないことでこんなにいろいろすることほんと普通できないよな。うまくいってほしかった。ホテルの従業員にめっちゃ腹立ったけどあいつはただの窃盗犯であって腹立てるのは滝川とかのほうなのに、作中で言ってる身近な個人に怒りの矛先が向くみたいな感じかなって思ってゾッとした。 親として思うことは、山科さんが強くてただただ尊敬。 自分が知らないところでいろんなことが起きてるから、知らないだけでこんなこともあるのかなと思ったり。
Posted by ブクログ
SNSの読書垢さんが推してらしたのをみて興味が湧き購入。
カバー裏の作者紹介も確認せず読み始めた上巻、冒頭からハラハラする描写が脳裏に映像として鮮明に浮かんできて、果たして何故かしらと経歴を拝見して納得。大好きな相棒シリーズを手掛けておられるとは……!!
怒涛の手に汗にぎる展開の連続で、読書欲が満たされました。刑事ドラマ・相棒シリーズ・クライムノベルがお好きな方には本当にオススメです。最高でした。
Posted by ブクログ
休日をすべて読書に使い、一気に読みました!
おもしろかったです。
3人のやりとりがいいです。いい感じに信頼し合っててところどころで感動。
実はこの作品はシリーズと知って、またこの3人読めるんだと思ったら嬉しい。
うまくいくと思ったら、やめてくれの展開。
なんでこんなことにと思ったら、やったーの展開。もう、途中からは読むのをやめられなかった。
人の心をきちんともった人が勝つ世の中であってほしい。ただただ人のために動いた真崎さんでさえ、通り魔で家族を殺された人には余計なことをしたと恨まれてしまうのか。
あの時、こうしてれば、あぁしてたら、の繰り返しでやっぱり自分の思った通りにはいかないものなのだと思いました。でもだからこそ、相馬さんのように自分の心が正しいと思う方を選べる人にならなきゃいけないのだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
上下巻3年ぶりに読み返したのだけど
すごかった!!
『太田さん!すごい!!』
何度も思いながら読む
そして読み終わり
「は〜」とひと息つき、本をテーブルに置き拍手。
情景描写、人物描写がとても細かく丁寧で
ハラハラしたり
胸が苦しくなったり
殺し屋の視点は もう不気味だし怖いし
被害者遺族を訪ねる『新盆』というドキュメンタリー番組の章
映像も浮かんできて
本当にこの番組見てるようで
悲しかった。
壮大な連続ドラマ10話イッキ見したような感覚
太田愛さん、すごいです✨
修司、相馬、鑓水のキャラも良くて
3人のファンになって引き込まれていきました。
このシリーズ
「幻夏」 「天上の葦(上下)」も
再読していきたい。
Posted by ブクログ
登場人物のキャラクターが際立っていた。相馬に惹かれた。
幻夏を先に読んでしまったが、何故か幻夏では相馬のこんな男気あふれる骨太さは感じなかった。
Posted by ブクログ
上巻の時にも思いましたが、この作品はものすごく緻密に物語が構成されていて、書き上げるのにどのくらい掛かったのだろうと。
風呂敷を広げすぎて、最後尻すぼみになる話はよくありますが、最後の最後までしっかりと考えられていました。
どんな形で着地するのか、そればかり考えて読み終えましたが、なんだかんだのハッピーエンドだったり、目も当てられないバッドエンドでもなく、現実世界だったら本当にこうなんじゃないかって思わせるものでした。
改めて素晴らしい作品でした。今後も期待しています。
Posted by ブクログ
なんと複雑なストーリー!こういう事だと思っていたことが覆されるし、ここで良心の人になるのか?!とか期待しても変わらずクズだったり、それを見越しての作戦だったり。全然うまく行かない計画だったと見せかけて、結果は目論見通りだったところとかお見事です!一件落着かと思いきや、まだ残りページがあるから、これで終わりませんよねぇ?と思いながら読めるのは紙の本の良いところですね!
読む手が止まらなかった!
おもしろかったー!!あの人の真意とか、あの人の決意とか、あの人の最期とか、疑惑とか謎とか悪とか正義とか……あぁもう、ぐわぁー!ってなる。読んでいる間中、熱い塊を心臓にぐりぐり押しつけられているみたいだった。
Posted by ブクログ
面白かった!!ドラマ脚本家だなと思うほどありありと情景が浮かんできて読みやすかった!躍動的と言うかキャラが生き生きしてて推しとかできる感じ!笑
登場人物が多くて把握するのに何回も冒頭ページに戻ったりと大変だった。ただ、そんだけ多い分誰が"犯罪者"なのか、悪者はいつか味方につくのか?それともこんな側近のやつが実は裏で糸を引いてるのか、、??と疑いが常にある状態でハラハラした。
綺麗にまとまる良かったね話ではなく、実際にありそうだなという納得いく形(リアルな感じ)で終わったのも良かった。そういうの好き。
Posted by ブクログ
正義と悪。利他と利己。はみ出し者と権力者。
無鉄砲な修司、間違ったことができない相馬、飄々としている鑓水。主人公3人全員クセが強くて優しい。ドラマを見ているかのように3人の姿が目に浮かぶ。
ギリギリの展開が続く緊迫感と巨悪を少しずつ追い詰めていく高揚感で、手に汗を握りながら読み進めた。
大物政治家と大企業の癒着。社会やメディアから被害者への無責任な攻撃や好奇の目。国を相手にする裁判の難しさ。社会的なテーマも多く描かれていて、非常に読み応えのある物語だった。
森村と服部は本当に不幸になってほしい。
Posted by ブクログ
修司、相馬、鑓水とタイタスフーズ、政治家とが絡み、暗殺者滝川との攻防戦が繰り広げられ、すべてが白日のもとにさらされる下巻
丁寧な描写に感嘆しつつも、緻密すぎて、この部分は飛ばしても差し障りないなと思った箇所は斜め読みしてしまいました
中身が濃く、話の展開が予測のつかないほうへ引っ張られるのは圧巻
存在感のあるストーリーで重厚感があり読みごたえもあり
最後の最後まで伏線回収を忘れない細やかさにも驚き
「幻夏」「天上の葦」もいずれ読んでみたい
Posted by ブクログ
凄く緻密に考えられていて凄い。
面白いけど、長くて途中読み飛ばしたりした(真崎の自転車の思い出話とか…)
幻夏から読んでしまったので、こちらから読むべきだったな。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴いた作品。
ナレーターは一人しかいないのに、声や雰囲気を使い分けて人一人が個々にきちんと聞こえる。
あっという間に物語の中に引き込まれてしまった。
ハラハラドキドキさせる展開と綿密に作り込まれた物語に、唸る事しか感想がなかった…笑
ただのミステリーとは違う、もしこんな事件が起きたら、
社会にどんな影響を与えるのか、聴いていて考えさせられた。
作者の太田愛さんは、ドラマなどの脚本家さんなんだとか。
あたまにあっというまに映像が浮かび上がる文章が書けるなんて本当に羨ましい
Posted by ブクログ
後半からの畳み掛けが良かった。
どんどん頭の中で映像が浮かぶし、一人一人のスポットの当て方、書き込み方が凄い。
真実が大衆に伝えることの難しさを感じたし、真崎のしたかった事が、ちゃんと報われて欲しいなと思った。
後半の作戦がちょっと現実離れしてたかな。
Posted by ブクログ
上巻に続きテンポよく進む
そうなるのー
作戦通りいけーっと思ったら
悪い奴めー
チキショーと思ったら
ナイスー!
3人のキャラがたってとても面白かった。
続編がある幸せ!
Posted by ブクログ
最後までどういうふうに終わるかわからずドキドキした。真相は明らかになったけれど勧善懲悪にならない感じが妙にリアル。タイトルの犯罪者はいろんなふうに捉えられるけど、人を人と思わない人たちが1番悪かなと思った。
Posted by ブクログ
通り魔殺人と乳児の奇病。2つの事件がこんな形でリンクするとは。事件前から4/4まで登場人物各々の行動がだんだん繋がりどんな展開を迎えるのか、物語に没頭しながら読みました。
とにかく細かな情報量、伏線がたくさんあり面白かった。
ゴムボールの男が現れるとハラハラドキドキ。
真崎と中迫の自分の命を懸けて、子供たちのために立ち向かう姿がかっこいい。
時間をかけて読んだため謎な部分も多々あり。全ての伏線を理解できたのならもっともっと自分にとって素晴らしい作品になるんだろうな。
Posted by ブクログ
あれ?これ映像で観てんのかな?ってくらい情景が浮かんでくる。
超大作ですね。握力ボールくるくるが怖すぎます。
大きな悪に対峙する小さき者たち。。
とにかくめちゃくちゃ面白かったんで読んだ方が良いです。
Posted by ブクログ
乳児を襲った奇病メルトフェイス症候群は巨大企業タイタスフーズの離乳食が引き起こしたものだったという恐るべき事実に辿りついた3人は、産廃業者の真崎が「佐々木邦夫」と名のり、自分の命を投げ売ってこの事実を白日の下に晒し、タイタスフーズから3億円を騙し取り被害者の会に寄付する計画を立てていたと知る。志半ばで暗殺者の手により真崎は葬られたが、3人と真崎にメルトフェイス症候群の真実を打ち明けた中迫は彼の遺志を引き継ぐと決意する。タイタスフーズとそれを支援する政治家磯辺から仕向けられる暗殺者から逃れながら、事実をテレビ放送で流す計画を実行する。
自分たちの身を守るためならば無辜の人々を平気で踏みつけにする大企業との闘いを描く。メルトフェイス症候群の事実は証明されたものの、通り魔殺人が企業の差金であるとは証明されず手を汚した政治家とその秘書が最終的には罰せられないのはモヤモヤする。修司、相馬、鑓水はやり遂げたけれどいろいろなものを失ってしまったので、政治家達にも天罰が下ってほしかった。大企業はもう国のためとか考えていない、いかに国からうまい汁を吸うかしか考えていない、みたいなセリフがやるせない。通り魔事件の遺族の初盆のドキュメンタリーが切なかった。
ハラハラ
読み出してからずっとハラハラしてました。
続きが気になって寝不足になるくらい。
登場人物が魅力的で感情移入してしまいます。
最近の小説にあるような過激で暴力的な描写は抑えられているけれどハンターに追い詰められる場面はとても怖かった。
二転三転のストーリーがとても面白かったけれど
敵が大きくなるとスッキリ終われないのがちょっと残念です。