あらすじ
問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度――補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!
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Posted by ブクログ
南部鉄器の工房で父と働いている悟。
ある日、父が委託保護を引き受け、問題のあった春斗という男の子を預かることに。
徐々に工房の人達とも慣れてくるも、どうしても見せないというのか、心の奥までは出すことが出来す。
一方で、父親の考えや生き方を理解していなかった悟。
父親のことを知りたいと思うも、なかなかその機会が訪れず。
テーマは、人って話し合いをしても100%相手の事は理解できない。1番近くにいる家族なんでなおさら分からない。じゃないかなぁと思いました。
老眼か?なんて、話の中でいい例えが出てましたが、近すぎて見えないこともあるよね。と、思いました。
Posted by ブクログ
補導委託制度に申し込んだ親方孝雄、自身が営む小さな南部鉄器工房が物語の舞台。職人は健司、長男悟の3人。預かる事になった少年春斗。補導委託に反対の悟は、自身の子育てに関心を持たなかった父がどうして人の子を預かって世話をしようとするのか、理解できなかった。春斗と接する孝雄は悟が知っている父をは違って、温かい人だった。悟は周囲の人に父の事を聞くと自分の知る父とは違っていた。今まで父の事を知ろうとしなかった悟が、この機会を通して父孝雄について理解を深めていく家族人情物語。自分は父の事をどれほど知っているだろうか。
Posted by ブクログ
長編なのに、一気に読み切ってしまった。
2つの家族を通して、「家族とは」と考えさせられた。特に、孝雄の言葉は含蓄があった。それでも、彼が彼自身の考えを明かさない限り、私は悟のように、孝雄を責め続けると思う。
それでも、私は孝雄のことが分かるようになりたい。リスペクトできるようになりたい。勝手に偏屈にならず、孝雄の物語を見ようとし続ける人間でありたい。
Posted by ブクログ
初めての柚木裕子さん。
硬派なイメージがあり、楽しめるか不安だったけれどとても読みやすかった。
補導委託を始めた南部鉄器工房の人達の話。
親達は自分のような苦労を子供にして欲しくないが故に、子供の意見を聞き入れず気持ちを押し付けてしまう。
自分も気を付けないといけないと改めて考えさせられた。
親子と言えど他人。話さないと伝わらない。
とても面白く、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
補導委託という設定が、勉強になって面白いし、人物像それぞれの厚みがすごい。
構造としては、結構シンプル
無関心↔︎自分の思うままに子供を
な感じなのに、それぞれの深みがすごくて、読後の満足感、余韻がえぐい。
よきでした
Posted by ブクログ
突然、少年保護委託を引き受けた南部鉄器職人の父に戸惑う息子の悟は今回の事をきっかけに父の過去を知り、存在の大きさを思い知ることになる。工場で働く八重樫や健司のキャラが重要で妹もいい。心にずっしりと沁みる良書でした。
Posted by ブクログ
子を想う親の愛
「応援することと味方をすることは違う」
自分の心の内を伝えようとしなければすれ違う
言わなくてもわかるだろうというのは傲慢だ
コミュニケーションは本当に大事だと思う
Posted by ブクログ
406ページ
1800円
2025年5月27日〜6月8日
補導委託を突然始めると言い出した孝雄。父が何を考えているのかわからず、戸惑う悟。南部鉄器の職人たちと触れ合う中で、少しずつ心を開いていく春斗。孝雄の真意が気になりつつ、悟の心情の変化が好ましく、春斗の行動にハラハラさせられるという、飽きさせない展開でサクサク読めた。タイトルに込められた思いは、私が考えていることで合っているのだろうか。どうしてこんなタイトルを思いつくのか、感心してしまう。
Posted by ブクログ
重いテーマでしたが、最後和解できて良かった
こういう家庭の子も多くいるのかな?って思いました。
だんだんと心が通い通じ合っていく事がわかって
読んでいて嬉しかった
心の豊かさと言うか人の温かさがわかった
読みながら、物語の中がイメージ出来た
最後の方涙が出てきた
Posted by ブクログ
舞台は、岩手県盛岡市の南部鉄器工房「清嘉」。職人の自宅兼工房。職人の家族が中心。中心人物は小原悟、38歳。悟の父であり親方でもある孝雄。この工房で長らく職人を続けている林健司。悟の妹である由美は、居酒屋の店主である里館太郎と結婚し、その店で働いていた。
第1章。物語は動く。それは、孝雄が補導委託を受けるということから。このことを孝雄の判断で決めていた。驚き、戸惑う悟。できれば補導委託を撤回させようと考える。孝雄の本心は分からないけれど、孝雄なりの理由があるのは伝わってくる。しかし、悟には伝わっていない。その曖昧なところがどうなっていくのだろうと思う。親子でありながら、師匠と弟子である関係。そして、悟が小さい頃から職人気質で、父親としての思い出がほぼない状況。簡単には縮まらない関係なのだろうな。親子であり師弟である関係。さらには、母親が亡くなっているという状況。そこに、補導委託で訳ありの少年が同居することになる。
少年は庄司春斗、16歳、本来なら高校2年生。春斗は、万引き、自転車の窃盗といった問題行動を繰り返し、高校を退学処分となっていた。一つ屋根の下での、悟と孝雄と春斗の生活と仕事が始まる。どんな展開になっていくのだろう。私が読んだことがない構成であるため、想像世界が広がっていく。楽しみ。
第2章。悟と春斗の関係は変わらないままであるが、孝雄や健司と春斗の関係は良好である。自分たちの子供より若い子を、生活と仕事の両面から、教え支えている感じが伝わってくる。それは、きっと春斗にも伝わっているだろう。職人たちとの仕事や生活が、春斗の心を変えていくような雰囲気も感じる。春斗にとって、家族と離れての生活であり、初めて仕事を任せられるという経験。それは、どのような変化を与えていくのだろう。
そのような中、春斗の行動を不審に思った孝雄が、春斗を問い詰める。曖昧な返答をする春斗。その状況に不満が噴き出る悟。事態は悪い方向へ。そこに偶然訪れる森岡家庭裁判所の調査官、田中。春斗の補導委託をすすめた人。田中は3人の間に入って、それぞれの言い分を聞き取る。互いの思いを分かり合い、よい方向へ話が進む。こうやって、この先もぶつかり合うのだろうな。それでも、本心を伝え合えれば、よい方向へと進むだろう。そういう展開になるといいな。それが、春斗の成長や、悟の進化にもなっていくだろうから。
第3章。新たな人物が登場する。八重樫。大学2年生から卒業後3年たつ今まで、工房でバイトをしている。バイトで貯めたお金を資金にして、バイクで全国を旅している。つまり、工房のバイトでお金を貯めては、バイクの旅に出かけているということ。その八重樫が久しぶりに工房を訪れた。破天荒で自由な生き方をしている様子が感じられる。今までと違うのは、春斗が工房にいるということ。春斗と八重樫の関係がうまくいかなそうで、問題が起こりそうな展開を予想する。
読み進めていくと、やはり春斗と八重樫が言い合うことになる。よく分からない者同士が、互いの表情や言い方で衝突しているという感じ。ありがちだなと思う。ちょっとした一言が癇に障るという状況。周りは、そんな二人に冷静に間に入り、両者に声をかけていく。春斗との生活により、周りの大人たちが成長しているようにも感じる。そこが不思議だし、面白くもある。
八重樫の言動によりイライラを募らせた春斗は、工房の物にあたってしまった。まずいなと思ったが、周りの大人たちはそれでも温かく春斗に声をかける。八重樫が、悟から春斗が工房にきたわけを聞く。しかし、八重樫は春斗を一人の大人として厳しく扱う。ただ、そこには八重樫の温かさや優しさがあった。八重樫の魅力があらわれていく。春斗にとっては最高の場所になっていく予感がする。
第4章。工房での仕事と生活は続く。悟は、孝雄に父としての優しさや温かさを感じられていない。だが、孝雄の春斗への心配りは、悟が感じたことのない優しさや温かさを感じ、そこに疑問が膨らんでいた。ずっと側にいる健司は、親方である孝雄は昔から優しく温かいという。悟は子供の頃から、そんなことを感じたことはなかった。このすれ違いの感じ方は、どのようになっていくのかな。ここまで、孝雄が悟をどう思っているのかは明らかになっていない。きっと、悟が感じ取れていない孝雄の思いがあるのだろうな。孝雄はそれを悟に伝えてこなかったのか。それとも、悟が孝雄の思いを感じ取れなかったのか。その両方があるよう感じではあるけれど。伝え合っていないからこそ、分かり合えない状況に陥っている感じもする。特に悟の孝雄の見方は凝り固まっているなと思う。
病院での生前最後の母と悟のやりとりの回想シーンでは、思わず目頭が熱くなる。母が伝えた悟へのメッセージに、夫である孝雄をいかに大切に思っているかが分かる。母の愛情を感じていた悟は、父に対する不満から、複雑な心境だった。そんな悟と夫の関係を全て受け止めて、母は伝えたかったのだろうな。孝雄への愛情の深さが溢れている。母が死を受け入れているのが辛い場面だけれど、素直な思いを包み隠さずに伝えることって素敵だな。心に響く。
第5章。舞台はチャグチャグ馬コという祭り。調べてみると、岩手県にある伝統的な祭りであった。その祭りに春斗が行きたいと言い出す。この言葉をきっかけに、孝雄は工房を臨時休業にする。そんなことは、今までなかったことで、悟も健司も驚く。このあたりの孝雄の行動から、春斗を気遣う思いが感じられる。それは、悟や健司にも伝わっている。
孝雄の姿勢がすでに悟や健司の心をも動かしている。特に悟に当初の春斗への蟠りは感じられない。一緒に仕事や生活する中で、春斗を何とかしたいという思いに変化してきているのだろうな。それは、自分と孝雄との関係を投影しているのかもな。しかし、この章でも、春斗の本音や孝雄の悟への思いは分からない。どうなっていくのだろう。
第6章。物語は大きく動いていく。春斗の母が事前の連絡なしに春斗に会いに来たのだ。しかも、自宅に連れ戻すために。しかし、この母の突然の行動により、事態は大きく動いていく。ページを捲るスピードが上がる。ずっと集中して読み続け、物語の世界に没入していく。そして、春斗の本心が伝わってくる。同時に春斗の気持ちに私も寄り添っていく。また、それを心から励ます悟の言動に心が震える。悟が春斗のことを思い、熱く語るシーンでは、涙が溢れそうになる。
春斗と春斗の父との関係には、互いが大切に思う部分でのずれがあった。読みながら、親子でもこのことを分かりあうことは難しいだろうなと感じる。ただ、子供であろうが、夢を抱いた時にかける親の言葉は大きく影響するのだろう。春斗の悲しみや喜びを想像しながら、私の心に刻まれていく。夢をもった子供は大志を抱き、その分想像以上に繊細にもなるのだろう。その子への大人の関わりが、その子の大人という総称への憧れも偏見も生み出すのではないかな。次の章がますます楽しみになる。
第7章。仙台家庭裁判所での中間審判の場面で、孝雄は自分の同級生である西沼耕太について語る。その話は、戦後の大変な状況の中で、耕太も孝雄もその家族も必死に生きていたこと。それだけではなく、自分の思いとは違っても、家族のために生きなければならなかったこと。そのことによって、耕太や家族は悲惨な人生を送ってしまうことになったこと。読みながら、胸が苦しくなる。仕方がない、そういう時代だったから、みんなそうだったから、では済まないなと思う。自分がどう生きたいかを選択し、それに向かって進むことのできる自由があればなと思う。孝雄の心の中にあるものが少し見えてきた。それは、悟にも。でも、まだ分からないところがある。いよいよ最終章。春斗はどうなるのだろう。悟に孝雄の思いが分かるのだろうか。ドキドキしながら読み進めていく。
第8章。春斗の最終審判。春斗と両親の姿には、あの中間審判の日から、しっかりと話し合ってきたのが伝わってくる。そのきっかけを作ったのは孝雄の話だった。その話には、さらに別のストーリーが隠されていた。それが、明らかになっていき、またも胸が熱くなり、涙がこぼれそうになる。孝雄の本心がわかり、悟の新たな決意へとつながる。親子の思いが一つになっていく。いいなと心から思う。
悟、孝雄、春斗はもちろん、すべての登場人物が輝いて見えてくる。そんなラストのシーンを読み終えて、私も一つのことを一緒に成し遂げた気分を味わえた。不思議な感覚に、読書の楽しさを感じる。魅力的な作品に出会えてことに感謝。
Posted by ブクログ
父との長年の確執を抱える主人公・悟が、補導委託制度で預かることになった春斗と過ごす中で、これまで理解できずにいた父親の気持ちや生き方を見つめ直していく物語。
家族関係の修復と個人の成長をテーマに、不器用ながらも互いを思いやる人たちの姿を丁寧に描いた作品。
Posted by ブクログ
最近は青年世代が起こす事件が多くて、安全な日本はどうなってしまうのか、孫たちは生き延びられるのか。とっても不安ですが、地道な更生に力を注ぐ制度があるのを初めて知りました。小説だから現実はそうそう上手くは行かないけれど、親子関係も人間関係もやっぱり対話と受容から始まるんだと思わせてくれた。
Posted by ブクログ
400ベージの長編だった。
犯罪を犯した少年を更生させる手立てとして、事業所等で少年を預かる補導委託。
この補導委託で万引き等を重ねた春斗という少年を受け入れることになった盛岡の鋳物職人の孝雄。
そんな話は聞いていなかった息子の悟。
春斗という少年を通して孝雄と悟の親子もわだかまりが解けていく。
孝雄も悟も不器用、上手く自分の気持ちが伝えられない。
春斗の両親もまた同じようだ。
親子だからこそ、近すぎてうまくいかない事は多々ある。
みんな色んな事を胸の中に抱えて行きているんだ。
言葉だけでは分かり合えないけど、言葉がなくっちゃもっと分かり合えない、そんな気がした。
八重樫というお金が無くなるとやって来るバイトの若者がみんなを上手く繋ぐ役割を果たしているような気がした。
何かをするわけではないけど、自分も色々あって、大人になってきた。
孝雄のように何も話さいのではなく、春斗の父のようにその事を必要以上に意識するのでもなく、自然体の中で春斗に気付かせているような存在。
以前にも補導委託の少年と預かった先の事業所の話を読んだ。
今回はどちらかと言うと少年より、委託先の親子が理解し合い、絆を深めていく話だったように思う。
Posted by ブクログ
老舗の南部鉄器の職人たちが、非行に走ってしまった少年の補導委託を受ける話。
いろんな出来事を通じてそれぞれの人間の思いが交錯し、成長していく姿はとても読みごたえがありました。特に印象的だったのは、父親という立場で登場する孝雄と達也の存在です。それぞれ境遇や経験が異なりますが、実は自分が思う愛情を持って子どもに接します。しかし世の中それだけでは不十分で、コミュニケーションをじっくりと取ったり子どもの思いを汲み取ったりすることが大切だと再確認しました。
Posted by ブクログ
ストーリー自体はままありがち。いつもの柚月さんと違い、感情表現とかストーリーの持って行き方が、なんとなく強引というか、ちょっと不自然なところが散見されました。ぎこちないと言うか。柚月ファンとしてはちょっと残念な作品でした。お話自体は良かったのですが。
Posted by ブクログ
補導委託という言葉を初めて知りました。
『人なんて、どんなに話し合ったって、百パーセントわかり合えることない。それが近くにいる人だったらなおさらだって』
そのとおりだなぁとしみじみしてしまいました。
言葉で伝えることを疎かにしてしまわないよう気をつけて生きていきたいです。
Posted by ブクログ
「補導委託制度」という非行少年を一定期間預かる制度があることを初めて知りました。
難しい話かなと思っていたけど、読み始めると一気に読めました。16歳の春斗と少年を預かる南部鉄器工房の親方、72歳の孝雄、その息子の悟、それぞれの心の内面や変化を知りたくて…
春斗を応援しながら読み進め、最後にはとても温かい気持ちになれました。
Posted by ブクログ
とても深い話。
本当のどん底で生きてきた人は、綺麗事ではなく、お金の重要さを身に染みて成長し。
だからこそ、自分の子供に不自由させないように育てるつもりが、押し付けになり。
はたからみると、どう考えても毒親だけど、そうなるのもいたしかたないかも…と、思わされた。
スタートラインが違うっていうCMあるけど、この格差社会、どうにかならんものかね…
Posted by ブクログ
問題を起こした少年の補導委託を引き受ける事で、少年だけでなく自分たち家族とも向き合う事となる。
いい話過ぎる気はしたけど、家族や子供に対しての思いや接し方に共感する部分があった。
Posted by ブクログ
やっぱり柚月裕子さんの小説は、一気に読んでしまいます。後半は涙が止まりませんでした。
岩手の南部鉄器の工房を営む父と息子の物語。
そこに、補導委託制度でやってきた春斗と関わる中で折り合いが良いとは言えなかった父の知らなかった一面が見えてくるといったお話。
それぞれの思いを伝え合うことの大切さを感じさせられました。
補導委託制度というものがあることもはじめて知りました。
Posted by ブクログ
あらすじ的に劇的な要素が見当たらないが
親子関係を秀逸な文章力によって描いているため
最後まで心地よく読む事ができた
違う作品も読んでみたいと思った
Posted by ブクログ
面白かった。殺人やミステリーを扱うイメージの柚月さんですが、本作はさの字もミの字も出ません。いわゆる人間ドラマ作品です。岩手南部鉄器の工房にて、とある非行少年の補導委託を請け負い、その少年と主人公親子、そして工房で働く人物達との関わりの中で生まれる人間ドラマが展開していきます。ご都合主義感は否めませんが、内容や人間関係、キャラクターもわかりすくて好きな作品でした。割と長編ですが、セリフのやりとりも多いため読みやすい作りになっています。セリフのクダリが多い所を踏まえると映画化を狙っているのかはわかりませんが、普通に出来そうな印象ではあります。やるとしたら主人公の孝雄は、また役所広司あたりになりそうかな…
Posted by ブクログ
久しぶりのガッツリ長編小説
劇的な事件が起こるわけではないけれど、それぞれの登場人物の中にモヤモヤや葛藤があって、生きていくってそういうことだよなぁ〜と思った
渦中にいると見えないことは多いし、◯◯のためは善意による束縛だったりする
最後はじんわり泣けて、絡まってもつれた糸が解けるような結末
一番成長?したのは悟だったかもなぁ〜
Posted by ブクログ
―ヒューマンドラマ小説―
南部鉄器職人の親父が、補導委託を自ら申し出て引き受ける。
今まで父親らしい事をしてもらってない息子の戸惑いと葛藤。
問題を起こし、預かられる事になった少年の心境と、その両親の想い。
親子の元で働く職人たちの行動。
悪人はいない。
けど、それぞれの立場で見方と感じ方が変わるから、自分にとって悪になり得るし、好きにも嫌いにもなる。
私はそこまで人の為にって考えて行動できないなぁ。と考えながら読んだ。
Posted by ブクログ
親子関係も過干渉だったり、放任だったりと様々。どちらにしても親としては子供を思う気持ちにかわりはないけれど、子供にしてみればどちらでも、うまく伝わらないことが多い。
罪を犯した少年の審判前の補導委託をすることになった父子のわだかまりのある日常が、住み込むことになった少年の父子の崩れかけた関係を知ることによって解きほぐされていく。
登場人物がみな善良な人々で、雨降って地固まるの言葉のように話が落ち着き、安心感はあるけれど、少しばかり物足りない感じもあった。読みながら「慈雨」や「あしたの君へ」を思い起こした。
Posted by ブクログ
17歳の春斗がやけに幼く描かれているように感じられて違和感。話が収まるべきところに向かっていくのが見通せるので、安心して読める とも言える。けど私にはつまらなかった。
Posted by ブクログ
読みやすかった
父親(孝雄)の人生が語られるまで長かった
(もう誰にもあんな辛い思いはしてほしくない)
孝雄は冷害で、大切な家族を失った。
孝雄が補導委託を引き受ける
君は、自分を見つめ直さなければならない。それには、ひとりの時間が必要だ。自分がなにをしたいのか、なにが好きで嫌いなのか。そしてなにを怖がっているのか、じっくり考えてごらん。きっと、自分が知らない自分が見えてくるよ
苦労はしても、後悔のない人生を送りなさい。それは、自分のためでもあり、また、自分の大事な人のためでもある
人にはそれぞれ事情はありけどさ、家族はできる限り一緒にいるほうがいいんだよ。ひとりじゃ乗り越えられないことでも、味方がいればなんとかなる。世の中、蒼いうもんさ