【感想・ネタバレ】風に立つのレビュー

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ネタバレ

南部鉄器の職人である父・孝雄が、悟に内緒で非行少年の補導委託を引き受けて来た。やってきた少年春斗は、両親の望むように生きてきて躓いている。春斗をめぐるやりとりを通じて、ぎくしゃくしている孝雄と悟の関係も変化していく。
南部鉄器の愉快な職人仲間たち、居酒屋を営む悟の妹由美との関わりを通じて、少しずつ春斗が自分の気持ちに正直になり、自分の思いを両親にも伝えられるようになっていく成長ぶりがハートウォーミングだった。春斗の父も孝雄もそれぞれに背負ってる背景があって、息子とうまく接しられないでいる。そこを対話によって理解しあっていく、ハッピーエンドな話。それぞれの成長や変化が葛藤とともに描かれていてとてもよい。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

単行本でページ数が多いなあって思って読み始めたんだけど、どんどん話に引きずり込まれていった。著者の作品は結構読んでて確かに好きな作品多いけど、これも大当たりだった。春斗君だけでなく、その家族や受け入れた側も、みんな一皮むけたよね。ムチャいい話で大好きです

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2024年05月02日

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補導委託先という制度(犯した少年を更生させるために一般事業で少年を預かる)をこの小説を通じて知れた。エピソード内の東北の南部鉄器職人の経営判断も面白かった。登場人物のキャラクター設定がきちんとしていてリアル感たっぷりで楽しめた。重い内容だが楽しく向き合えました。

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2024年03月29日

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家族の関係性について、とてもリアルな物語で引き込まれた。
終盤は考えさせられる場面も多く、本を閉じて自分の家族のことを考える良い時間がとれた。

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2024年03月27日

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家族って、煩わしいときもたくさんあるけれど、やっぱりいいなあとおもわせてくれる。自分も、親が大嫌いだった頃を思い出す。同じ年になってわかることもある。話さなければわからないことも、たくさんあるよなあと。

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2024年05月08日

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寡黙な男を書かせた、著者の本は、いつも堪能しています。今回も、期待を裏切ることはなく、一気読みしてしまいました。
粗方、想像された展開で話は進むものの、それでも、鼻をすすりながら読みました。
宮沢賢治も読まないとダメかなぁ。

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2024年05月05日

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 老舗の南部鉄器の工房に、ある日、軽犯罪を繰り返し保護観察処分中の少年が更生のためにやってくるところから物語は始まる。
 心を閉ざす少年と大人たちの距離はなかなか縮まないが、ふとしたことがきっかけで、少年の悩みの原因がわかる。そこから始まる、少年と更生を支援する大人たち、そして少年の両親との確執と再生の物語。題材は地味だが、家族とは、ということを考えさせられる良い作品。

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2024年04月30日

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少年だろうが犯罪は犯罪だろ。と思っていますが、やはり若いが故、満たされないが故に犯してしまった犯罪を同列に語る事は出来ないのは事実。真っ当な環境で過ごすことで本来の自分を取り戻すことで、新たなスタートに立てるならばとても素晴らしい事です。
珍しく柚月さんが完全なヒューマンドラマを書きました。どこかでハードボイルド要素が出てくるのかと思いましたが、ひたすら人間の成長を描いたドラマでした。

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2024年04月15日

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ネタバレ

南部鉄器の安定感のあるずっしりした佇まいそのままの、重量のある物語だった。補導委託という言葉の意味をその責任の重さ大切さを読み進めながらひしひしと感じた。やってきた春斗という16歳の少年と関わることで、春斗はもちろん引き受けた南部鉄器工房の人達も変わっていく。工房の孝雄、悟のギクシャクした親子関係が解けていき温かいものがかよっていく様子が良かった。

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2024年04月05日

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二つの親子、家族への思い、もどかしさ、すれ違い・・・
個性豊かな登場人物の描写も丁寧で読み応え十分。
ただ、親父さんの独白的な語りからの急展開は、あっけない気がしないでもなかった。

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2024年04月03日

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新聞の連載で読破。
ここ最近の新聞連載小説の中でもとても面白かった。
盛岡?かな、伝統行事のことも知ることができたし、見に行きたいと思った。
更生のサポートをする仕事があるなど、きちんと表現するあたりは、さすが柚月さん、という印象です。

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2024年04月03日

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補導委託制度から親子間の長年のわだかまりが氷解しつつあるあり方を描いた作品。
近くにいる者ほど気がつかないもの。親としてのヤセ我慢もあるだろうし、子として直接聞かなくとも自分のことはわかっていて欲しいとの願いもある。
平易な文章ながら、終わりのほうは、ぐっとくるものあり。
久々に泣ける作品を読んだ。

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2024年04月01日

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親は子に出来るだけ苦労をさせたくないという思いから、自分の経験則に照らし合わせて、子供のいろんな選択肢を奪いがちなのかもしれない。
孝雄が話した「自分の子供には自由に生きてほしい。選択肢がない人生がいかに辛いかを知っているから」という言葉が胸に刺さる。
自分と家族の幸せについて考えさせられる小説でした。

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2024年03月29日

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ネタバレ

久々の柚月裕子さん

いつも読み応えのある作品を
しっかり書かれている印象

なのでこちらも腰を据えて読まなきゃ!
…と思っているとなかなか手が伸びず
ご無沙汰でした。


でも久々に読むととてもよかったー!


補導委託を受け入れる、ある家族の物語。


補導委託というのは
問題を起こした少年を、
更生を目的として一定期間預かる制度のこと


少年を預かることで、
元々あった家族間のすれ違いも
少しずつ変化が見られていきます


家族それぞれの想いが
丁寧に描かれていて
後半は知らぬ間に泣いておりました。



すごい大きな事件があるわけじゃないけど
人と人とがきちんと向き合うことで生まれる
心の動きがよく描かれていました。


この本を読むと
『幸せ』とはなにかと
考えさせられます


自分の過去の経験から
子どもには同じ経験をさせたくないと思う孝雄と達也の気持ちもよくわかります

でも子どもには伝わってなくて、、

もっと関心を持って欲しいと思う悟と
好きなことをさせて欲しいと思う春斗くん
二人の気持ちもよーくわかる。。


子どものことを思う親の気持ちは間違ってないのに、すれ違ってしまう。


それはまさに
『なにが幸いで、なにが不幸と思うかは、
人それぞれだ。』からでしょう。


親の思いも、子の思いも
きちんとわかりあうために必要なのは
話し合いでした

バーのママが言っていた

『思ったことはできる限り言葉にしないといけない。
気持ちなんて、それでやっと自分が言いたいことの数パーセントが伝わる程度なんだから。
しかも、それが近くにいる人だったらなおさら
近すぎて見えないこともあるからさ』

ということでしょう。
とても納得してしまいました。



また

『あなたは春斗くんの敵ではないけれど、
味方じゃない』
『俺から言わせれば、
あなたは春斗くんの応援者にすぎない』


という言葉はとても考えさせられました。
私は子どもの応援者になってないだろうか、、


子どもの気持ちも、
未来の可能性も考えて、
味方でいる。。。

子育てって難しいです。。


うーがんばろm(._.)m



盛岡は行ったことがないですが
行ってみたくなりました(*´-`)

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2024年03月21日

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南部鉄器職人の父と葛藤のある悟は、自分の子供にも愛情のない父親が問題少年の補導委託を引き受けた事に納得いかなかった。
やがて受け入れる事になった少年春斗の親子関係を通し、自分と親との関係を見つめ直していく。
近すぎてよく見えない、老眼のような親子関係。
言い得て妙です。
子供への愛情は時によって親の価値観で歪められてしまう事がある。親子の間だけでは治せないその歪みを、補導委託という仕組みで多くの人が関わる事で、少年とその家族を救っていく事が出来るのであろう。

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2024年03月19日

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最初は分かり合えなかった孝雄と悟、そして春斗と達也次第に打ち解けていく…孝雄の過去が明らかになり本当の想いがわかった時、感動がグッと込み上げてきた

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2024年03月17日

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柚月裕子の新境地的な作品でしたが、ある軽犯罪を犯した少年を一時的に預かることになった職人一家を中心とした話ですが、一緒に生活する中で、少年も変化して逞しくなっていく様やぎくしゃくしていた職人一家の親子関係も、少年の更生に合わせるように雪解けしていく様が素晴らしく良かったです!最後の展開には、思わず涙が出ました!

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

補導委託-問題を起こし家庭裁判所に送られてきた少年を一定期間預かる制度

この補導委託を突然 引受た南部鉄器職人の孝雄と仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の行動に戸惑う息子の悟
納得いかぬまま工房で少年と共に働き、同じ屋根の下で暮らしていくうちに・・・

柚月裕子先生の違う一面を堪能できる秀逸の作品でした。

不器用な父と子
近くにいるからこそ、家族だからこそ、伝わらない想いと過去があり、良かれと思ってしている事が、重荷になったり、期待に応えられず苦しんだり・・・

幸せな人生ってなんだろう?
恵まれた人生と充実した人生って同じものではないんじゃないのかも?
でも生きていくためには?

いろいろ考えてしまいましたが、ラストは涙を流し爽やかな読後感を味わうことが出来ました。

ご存知の事と思いますが・・・
この作品は、ミステリーではありません。
落涙の家族小説です。(笑)

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

 大好きな柚月裕子さんの新作なので期待して読んだが、今回はちょっと期待はずれ。一番入り込めなかったのは、悟の言動。こんなもどかしい人いる!?と思わずにいられなかった。

 非行少年を預かることになった(そもそも、非行とも思えない)南部鉄器工房を営む孝雄と悟の親子。今まで父から愛情を受けたことがないと思っていた悟は、他の子の面倒を見ると言い出した孝雄に納得がいかない。
 孝雄が預かることになった春斗が人として成長していく姿や、孝雄と悟の歪みが変化していく様子が描かれていく。

 個人的には孝雄が語った耕太の話が良かった。不器用だけど、しっかりと愛情を持っている孝雄はカッコいいと思うが、やはり自分の気持ちを伝えることは大切だなと思った。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

2024.4.30
補導委託というものを初めて知った。
たとえ親子であっても人の気持ちってなかなか伝わらない。親が子を思い、子が応えようとする、矢印はお互いを向いているのにすれ違ってしまうこともあるんだよなぁ。

“人生で一番辛いのは孤独ではないか、と悟は思っている。お金があっても、親しい人がいても、どこまでも自分に寄り添ってくれる人間がいなければ、心は満たされない。逆に、環境が整っていなくても、自分のことを心から支えてくれる者がいれば、どのような問題にも立ち向かっていけるのではないか。”

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2024年04月30日

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検事や刑事など、かなりハードなものを書いておられる
著者
今回は南部鉄器工房の父と息子
引き込まれて読んだ

〈家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!〉

知らなかった「補導委託制度」
鉄の農具の工房でお遊びの体験をしたことがある
職人さんの一途さに頭が下がった

柚月裕子さんの筆致には胸をえぐられるが
ストーリーは先が読めた気がする
ちょっと残念

かなり分厚いが一気に読んだ
家族って厄介だなあ、愛しいなあ

≪ 過去を超え 歩いていく道 風に立つ ≫

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2024年04月28日

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ネタバレ

ミステリーが多い柚月作品だが 今回は補導委託を話にからめながらの「家族小説」

岩手の盛岡で南部鉄器を作る 悟
工場を営む父 孝雄は無口で不愛想な南部鉄器職人
仕事一筋で家族への関心も口出しもしない父に 悟は反発を覚えていた
そんな父が突然「補導委託」を引き受け 非行少年の春斗を住まわすことになる。
戸惑う悟 いつもとは違う顔を見せる孝雄
そして 預かった少年春斗
「補導委託」を通して 父の見えなかった想いに少しずつ触れ 変わっていく悟
 
家族だからこそ 見えない想い・やるせない期待や気持ちが拗れて ぎくしゃくした親子関係になっていく
皆 大なり小なり自分と重なるところがあると思う 
頭の片隅に自身を感じながら 一気に読んだ1冊です。

盛岡の景色や南部鉄器の職人さんの仕事ぶりの描写は さすが 出身地の作家さんだから説得力がある。
おすすめです。





 

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2024年04月25日

Posted by ブクログ

近しい存在だからこそ心の内が相手に伝わりづらいというのは往々にしてあるな〜と感じつつ、言葉にしないと意図しないすれ違いが何年も続く可能性があると思うと、しっかり言葉で伝えることは大事だなと改めて実感させてくれる作品でした。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

柚月さんの作品と思わなければ、もう少し素直に「ヨカッタ」と思えたかもしれない。
悟も春斗も、今の感覚からするとなんか子供な気がして… 少し気持ちが入っていかなかったかな?

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2024年04月06日

Posted by ブクログ


罪を犯した少年の補導委託を受け入れた、南部鉄器の工房が舞台。子を思う親心が核となるお話だった。

親が子供の将来を思う時、
良い大学に行って、給料が良い安定した職に就いて欲しい、苦労をさせたくないと願う親もいるだろうし、
自分のやりたいことを、後悔のないようして欲しい、と思う親もいるだろう。
どちらも、子を思う親の愛情からのものだ。この二つの考えの両立はなかなか現実的に難しい。だが、それをどうするか?という問いを投げかけられた。

時々出来過ぎだな、としらけそうになることもあったが、先が気になりどんどん読み進めた。

『子供が幸せなら、ずっと幸せなままでいて欲しいと願い、子供が失敗すれば、大丈夫だろうかと心配する。どっちに転んでも、これで安心ということは無い。(親とは)損な役割です。』
この台詞が、とても心に残った。親が子の幸せを願う心は、見方によってはとても貪欲なのだ。

気になったところ
○何かを作り出す者は、刺激や影響を受けつつも、己を貫き通す心がないと、中途半端なものしかできない。
○何かがこじれる理由は、相手の考えていることがわからないから

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2024年04月02日

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盛岡市にある南部鉄器の工房が舞台。親子の話だが、40代の息子が親に大事にされてなかったとか言ってるのが、40にもなってまだそんなこと言ってんのかよと白ける。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

目に見えるものが、全てではないですよね
でも、言葉に、しないと伝わらないのも、事実で…
今の世の中、相手の顔色を探りながら会話しないといけないし、言葉にしたからといって、良い訳でもなく、難しいです

ただ、家族は、探りあうのじゃなくて、楽しいこと、辛いこと、共有しあうのが、いいのかな〜と思います

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2024年03月27日

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ネタバレ

2024/01/10リクエスト 48

岩手の南部鉄器工房で、補導委託を引き受けた父と息子の悟、そこで暮らす春斗。
恵まれた家庭環境にありながら非行に走った春斗。補導委託先の工房での父と息子の関係、春斗と両親の関係、工房で長年働く健司の家族、アルバイトに現れる八重樫の育った環境、など様々な家族模様が、春斗家族の問題にも、悟と父親の問題にも影響する。
最後にきっちり話が回収されるが、裁判所での場面、突然に悟の父親である孝雄が、西沼耕太の話を始めるところは、ねじ込んだ感じで、何とも違和感を感じた。
けれど読みやすい文章のためページが進む。
今までの刑事や暴力団をテーマにしたものから、今回の家族系に軸足を移すのかな…

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物の心の動きが少し不可解なところがありました。達也の掌返しも不自然。予定調和という感じです。新聞連載小説と聞き、さもありなんと。
でも最後まで一気に読ませる筆力はすごいと思いました。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

初めて知った「補導委託」という制度。問題を起こした少年の引き受け先となった盛岡の南部鉄器の工房を舞台に、職人気質の父へのわだかまりを抱えた息子の心の変化を絡めながら、少年の更生の道のりが描かれる。

子供に苦労をさせたくないという親心と、親の期待に応えられず息苦しさを覚える子供の心。どちらの思いもわかるだけに一概にどちらが悪いとも言い切れないのが難しいところ。
全ては「何が幸せか」に行き着くんだけど、幸せの形も人によって違うから難しい。

テーマはいいんだけど、悟の父親に対する拗ね具合があまりにも子供っぽくて辟易だし、春斗の父があまりにも簡単に懐柔されたのが小説だな〜っていう印象。

元々春斗は非行少年というほどのワルではなかったから、本当にタチの悪い子を委託された時はこんなに上手くはいかないだろうなとも。
健司と八重樫の口喧嘩も鬱陶しかった。

柚月裕子作品としてはまあまあかな。

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2024年03月09日

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