小説・文芸の高評価レビュー
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ和犬とシェパードの雑種犬・多聞を巡る7作の短編集。
表題作の少年と犬の舞台となる熊本まで、様々な人と出会いながら仙台から旅をする。その過程で、人々の孤独を癒やしていく多聞。旅路の果てで、多聞を待つ者とは…。直木賞受賞作。
これは良い本だ。
読み始めてすぐにそう思った。賢く、慎み深い多聞をすぐに気に入ったし、誰と出会っても西の方をじっと見つめるという謎がちょうどよく興味を引いて、先へ先へと読み進めたくなった。表題作「少年と犬」に辿り着く頃、私はどこに連れて行かれるのだろうとわくわくした。そして、それが幸せな結末であることを祈りながら読んだ。
「老人と犬」で、片野弥一が多聞は孤独と死の匂いを嗅 -
Posted by ブクログ
実は原作は読んだことがなかった。映画同様素晴らしい。有名すぎるが故にこれを読んでミステリーや東野圭吾にハマる人もたくさんいそうだが、こんなクオリティの作品を一番最初に読んでしまったら、感動のハードルぶち上がりでかえって苦労するんじゃないかとさえ思った。
アガペーとでもいうのだろうか、愛する人のためなら殺人だって厭わない、と思えるほどの愛に共感できる人はどれくらいいるのだろうか。
ひょっとしたら自分の心のどこかに、今は穏やかな日常に隠れているだけで、石神と同じような感情が潜んでいるのかもしれないと考えた人も実は多いんじゃないかな、と思う。私自身自分はどうなんだろう、と少し恐ろしくなった。
-
Posted by ブクログ
琉球の国王には影として寄り添い、時に国王の身代わりとなる月しろの存在がある。
地獄のような境遇から抜け出そうと必死にもがく野良犬のような了泉。琉球舞踊の英才教育を受け、不断の向上心を持つ雲胡。ともに月しろの候補であるふたりは異国、日本の江戸へと派遣される楽童子選抜試験で踊りを競い合う。
惜しくも雲胡に敗れ失格となった了泉だったが、あの手この手の卑劣な策を用いてなんとか補欠としてすべり込むことに成功する。
かくして一行は薩摩、大坂を経由して、はるか江戸へと旅立つのであった...
琉球舞踊を題材とした芸術物ということで、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」や「チョコレートコスモス」のような作風を想像して読み -
Posted by ブクログ
ネタバレ『成瀬は信じた道をいく』を読んだ。1作品目と2作品目を読んだ後にそれぞれのレビューを書いているため、内容が混ざっている部分もあるかもしれない。
前作以上に成瀬が周囲に与える影響が広がっていると感じた。島崎をはじめとする周囲の人たちが、改めて成瀬の存在の大きさを実感している様子が印象的で、とても面白かった。
1作品目も十分面白かったけど、成瀬の人柄が分かってきたからか、今作はさらに面白く感じた。これまでは身近な人との関係の中で描かれていた成瀬の生き方が、より多くの人に影響を与えていく様子が描かれていて、その存在の大きさを改めて感じた。相変わらず、思いついたことを迷わず実行する姿がかっこよ -
Posted by ブクログ
この本を7年前に読んでからずっと興味があり、この春実際にボスニアに行った。想像以上に酷い被害で30年経っても爪痕がしっかりと残っていた。何かと戦争に首を突っ込むアメリカだが、この時はアメリカがいなかったらボスニアという国は存在しなかったかもしれない。この本ではムスリム人のナラティブが紹介されているが、セルビア人のナラティブに触れることはなかった。一方的な歴史認識ではあるが、この戦争ばかりはアメリカのおかげで最悪の事態を避けることができたと思う。しかし、9.11の後にこの戦争が勃発していたら、そしてトランプ大統領が当時のアメリカの大統領だったとしたら、また違った歴史になっていたはずだ。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。