小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
熟柿の読み方も熟した柿以外の意味も分からず読み始めました。
→熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来ることを待つこと
轢き逃げの罪に問われ、裁判中に息子、拓を出産。出所後、息子の顔見たさに園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、西へ西へと各地を流れていくお話です。
元夫には、言いたいことは山ほどあるが置いといて(笑)
不運が重なり、そこにあった幸せが夢だったかのように全てをなくしてしまったかおり。
わが子を手放すときの気持ちや一緒に暮らせない現実をどう受け止めたかを想像するだけで苦しい。
生命保険の受け取りを息子にして、毎日一生懸命働く。しかし、不可抗力だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ私はYouTubeを拠点に活動するバーチャル配信者…VTuberだ。
そして同命者(≒私の中の人)は、まがりなりにも、とある別の創作活動をしている。
そんな同命者は、自身もむかしは尚吾のような考えを持っていた……。
そのことを、思い出させられたみたいだ。
「歴史に名を残したい。
一流のものに触れるべき。
クリエイターたるものストイックたるべき。」……。
ただ、大人になった今、作中尚吾に覚えていたのは、ある種の同族嫌悪だったのかもしれない。
あるいは嫉妬だったのだろうか。
その教えをまさしく実行し、実現せんとする一人の青年に対しての。
同命者は、その「べき」を頭の中で盲信しつつ、実行で -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
ネタバレテレビクイズ番組『Q-1グランプリ』
主人公三島玲央は、本庄絆と対峙する。
その最終問題、問い読みが問題文を読み上げようとしたまさにその瞬間、本庄の早押しボタンが押され、彼は正解し、賞金1000万が渡された。
なぜ、彼は『ゼロ文字押し』で正解することができたのか?
競技クイズについての物語を超えて、人生とは?という壮大なスケールまで話が進む。
物語に出てくる『熊の場所』
それはその人の人生にとって、あらゆる恐怖の源となっている原因のこと。
『熊の場所』から運良く逃げだせたとしても、それは心の中に残り続ける。
『熊の場所』を取り除くためには、『熊の場所』に戻って、自分の手で熊を退治しなけれ -
Posted by ブクログ
原書はオランダ語、2019年刊。邦訳書は636ページ+カラー口絵48ページ。圧巻のひとことに尽きる。
ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル(1862-1925)。あのゴッホ(フィンセントorヴァンサン)の弟、テオの奥さん。彼女なくしては、現在私たちが知るようなゴッホは存在しえなかった。なぜなら彼女がゴッホのほぼ全作品を管理することがなければ、そしてゴッホとテオの間で交わされた途方もない量の手紙を保管し公刊しなければ、ゴッホの作品の真価、その制作過程、さらにはゴッホその人についても、なにも知りえなかっただろうから。(なんだか、宮澤賢治の草野心平や宮澤清六、カフカのマックス・ブロートみたいだ。)
ゴッホ -
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大好きなスピノザ診察室の続編。
好きと言いながら前作が少しづつ薄れゆく中でも、やっぱりマチ先生好き!と何回も思った。
今回は医療に関してもだけど、マチ先生のプライベートな話も詳しく書いてある。
マチ先生は素晴らしいお医者さんだけど、原田病院にいる今のマチ先生は妹さん、甥っ子くんの影響がかなりあり生だけでなく死についても考えるようになったんだと思う。
医療小説だから重たい部分もあるけど、重くなりきらないのはやっぱりマチ先生の雰囲気と患者さんと向き合う姿勢からだと思う。
とにかくマチ先生の言葉が素敵で覚えておきたいけど、忘れてしまう…でも
治せない病気が山のようにある。けれども癒せない哀しみはない