あらすじ
焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く・・・・・・。推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は? 死にたいキャバ嬢×推したい腐女子――金原ひとみが描く恋愛の新境地。第35回柴田錬三郎賞受賞作!
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Posted by ブクログ
心が軽くなる本。
いろんな偏見や凝り固まった思考から解放してくれる。そんな本。究極言えば、死にたい。死にたくないそんな発想すら自由。自由を選ばないのも自由。そんなことを肯定してくれる登場人物たちがいて、
凝り固まった僕らのような思考を持つ普通の主人公の目を通していろんなことを教わることができる。
好きな話は、死にたいと思っていたけど、生きているだけで死に向かっていると思ってからは楽になったというような雰囲気の話と、知らない権利の話、求められなくとも求める力が自分を地上に繋ぎ止めるという話がよかった。
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アサヒがめっちゃイイ!
オシンもイイ!
ゆかりんも好き。腐女子であることを気にし過ぎだと思う。
変わらない関係も、変わらない環境もないけれど
だから、いなくなったり失くすことに不安と恐怖があるなと。
私はいなくなる人じゃなく『居る』人だから
ゆかりんの最後の方の気持ちにとても共感した。
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『ミーツ・ザ・ワールド』を読んで、世間で「普通じゃない」とされる価値観について考えさせられた。
死にたいと思うこと、生きるために薬を使うこと、自分はすでに消えているような状態が普通だから消えたいと感じること――ライの価値観は、私にとって簡単に理解できるものではなかった。
私は生きたがりの人間で、もし「死にたい」と言う人がいたら止めてしまうと思う。けれどそれは正しさではなく、私自身の価値観にすぎないのだと気づいた。私や主人公、そしてライの考え方は、育った環境によって作られたものかもしれないし、生まれ持った性質(ギフト)なのかもしれない。
人はそれぞれ違う世界を生きていて、どれだけ愛していても、好きでも、相手の世界をすべて理解することはできない。だからこそ、相手の人生に簡単に干渉することはできないのだと思った。それでも、一緒に生きられなくても、相手の心の中に存在し続けることはできるのではないかと感じた。
私は自分は偏見が少ない方だと思っていた。しかし、「私の世界の普通」と「他人の世界の普通」は違う。その時点で、人は生まれながらに偏見を持ってしまう存在なのかもしれないと、この作品を通して考えさせられた。
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他人と分かり合うことの難しさ、いや、そもそも分かり合おうなんておこがましいということが、よくよく分かった一冊でした。
腐女子の由嘉里と、死にたいキャバ嬢のライ。
全く違う世界で生きてきた二人が出逢い、影響を及ぼし合い‥‥というお話だと思っていたら、そんな単純な物語ではなかった。
読んでみて思ったこと、感じたことはたくさんあって、色々書き残したいのだけれど、とても難しい。
どんなに言葉を選んでも誰かを傷つけてしまいそうで
躊躇してしまいます。
由嘉里も最終的に自分がライに対してできることは彼女を傷つけないことだけだと気付きます。
相手をどんなに愛していても、決して分かり合えないことがある。愛していることが相手を苦しめることもある。
自分以外の世界は、どうやったって理解できない。でも、理解できないけれども存在しているということは分かりました。
読んで良かった一冊。
Posted by ブクログ
お母さんと自己、自己とライの関係が近しいものなのではないかと気づく部分が面白かった。
自分の幸せを願っている母を疎ましく思ったように、自分もライに疎ましく思われている可能性はないだろうかと。
誰かを救いたい、幸せになってほしいという気持ちは誰もが誰かに抱くのだろうが。それは結果的に相手に負担となっている可能性がある。
「相手を傷つけないようにすることしか出来ないのかもしれない」というようなセリフが印象的だった。
本当にそうだよなぁと思う。
僕らは自己ロマンを他者に投影し、相手を救っているようで、結局は自己のためという利己的な生き物なのではないかと思う。
ライが元カレに共感し、もしかしたら主人公に共感できてなかったのもとても哀しいが事実なのだろうと思う。同じ境遇、思考回路のひとが相手に深く共感できるように。
目一杯に相手の背景を想像し、敬意を払いながら関わることしか僕らは他者と健全な関係性を紡ぐためには出来ないのではないかと思った。
**
失った人に対して、ちゃんと悲しむこと。
時間をかけること。その大切さを感じた。
それを許容した上で進むこと。すごく大切なことなのだと思う。
Posted by ブクログ
面白かったー。なんて優しい世界。この世界に合わなくてふっと消えてしまう人。でもその存在に救われる人。何とかしたいと足掻いたり、寄り添ったり。上手に言語化できないけど、良かった。金原ひとみがデビューした時、同世代だけど、その姿にも小説にも絶対に馴染めない人だなって思った。それが、40代になって共感できるようになるんだから。その面でも面白かった。
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腐女子苦手だから手に取るのを躊躇ったけど
映画の予告の花ちゃんを見て
読んでみようかな…って思った。
映画みてないのにゆかりんのセリフは花ちゃんで再生されてすらすら読めた。
個人的にアサヒがいい事言うな、って思った。
焼肉が食べたくなった。
Posted by ブクログ
軽い気持ちで読むものではなかった。鉛のように重く、深海に沈んでいくような感覚。
舞台は新宿、キャバ嬢、ホスト、SNSで見ているだけの世界——私には関係ないと思っていた場所だ。
そこには「普通」とは違う生き方をする人たちがいた。フィクションのようで、どこかノンフィクションのようでもある。金原ひとみさんの言葉が、それをリアルに感じさせた。
この作品を読んで、私は知らなかった世界をほんの少しだけ知れた気がした。
でも、理解はできない。人はそう簡単に分かり合えない。十人十色とはよく言ったもので、“幸せ”の形も人それぞれだ。
重くて深い話だったけれど、なぜか少しだけ、この世界に行ってみたいと思った。
Posted by ブクログ
登場人物の全員が生きづらさを抱えている。
生きづらさって比べられない。
容姿端麗のキャバ嬢に「あなたみたいになりたかった」と言う腐女子。
「あなたみたいになりたい」っていう「あなた」は幻想・妄想だよね。
「私の何を知っているんですか」ってドラマとかでもよく出てくるセリフのやつだ。
キャバ嬢ライは「死にたい」わけじゃないんだろうな。世界とは融合できない、無に戻るのが正しい感じ…だろうか。わかった気になるけど、これはライにしかわかんないのかもね。
金原ひとみさん自身も小中高生時代には生きづらさを抱えていたようで、「子供に向いていない人がいる」とお父さんに言われたのだそう。
「子供に向いていない人」って、ものすごくいい表現。さすが、金原さんのお父さん。私も幼稚園の時に、誰とも話す気にならなかったことを覚えている。笑。
心の病はすぐに良くなる人もいれば、何十年も良くならない人もいる。
理由なんてなくても、心を病んでしまう人はたくさんいる。
心の病は難しい。
Posted by ブクログ
自分の見てる世界が全てでは無いことを教えてくれる1冊。普段関わることのない世界の人との交流が、これほど人生を変えてくれるものか思わされた。
読みやすく、肉の部位にも詳しくなれそうかな?
Posted by ブクログ
設定と、キャラの価値観が立ってて面白かった
価値観として何が「正しい」のかという観点では、
平野啓一郎の「正欲」、朝井リョウの「生殖記」などを思い出しました。
特に焼肉擬人化漫画の中身(キャラ設定等)がわりと詳細で面白かった。
強いて言えば主人公のゆかりの発言がところどころ流石に自分の主観に基づきすぎ(メインストリームを押し付けすぎ)で冷める部分があるので星4つにしました
腐女子で世間から無意識の偏見を受けてきたなら、序盤からもう少し配慮がある設定でも違和感ないと思いました
Posted by ブクログ
消えた方が良いと思っている女性に助けられた腐女子の話。これまで彼女の人生には登場しなかった人たちとの出会いをきっかけに人生が進んでいきます。
人を好きになることや別れや死というものを登場人物たちが考えながら生きています。登場人物はとても優しい人たちばかりです。
自分は人の死や別れについては悲しくなるし怖いので考えたくないと思ってしまうタイプなので、日々こんなに真剣に考えて生きている人たちってすごいなと思いながら読みました。この本を読んでいつも考えたくないと思っていたことに対する苦手意識を少し減らせたように思います。
Posted by ブクログ
私の中で、「ブックスタンド使いながらドライヤー中も読みたい!となれば結構ハマってる」という基準があるのですが(笑)、本作はこれです(´∀`)
残りが15頁くらいになってきても、締め方が全く読めなくて。最後まで色々と予想をしながら読めて良かったです!
レビューで、「ライのスピンオフが読みたい」とありましたがとても共感しました。
金原さんの文体が好きで、「ナチュラルチキンボーン」を機に2冊目。まだまだ読みたい作者さんです♪♪
Posted by ブクログ
明け方の繁華街のような空気感だった。
実際、この物語には明け方の歌舞伎町がよくでてくる。
消えたかったライはこの物語で切り取った中では最初から最後まで幸せだったのではないだろうか。
私も消えたい人だからライの幸せがよく分かる。
そして、私が夜から朝の繁華街が大好きな理由がぎゅっと詰まっていた。
この空気感大好きだな。
Posted by ブクログ
初めて金原ひとみさんの作品を読んで、ここまで詳細に主人公の心情を言語化する作者っているんだって思うくらい、細かく書かれてたからあー、こーゆー気持ちだったんだなって共感することができた。またクスッと笑える所がたくさんあったから死をテーマした本だけど読みやすかった。
金原さんの語彙力とか物事の考え方の概念が社会の枠に当てはまらない考え方で、自分の今までの概念が主人公のゆかりみたいにぶっ壊された。私の周りの友達は私と似た考え方の人が多いし、似た考え方の方が一緒にいて楽だけど、全く違う生き方をしている人と時間を共に過ごしたらゆかりみたいに考え方や生き方が変わっていくのかなって感じた。同じような人、全く違う人それぞれにそれぞれの良さがあるからこそ良いことも悪いこともあるんだよね、って思った。死を吸収と捉える鵠沼藤治(くげぬまとうじ)の考え方がすごく好き。
Posted by ブクログ
常識を軽々と飛び越え…などと書くと、個人的に村田沙耶香さんを連想しますが、金原ひとみさんの本作は、似て非なる常識の飛び越え具合で、その熱量は強く勢いを感じさせながら、見事な着地点を見せてくれました。
歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画をこよなく愛する27歳の由嘉里の新たな世界との出会いを描く物語です。
登場人物は、理解し難い世界で暮らす全くもって意味不明な若者たちばかり。しかし、その思考や会話の端々に、ハッとさせられる部分が多々あり、単純にこの子たちを拒否できず、目が離せません。この価値観を揺さぶってくる会話に引き込まれます。
腐女子で自分が好きになれず、将来への不安と焦りを抱える由嘉里が、これまで関わることのあるはずもないキャバ嬢やホストなどと出会い、「人を鏡として自分を映す」ことで、自分の姿やあり方を客観的に見つめ直していく展開です。
由嘉里は、生身の人間と関わり他者を知ることで自分を知り、居場所を見つけていきます。そして、他者との違いを受け入れることで、自分を受け入れ変容・成長する物語でもあります。
新たな"世界"との出会いは、何も歌舞伎町やぶっ飛んだ人たちという意味ではなく、究極は新たな自分との出会いだったのですね。
全ての生きづらさを抱える人に、金原ひとみ流の寄り添いが感じられる作品でした。
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ミートイズマインが読みたくてしょうがない
好きなことについて喋ると早口になるオタク気質、対象がたまたまアニメとか漫画じゃないだけであらゆることに対して自分はオタク気質だと思う
牛肉の勉強、食べ比べ
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おもしろかった
価値観や考え方などまったく世界の違う主人公と仲間たちが、それぞれのために奮闘していく悲しくもあり、げんきつけられる作品
あるキャラが死体がでてきたことすら、蝋人形と思い込んで生きていく、死ぬとは世界に吸収されたと思うというようなセリフを言っていたが
死ぬことに関しての価値観も強烈に違うことに、新たな発見を感じた
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熱中できる物事があるだけでゆかりは幸せだと思う。らいあさひおしんゆきに続け様に出会って、そのままの自分を肯定してもらえて人に可愛がられる才能がある人なんだと思った。
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ゆかりと母の固定概念で物事を考える派とライ、ユキの物事の解釈を様々持ち執着のない生き方をする派をお互いが理解しようと行き来する。ゆかりは何度もライ達の意見に触れ偏見を持って接するいたことを反省するが、母親からされると理解が出来ない場面がとても印象的だった。どこまで行っても2人は1つにはならないからこそ何をするべきなのかを考えさせられた。
結末が若干残念だった。ライが心にいるのがハッピーなのかバットなのか。
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正直文章に慣れるまでちょっと時間がかかった。
大好きな相手を分かりたくても分からない、分かり合えない辛さや絶望感は自分自身が最近味わったことだったから共感する場面が多かった。
Posted by ブクログ
キャラクターが憑依しているかのような文体で1ページが濃密。想いが溢れまくっていた。主人公・由嘉里に関しての解像度の高さはお見事としか言いようがないのだけど、忘れ難いのはやっぱりライの存在で。Audibleの島袋美由利さんによる朗読も素晴らしかった。
Posted by ブクログ
金原ひとみさんの転換点と思われる作品と聞き、たしかに私がもつ金原さんのイメージを大きく変えた「ナチュラルボーンチキン」に似た感覚であった。
ただ、「ナチュラルボーンチキン」のほうがひとつひとつの言葉や考え方にぐっとくるポイントが多かったのに対し、こちらは少し自分にとっての共感性が低かった。主人公のライへの盲目的な「愛」と推しであるM.I.Mへの盲目的な「愛」の双方に馴染みがなかったからかもしれない。でも、それこそ自分とは異なるワールドへ距離をとっている証拠であり、まだ自分が別のワールドに出会い共存することが感覚的にできていない証拠かもしれない。
Posted by ブクログ
生き辛さを抱えた人たちが、お互いに意識せず支え合ってる。そんな印象。
ゆかりがライに生きて欲しいと願い、色んなことをしようとする そこは純粋な思いを感じるけれど。なんて勝手なんだと思う気持ちもある。
それはあなたの自己満足でしょう。余計な事しない方がいいよ。って思う私もいる。
悩んでいるわけじゃない人に、自分の願望や希望を押し付けるのは やっぱり違う。
とはいえ、ゆかりの可愛い性格は私は好きだし、関わり合っていくアサヒやオシン達も好きだ。
みんなで、そうやっていつまでも暮らしていけたらいいのになって思う。
何はともあれ、推し がいるのって強い。
そう思った。私も推しが欲しいと。
Posted by ブクログ
人のかたちは其々違う為、ぴったりと合うことは無いけれど、隙間を心地好い空気で満たすことが出来るならば、その関係性は幸せなのだ。腐女子が、歌舞伎町で希死念慮のあるキャバ嬢や寂しがりホストらと出会い、新しい世界に触れる。価値観を強要しない彼女達の関係性が、“正しさ”とされるものを優しく更新していくようで愛おしい。と同時に何処までも淋しい。