【感想・ネタバレ】ミーツ・ザ・ワールドのレビュー

あらすじ

焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く・・・・・・。推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は? 死にたいキャバ嬢×推したい腐女子――金原ひとみが描く恋愛の新境地。第35回柴田錬三郎賞受賞作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

お母さんと自己、自己とライの関係が近しいものなのではないかと気づく部分が面白かった。

自分の幸せを願っている母を疎ましく思ったように、自分もライに疎ましく思われている可能性はないだろうかと。

誰かを救いたい、幸せになってほしいという気持ちは誰もが誰かに抱くのだろうが。それは結果的に相手に負担となっている可能性がある。
「相手を傷つけないようにすることしか出来ないのかもしれない」というようなセリフが印象的だった。
本当にそうだよなぁと思う。

僕らは自己ロマンを他者に投影し、相手を救っているようで、結局は自己のためという利己的な生き物なのではないかと思う。

ライが元カレに共感し、もしかしたら主人公に共感できてなかったのもとても哀しいが事実なのだろうと思う。同じ境遇、思考回路のひとが相手に深く共感できるように。
目一杯に相手の背景を想像し、敬意を払いながら関わることしか僕らは他者と健全な関係性を紡ぐためには出来ないのではないかと思った。

**

失った人に対して、ちゃんと悲しむこと。
時間をかけること。その大切さを感じた。
それを許容した上で進むこと。すごく大切なことなのだと思う。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を見に行き、感動してを本読みました。
映画では省かれていた、アサヒと旅行の経緯や詳しい内容。ゆかりの同僚とのオタ活の内容。他にもユキとの出会い方が少し違っているなど映画を見てから本を読むとミーツ・ザ・ワールドの世界観により浸れる気がしました。

0
2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

彼女は私がこの人生の中で外から貼られたレッテルと自分で内側から貼ってきたレッテルの中で、過剰に卑屈になっている状態を「は何それ?」と思っているのだ。

「問題ない人なんてこの世界にいないよ」

「なんか、人に笑ってもらって、自分も笑って、そういうことでしか癒されないものってあるんですよね・・・」

ライとアサヒとオシンさんとユキさん
出逢えたからいきられた由嘉里。

いきていく世界と出逢えた。

グサグサ刺さりまくりながら、心をザクザク刺されながら生きていく。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤、由嘉里が、自分の「ライに死んでほしくない」という感情•行動は、半絶縁状態の母から自分への願いと同じだと気づき声を出し涙を流すところが悲しかった。本当に理解し合える関係ってあるのだろうか。理解できないことを知った上でただ一緒にいる、ただ思い合うことはできないのだろうか。やはり捻れ具合によるのだろうか。
由嘉里はライのどこにこんなにも惹かれたのだろう。腐女子であり恋愛したことのない自分に、寄り添うでもなく意見するでもなく、人や物に執着なく母と違って自由にただそこにいさせてくれたからだろうか。「自由を手放すのも自由」そのアサヒの言葉に頷いた。
アサヒの妻の印象が最後にガラッと変わり「え?」と声が出た。読んでいた自分にもバイアスが働いていたことを知る。
色々と考えさせられ、腐女子でもキャバ嬢でもないわたしだが他人事に思えない作品だった。映画もみてみたい。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生き辛さを抱えた人たちが、お互いに意識せず支え合ってる。そんな印象。
ゆかりがライに生きて欲しいと願い、色んなことをしようとする そこは純粋な思いを感じるけれど。なんて勝手なんだと思う気持ちもある。
それはあなたの自己満足でしょう。余計な事しない方がいいよ。って思う私もいる。
悩んでいるわけじゃない人に、自分の願望や希望を押し付けるのは やっぱり違う。
とはいえ、ゆかりの可愛い性格は私は好きだし、関わり合っていくアサヒやオシン達も好きだ。
みんなで、そうやっていつまでも暮らしていけたらいいのになって思う。
何はともあれ、推し がいるのって強い。
そう思った。私も推しが欲しいと。

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2025年11月16日

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