ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く・・・・・・。推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は? 死にたいキャバ嬢×推したい腐女子――金原ひとみが描く恋愛の新境地。第35回柴田錬三郎賞受賞作!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ゆっきゅんの解説を読みたくて、初めて金原ひとみさんの本を手に取った。 すぐ読み終えてしまうくらい面白くて読みやすかった。こんなに大好きになれる友達に出会えて由嘉里が心から羨ましい。不器用さも真っ直ぐさも素直さも、すべて愛おしくてライは由嘉里と出会えてよかったねと思った。由嘉里にとってのライとの出会い...続きを読むくらい、必死になれる何かに出会いたいなあ
初!金原ひとみ作品!! 帯の「死にたいキャバ嬢と推したい腐女子」という一文で一気に引き込まれこの本を手に取り、一行目を読んで買うことを決めた。 そこからはもう、もう一気読み。夜中が朝になるまで読んだ。 私はもちろんというかなんというか由嘉里側の人間で、実際にオタクだし腐女子だし周りのオタクたちがどん...続きを読むどん結婚していくので焦って婚活したけど由嘉里と同じように全くもってうまくいかず、私の場合本当に自分を殺して頑張って何度かお付き合いしてきたけれど彼の家からの帰り、電車の中で「なんのためにこんなことしてるんだろう」と涙が止まらなくなったり肌荒れがひどくなったりして本当に、本当にうまくいかず恋愛は諦め、現在も絶賛独り身のオタクである。 でもそんなことは全然どうでもいい。よくあることなので。 そんなことより、そんなことよりライとの出会いだ。 由嘉里にライがいたように、私にもライのような存在の人がいた。 彼女は5歳年上で、ガールズバーで働いていて、漫画を描いていて、こだわりのある綺麗な家で一人暮らしをしていて、いつもかわいいネイルをして、料理が上手くて本当に本当に美しい人だった。 こう書くと全然ライと違うんだけど、でも存在的な意味では同じだった。絶対交わらない世界線の人というか。同じクラスタではない人だった。 私とその人はネットで出会って、同じオタクだった。私はそのときハタチになったばっかりで、お互いが関西在住(私は大阪、彼女は兵庫)ということも分かり、オフ会をすることにした。 「じゃあ難波のアニメイトで会いましょう!」と伝えたらその人は「出来たらこっちに来てほしい」と言った。 兵庫にもアニメイトはあるのだろうか、難波の方がオタクショップ多いと思うけど…と不思議に思いながら到着した神戸。そこで「かわずちゃん?」と話しかけてきたその人はそれはまあ美しい人だった。こんな人がオタクなはずない、と思った。でもオタクだった。でもアニメの話ばかりをする人ではなかった。でもこんなに美しいのだから難波の日本橋では確かに浮くだろう、そりゃ兵庫に来いって言うわと変に納得したりもした。偏見です。 その人は当時兵庫の新長田に住んでいて、私は大阪からしょっちゅう新長田に遊びに行った。新長田には鉄人28号がいて、おいしい沖縄料理屋もあって、何より美しい彼女の、美しい家があった。マリメッコのカーテン、部屋着は無地のワンピースに柔らかい生地のカーディガン、ふかふかの緑のラグ。並べられた高い基礎化粧品。デパコス。FREITAG。ファイヤーキングのマグカップを教えてくれたのも彼女だった。美容師の資格を持っていて、お泊まりした次の日は髪をセットしてくれた。手作りのドレッシングも野菜をおいしく食べる方法を教えてくれたのも彼女で、こう考えるとほんとにライとは全然違うんだけど、でも、ライのように私に知らない世界を教えてくれたのは本当に彼女だったんだよ。2.5次元みたいな人。この小説を読みながら私は何度も彼女のことを思い出した。目の前からいなくなっちゃったことも同じだった。 出会った当初から彼女は「フランスに行きたいなと思ってる」などと言っていて、だから彼女が「東京で暮らすことにした」と言ったとき私はぼんやりと「ああ、国内にしたのか」なんてことを考えていた。 彼女と出会って2年か3年経ったとき、彼女は新長田から東京へ旅立った。私は新長田にはしょっちゅう行っていたけれど彼女に会うために東京へ行くことは一度もなかった。あれから新長田にも行っていないので鉄人28号も見ていない。 彼女が東京へ行ってから連絡をくれたことが2度あるけれど、その時にはもう私は夢から覚めたような気持ちでいたし、彼女には彼女の暮らしがあったし、私には私の暮らしがあったので会っていない。これからも会うことはないだろう。なんだったら向こうはもう私のことを忘れてるだろうなと思う。彼女はもう結婚して、美しい猫と一緒に暮らしているらしいとインスタで知った。私が好きになる人はみんな猫派だ。 私は由嘉里みたいにはなれなかった。 由嘉里はちゃんと一生懸命、自分の心に人を住まわせられたと思う。自分で精一杯だって言ってたけどそんなことないと思う。人と生きていけるよ。大丈夫だよ。でも私も案外大丈夫なんだ。友達はいるし、推しもいるし、実の姉とは本当に仲がいいし。 もう一冊買って心に響いた言葉全部にマーカーを引きたいと思った。 P.133 私はいつまでもこの私で、私として生きていくしかない P.222 片思いを何年もしちゃうような慎ましい私たちに残された、ささやかで、強い力よ P.254 悲しい時にお腹が空いたら余計悲しくなるって知ってるから、みんな悲しんでる人に食べ物を与えたがるんだよ とかすごく好きだった。 私は他人から食べ物を与えられることが多くて。仕事中に外を歩いていたら自転車に乗ったおじいちゃんからいきなり「これ畑で採れたやつ。食べて」と野菜を手渡されたことすらあって。「なんかこういう機会多いんだよ。なんでなんだろう」って言ったら職場の後輩に「貧相に見えるんじゃないすか」と返された。その時はカチンときたんだけど、確かに私はヒョロガリだし、少なくとも悲しそうには見えたのかもしれない。 食べ物を与えてくれる人は好きだ。生かそうとしてくれてるなと思えるから。 この小説でも食べる描写はたくさん出てくる。 おいしそうだったし、やっぱり焼き肉が食べたくなった。
親子、兄弟、友達だから分かり合えるという事はない、相手に向き合い想いを巡らせ引かれ合う、とても深い話だな〜。読んでよかった!!
ミーツザワールド。タイトルの通り世界と、他者と向き合うまでの話。 金原ひとみは生を祝うのと同じくらい死を抱きしめる作家だなーと思う。あらゆる事実や価値から等距離で、良いとか悪いとか役に立つとか立たないとかの判断を安易にしたりしない。 今作の主人公のゆかりはそういう振る舞いから遠い人だったけど、ライ...続きを読むやアサヒとの交流を通じて変わっていく。愛することや距離を縮めることはもしかしたら暴力かもしれないわけで、その思いを抱えながら距離を保つことの難しさや辛さが痛かった。
「人は何となく好きになるし何となく好きになれないものだよ」 「ライって大概正しいけどさ、正しくない人だって精いっぱい生きてるんだぜ?そんで自分の正しくなさなんて本人は全部分かってるんだぜ?こぎつけたって言い方しないと由嘉里ちゃんは耐えられないからそう言っただけなんだよ」 「皆何かこういう個人的な...続きを読む救いをストックして、辛い時に頓服のように利用して生き延びているのかもしれない。」
人との関わりについて、分かり合えないもどかしさがあるけれど、それでも一緒にいたいという気持ちが伝わる作品でした。 そして自死について、忌み嫌われることだけど、本当にそう捉えることなのか考えさせられました。作品のテーマは重く深いものなのに、登場人物のキャラが良く、会話の内容が面白すぎて一気読みです。金...続きを読む原さんの作品は、『ナチュラルボーンチキン』が面白過ぎたので、こちらの作品も手に取りましたが、デビュー当初と作風が変わったなぁと感じました。ゆっきゅんさんの解説にもありましたが、この作品が転換となっているようで、他の作品も読み進めたいと思います。
とてもよかった。 金原ひとみ作品はエッセイしか読んだことがなかった。これが初めて読んだ小説。 ちょうど文庫化されたタイミング、しかもゆっきゅんが解説を書いている、ということで、これは巡り合わせ、今読まなあかん気がする、と購入。 大切な人とのわかりあえなさ。 この人にはどんなに言葉を尽くしてもわかっ...続きを読むてもらえないのだろうと感じたときの絶望。 自死に対する考え方。 社会の枠からはみ出る人を薬や治療で押さえつけているだけ、それってその人の本来の姿、本来望んでいる生き方なん?っていうところ。 理解されない苦しみを、理想を押し付けられる苦しみを知っているのに、同じように誰かに押し付けてしまっていること。 気を遣ってくれたり、思ってくれたり。でもそんなものがほしいんじゃないって思う。そんなものを求めてるのではない。 ストーリーが面白く、キャラが魅力的なだけでなく、著者の思考が読み取れて、自分を肯定してくれていると感じられた。どうやってでも生きていいよなってこうやってちゃんと言われるとそれだけで生きていけそうな気がする。
解説でゆっきゅんも書いてるけど、金原ひとみの作品の確実な転換点だと思う ライではなく、ゆかりんの視点から物語が展開される本作は、金原ひとみがずっと書こうとしていることの一つの答えな気もした 「パリの砂漠、東京の蜃気楼」を読むまで、僕は金原ひとみの作品は大好きだけど本人はぶっ飛んでて理解不能な人なん...続きを読むだろうと勝手に思っていた でもあのエッセイを読んで、彼女は実は極めて「普通」でただひたすらにこの社会の歪みみたいなものにとびきり繊細なだけだったということに気がつき、彼女の作品の登場人物の解像度が一気に増したのを思い出す 他者との断絶と距離。それでも他者と関わるということの意味。なにより自分の生があるということの意味。 文学でないとできないことを、コンスタントに作品を出し続けながらやり続けてくれる金原ひとみという作家と同時代を生きられることに感謝します。 願わくば、これはゆかりん的だささなんだけど、金原ひとみという1人の人間が穏やかに生きていられることを祈ってしまいます
美しい! きっと表紙のイメージが強いからだけど、何度も出てくる歌舞伎町のネオン街より、窓から差し込む光や、つんと冷たく、まだ忙しい世界が起きる前の静かな空気を吸い込みながら ずーっと少し寂しくも綺麗な気持ちで読み終えることが出来た。 誰かを思ってしまうことの仕方なさ、人間関係はいつだって一方通行で...続きを読む、祈りで、独りで、それをわかった上でやっぱり誰かを思ってしまう。 それを受け入れ愛しいと思えること、そんな自分のことも愛しいと思えること。 相手にとって自分は何なのか、相手のために何ができるか、相手が何に救われ、何に手を取られこの世とのつっかかりにするか、私たちは分からないけど、分からないままで集まって触れ合う。その全部、もしかしたらおごりで意味の無いことなのかもしれないけど、それでも良い。所詮それしか出来ないわけだし。 私もきっと由嘉里のように、変わり続ける環境の中で変わってほしくないものと変えたいものを選び続けながら図太く生きる。 その中で 隣で同じように生きる誰かに対して、温かい祈りをしつこく捧げられるような、その人に想いを馳せまくってその人を自分の中に生かして、その人が見た世界をみたい。そんな出会いをしたい。そして既に出会っている人たちにそうしたい。
金原ひとみさんにどハマりして、本書が文庫化されるのを待っていた。 作中に『腐女子』というワードが出てくるけど、BL好きの描写はほぼ無く、オタク女子という意味で使われているようだ。 金原ひとみさん作品らしく、救いがないけど、その中でも一縷の光みたいなものは感じられた。 終始、主人公目線で物語が進む...続きを読むので、心理描写が分かりやすかった。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ミーツ・ザ・ワールド
新刊情報をお知らせします。
金原ひとみ
フォロー機能について
「集英社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
私の身体を生きる
軽薄(新潮文庫)
持たざる者
アタラクシア
AMEBIC
オートフィクション
緊急事態下の物語
クラウドガール
「金原ひとみ」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ミーツ・ザ・ワールド ページトップヘ