小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
今年55歳の私は、江川卓氏の巨人時代しか見たことがありません。それも晩年、肩を壊して投球術で抑えていたようなイメージでした。
ところが江川氏にまつわるエピソードでは、高校野球時代に”バットに当てただけで球場がどよめいた”等々の伝説が数多く残っています。高校野球3年間でノーヒットノーラン12回、うち完全試合が2回、甲子園の選抜4試合で60奪三振など、今では考えられないような記録を残されています。今から約50年前、江川氏が伝説を作り始めた高校時代に、江川氏と関わりあった人たちの証言から本書はスタートします。
野手のチームメイト(”常に完全試合の可能性があったので、守備で極度の緊張感があった”)、 -
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Posted by ブクログ
残酷描写といえば…で、再読。
初めて読んだ飛浩隆作品がこれでした。
デジタル世界に構築された仮想リゾート。今では当たり前にイメージできる娯楽のありかたが、2002年の刊行時に既に詳細に描き出されている、ばかりか、もう行き着くところまでいってしまっている。
そこでやれることは(悪い意味で)やりつくし、あげくサービス自体が崩壊。AIたちが呼ぶところの「大断絶」によって現実世界からのゲストが途絶え、放棄されて、すでに一千年が経っている。凡人の想像の2歩先を行く物語のはじまり。
とにかく何もかもが美しい。
見捨てられたリゾートで、自律するAIたちが生きている。清らかさの裏で倫理の壊れたリゾートの風 -
Posted by ブクログ
今話題の『イクサガミ』。ここまで面白いとは…。
時代は今から遡り、明治十一年。大金を得る機会を与えるとの文書より、強者たちが京都の寺に集められます。謎の集団から発せられたのは、「配られた点数を奪い合い、東京を目指せ」というもの。嵯峨愁二郎を始めとするあらゆる強者たちが点数を求め、殺し合う死闘が描かれています。
時代小説のイメージが強い今村翔吾さんですが、こんなに読みやすく胸熱な作品だとは思いませんでした。
個人的な好きポイントとしては、まず、京八流です。八人のみが授かったそれぞれの奥義がカッコよすぎて男心がくすぐられまくります。しかも人物の描写が緻密すぎて、奥義の動きが映像として頭 -
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迷わずにfive stars
短い小説ではあるが、付箋だらけになった。
ノルウェイの森と鼠三部作の関連性ははっきり言及されていないと思うが、先に読んだノルウェイの森の直子と本作品の直子がどうしても重なってしまう。直子と井戸について同時に言及されているので、尚更そう感じる。
倉庫の中での「スペースシップ」との再会と別れは、語り手が手放せずにいた直子の死や過ぎ去った過去(人、街、文化)に別れを告げたことを象徴するのではないか。
そしてその別れと共に、語り手の時間は少し動き出したような気がした。
けれどそれは成長というよりは、生きている限り、時間は進み、同じ場所に留まることはできないということな -
Posted by ブクログ
母親と娘、そして叔母の3日間の生活を描いたこの作品では、第三者目線の叔母と当事者の2人で、確実に違った感情を抱いている。
母親と娘は確実に愛がお互いにあるんだけど、お互いにまだ精神が成熟しきっていなくて、母親はうまくいかない人生があったからそうなんだろうし、娘は年齢(思春期であること)もそうだし、母親から一般的な愛を受けていないこともあるのだろう。
関西人だから家族間でのやり取りも雑になるという偏見は、関西に住む自分だからこそ偏見でないようにも思えてしまう。
娘は母親から愛されているのかという疑念が、しっかりと描写されていたわけではないけど、言葉の節々から伝わってくる。寂しさだったり悲し
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