あらすじ
いきなり自給自足できるのか?
文哉は猟師の市蔵を訪ねた旅の途中で、山間にある畑付きの空き家を見つけた。縁もゆかりもない土地、限界集落でもあったが、運命を感じ購入を決める。地元住民との交流を重ねながら、古い家屋や休耕地だった畑に手を入れていく日々。畑の梅の収穫がいよいよ始まる頃、付き合って間もない凪子を迎え入れ、共同生活がはじまった。畑を守るために狩猟をはじめる決意を固める文哉だが、一方の凪子は口数が減り、引きこもりがちになっていく……。
人生の迷い道を彷徨いながら自立を目指すシリーズ最新作!
(底本 2025年6月発売作品)
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Posted by ブクログ
初読みの作家さんなのにこんなにも響いたのは、たぶん登山を趣味としているからだろう。作中に出て来る花や植物、山容は馴染み深くて想像できた。読み終えて、本書は続編で前に『山に抱かれた家』があるのを知り、登場人物が分かりにくかったのもそいう言う事だったからと得心がいった。
文哉が縁もゆかりもない土地、限界集落の旧い家屋に住み、休耕地だった畑に手を入れ、模索する日々は尊い。若い頃から農薬に疑問を感じ無農薬野菜を中心に食べて来たので、共感できる部分が多かった。私の場合は自ら畑を耕さずに購入して食べるだけだから、文哉の熱意と行動力には感服するしかない。封建的な集落でクラフト作家の凪子との共同生活に踏み切るのも! いや、山奥だからこそできる業(わざ)なのか。
文哉は住人のやって来た慣行農法を学んだ上で、独自の方法で梅を中心に農作物を作るこだわりや工夫をしていく。その真摯な姿勢に応援している自分がいた。
梅バア、イト、市蔵、菊次郎、古道具屋のチカさんらのキャラで現実味が帯びている。農作物を荒らすイノシシやシカなどを排除するために狩猟免許を取り、仕掛けた罠にニホンカモシカが掛かった。ニホンカモシカは特別天然記念物なので違法にあたり緊張が漲る。文哉はそのシカを”死神”と呼んで対峙して罠から外す。これからも登場するだろうと匂わせるシカとの出会いも楽しみ!
Posted by ブクログ
久しぶりにシリーズを読みました。
今回は主人公の気持ちが生々しくてでもそれが人と暮らす現実だよな〜と綺麗事だけではなくて良かったです。
まだまだこの先はどうなっていくのかとても気になりますし楽しみです。
生きるって大変、自然相手も人との付き合いも諦めず、気を抜かず、策を考え。
だからこそ何の条件も無しに親切な人に出会えたらそれってものすごく幸せな事なんだな〜と。
主人公がこれか自分の希望と相手の気持ちをどう折やって何を目指して生活していくのか続きを早く読みたいです。
Posted by ブクログ
2025.06.25〜06.27
文哉が悩みつつも、前進していく姿。成長してるね。
「自分で考えて工夫して生きていく」、それが、私にはできない。わかっていても、できない。それが出来る文哉を羨ましく思う。
Posted by ブクログ
今一番続きが楽しみなこのシリーズ。
決して自分が経験していないことなのに、自分の過去に照らし合わせて反省したり自信がつけられる臨場感が好き。
田舎暮らしへの憧れを真っ向否定するような厳しさはなく、「日々の暮らしこそが、自分の世界、言わば自分の庭であり家なのだ」と、どこに住んでも自分の考え方次第ですぐに世界は変えられると優しく導いてくれる。
自然本来の姿がむき出しの世界にいる文哉が、何でも上手くやろうなんて思わず、うまく行かないことも自分の考え方次第で生きやすくなると悟る今作品。
感動が心底からじんわりと込み上げました。
Posted by ブクログ
いい雰囲気で始まった凪子との山暮らし(*^^*)だったのに凪子が…(;´Д`)クラフトが上手くいっていれば、また違った展開になったかもしれないのに残念(._.)
Posted by ブクログ
これを読むために既刊5冊を読んできたために、ぐっと世界観に入って読めた。だけど、次の巻が出るのは、きっとまた1年以上あくんだよね…早く続きが読みたい!
Posted by ブクログ
こちらも読み始めてから気づいたのですが、続き物の小説の6作目にあたるものだったようです。
しかし、「とことん山で暮らす」ってたぶんこんな感じなんだろうなぁ〜、と思わせてくれるほど、日々の暮らしの苦労、大変さ、その中で出会う喜びなど、身に迫るように感じることができました。
Posted by ブクログ
文哉と凪子との山での生活が始まる。
山の獣による獣害や、稼ぐということの難しさ
連載が始まったなかりの頃の文哉とは、すっかり変わって同一人物とは思えない印象
一方の凪子は山での生活に馴染めず、文哉との距離が開いてしまう。結局、千葉の家に戻り、1人になる文哉
物事は上手くいかないことの連続だけど、史哉の作る人間関係は厳しい人が多いなと思う一方で、だからこそ忖度なしで入っていけるのかなと羨ましい一面も感じる。
今後の文哉と凪子の関係も気になるなぁ
Posted by ブクログ
山シリーズもとっても面白い。最初はネガティブ思考になりがちだった文哉くんも、自分自身の考えで前に進み出す。悲しいことをバネに人との繋がりを大事にしながらものすごい成長を遂げてたくましくなってゆく。まさに迷い道。選択のむずかしさも本作の読みどころだったように思う。凪子ちゃんとはこのままになってしまうのだろうか。カモシカは今後登場してくるような気がしている。
お風呂の温かさでほっこりのラストは最高。
Posted by ブクログ
文哉と凪子海辺から山の家での生活が始まる。
自給自足の生活の大変さと面白さ、梅の栽培出荷なども興味深い。生活することの工夫をワクワクしながら読みました。
Posted by ブクログ
文哉と凪子は海から山へ向い、そこで小さな小屋を安く手に入れることが出来て、山での生活が始まった。しかし、そこでの生活は危険を伴い、風呂にも中々入れない大変なところだった。クラフト作りも海とは違い、良い物が作れずとうとう海の家に帰ることを決断した凪子。文哉は山で色々な人と出会い、風呂を作ることができ、山での生活を堪能している。
次回作が楽しみ。
Posted by ブクログ
房総から群馬に越した文哉。凪子とうまくいかなくなった。農業で食えるようになるのか?
梅を育てるとか浴槽をどう設置するとか、都会に住んでいる想像できないことを三次元で想像させてくれる。知的欲求を満たしてくれる。自分も貧乏な生まれだから言いたい。内向的過ぎる文哉、頑張れ!
Posted by ブクログ
大好きなシリーズの最新作。
山での暮らしも海のときと同じで、うまくいかないことがたくさん書かれているのがすごくすきです。
凪子とうまくやってほしいなー!
Posted by ブクログ
家シリーズ6作目。山の中での暮らしは困難の連続。周りの住民と交流を重ね、山での暮らしを頑張る文哉。梅栽培に畑仕事に野生生物との戦い、経済的にも苦しいなかで、ひとつずつ解決に向けて動き、たくましく成長していく。まだ続編がありそうで楽しみ。
Posted by ブクログ
はらださんが実際に体験したであろう山での生活がとてもリアルで 一筋縄ではいかない生活がひしひしと伝わる
イノシシが夜部屋のすぐそばまで来たり カモシカが罠にかかってしまぅたり 野菜を荒らされたり マダニにかまれたり…
お風呂を沸かすのに3時間半はなかなか大変だろうが、入った時の気持ちよさはそれができた人しか感じられないだろう
Posted by ブクログ
お風呂は毎日入りたいし、トイレは水洗がいい、家の中もある程度は清潔を保ちたい。飯は野菜中心でもいいけど草は厳しいそうなどなど考えてしまうと田舎で自給自足はかなりハードルが高いなあと感じた。
不器用な生き方にじれじれしてしまう部分もあるけど、続きは楽しみにしている。
Posted by ブクログ
シリーズ6作目。
山に来てから、ちょっと物語に入り込めなくなってきたなぁ。文哉の山暮らしへの思いに反して、ちょっと空回りしてる感じがしんどいのかも。
梅の栽培もうまくいかない、トイレやお風呂問題も起こり、野生動物が家の周りをうろうろ…
人里離れた山暮らしが大変なことはわかるけど、これは凪子が色々考えてしまうのも納得。
これからどういう展開になっていくのか?
迷い道から抜け出すところが早く読みたい。
Posted by ブクログ
読んじゃうんだけど、そう一気読みするくらいに読んじゃうんだけど。
だんだん巻を重ねるにつれ、一体この人はどこに向かっているのだろうかという疑問が沸々と湧き上がってしまう。
ラストがお風呂だから余計に?
薪を焚べて3時間半かけて風呂を沸かす。
できることならやってみたいけど、あなた独身だからできるのよねって思ってしまった。
あぁ、今日はちょっとひねくれてるな。
せっかく凪子と暮らし始めたのに凪子が何を思って出て行ってしまったのかも何も分からないし。
あんな家だし収入だってほとんどないし、そりゃ自分のことだけで精一杯よねとも思うけど、あんな縛りつけるみたいなことしたらダメよ。
心配なのかもしれないけどさー。
なんかこの巻はお前どうした!?みたいなツッコミどころ満載で。
次巻に期待しよう。