小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
明治から大正にかけて、女文士として成長していく女性の物語。
主人公の心情の表現が瑞々しく、些細な言葉の粒が羅列されるとこんなに美しくなるのか、と感じました。小難しい表現をしてしまいましたが、「並べられている言葉が好き!こういうのが、文学っていうのかな〜!?」という感想です。
成長していく主人公は、日々が忙しく過ぎていくのですが、そんな中でも自分の中で決めている行動(ルーティン)を崩さない姿勢が見受けられます。それは日常で些細な事を有難いとを感じとれる感受性の賜物なのだろうと思いました。
主人公を始め、他の魅力的な登場人物達。その一人一人の人物像が素敵すぎて常に感情移入させてもらえる作品でし -
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木漏れ日を透かすような色素の薄い髪と眼。
少年と見まがうような薄い体なのに、奇妙に老成したまなざし。
人の姿をしているのに、人ではない生きものに見えた。(P29)
天才調香師・小川朔という人間には、
掴もうとすると、するりと手のひらからこぼれ落ちていくような、
抗いがたい魅力がある。
それは、畏怖に近いのかもしれない。
『燻る骨の香り』千早茜
〈香り〉三部作、とうとう完結。
私が千早作品を好きになったきっかけは、デビュー作『魚神』。
でも、匂い立つような清廉な文章や、静謐な世界観に
完全にのめり込んでしまったのは、
間違いなくこの〈香り〉三部作だ。
文章から、こんなにも香りが立ち -
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「お姉さま、おやすみでないのなら
昨晩の楽しいお話の続きをお聞かせください」
まだ日も昇らぬ頃、
ディナールザードが姉シェヘラザードへとせがむ。
一見すると微笑ましい場面にも思えるけれど、
これはシェヘラザードが自らの命をかけて、
夫シャフリヤール王に聞かせる物語なのだ。
『ガラン版 千一夜物語 1巻』
今年の挑戦のひとつ。
ガラン版『千一夜物語』を毎月1冊読んでいこう!企画。
本屋さんで、あまりにも美しい装丁に一目惚れしたんです。
あぁ、なんて重厚で、なんてわくわくする物語なのか。
アラビアンナイトと同じ頃に生まれた文学が、
「源氏物語」や「伊勢物語」だと思うと、
そのことにも -
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あぁ、相変わらず気持ち悪くて美しい。
芦花公園作品を読むたび、もれなくこの感情になる。
美と醜。
善と悪。
こんなにも相反する要素が、どろりと溶け合った作品は唯一無二だ。
『聖者の落角』芦花公園
〈佐々木事務所シリーズ〉3作目。
民俗学、キリスト教、カルト集団。
この三つが濃密に絡み合っているのが、このシリーズの魅力だと思う。
何と言っても、このシリーズは気味が悪い。笑
でも、それと同じくらい
思わず信仰心すら抱いてしまいそうな、
得体のしれない美しさと吸引力があるのだ……
病院に現れ、
子どもたちの難病を治した黒服の謎の青年。
けれどその日から、子どもたちは異様な言動をするよう -
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人は性善なのか性悪なのか、罪人は更生しうるのかしえないのか、など人間の本質を問う議論は古くからある。
きっとその答えは「どちらもありえる。」というきわめて凡庸なつまらないものなのだろうと思う。それはそれぞれ事情も環境も異なるからだ。クソつまらない。けどきっと社会なんてそんなものだ。そして社会は不条理でもある。レ・ミゼラブルはそれらを煮詰めたような話だ。
第1巻は前科者のジャン・バルジャンが司祭との出会いで立ち直り、産業を興して社会貢献するまでに更生するが、正義感あふれるジャベール警部に過去を明かされてしまうまでが描かれる。
きわめて強い正義感と潔癖症は、裏を返せば不寛容であり赦しを与えな
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