ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 透明な迷宮

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    紹介文には「官能的な筆致」と書かれているが、言い得て妙。平野さんの本でしか見たことのない言葉が山ほど出てくるし、独自の言い回しは自分でも使ってみたくなる。
    何より、どの短編もアイデアがすごい。他人の筆跡を完全に真似ることができる人、自分と瓜二つの人を探すことを依頼される男、時間感覚を失った劇作家、…。表題作も、突如監禁され行為を強要されたり、相手の名前がいつの間にか変わる最後の結末まで、異様な世界に惹きつけられた。

    短編集って当たり外れあるけど、コレは全部面白かった。

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    2026年08月29日
  • 日航123便墜落「撃墜説」の真相 海上自衛隊元最高幹部が解き明かす

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    真殿知彦氏の『日航123便墜落「撃墜説」の真相』は、青山透子氏の主張(撃墜説等)に対して真っ向から反論を試みた著作である。著者の論理展開は一見すると非常に綿密であり、読み進めるうちに一定の説得力を感じさせる内容となっている。しかし、批判的な視点を持って本書を読み解くと、いくつかの課題や疑問点も浮かび上がってくる。

    第一に、青山氏・真殿氏の双方に共通して見られる「自説に都合の悪い事実に触れない」という姿勢である。例えば本書では、発災当時に報道陣や捜索隊が現場特定に向けて混迷を極めた事実にほとんど言及していない。当時、政府や自衛隊から出された墜落地点の情報は二転三転し、それが初期捜索や救助の遅れ

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    2026年08月29日
  • けんぐゎい

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    貴重な読書仲間の一人が娘なんだけど、この小説はちょっと勧めにくいかな。

    ただ、容姿とか、世にいう能力とかでなく、周りの人に、それぞれ持って生まれた味を認めて、生きる生き方を実現させれる場をつくり得た「ふゆ」の生き様を読んで欲しくは、あるかな。

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    2026年08月29日
  • 贖罪の奏鳴曲

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    ネタバレ

    とても面白かった。展開がどんどんと進み、御子柴を知る度にどんどん話に引き込まれていった。最後のどんでん返しの連続には何度も驚かされた。感情を表す表現や風景などの表現の一つ一つが細かく、臨場感があった。初めは性格が悪くて冷酷だと思われていた御子柴が、過去を知るうちにいい人だと見方が変わっていったのも面白いし、御子柴や登場人物の心理表現が本当に繊細で情景を想像しやすかった。

    ただ自身の読解力不足かもしれないが、里美についての深掘りがあまり無かったため、御子柴の悪徳ぶりを引き立てるのにはいいかもしれないが、最終的にはなんだったんだという若干なんとも言えない気持ちになってしまった。もっとこの女性の苦

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    2026年08月29日
  • 透明な夜の香り

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    とても良かった。

    朔さんは多くを語らないし、語らなくても匂いで分かってしまう。
    静謐でハーブの香りがする洋館。
    読んでるだけだけど、空気が透き通ってる感じがする。
    それと対比する俗世の臭いときたら。
    そのギャップもまたこの本の面白みだなと。

    前に小川洋子さんの『薬指の標本』をよんだけど、
    あれが不思議で不穏な感じだったのに対して、
    こちらも不思議な気配を纏っているけど不気味ではない。
    終わり方も良かったなと。

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    2026年08月29日
  • 白夜行

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    854ページ長編、止まることがなかった。
    まるでオセロゲームのように、パタパタと全ての色が、変わっていった。
    恐怖や憤りさえ、感じていたのに、東野圭吾さんは
    最後にどうしてこんなに切ない余韻を読者に残していったのだろう。

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    2026年08月29日
  • 人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)

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    ネタバレ

    『断崖』、「おとなだってそうよ。どんな苦しみにあえいでいる時でも、その中で遊戯している、遊戯しないではいられない」が印象深い。

    ラストの「夕日は大空を焼き、断崖の岩肌を血の色に染め」と「女の姿は/人形とように可愛らしく」の対比にゾクゾクした。その直後の「つぶらな目は、大空を映して異様に輝いていた」も印象的。毒々しい空の色に目を輝かせるヒロイン……。まだ殺したりなさそう。これも「遊戯」ってやつか。
    『屋根裏の散歩者』や『心理試験』も、この「遊戯」的な側面がある気がする。

    『目羅博士の不思議な犯罪』の一文「何の動機がなくても、人は殺人の為に殺人を犯すもの」というのも、この「遊戯」とよく似ている

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    2026年08月29日
  • 本が読めない33歳が国語の教科書を読む やまなし・少年の日の思い出・山月記・枕草子

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    前作も楽しく読んだが、今作はそれ以上に面白かった。
    特に枕草子はよかった。古典を習う前にこの本を読んでおいたら、古典が好きになる子が増えると思う。
    学生時代は、勉強のために教科書を読んでいたのであまり面白さを感じなかったが、大人になり改めて読み返すと、すごくいい題材を教科書に取り上げてくれていると感じた。
    読書は好きでも、国語の授業が好きではなかった理由は、この本のように自由に本人のペースで読めなかったからなのかもしれない。
    読書の楽しさを再確認できた素敵な本でした。

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    2026年08月29日
  • 満願(新潮文庫)

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    久しぶりのミステリーとして、帯の謳い文句に惹かれて手に取った一冊でした。短編集だとは知らずに読み進めましたが、一気にその世界観へ引き込まれました。どの作品も人間の心理やドラマの裏が実に深く、鮮やかに場面が立ち現れるような描写力も見事です。久々のミステリー体験でしたが、時間を忘れて一気に読破してしまいました。

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    2026年08月29日
  • 地面師たち ファイナル・ベッツ

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    本作もとても読みやすく、気が付いたら最後まで読み終わっていました。
    前作よりもスケール大、一か八かの綱渡り感が強く、ハラハラしました。
    文章で書かず、行間で伝えてくる感じもあり、個人的には良かったです。

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    2026年08月29日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    ネタバレ

    『白昼鬼語』がすごくお気に入り。

    園村のキャラクター性にすごく引きつけられた。
    読む前は長い話だと思ったが、特に最後は読む手が止まらずスルスル読めた。園村の狂気と知性の絡みあいがいい。展開はほしい物を余すところなく、それでいて無駄なく見せてもらえた感じ。園村が殺められるのが山場だと思うが、ここが案外あっさりしているのは逆にリアル。話者の「私」の戸惑いを考えるとこれくらいで書くのがやっとだろう。

    短い中に園村の嘆きや苦しみや解放が詰まり、苦いのに甘やかな味わい。『少年』の山場の艶めかしく美しい蝋燭のぼうっとした光を思いだす。

    ストーリーの枠を越えて彼の日々や苦悩や悦びが想像できる。
    別の世

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    2026年08月29日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    ネタバレ

    いやあ――――こういう本を読みたくて私は近代文学を読んでるんですよ! と言いたくなる1冊。文豪は文章力が巧み。描きだす力が強い。
    『富美子の足』すげーー好きでした。谷崎潤一郎作品で一番好き。特に足に対する怒涛の描写が圧巻。元々「脚」は好きだったけど足フェチになった。富美子に甘いときめきを覚えた。

    『憎念』も好き。業の深い心理を細かく描写してくれる話好き。
    解題も読めてよかった。

    表紙イラストもいい。虚無僧の女の子の片方の靴下が投げだされているところも色っぽい。彼女の生々しい足の傍に力なく横たわる靴下が味を出している。履いているほうの靴下も、タコ足が……。いい意味でぞわぞわする。剥きだしの足

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    2026年08月29日
  • 容疑者Xの献身

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    ネタバレ

    ガリレオシリーズ 第3弾

    天才数学者でありながら、心ならずも高校教師をしている石神。
    ある日、隣人の花岡 靖子と美里の親子が、暴力をふるいつきまとう、前夫の富樫を殺してしまう。それを知った石神は、二人を救うために完全犯罪を企てる。
    論理的思考により真実は隠されていたが、石神のもとに、大学の同期であり親友の湯川が訪れる。


    もう何度、映像で見たことか。
    もう何度、ラストで泣いたことか。

    ガリレオシリーズを読むなら、この本から!と思ってはいたのです。好きだから。
    でも、なんとなく読み出せずにいたんです。好きだから。

    石神の「献身」は、親子に対する崇拝であり、深い愛情の形なのに、花岡親子に強

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    2026年08月29日
  • 満願(新潮文庫)

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    見えるものを丁寧に見ていくと矛盾が見え、思っていたところと違う方向へ進んでいく。外から見えることと、相手の思っていることは違うことが少しずつ明らかになっていく過程が面白い。一つ一つの話に引き込まれた。

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    2026年08月29日
  • 新ハムレット(新潮文庫)

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    ネタバレ

    シェイクスピアの『ハムレット』を題材にした中編が収録された、充実の短編集。

    クローヂヤスさんは山羊のおじさんかあ。可愛い名前。山羊のおじさん山羊のおじさんって懐いてるハムレットは愛嬌がある。でもこんなホワホワだとオフィリヤちゃん、……。

    オフィリヤちゃん、すげぇよかったね。「これからは/考えている事をなんでもぽんぽん言おうと思うの」このセリフすげーーいい。シェイクスピアの『ハムレット』でも、オフィリヤちゃんって自己主張できてない印象あったから。
    シェイクスピア作品の日本語訳に携わった翻訳家、松岡和子さんは某所で「シェイクスピア劇の女性はたいてい強い。唯一の例外がオフィリヤ(=オフィーリア)

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    2026年08月29日
  • 何者

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    自身、就活に対して強烈なトラウマがあるから
    ずっとずっと居心地が悪くて胸がしくしく辛くなる一冊だった

    就活がなかなか上手くいかなくて
    内定も全然出なくて
    友人の内定先の口コミを調べて少しでも悪い評価がないか探したこともあった

    どんなに道化でも、キモくても、見てられないような必死さが滲み出ていても
    その瞬間にできることを精一杯やれた人たちは強いよ

    私は自分の心とのの折り合いがつかなくて、道化にもなれなかったし、キモくもなれなかった
    社会人6年目の今になってやっと、必死で頑張ることの尊さがわかるようになった

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    2026年08月29日
  • ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

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    あまり本の読み返しをしない自分が、折に触れて読み返す一冊。

    いつあるかわからない夢への第一歩に向けて、年単位、何十年単位で日々を積み上げてきた候補者の皆さん。

    文体も過剰にドラマチックにしていないし、それぞれの語り口もいたって冷静なのだけど、
    夢、情熱、覚悟、そういった熱い感情がひしひしと伝わってきて、読んでいる中で度々目頭が熱くなった。

    自分自身は宇宙に対しての強い憧れを持っているわけではないのだけれど、宇宙飛行士ってすごいなあという気持ちは漠然と持っていて、
    この本を通じてさらに尊敬の念が深まった。

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    2026年08月29日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

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    最後の公孫勝の涙に感動。

    いよいよ最終決戦。力と力の勝負はいつも紙一重。呉用はしっかり敗れた後のことも考えており、哀愁ただよう展開になってきた。

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    2026年08月29日
  • どうしても生きてる

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    理不尽なことややりきれないことに立ち向かう物語が多いけど、大抵の人はこんな風に生きているのよね、きっと。

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    2026年08月29日
  • 楽園の楽園

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    装丁の美しさに惹かれて手に取った、伊坂幸太郎さん25周年記念の書き下ろし小説。

    「知能は人間だけのものではない」という視点がとても新鮮だった。光や物質を感知したり、危険から身を守ったり、他者を利用して問題を解決したり……植物にも、人間とはまったく違う形の知性があるのだと知ると、面白くもあり、少し怖くもなる。

    舞台は、天災や疫病によって人類滅亡の危機に陥った世界。なぜか西遊記を思わせるネーミングである、五十九彦・珊瑚嬢・蝶八塊の3人は、AI「天軸」と「先生」の居場所を目指して旅をする。伊坂さんらしいユーモアのある設定だなと感じた。

    物語後半の、「私たち人間はずっと世界が終わりそうだと大騒ぎ

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    2026年08月29日