小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
「でも、どんなに辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり憂うことはないの。だって、きっといつか、何もかもを穏やかに眺められる日が来る。ありのままを受け止めて、自分なりに頑張ったんだからいいじゃないって言える自分が、遠い未来にきっといる」(「先を生くひと」)
少し先を生きている、あるいは生きていた女性たちから受け継がれた、心の中で芽吹きの時を待つ、優しく強い種の五つの物語。
町田そのこさん、初期の頃の、生々しく血の出るような描写ではなくても、やり切れない心の辛さの描写の鮮明さは変わらず。
年齢を重ねていくということは、いつか誰かに渡せる、こんな種を自分の中に育むことであればいい -
Posted by ブクログ
暁闇と金星の2つの物語で、暁星。
人間の見たくない弱さや、大きな力に対する1人の人間の非力さが、私が日常で感じる心の詰まりを代弁してくれているようで、仲間の様に感じられる物語でした。
---------感想---------
夜空で孤独に光る宵の金星は、暗闇でぽうと灯る蝋燭の炎の様で、全ては照らさず、でも真っ暗でないことの希望をくれるものだと思った。
私も、そんなささやかでも心強い光を誰かに届けられる人でありたいと思う。
宵の金星と明けの金星は周期的に交互に繰り返して現れるようで、2つとも見えない時期もある。人生山あり谷ありを表している様で面白い。
宵の金星は過去と現在を、明けの金星は、 -
Posted by ブクログ
SFは滅多に読まないのに、読み易く、先が気になって一気読みした。
1989年の小説なのに、やってることが現代のVRの近い将来という感じ。
タイトルでオチの方向はなんとなく読めるのに、それでも面白いのがズルい。
現実か仮想か、実験なのかもわからなくなってくる。ずっと黒幕の気配があるのに、最後まで掴めないのが不気味。しかも不思議と混乱しない。ここが上手すぎる。
未来の技術と留守番電話機やウォークマンといった80年代的ガジェットが同時に存在するのも魅力的。
読み終わったあと、アルゴリズムに操られてる今の現実ごと疑いたくなる。
地味に何度も読み返したくなる作品。
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Posted by ブクログ
ネタバレ94点
面白かった〜。
短編、中編集で、自由奔放な陣内という男を軸に物語が進んでいく。『砂漠』の西嶋みたいな奴。
言動が一貫してなかったり身勝手だったりするけど、まっすぐでなんか納得させられるところもあって憎めない男。
周りが振り回されながらも、 一緒に銀行強盗に巻き込まれたり、彼の失恋に付き合ったり。そんな彼が子供を導いたりする。ほっこりファニーな物語。
まず最初また銀行強盗?!ってびっくりした。伊坂好きすぎるな。そこに巻き込まれた登場人物たちが不思議な繋がりを作ったり。永瀬がその後にも出てくるとは思わなかった。2章目でさっそく陣内が大人になって家裁調査官になっていてびっくりした。この職
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