ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 植物少女

    Posted by ブクログ

    素晴らしかった。最近読んだ中でも群を抜いて好きな作品だった。生と死という境界をあらゆる角度から立体的に描かれていた。病室という空間、息、周りの人々、鼓動。空っぽの中に注いでいく美桜。素晴らしかった。

    0
    2025年12月05日
  • ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか

    Posted by ブクログ

    今更感あるかもだけど、朝ドラきっかけで。
    もともと小さい頃、アンパンマンの教育ビデオを見ていたのもあって、購入。

    やなせさんの人物像が、文章から手に取るように伝わる。
    それに朝ドラで描かれたやなせさんの姿がありありとそこにあって、本当にこんな人だったんだなぁと思った。
    お父さんのこと、お母さんのこと、手のひらを太陽にに対する思い、絵本に対しての思い…。
    どれを取ってもそこにやなせさんらしさがいっぱい詰まっていて、最高でした。

    0
    2025年12月05日
  • 鼓動

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    48歳、無職、独身、恋愛経験なし、ずっと引きこもり

    明日は今日よりも豊かになる
    ユーラシア大陸の東の端からぽとりとこぼれた水滴のような、この日本という島国では、だれもがそう信じることのできた事態が長く続いた
    僕が生まれたのは、そのさなか、1974年6月30
    日のことだった

    やっぱ好きな作者だわ
    同世代として時代の雰囲気がよくわかる
    構成、ストーリー、最後の伏線回収まで素晴らしい

    0
    2025年12月05日
  • 罪と罰(上)

    Posted by ブクログ

    自分の愛読、あるいは尊敬している文学者も、教養人も、なにかとドストエフスキーという作家を通ってきている人ばかりなような気がしていたので、自分も大学を出る前に読んでみようと思った。

    簡単に概要から。
    主人公ラスコーリニコフは経済的に苦しく大学を去った元学生で、彼は「一つの犯罪、過ちを犯したとしても、それ以上の善行を積めば許される」(これは上巻では、酒場の大学生の会話や新潮文庫のあらすじにしか出てこないので、ラスコーリニコフ自身がそう考えているかはわからない)とか、「人間は凡人とは凡人に二分され、歴史に名を残した偉大な偉人たちも犯罪者であるように、犯罪を犯しても正当化される人間が存在する、そして

    0
    2025年12月05日
  • 好日日記―季節のように生きる―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森下典子『好日日記 季節のように生きる』新潮文庫。

    『日日是好日』の続編。

    その昔、森下典子さんは『週刊朝日』のコラム『デキゴトロジー』の執筆者の1人として活躍し、後に『典奴どすえ』というタイトルで京都での舞妓さん潜入取材記録を執筆した方である。『デキゴトロジー』は新潮文庫からシリーズで刊行され、全て読んでいる。勿論『典奴どすえ』も読んでいるが、テレビドラマにもなり、それも観た記憶がある。もう30年以上も昔の話だ。

    あれから幾年月が過ぎ、森下典子さんが『日日是好日』という素晴らしいエッセイを書いていたことには心底驚いた。『デキゴトロジー』の頃は素人同然の文筆家が、これ程の成長を遂げるとは

    0
    2025年12月05日
  • アーベド・サラーマの人生のある一日 ――パレスチナの物語

    Posted by ブクログ

    小説風のタイトルと中身で気が付かなかったのだが、実はノンフィクションという恐ろしい小説だった。
    占領されるということの恐ろしさを感じた。生活の全てが侵略されている。戦争のずっと前からこんなにも虐げられていて、人権も命も蔑ろにされていたと知った。
    一方で、パレスチナの人達の伝統的なあり方、具体的にはあまりにも家父長制的で女性の人権や意思が軽視されていることに素直にショックを受けた。
    気持ちや状況があまりにも精緻に書かれていてまるで小説のようだったためだと思う。
    これは許されないと思うし、とても好きになれない。しかし、占領されていい理由にはならない。

    そのような国でありながら、パレスチナを一度出

    0
    2025年12月05日
  • 第二警察

    Posted by ブクログ

    ワールド・ウォー・Zスタイルの、証言と報告書による「日本が世界を支配している」世界線の、近未来日本と世界を股にかけた陰謀の数々。
    トリックスター、その名は「韋駄アキラ」
    黒幕の中の黒幕。

    いや、充分に楽しませて貰った。
    早川の英断に感謝を。
    そして、通常スタイルの小説の三倍の労苦を賭けて、こいつを仕上げた吉田親司先生に乾杯を。

    0
    2025年12月05日
  • 月の立つ林で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青山美智子先生の作品は、本当に好きだ。
    言葉選びも章の運び方も美しく、登場人物たちが細く透明な糸でつながっては、プツンと切れて、離れることの素晴らしさを伝えてくれる。
    登場人物が別の登場人物に対して抱いた感情もひと言ふた言程度しか書きあわらさない、その何気なさにもキュンとくる。
    個人的には『お天道様』がグッときたが、『針金の光』の終盤からの「母さん、僕ね、好きな人ができたよ」はもう…胸がいっぱいになる…!
    とても心が癒された。

    2025年12月5日、たまたま今年最後の満月の日に読み終わったことも嬉しい…!

    0
    2025年12月05日
  • 新装版 文学のトリセツ 「桃太郎」で文学がわかる!

    Posted by ブクログ

    様々な事柄に触れているので少し情報量が多いが、二項対立とそれに伴う脱構造を踏まえておけばかなり見え方が変わる。
    本書内でも触れられていた「文学入門」では理解しきれなかったので、とても良かった。

    0
    2025年12月05日
  • アリアドネの声

    Posted by ブクログ

    先が気になり、読むてがとまらなかった。
    目が見えず、耳が聞こえず、話すことができない、そんな方が、震災の時に取り残され、助けるには?
    地震という抗えない自然災害に自分も巻き込まれながら、上記の様な方を助け出す。
    その時点で、主人公も回りの方もとても勇敢だとかんじた。
    ミステリーとして作品はかかれていますが、これ以上に人間臭さや、あきらめないことの大切さ、諦めないにしても、視点を変えて立ち向かうことも必要など、謎を解くだけでなく困難に立ち向かうとき、どのようにすれば諦めずにすむのかを教えてくれた本でした。

    0
    2025年12月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

    Posted by ブクログ

    アンネを慕い想い憧れている小川洋子さんが素敵。
    アンネが生還していてくれていたらと、私も本気で思いました。本当に悔やまれます。

    0
    2025年12月05日
  • 星を編む

    Posted by ブクログ

    前作から引き続き大好き、もうほんと大好き。
    現実的で学びや刺さりを得ながらも、物語として面白く儚くて煌めいていて、読んでいる時間がとてつもなく愛おしい時間だった。
    正解の形なんてないから、腹を括って自分で悩み決断をし時に失敗し振り返っていくしかない。でもそれは辛いだけの道のりでもきっとない。
    読みながらすべてを肯定されている気持ちにもなるし、他の人に対して優しい無関心にもなれる本だなと思う。ほんと、夫婦でも家族でも自分には見えてないもの知らないことが沢山あるんだから、自分の価値観に当てはめて勝手に解釈するのはやめよう。いや、してもいいけど口に出すな、ほんとにダメだぞ自分。

    0
    2025年12月05日
  • 銀座「四宝堂」文房具店5

    Posted by ブクログ

    絶対面白いと信頼しているシリーズ本。今回の話もどれも良かった。
    硯と良子の掛け合いが好きなので良子の出番があまりなくてちょっと残念…と思ってたところに最後の話がとても良かった。
    読むたび四宝堂に行ってみたいなぁと思ってしまう。

    0
    2025年12月05日
  • バリ山行

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読みやすくてすぐに読み終わった。
    登山道ではない山の中を登れそうなところを見つけて登っていくバリエーションルートに魅せられた人の話。

    妄想ではなく現実として生きるか死ぬかの場面に出会うのか社会的に生きているところでもがくのか自分は後者だけどホンモノがあるんだろうなと思う。

    面白かった

    0
    2025年12月05日
  • 木曜日にはココアを

    Posted by ブクログ

    気づいたらココアを飲んでいたくらいほっこりした内容だった。
    短編小説だから寝る前に1話ずつ進めようと思い読み始めたら読みやすく、すぐに読み終えてしまった。
    1話目のマーブルカフェでの話から始まり、様々な人のお話が出てきて最後まで繋がっていて、1人の人間がこんなにも他の人々に影響を与えているのだと気付かされた。
    絶対に再読したい。

    0
    2025年12月05日
  • 殺し屋の営業術

    Posted by ブクログ

    おもしろかったー!!!!

    「2週間で2億円」

    というノルマを殺し屋という職業でどう達成させるか、というところが見所であり、当然達成させなければ話が成立しないのだが、物語の展開が面白すぎる!!!!

    短編的に話が一つずつ進んでいくのかと思いきや、一気にクライマックスに駆け上がっていく感覚で、ページをめくる手が止まらなかった!!傑作!!

    主人公の成長(?)も描いていて、徐々にダークサイドへ足を踏み入れていく様があたかも自然な成り行きのように感じられるのも描き方が上手いからだと思う!

    ラストへのテンションの上がり方もすごかった!!!読後感もすっきり!!!!エンターテイメント!!!

    0
    2025年12月05日
  • なぜ働いていると本が読めなくなるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ただの読書術本と侮るなかれ
    三宅氏による社会と時代背景から見る読書史、あるいは労働史である。
    単にインターネットやそれら媒体の台頭のみでは現代の人々の読書観は語れない。社会が個人の労働観や人生観といったものを時代ごとに変化させてきた。新自由主義という言葉がよく使われるが、特に今日においてはその言葉の意味合いとは裏腹に不自由感が漂う。
    現代の、労働が中心的な社会観において、未知はノイズであり、既知が受け入れられるため読書は排除される側にある。

    自由が責任を強め、責任が労働の奴隷化を強め、それが趣味を遠ざける。やりたいことで生きていく事へのアンチテーゼや疎外感はそういう社会構造が生み出した鬱屈だ

    0
    2025年12月05日
  • バラバラになった心をつなげる方法 レジリエンス脳育

    購入済み

    やさしく書いてある内容です

    著者の幼いころのトラウマ、病気になってひどい後遺症に悩まされた日々、これは生きている限りどなたにも大なり小なりある出来事です。
    渦中にあると「どうして私だけ」と悪い考えに落ち込んでいきます。心配は起こってもいない未来を自分勝手に想定して自分で苦しんでいること。
    人生の節目を前にして誰しも悩みます。受験、就職、恋愛、結婚、退職、死別。それをしなやかに節目を乗り越えらえるよう、この著書を読んで自分軸に落とし込んでみるといいかと思います。割引価格で購入できたので、★5つ。

    #共感する #癒やされる #ほのぼの

    0
    2025年12月05日
  • マリエ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結婚も離婚も、時代や人によって全然見方が違っているんだなということを当たり前だけれど感じた。それでいて、そこに正しいも間違いもない。登場人物それぞれの考え方はそれぞれ理解できるものだった。共感できるものでなくとも、そういう見方があるのかと気付かされた。
    小説家お二人の対談、とても面白かったですし、学ぶことが多かったです。離婚にはいろいろな形があるんだな、と。人生は、自分が幸せになるための選択の繰り返しであってほしいし、その選択ができる世界であってほしい。

    0
    2025年12月05日
  • 失われた貌

    Posted by ブクログ

    これは上質な探偵小説風警察ミステリーの傑作。今年の個人的ベスト5には入る。登場人物がパズルのピースのようにひとつひとつ埋まっていく伏線回収は絶妙で、その展開が決して説明ではなく、洒脱で軽妙な趣の会話で紡がれる(バーのマスタとの会話だけ少し鼻につくが)。隼斗の詩が上手すぎるのは難点だが、そこが重要な伏線のひとつと思えば些少なこと。全体を通して清々しさを感じるミステリーも珍しく、ミステリーファンは絶対に読んでおくべき一冊。著者の上梓作を後追いで読んでみよう。。

    0
    2025年12月05日