【感想・ネタバレ】喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishimaのレビュー

あらすじ

文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読んでからだいぶん時間が経ってしまったので大まかな感想になりますが私はこの作品がとても好き。喜嶋先生のような天才だけど変人が活躍する森博嗣作品が好きだし、そんなにものめり込める何かがある事への憧れもある。こんな先生に出会いこんな大学生活を送ってみたかったと強烈に思う。大学に行く前に子どもに読んでもらいたいと思う。

0
2026年01月03日

Posted by ブクログ

作者の自伝的小説。
理系少年がいかに研究に魅せられ、指導者に魅せられたか、の話なんだけれど、研究とは何か、論文とは、学会発表の価値とは、など、一般読者にもやさしく説明してあるので、文系の人でも大丈夫。
お勧め。
最後の養老孟司の解説が笑える。

0
2025年06月21日

Posted by ブクログ

森博嗣の自伝的小説と言われている大学生活から助教授になったころまでの生活と師匠である喜島先生とのうらやましい限りのアカデミックな関係性を描く。しかしクライマックスになるに連れて現実にアカデミアの世界が蝕まれて、小説の最後の悲劇と合間って、現実のえも言われぬ虚しさが漂う。
解説で養老孟司がこの小説は漱石の『こころ』のようだと形容しているけれど、読後感はまさにそれで現実と戦っていた先生と喜島先生は重なる。
学生時代の喜島先生との交流の瑞々しさと読後感の落差が大きい。見事な小説だと思う。

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

とても面白かったです。
研究者に対しての印象が変わりました。

今まで私は研究者に対して怖い印象を持っていました。私には研究で議論する様子が、冷たい言葉で喧嘩しているように見えていたからです。

まさに私は「単刀直入の姿勢を攻撃的なものと捉えて」いました。言葉を、その意味する内容で捉えていなかったのですね。

研究者は、研究に対してとにかく誠実なのだと気づくことができました。


0
2025年06月05日

Posted by ブクログ

こういう自伝的な小説は大好きです。
個人的になりすぎない所、内面描写を深めるタイミングや塩梅が特に刺さりました。森博嗣先生は正直な方なのでしょうか。
僕の憧れ、共感、諦め、全てがこの作品の中に収まっているように思えます。

0
2025年06月02日

Posted by ブクログ

珍しく短期間で読み返した。オチがわかっていても、読むプロセスが心地いいからまた読み返したくなる。理系で大学の頃に研究に取り組んだ経験のある人なら、共感が得られやすいかもしれない。雑事に囚われず、ただ自分の興味の赴くままにひとつの事に時の流れを忘れて熱中していたあの時間は、今仕事を始めて社会の喧騒の中で荒波に揉まれている自分と対比して、とても優しくて静かな時間が流れていたんだと実感する。今が悪いという訳ではない。昔のそうした時間を過ごした経験が、今の自分の心の拠り所になっているのだとも思う。

0
2025年05月10日

Posted by ブクログ

主人公は純粋に研究に人生を賭ける喜嶋先生の姿に魅了され、自身も寝食を忘れるほど研究に没頭し多彩な価値観と出会う。

誰もが自分の心に純粋に生きたいと感じつつも生きられなくなっていく葛藤がある。だからそこ、喜嶋先生の純真な生き方は美しく尊いものに映った。

0
2025年02月28日

Posted by ブクログ

少し間が空いて再び本を開いても、すぐに研究室の世界に入り込むことができる、そんな物語。

自分の問題を発見して答えに近づこうとする、王道をひたすらに歩む姿が美しいし、儚い。儚く感じてしまう側で私が生きているということなのだろう。

ラスト、短文の畳み掛けに心拍が上がる。

0
2024年08月01日

Posted by ブクログ

一人の少年が夢中に夢を追い、その見えない夢の頂きを目指し、ゆっくりと道を歩いていく、喜嶋先生と共に

少年はいつしか青年になり、そして大人になった

自分の歩いてる場所は、もはや夢中に歩いてきた道でない

そして喜嶋先生は隣にいない

夢中になって歩いてきた研究の道に寂寥の想いをはせる、大人になってしまった少年

その胸に残る青春の残像
喜嶋先生との静かな世界


爽やかなエンディングに添えられた悲しい現実

それはファンタジーのような日常が現実に戻る瞬間

最後に泣かされるとは思いもしなかった

これが森先生の自伝的小説だと知り、しかも地元の名古屋大学で助教授をされていたとの事

リアルな研究者の現実を知り、国の無作為な現状を変える為にできる事はないのか、と思う

また別の作品も読んでみたい








0
2024年06月15日

Posted by ブクログ

「(気持ちが疲れたとき)(人生に疲れたとき)心を整えてくれる小説」
大学生活を思い出した。私は橋場さんにも喜嶋先生にもなれなかった。

0
2024年03月25日

Posted by ブクログ

自分は研究者になりたかったのだな、とこの本を読んで思いました。彼等の静かで満たされた生活が心底羨ましい。でも、作者が最後に落とした爆弾でその気持ちが傷つきました。お前が研究最高って言うてたのにそう来るんかい!と憤りもあり、でも人生ってそうだよね、という諦観もあり。どこぞの名探偵の言葉の逆で、真実はいつも複数あるから、何が真実かなんてのは自分で選ぶしかないんだな。しかしなんでこの題材でこんなにわかりやすくて面白いんだろう。本当に森博嗣は天才。

0
2025年12月24日

Posted by ブクログ

私が理系だからか、大学院で研究していたからか、そんなの関係ないのか分からないけど、文章と内容がスッと心に染み渡った。自分と重ねてしまったりなんかして。疲れてちょっと立ち止まりたいときに読みたい本。

0
2025年09月25日

Posted by ブクログ

どう頑張っても理数系は無縁の世界でしたので、工学部での研究、大学院での先生との関わり、修論を仕上げるまでのことなど、未知の世界を覗かせてもらった新鮮さ!

森さんの自伝的作品との事ですが、主人公はもちろん、濃密な時間を過ごし人としても研究者としても尊敬する喜嶋はそれは魅力的でした。

0
2025年06月07日

Posted by ブクログ

面白かったです。
何かスペクタクルがあるわけでもなく、盛り上がるところがあるわけでもなく端的な文章表現で訥々と語られる物語の先が気になってどんどん読み進んでしまった。
コンピュータ、トースタ、ドクタ、と語尾の長音符がついてないのが技術者っぽくてニヤリ。

0
2025年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

森博嗣ファンなので購入しました。ちょうど「お金の減らし方」と同じタイミングで読んだので、著者の実際のエピソードとリンクする内容があり楽しめました。人間として生きる意味を知性に見出しているアカデミア特有の感覚が平凡な自分から見ると羨ましくもあり、また恐ろしくもありました。

0
2025年03月17日

Posted by ブクログ

森さんの小説を読んだのはこの作品が初めて。
理系分野はさっぱりだけど、不思議とスラスラ読めて楽しかった。
最後に思考が止まる感じ、鳥肌がぶわっと立った。
自分の好きなことを突き詰めていくのは難しいな…未練がありつつもバランスを取るのがいいのか…

0
2024年11月29日

Posted by ブクログ

先生に作ってもらった山を滑るのが卒研生と修士課程、自分で山を作るのが博士課程という例えがしっくりきた。

0
2024年11月02日

Posted by ブクログ

ガッツリ文系大学生だったので研究分野のことはよく分からんかったが、それでも読みやすく、理系の研究ってこんな感じなんだなって知れて面白かった。

個人的お気に入りは中村さんなので1章が好きです

0
2024年10月31日

Posted by ブクログ

喜嶋先生の言葉には救われました。

最後が衝撃でした。
結局、人生何が幸せか、何を求めれば良いのか、何をしたいのか、人それぞれであり正解なんてわからないなと思いました。

0
2024年09月01日

Posted by ブクログ

大学院のリアルがわかる一冊。パソコンが身近になかったときの研究者の苦労や、学術に生きる人たちの情熱や不器用な恋愛模様を楽しみながら読めた。

0
2024年07月10日

Posted by ブクログ

森博嗣さんの小説を読むのは初めてである。研究者の日常に焦点を当てている事もあり難しいかなと覚悟をして読み始めたが、端的で理路整然とした文章に惹き込まれていった。喜嶋先生の研究を極め続けるがゆえに孤高な存在になっていく様が美しい。それと同時に、誰とも共有出来ない喜嶋先生の世界が主人公である僕の世界と少しずつ交差していくところが良かった。理想と現実の狭間でどのように学問を追い求めていくか。ずっと色褪せる事のない課題だと感じた。

0
2024年03月22日

Posted by ブクログ

 本書は、端的には「学問の奥深さや研究の崇高さ」を描いた作品と言えるのでしょうが、不思議な別の魅力を内包している物語でした。

 「不思議な別の魅力」とは、理系大学の研究や論文等お堅い内容ですが、語り手が一人称の「僕」という学生目線で、柔らかく緩衝材以上の働きを実感する描かれ方をしている点です。

 「僕」は、幼少期から本を読むこと、対人関係が苦手という特性があるものの、数学と物理の才能が豊かで純粋な人柄です。院生の先輩や同期の女の子とのやりとりが、愉快で微笑ましくもあります。

 こんな「僕」が、喜嶋先生の世界に触れ、憧れをもちながら研究の楽しさに惹かれていく展開です。
 喜嶋先生は、研究のため雑念を排除し、集中・没入する世界に生き、側から見れば「静かな世界」です。その世界は、孤独で強迫観念が付きまとう別の側面もあります。最後には残酷な謎も‥。
 
 「僕」の、研究へのひたむきさや誠実さ、喜嶋先生への憧憬がとても瑞々しく描かれ、さらに「僕」の語る言葉が無垢な想いにあふれ、物語に静謐さと透明感を与えている点が、とても魅力でした。

 目先のことで精一杯で、日々忙しい人からすれば、自分の遠い過去にノスタルジーを覚える感があります。でも、そんな生活の中に、心安らぐ何かに没入する一人が時間がもてるといいですね。やっぱ読書ですかね(笑)

0
2024年01月12日

Posted by ブクログ

学生の時に読んでいたら、考え方とかが今と少し違ったかもしれない。

こんな先生がいたら、出会えていればと思うけど、
実際にはなかなか。
こうなりたいっていう理想はあるけど100%喜島先生の生き方だと難しいよね、折衷案を人それぞれ見つけて生きていくよねっていう、そういう思いが湧いた。

0
2023年05月09日

Posted by ブクログ

『まどろみ消去』に収録されている、「キシマ先生の静かな生活」の長編版。
作品を通して、とても懐かしく感じた。
研究室が快適という感覚、分かります!
大学生の時に読んでいたら、人生が変わっていたかも。

0
2024年03月25日

Posted by ブクログ

難しそうな研究をしている主人公や先生の話だけれど、本文はとても読みやすかった。終わり方の好みで星は少なめです。

0
2025年06月05日

Posted by ブクログ

アカデミアの世界で純粋に研究を追い求めることは、いわゆる「生活」と切り離された世界なのかもしれない。修士課程に行かなかった(院試だめだった)自分には羨ましくもあり、学卒で働くのが向いていた気もするし、机上と実務の差を痛感した。

0
2025年05月13日

Posted by ブクログ

20年来のライトな森読者です。

うーん、、、悪くないけど、これはもとの短編のほうが好きだなあ。
短編集『地球儀のスライス』か、『パラシュート博物館』に出てくる短編で、私はその短編集の中で『キシマ先生の静かな生活』(原題)が1、2を争うほど好きな作品だった、気がする。
(そもそも森博嗣の長編は私にはけっこう当たり外れがあって、というか、自分に対する適・不適があるのだけど、短編だと、その適・不適の落差がさらに大きくなるのです。でも私は『まどろみ消去』などの、初期長編のインターミッションに書かれた短編集がけっこう好きでした。)

元の短編集では、森博嗣にとっての神様である萩尾望都が解説を書いておられて、「キシマ先生と「ぼく」は数字という神に使える修道士のようだ」とあったのを覚えている。

今回、この本を店頭で見かけて、ああ、森博嗣本人もあの短編を気に入っていて、長編に仕立て直したんだなあと思った。

元の短編と骨子は全く変わっていない。
登場人物がかなり増えて、中村さんや、女性キャラクタ(森表記)が増員された。もちろん沢村さんは元から存在していた。
スピカさんも、元は、この近くの別の短編に出てきたキャラクタですよね。
突然最後に主人公と結婚する話だったような。
元のスピカさんは、かなりキツイ喋り方をする女性だった気がする。

森作品にしては珍しく、主人公がすごくふわふわしている。
正直に言えば、主人公があんまり好きになれない。
(なにもしていないのに何故かモテる主人公。藤沢周平か。)

本書の最後に突然、沢村さんが××された、とさらっと書いてあるが、これも元の短編のとおりだ。
少しギョッとしたのを覚えている。


余談。本書はアカデミックな世界を見る物珍しさはあるが、まあ、私アラフォーの今や、主人公の子育ては本当に子供の性質に恵まれたよねーとしか思わんよ。
奥さん偉いとは思うけどさ、それは奥さんの努力だけじゃないし、奥さんが偉いと思うなら別の形でもっと育児をてつだえよ、と思うようになりました…。

0
2025年04月17日

Posted by ブクログ

本当にどんでん返し。
ラストまではただただ面白くて、ラストで急に分からなくなった。このラストが良いのか悪いのか私には分からないけれど、この得体の知れないザワザワとした感情が出てくるのが、森博嗣の魅力なのかもしれない。

0
2024年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直なところ、沢村さんと結婚というのは意味わからなすぎてハテナがいっぱいだった。この2人が結婚するほどまでお互いを想う理由が分からないし(だからこそあのラストなんだろうけど)、橋場くんの喜嶋先生への歪み狂った神格化を表現するためのものであったとしても、あまりにも色々唐突すぎたかなと思った。
あらすじを読んだ時の私の認識違いだったと思うけど、この終わり方にするなら、深く静かな「感動」ではないのかなぁと。

0
2024年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2024年1冊目
文系なのでド理系の、研究者ならでは?の説明や言葉選び、そして好きなことだけで生きていけている自由な主人公の生活(結婚前までの)に少しイラつきつつも意外でかつ不穏な最後に呆気をとられた。
先生のように、好きなことだけで生き続けるとどんなことになるか。少し切ない。

0
2024年01月23日

「小説」ランキング