あらすじ
聡明な弟・亨とのんきな兄・良男のでこぼこ兄弟がドライブ中に乗せたある女優が、翌日急死! 一家はさらなる謎に巻き込まれ…!? 車同士が楽しくおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる仲良し家族の冒険譚! 愛すべきオフビート長編ミステリー。
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車視点の物語である。車同士の会話も面白い事ながら持ち主の家族間の何気ない会話も心地よかった。伏線回収もすごく伊坂節がきいていて感銘を受けた。それに加えて物語の終わりもとても素晴らしく心に刺さった。私の車がこの小説を読んでいる間に変わったので前の車の虚しさに浸った。人生のtop3には入るだろう。
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トイストーリーの車バージョンみたいな世界観で、楽しかった!
普段クルマを運転する人の方が、より楽しめるように思う。
車目線の物語を今まで読んだことがなかったけれど、例えば「享、公園行かないほうがいいよ!」と思っても、登場人物の人間たちの行動を止めることができないのは車たちも読者も一緒なので、車たちと同じ目線で読み進めることができて、新鮮だった。
細見氏のようなかっこいいキャラも出てくるし、謎解き要素もあって飽きずに読めるし、蛙の置物とか予想できなかった伏線が回収されて、やっぱり伊坂幸太郎さんの作品は好きだなと再認識する。
私の愛車は作中に出てこなかったけれど、それでもこの本を読んだら車への愛着が増した。
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やっぱり伊坂先生は面白い。
車に感情があるってだけでもうワクワクする設定。これから自分も車に乗る時はこっそり話しかけようって思っちゃいました。
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次々と起こる物騒な事件にいじめ、モラハラ。なのになんだこの平和な感じ。それもこれも車同士のイキイキしたお喋りと人への愛着心に癒されてしまうから?車の目線を介した独特の展開も面白くて読む速度はどんどん加速。本当に楽しい読書時間でした。
"僕は言葉に詰まった。これが俗に言う、「開いたボンネットが塞がらない」という感覚だろうか。"
この手の格言シリーズや電車崇拝などのアイディアは伊坂さんらしくほんと上手いなぁとニヤつきました。
そして、私の愛車は私のことどんな風に思ってるのか、想像するだけで楽しくなります。
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おもしろかった。この一言に尽きます。だからといって薄っぺらい印象は全く無くて、少し切なさやミステリアスな描写もあるから奥行きが出るんでしょうね。ページを読み進めるほど独特の世界へ連れてってくれる、これもまた伊坂さんチックな小説。伊坂さん初心者でもサクッと読める一冊だと思います。
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この家族も微笑ましいし、なんと言っても車同士が会話してるっていうのがとても愛らしい。ご近所の細見先生や安田夫人、みんな気持ちのいい人達で(玉田だってそう)それぞれに「最高!」と言いたくなる。エピローグも泣かせる。あまり出番はなかったけど、黒ニコが好き。
Posted by ブクログ
満点過ぎる作品でした。
実際は車同士が人間のように話し合うなんて
ありえないけどまるで、事実のように
車たちの特徴を捉えて会話劇を繰り広げる世界を
違和感なく作れるのは伊坂先生、凄すぎる。
人間がよく例える言葉 ことわざも車風に
アレンジされていて嬉しい。
車たちの会話だけでも、面白いのに
次々繋がる事件。色んなとこに伏線回収。
さすが伊坂先生すぎる。キャラがちゃんと
置いてかれずに1人1人、焦点が当たる回が
あるのが、良きすぎる。
享が大人っぽいのは…もしかして
郁子の旦那さんの生まれ変わりかな…って
考えたりもしました。(これは私の個人的意見。笑)
1番好きなのは、エピローグです。
絶対皆さん、エピローグまで読んで欲しい。
最後まで読み続け望月家 隣の細見家
望月家の車デミオ 細見家の車ザッパ
全員…車は全車か!笑 を好きになったからこそ
あのエピローグは名エピローグになります。
デミオが常に不安に思っていたある事が
前置きとしてあるからこそ
響くエピローグだなぁ…あれ全部考えて
小説書く伊坂幸太郎さん。凄すぎます。
大好きです。 絶対、自家用車に愛着湧くから
みんな見てくれ!笑 会話してる気がしてくるから笑
Posted by ブクログ
強く熱烈に他人に勧めたい、というよりはとにかく自分好みの作品だった。読み終わってからしばらくこの世界から抜け出せなかった。ベースがほっこりながらも人間の芯を食うような作品が、私は大好きなのである。車たちが健気で優しくて、人間み(?)もあってかわいい。主人公デミオの持ち主家族も良識のある真面目で優しい人たちで読みやすい。特に良夫と亨の会話がとても良い。
伊坂氏の作品では一貫して「渋滞」が悪として描かれるのも、著者本人の渋滞嫌いを感じて面白い。
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作者は風呂敷の畳み方が上手だと感じました。「吾輩は猫である」を現代に落し込んだ設定かと思われますが、表情豊かな車たち、また、別物の事件が後ほどリンクしているような結末は、パズルがぴたりとはまったかのような爽快感がありました。
自分の車も大事にしよう、そう思える一冊です。
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望月家の緑デミオの目線の話。随所に散りばめられた自動車ジョークが面白くてワイパー動きまくり。亨くんよかったなぁ。登場者(車)の会話がテンポよく面白いのだが、車がしゃべっていると思うとそれが増す。
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「自動車が会話する」この発想を面白く読ませるストーリーにするのは、さすが伊坂先生。自家用車がデミオ(緑ではないが)である自分としては
めちゃめちゃ親近感が湧きます。亨くんは最高だね!
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意外な展開で面白かった
古本屋で見つけて作者名だけで購入したため、何も前情報なく読んだ。そのため、冒頭から設定にビックリ。
まさかの、一人称が自家用車(緑のデミオ)。しかし車同士のおしゃべりも違和感なく、ちゃんとミステリーになっているし、どんでん返しもあって、とても楽しめた。主人公のキャラクターの影響で、事件が起きていても全体的にほんわか温かい世界観で、読後感が良いのもよかった。エピローグもほのぼの。さすが、伊坂幸太郎。
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内容は割と物騒なはずなのに何故かほっこりできる伊坂ワールド全開の作品。星4つにしたものの伊坂幸太郎作品の中で飛び抜けて面白い話ではなかった気もするが魅力的な登場人物が多かった。それから車たちがとても可愛い。
主に車たちの視点で書かれている構成によって犯人が分かった状態で読み進める倒叙ミステリーを読んでいるような神視点で楽しむことができる。(逆に言うと予想できないような大どんでん返しはなかったかもしれない)
大きな謎はスッキリ解決して終わるが、部分的に100%結論を書き切らずに読者に想像の余地を残す書き方になっていて、私はそれが良いと思ったが賛否両論ありそう。
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まだまだ読み続けたい。終わってほしくないと思った小説。幾つもの伏線を回収しながら、物語も複雑に絡み合って一つの終わりへと向かう。そこに、車から見た人々と二面性や生活、愛があった。
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車の生活が垣間見えるのが良かった。車が欲しいと思ったし、車への愛が深まる物語だった。実家のよく運転する車も大切にしよう。伊坂幸太郎らしい、魅力的な登場人物達を見てるだけでも面白いが、本作は、登場人物、車、現代の悪についての3軸が見事にマッチしているような小説だった。
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まるで自分が車になったみたいで読んでて楽しかったな。もう少し車に詳しかったらもっと楽しく読めたのだろうけど笑
多分新聞小説時代の流れなんだろうけど、区切りが細かくあってめちゃめちゃ読みやすかった!
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車同士で会話をし、車目線で物語が進んでいく不思議なお話。
自分たちの意思では進むことも止まることもできないけど、持ち主を心配したり事件に首(?)を突っ込んでみたりととにかくかわいい。
『ワイパー動いた?』や『開いたボンネットが塞がらない』など車ならではの表現が面白くて何回も見直してしまった。
ふんわりした流れからいつの間にか不穏な空気に飲まれてしまう伊坂さんの世界観はさすが。
スピンオフとか続編があれば読んでみたいなー。
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車好きにはたまらない一冊。
最初の方は世界観や設定がつかめず読み進めるのが困難だったが、三分の一を越したあたりで急展開!おもしろすぎて声に出して笑うシーンもあれば、夢中になって何時間も読み続けてしまうストーリー性もあり最高です
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望月家の緑のデミオ、通称「緑デミ」の車視点で語られながら物語が進んでいくという斬新なお話。
車視点故に、登場人物達が車に乗っているか近くに居るときじゃないと会話が聞き取れないところが最初もどかしく感じましたが、そこは隣人ならぬ隣車のザッパや、他の車達との世間話で情報を集めて話を繋げていくところがより面白さに拍車をかけています。
車好きや車に詳しい人でなくても、どこか天然が入った可愛らしい緑デミと、こちらもどこか癖のある望月家家族のテンポの良い会話できっと楽しめる1冊だと思います。
私が購入した中古文庫本は初回限定だったらしく、カバー裏面に書き下ろし番外編〈ガソリンスタンド〉が収録されていました。気になる方はそちらも是非。
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非常ーに読みやすい。登場人物や車は多く出てくるが、混乱しない。少しミステリーぽくありつつ点と点が繋がって線になり輪になっていくのがいい。
車目線の話といえばD社のカーズがある。あれももちろんわくわくするしかっこいいが、また違う。この話のいいと思ったところは現実味があって、車単体で動かないところかな!1人でに動いたりしない!!
持ち主と車の培ってきた絆、車同士のコミュニティが車の目線で伺えるので、ドラマチックだ。
車と会話できないにしろ、大切にしたい相棒なんだと思える話だった。
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さすが伊坂幸太郎。伏線の貼り方や回収が素晴らしいですね。
ただ個人的に、無機質なもの(この物語の場合は車)や、犬猫等の動物が、人間と同じレベルに感情を持っていたり、それ目線からのストーリーの進め方があまり好きではないので、その分評価が下がってしまいました。でも、楽しくあっという間に読んでしまいました。
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自分も車を買い替える時に必ず写真を撮るけど、そうしてきて良かった。
あとずっと車目線なので、
普通の小説なら知り得るところがわからなかったり、逆に知り得ないことがわかったり。そういう新しさはさすがです。
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車が喋り、車同士が会話をする。
主人の車は緑のデミオ。
初心者の良夫、小学5年生の少し生意気で大人びた弟の亨、芸能人の翠が事故にあい良夫の運転するデミオに乗り込んで来る場面から、車達の世界と良夫兄弟の慌ただしい展開を繰り広げるストーリーが始まる。
この物語の主役は亨。
生意気な小学生だ。
Posted by ブクログ
自動車が喋って狂言回しをする小説(ただし人間には聞こえず、自動車同士で会話する)…なんとも振り切った設定だが、主人公車のマツダデミオ(緑デミ)が見聴きする範囲でしかお話が進行しない(登場人物が車から離れた後の会話や行動は読者にも隠される)という独自ルールを課されたミステリーと考えると、発想の妙に感心させられる。車が人格を持つ、という設定をフルに活用すれば、もっと車種やメーカーごとの性格付けにもバリエーションをつけてこだわることもできたと思うが(そもそも車の性別?が全員男のように読めたのだが気のせいか?)、車は人間の運転するままにしか動けないので、結局は小説を駆動するのも人間だけであり、そんなことをしても一部の車好きが喜ぶだけの余計な要素ということになったのかもしれない。小説自体は見事にほのぼのとしており、個人的には謎や推理の部分よりフランク・ザッパや車の蘊蓄といった「余計な要素」のほうを楽しむ感じではあったのだが。
Posted by ブクログ
望月一家に起こる女優の車両事故、長女の彼氏経由で巻き込まれる事件、次男の学校でのイジメがその家の車視点で進んでいく。
全体的に起承転結は緩やかでドキドキ感は少々欠ける。
「耳をふさぐ」「鼓動が速くなる」のような人間の体で表現される言葉が、車の部品で表現されていて言葉遊びは面白かった。
Posted by ブクログ
珍しく車視点での話。
ただのグッドマンの良夫、可愛げのない切れ者小学生の享、憎まれ役の記者の玉ちゃん、夜回り完全防御の細見さんとザッパ、そしてこの本の主人公の緑のデミオこと緑デミ。
伊坂幸太郎さんの本は一作でもキャラへの愛着が湧く。
エピローグの「やあ、ザッパ、ひさしぶり」は痺れた。