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Posted by ブクログ
強盗に遭った女性。彼女が奪われたバッグを見つけた書店主・ローランが持ち主を探すという物語。
著者の作品は『ミッテランの帽子』が有名だそうですが私は本作が初めてでした。
大人のおとぎ話という触れ込み通り、「こうだったらいいのに」が展開され、ハッピーエンドになるくだりは心温まり、読後感もとても良かった作品です。
反面、おとぎ話と言われるのは「現実はこうはならないよな」という部分から来るものなんでしょう。
たとえば
持ち主不明のハンドバッグを書店主が偶然見つけること、
その広い主が善良な人間であること、
バッグの持ち主に辿りつくこと、
それぞれが現代社会においては「奇跡的」とも言えるもので、だからこそ「おとぎ話」なのでしょう。
とはいえ、出来過ぎた話だと批判したい訳ではなく、現実もこうであったらいいのに……とため息をついた私。
そして本書の内容から派生して、
一時期流行した「バッグの中身紹介動画」から財布を抜き取ったら、果たして持主に辿りつくだろうか? と考えたりしました。
きっと不可能に近いですよね……。
Posted by ブクログ
おしゃれなパリのミステリ要素ありの恋愛小説かな。
読書好きの方に教えてもらった本。海外小説はほとんど読まない…というか詳しくないので、面白い本に出会うと嬉しい。
なんだかいちいちおしゃれだった。
ひったくりにハンドバッグを盗まれた女性ロール。ホテルに泊まるものの頭を打っていたので、そのまま昏睡状態になってしまう。
捨てられているハンドバッグを拾った男性ローラン。警察に届けるものの混んでいて出直すように言われ持ち帰る。ハンドバッグの中に気難しくサイン会をしない作家のサイン本が入っていた。興味を持ち調べるうちに家を突き止め訪ねるが、猫の世話をしに来ていたロールの友達に彼氏と勘違いされて自分の出張中の猫の世話を頼まれる。まだ本人と出会ってもないのに家に出入りするローラン。ロールが意識を取り戻したと聞き、ハンドバッグをロールの部屋に置き、身を引く。
今度はロールがローランを探す番。
あらすじを書いてしまうと陳腐な話のようだが、文が不思議な魅力を持ち引き込まれた。
服装の描写もおしゃれ。海外小説では必ず目の色を描写される。これは日本人にはない感覚だなぁ。どんな目の色かなと思わないもん。橋本環奈ちゃんみたいに薄い色素の瞳の人なんてほとんどいないし、そういう人のみが説明の対象になる感じだろう。
鉤括弧なしで会話が次々と書かれていく感じも初めは戸惑ったが新鮮だった。
のんびりした作風に少しテンポを与える感じがする。
Posted by ブクログ
Twitterでたまたまタイトルを見かけておもしろそうと思って読んでみた
落としたバッグの中身だけを見て恋に落ちるという展開は、率直なところちょっと気持ち悪いと思った。でも、この突拍子のなさが逆に物語全体の魅力を引き立てていて、現実ではあり得ないからこそ心が惹かれる。舞台はパリ、街の情景や人々の息づかいが軽やかな文章で描かれていて、それだけで日常から少し遠い世界へ連れ出してくれる。文章のひとつひとつが洗練されていて、おしゃれな雰囲気が漂い、読みながらワインの香りがふわっと広がるような感覚さえする。大人のためのおとぎ話のように甘く、時に切なく進んでいく展開に夢中になり、気づけば最後まで一気読み。読み終えたあと、赤いモレスキンを探しに街を歩きたくなるような、不思議な余韻の残る一冊だった。
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