【感想・ネタバレ】ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

20年前に歴史の一切が“抹消”された、かつての独裁国家〈イグノラビムス〉。今や多数の企業が参入し、理想郷となったその国で、突如児童200名以上が原因不明の奇病を発症した。世界生存機関から派遣された私は、現地調査で人々の抱える闇に気づく。だが悲劇は再び目の前まで迫っていた。歴史を奪われた国に隠された衝撃の真実とは。混沌を生きる全ての人に捧ぐ、エンターテイメント超大作。

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Posted by ブクログ

歴史とは、現実であり虚構。
歴史とは、過去であり未来。
歴史とは、呪縛。

過去を“抹消”された国家、《イグノラビムス》を舞台とするSF作品。

「私」を「私」たらしめている要素とは?
土地。民族。家系。
性別。年齢。家族構成。
身長。体重。髪の色。

どれかが変わったら「私」ではないのか。
どれが欠けたら「私」でなくなるのか。

全てを白紙にしたら、人類には何が起こるのか。

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

ディストピア系。過去の虐殺の歴史を先進国から糾弾され、歴史ごとクレンジング、リネームされた国の人々、断絶させられた歴史や文化、その中で発生した子供達の奇病。国連生存機関の主人公が病気の原因を探る中で過去の文化的風習に辿り着いたり、テロと戦う展開は映画のよう。それでいて、ベースのテーマは家族関係の根深い問題や、親と子の関係
。子供は欲しいとは思えないが、親にはなりたいと思った、という最後に繋がる、壮大な物語だった。
作者が20代と知って驚いた。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

綺麗な表紙のデザインと大好きな伊坂幸太郎の帯で即決購入した本だったが、読んで大正解の一冊でした。
外国人の名前やおそらく武器の名前?みたいなのがなかなか覚えられず読み進めるのに少し苦戦したが、まるで一本の大作映画を見終わったような満足感と喪失感。

メモに残しておきたいセリフがたくさんあった。
生きる目的は何か。戦争とは何なのか。
重たく複雑なテーマをいろんな人種や宗教やバックグラウンドを持つ登場人物達から考えさせられる良書でした。
日本人の作家作品とは思えないほどの大きなスケールのお話でした。
物語もとても素晴らしい。ハリウッドとかで映画化されたらいいな。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

過去に民族浄化ともいえる大虐殺を行ったことで、国連から国を《抹消》された国家。
国民は完全にアメリカナイズされた国に住み、その《以前》のことを恥の歴史として口にすることでも罰せられる。
そんな国で突然蔓延的に起こり出した、少年少女の、意識なく横たわり食欲も消えていく発作。
中にはその発作によって亡くなる子も出てきて、
そこに国連から派遣されてきた調査団。
彼らもそこにいたるまでの人生にそれぞれに抱えてきたものがあって…

登場人物は多くないのだが、いかんせん馴染みにくい海外の名前でなかなか入ってこないが、
登場人物に慣れると、
物語は一気に進むし、世界観にどっぷり。
SFでありながら、登場人物がその思想や価値観について意見をぶつけ合うシーンが多く、こういうの好き。
自分の自我と存在意義と、そんなことを永遠と、登場人物と共に問わされて、最後にあるのは救い。
過去、未来、家族、同僚、恋人。
すべては紐と結び目。

これまで知らなかった作家さんですが、すごく良いなぁ。

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2026年02月06日

Posted by ブクログ

取っ掛りにくいかなと思ったけど、
ストーリーだけでなく、登場人物の会話、提起される問題、すごく沢山の要素が盛り込まれ、一見ばらばらのことが思考としてひとつに結ばれていく、作品自体の厚みが凄くて、良い本を読んだなと思えた。
アルフォンソの思考がベースだが、かたくなな個人の主観ではなく、色んな人の思想や人生への興味、それを経て自分の思考を常に広げていく姿勢は、読んでいる私の思考のステップにもなった。
国家や文化、大きな切り口からアイデンティティや家庭、個人的な問題、生を受けること生み出すことから目の前の人と関わること、マクロとミクロの入り交じる面白い描き方。
すごく好きな作品になったし、また読み返したいと思った。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

現代のSFのお手本のような傑作で、伊藤計劃さんを想起させた。抹消、反出生主義、疫病調査等を主軸として国と人と組織の思惑が交差する骨太なSFに仕上がっていて読み応えがある。
歴史を抹消された国で起きた原因不明の病気を調査するうちに、隠された真実に向き合うことになるアルフォンソ。彼と仲間が本当に魅力的だ
哲学や人文学の知識も盛り込まれていて、作者の描く世界観に引き込まれた。
映画一本見終わったような、何か大きな事件に携わり、それを終えたような達成感が読んだ後に残った。

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2025年12月29日

Posted by ブクログ

本書を購入した理由は帯買い!
太めの帯と伊坂幸太郎のコメントで読みたくなってしまった!!


20年前に全てを抹消された独裁国家!
全てを抹消された為、国名も言葉も文化も歴史も人々の名前も地名も全てが抹消されたため、何処の国かもわからない・・・

全てを抹消された国は【イグノラビムス】という国に生まれ変わり、全てが再定義され、人々は理想郷のように平和に暮らす。

しかし突如、児童達200名以上が原因不明の謎の奇病を発症する!!?

世界生存期間より派遣された主人公のアルフォンソ・ナバーロは現地調査で人々の抱える闇に近づく事になる!!

そして、イグノラビムスでアルフォンソ達を待ち受けるのは奇病だけではなかった・・・


色んな悩みと問題を全部突っ込んだ超絶エンターテイメント!!!!


何処の国が抹消されてイグノラビムスになったのか?
北朝鮮、日本、フィリピンとか思ったり、中東の何処か?それとも、麻薬カルテルが政治の中枢まで蔓延ってそうな南米の某国?
雰囲気はイスラム系の国ではないような気がします?
想像しながら読んでいて楽しめました!!!

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

とにかく壮大な物語でした。
個人としての生、民族としての生という重たいテーマを扱いながら、それを謎の病やテロというサスペンスで包み込み、イグラノビスという国を舞台に徹底的にリアルに描き切る、そんな物語でした。参考文献に並んだ書籍を眺めるだけで、この重奏的な物語の特色を感じることができます。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

人は皆、属性を持って産まれる。それはアイデンティティとなり、呪いとなる。歴史が〈抹消〉された嘗ての独裁国家に於いて、子供たちに起きる発作の原因は何か。現世界の延長線上にある近未来を舞台に、生命倫理と生存の円環、その他多くのテーマが扱われる。疫学調査に係る鋭利な会話劇、他者との関係性を巡る繊細な心理描写、国際的諜報譚の緊張感。面白かった。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

馴染みのない単語が頻繁に出てきたり、
症状が出てヒアリングしてる子供の名前が覚えられず
ちょっと難しいところもあったが、
全体的に読みやすく面白かった。

個人的には壮大な設定だったので
子供達の症状の原因や治療法があっさりしてて
あ、そう言う感じなのねとなったが、
この話の焦点はそこではないので...

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2025年12月06日

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