あらすじ
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
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おもしろい!
初めてアプリで小説を購入!題名に惹かれて買いました。
パソコンで管理された孤島の研究所でおきる不可解な事件。
トリックや研究所のを理解するのに必要な、パソコンやネットワークの話も(少し前の作品だからか)細かく説明がされていて、分かりやすいと思います。
また今の感覚だと、小説に出てくるようなシステムの会社は実存するあたりも、
時を経て、この作品がより面白く感じる気がします。
キャラクターも魅力的だし、奇妙な事件を通して個々のキャラクターの内面、変化が感じられるのもとても良かったです。
とにかく、気づいたら読み終わってました。
アプリ初の小説がこの作品で良かったです。
Posted by ブクログ
大学生のとき以来とかの再読。やっぱり抜群だなあ。登場人物のセリフのパンチラインがすごい。森先生、引退撤回してあと100年くらい書いててくれないかな。。。
Posted by ブクログ
天才はどこまで行っても天才で、そして孤独で。
素晴らしいミステリー小説でした。
最新テクノロジーを導入した研究施設での密室殺人。
30年前に書かれた小説とは思えない舞台設定と科学的なアビリティで、最後まで飽きずに読めた。
時代錯誤的描写は、どこでもタバコを吸えることくらいかな笑
最後の章は特に引き込まれた。
読み終わって、タバコを吸いながら読後感に浸っている時は、凡人の私でも少しだけ犀川先生とシンクロ出来た気がしました笑
Posted by ブクログ
バイト先の上司の方のおすすめで読んだ。
最後の最後まで自力では解けなかった。予想できるところはあっても、手段や動機が全部予想外。
登場人物が個性的で、難しい話でも次々読みたくなる文章力がすごい。天才がちゃんと天才。
理系ミステリー初めて読んだけどかなり面白かった。
Posted by ブクログ
・最後の最後まで犯人が誰か分からなかった。
・犯人が分かった後もなお「動機」が何なのか、結局娘は存在するのか?妹は存在するのか?最初に会った博士は誰なのか?死体は誰なのか?まで最後の9割進むまで理解が追いつかなかった。
・「すべてがFになる」という意味は、理数系ならではのキーワードとの事だったが、文系の自分にとっては新しい世界を知れました。「天才」とはこういう方々の事を言うのですね。
・作品は違いますが、東野圭吾のガリレオの湯川教授が本作に登場していたら、湯川教授もさぞ楽しかっただろうと想像しました。
Posted by ブクログ
最初から最後までワクワクする展開で満足できました。
物語が中弛みすることなく、次々に謎が出てきて犯人に翻弄されているのがすごく良かったです。
最後まで、謎が謎のままずっと味が濃くなり続け、落とし所も斬新で面白かったです。
Posted by ブクログ
「お人形がやったのです。それを私は見ていましたの。」
孤島のハイテク研究所で起こる密室殺人。どうやって殺されたのか、何故遺体が両手両足を切断されているのか、その複雑な謎に対して大学助教授の主人公が立ち向かう。往年の傑作と名高いミステリー作品。
!気に入った点
▪️今まで自分が読んだ小説よりもボリュームが多めだが、それに比例して状況描写や心理描写がしっかり丁寧に描かれている。
▪️登場人物の行動や思考にも説得力があり、特に主要な人物は読んでて好感が持てる。
!いまいちな点
▪️正直特にない。
強いて挙げるとするなら、描写が丁寧な分物語の動くスピード感みたいなものは控えめ。ただこれに関してはトレードオフかと思うので短所というには違う気がする。
!総括
長所よりも弱点の無さが際立つとてつもなく優秀な作品だと率直に思った。物語の構成、人物の描写、舞台設定、トリック、プログラミングの専門的知識、これらをここまで綺麗に纏められるのは本当に凄い。凄いというか凄まじい。これを書ききる為に作者がどれだけの心血を注いだのか気になる。自分が改めて述べるまでもないが、読む価値は絶対あると断言できるミステリー好き全員にオススメできる傑作。
とりあえず一服してこよう。
( ´Д`)y━・~~
Posted by ブクログ
最初の2人の話のノリが難しくて何度か挫折したが今回は最後まで読めた。読み進めたら慣れてくるのか難しいとは感じなくてどんどん引き込まれていった。
原点にして頂点
第一回メフィスト賞受賞作。
天才と密室、全てがFになる時。
上質な伏線と圧巻のトリックに頭をフルスイングで殴られるかのような衝撃作。
必見です。
匿名
面白かった。
とても面白かった。この作品、この作者に今まで出会わなかったことを後悔してる。
ずいぶん昔の作品だったのか。
森先生の作品を読んでいきたいと思った。
最終部分が実によくできている
途中まで半信半疑だった。
気になって先を読もうとするが
そんなに最初からどうしても
先に行きたいほどではなかった。
誰が謎を解き明かす人物かという
自分の読みも外れた。
そのことも終盤では
快かった。
最終部分を緻密に作って
いたからだったのだ。
半ば近くなって読む速度が上がった。
読後感が良かった。
人生に対する、常識を超えた
倫理的にはどうかと思うが
なるほどと思える考え方に
感心した。
終わり方にも
倫理的には正解でなくても
ある種の快哉を覚えた。
娘に勧められて
娘に勧められて、読んでみることに…
現代もののミステリーは久しぶりだったので、付いて行けるか不安でしたが、すぐに杞憂に。
文章も好みだし、登場人物も魅力的。一気に読めました。
20世紀の終わりごろって、まだ携帯電話もインターネットも一般人にはそれほど馴染みのあるものではなかったなとか、出どころの不明なフロッピーを無暗に共用のパソコンに突っ込むなとか、WSとか懐かしさを感じるものがいろいろと…
中華航空機墜落事故って、この小説が書かれた少し前だったな、とかも。
シリーズもののようで、楽しみです。
Posted by ブクログ
1996年に書かれたとは思えない。未来を完全に見通していた天才的な一冊。
正直、理系の専門用語や独特なロジックが多くて、今まで読んできた小説に比べると最初は頭に入りにくく、少し苦戦しました。自分の理解力不足か文章のクセか……と思いながら読み進めていたのですが、途中でそんな戸惑いも吹き飛びました。
何より衝撃的だったのは、この本が1996年に書かれたという事実です。
今でいうスマートスピーカー(アレクサ)のような存在や自動配膳ロボット、そして「ボーイフレンドなんてそのうちコンピュータが作ってくれる」というAI恋人を予言したかのようなセリフまで出てきます。当時としては先進的すぎたVRの概念も含め、インターネットすら一般普及し始めたばかりの時代に、現代のテクノロジーをここまで正確に先読みしていたことに恐ろしさすら感じました。
そして、物語の真相にたどり着いたときの衝撃。
自分が頭の中で「こうだ」と勝手に思い込んでいた前提や認識が、見事に足元から覆される感覚がたまりませんでした。この手の「まんまと騙される快感」がある小説が好きな自分には、最高のごちそうです。
読む人を選ぶ難解さは少しあるものの、時代を超えた先見性と、見事なミステリとしての仕掛けを味わえる大傑作でした。
Posted by ブクログ
ミステリーそのものも読み応えがあるが、この本の登場人物の心理がなかなか読み応えがある。
普遍的な考えでは良くないのだろうが、そういう解釈もあるかぁ…と思う話。
真似するものでは決してないが、生き方には色んな解釈があるのだと。
Posted by ブクログ
一番印象に残ったのは、「人間らしさとは何なのか」ということについて。
人間社会で一般的とされる価値観や感情から大きく離れている人物がいること。その人物の考え方にはあまり人間味を感じず、むしろ人間という生き物を外側から観察しているような印象を受けた。
高度な知性を持ちながら、一般的な人間の感情や常識とは異なる価値観を持っている。そのギャップが、この作品の独特な不気味さや面白さにつながっていると感じた。
ミステリとしての謎解きだけでなく、「人間は何を基準に物事を判断しているのか」「論理と感情はどこまで切り離せるのか」といったことを考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
研究所の隔離された部屋から他殺体が出てきた。「あった」ではなく、「出てきた」
色んなところで名前が出てくる評価の高い作品なので期待して読んでみた。
最初は会話が難しくて何を言っているのか訳が分からなくてなかなか進まなかったが、事件が起きてからは面白くて一気読み。そして驚愕のラスト、終盤は驚かされてばっかりだった。
ただ、人が死んでも煙草煙草、煙草吸いてぇの犀川先生と人が死んでるのにお酒、女子会で大盛り上がりの西之園さんがが全く好きになれなかった(むしろかなり嫌い)のが残念。
Posted by ブクログ
犀川好きになると思うとオススメされて読み始めました。
萌絵との掛け合いがよかった!
理系してて楽しかったです。
気になる感じで終わったので続き読みたい。
Posted by ブクログ
名前だけはずっと知っていたけど、森博嗣作ということは知らなかった。スカイクロラシリーズで森博嗣と出会った私からみると、森博嗣の違う側面?新たな面白い!作品、シリーズを見つけた気持ちでルンルンになっていた。
大学助教授の犀川、学生の西之園。この2人の掛け合いで謎を解いていく、ミステリー小説。
設定や描写がインパクトあふれる内容で心をグッと掴むには十分すぎた、、
シリーズの続き、他の作品も読みたい!
Posted by ブクログ
かなり体力を使う一冊です。
理系を感じさせる言葉が綴られている中、ところどころ思考のギアが猛上昇し、文章の勢いが一気に加速。読んでいてドキドキしました。
雰囲気や考え方には時代を感じつつも、技術に関する部分はむしろ今のほうがタイムリーに思えて、そのギャップが楽しかったです。
Posted by ブクログ
殺人には、その行為に至るための明確な理由があるものであり、読者もそれを期待している。しかし、本書で殺人を犯す真賀田四季には常人を納得させられる殺人の理由などない。
自分が15歳で両親を殺したように、娘にも同じように教育をした、つもりである。だが、娘は天才ではなかった。
そのため、娘を自分に見立てて殺害し、自身は15年ぶりに外の世界へ出ることに成功した。
自分の両親を殺害した新藤所長を、真賀田四季は屋上のヘリコプター内で手にかける。それは、四季だからであって、もしそれが道流だったら、新藤所長は納得したのだろうか。無線機とテレビ内の電波受信機で交信はしていたらしいが、四季だから殺されることにも了承したのではないか。
本棚に16以降の巻数がないことや、タイトルの「すべてがFになる」についての伏線回収はしてもらったが、西之園萌絵の両親の死について、なにか言及するのかと思ったら、特にそんなこともなく終わってしまった。よく考察すれば見えてくるのか?
全体を通して読み応えがあり、推理も面白かったが、犯行理由が釈然せずにスッキリしていないため、これぐらいの評価。
いや、犯行理由はもう「人生とはこういう流れだから」で理解するとして、納得できるような理由をつけようとしているのは、これまで推理小説を読んできて凝り固まった固定観念を打破するべきなのだろうか。
少々自分にはまだ難しかったようである。
Posted by ブクログ
真賀田左千朗
工学博士。情報工学の第一人者。
真賀田美千代
言語学者、左千朗の妻。言語学の最高権威。
真賀田四季
天才プログラマ、左千朗の娘。十四歳のときに両親を殺害した疑いで逮捕された。両手両足を切断された状態で発見された。
栗本其志雄
四季の同居人。四季の別の人格。
佐々木栖麻
四季の同居人。四季の別の人格。
真賀田道流
四季の同居人。四季の別の人格。
真賀田未来
四季の妹。
新藤清二
真賀田研究所の所長、左千朗の弟。ヘリコプター内で首の後ろをナイフで刺されて死んでいた。
新藤裕見子
清二の妻。
弓永富彦
医師。四季の主治医。
弓永澄江
看護婦、富彦の妻。
山根幸宏
真賀田研究所の副所長。研究所で十五年働いている。三十七歳。
水谷主税
主任プログラマ。
島田文子
プログラマ。
望月俊樹
野球帽の男。警備員。
長谷部聡
柔道の選手のような頑強な大男。警備員。機械工学科。
デボラ
研究所の管理システム。
ミチル
ロボット。
P1
ワゴン型ロボ。
儀同世津子
雑誌記者。
犀川創平
N大学工学部建築学科・助教授。萌絵の父の最後の弟子。
国枝桃子
N大学工学部建築学科・助手。二十八歳。勤めていた研究所を辞めて犀川の講座の助手になった。
浜中深志
N大学工学部建築学科・大学院生。バーチャル・リアリティの研究に取り組んでいる。
西之園萌絵
N大学工学部建築学科・1年生。もうすぐ二十歳。叔父は愛知県警本部のトップ、叔母は県知事の夫人。
西之園恭輔
萌絵の父。博士。N大の総長だった。飛行機事故で亡くなった。
渕田
大学院生。
川畑
学生で一番年長。
諏訪野
白髪の老人。萌絵の運転手。西之園家に三十年以上仕えている執事。
呉
中国人の留学生。女性。
其志雄
生まれてすぐに亡くなった四季の双子の兄。
森川須磨
四季がアメリカの大学や会社に行っているとき、世話をしてくれた人。交通事故で亡くなった。
畑中栄治
若い研究員。
芝池
愛知県警。
西之園都馬
萌絵の自宅で飼っているシェトランドシープドッグ。
西之園捷輔
萌絵の叔父。鷲鼻に二重瞼の日本人離れした風貌の紳士。西之園恭輔の弟。愛知県警本部長。
匿名
後半からスピード感がグッと上がっていき驚きながら読む手が止まらなかった。凄く難易度の高いミステリでした。だんだんと人間性も見えてきて、当時人物も前半とはまた違った見方ができ先生に興味が湧きました。
Posted by ブクログ
終盤の衝撃が凄まじかった……
登場人物の思想には理解し難い部分があり、でもそれはそれで作品の世界観が際立っていて。
理系of理系のような部分は難解に感じつつ、読みにくさは全くなく面白かった。理系ミステリ。
1996年発行
普通、このようなテクノロジーを扱う小説や映画は、年が経つと滑稽に思えるものもあるが、これは違った。ノスタルジーを感じる小物はあるが、大枠の設定やトリックは違和感を覚えず、20年以上も前に発行されていたなんて信じられない。犯人のトリックは、誰かが言っていた「不可能を取り除き残ったものが、どんなに信じられなくてもそれが真実だ」という本格的なものであり、タイトルにもなっている謎の言葉の意味も、説明されれば、なるほどと思える。キャラクターたちにも大変、好感が持てる。おもしろかった。
Posted by 読むコレ
面白くないわけではないけど、まあまあかなぁ…という感想。
萌絵がお嬢様すぎて、けっきょく最後まであまり感情移入できなかった(°_°)
私自身が理系人間ということもあり、トリックの種明かしの場面では頭を回転させて「なるほど!」と、ワクワクしながら楽しく読めました。
Posted by ブクログ
友達がくれた本
オシャレな装幀とタイトルで気になってたからうれぴ
結末は想像できなかったもので、天才の思想は私には理解できなかった
たぶん私のことも天才から見たら、鍵の開け閉めのみできるロボットのように無能な有機物に見られるんだろうな〜>⩊<
ゴリゴリ文系だから、何言ってんだべってなることもあるけど、ちゃんと読み飛ばさないで進んだらトリックは理解できた
自分の好きな人が、他の人に恋してるとかきつい
続編も沢山あるみたいだから読みたい
Posted by ブクログ
ある意味館系。外部連絡遮断もシステムをコンピュータ依存にさせると現代でも出来るもよう。
全てがFになるは、納得がいったので、息子が情報系勉強しだしたら薦めてみたい。
長く、会話にはちょっと冗長な部分もあるイメージなので★3。
Posted by ブクログ
前評判の期待が大きすぎたか、個人的にはまあまあ。分厚い文章量を一気に読みたくさせる文章力はすごい。登場人物には変わった人が多い印象。
Posted by ブクログ
ミステリー小説のおすすめに必ずと言っていいほど出てくるこの本。
面白い・・・のか?
何だろう読み終わった時のこのモヤモヤ感。
孤島で密室だし、キャラクターも嫌いじゃないし。
密室トリック的なものもちょいと難しいけど、なるほどね、ってなった。
でも終盤の謎解き辺りから「は?」って理解が追いつかなかった。
理系ミステリと言われてるだけあって、感情的な描写が少なかったからかな?
最初から最後まで淡々と進む感じ。
謎を解く側にも犯人側にも感情移入出来なかった。
天才ってこういう思考なのかしら?
Posted by ブクログ
最初から最後まで難しかった…
文章は読みやすくてサクサク進められるし、情景も思い浮かぶけれど、いかんせん私が文系だからなのか、天才同士の会話に終始置いて行かれている感じがした。
とはいってもストーリーが退屈だったわけではなく、多分こういう楽しみ方で合ってるんだろうなという感じはする。
登場人物全員がもれなく優秀で頭がいい、その中でもメインキャラクターは全員天才、その天才たちが作り上げた、外界から切り離された理想的な研究施設というちょっぴりSFチックな世界観と天才同士のオシャレなセリフの掛け合いを、「ほえ~すげ~」と楽しむ作品なんだと思う。
その分、没入感はあまりなく、傍観する感じに近い。
ただ、そういう構成だと私の場合途中で飽きてしまって読み切れないことが多いのに、最後まで読み切れたのは文章の読みやすさと先が気になるストーリー展開だからだと思う。
Posted by ブクログ
初の森博嗣さんの作品。
気になっていたので読めてよかった。
頭の良い人が書いた小説というのが1番の感想。
色々なミステリーを読んできたつもりだけれど、
やっぱり密室となると一気に口角が上がりますよね(?)
Posted by ブクログ
真賀田四季博士ってちょっと人間臭い
近親相姦も、不服従の娘を殺すのも、都合が悪くなって山根を殺すのも、全部が人間臭い
読者が初めて相対した真賀田四季は機械的で、無機質な、まさしく天才の像だった
そんな彼女が奇妙な死体となった時ですら、事件の異常性から真賀田四季の像は揺るがなかった
しかし、ラストにかけて真相が判明していくにつれ、彼女の鋼鉄のメッキは剥がれていく
彼女の天才的犯行が明るみになるほど、徐々に彼女が人間に見えてくるから不思議だ
コンピュータ関係が時代的に古いものであるというのも大きいかもしれないが、数々の犯行は至ってシンプルで、そして若干の疑問点が残り、そして逃走劇すらも人間のそれでしかない
(疑問点というのは、15歳で妊娠した少女がたった一人の医師(所長)の数回の訪問のみで出産・育児を成立させられるのか、オムツや幼児食やミルクが届いていたという記録が無いのはどうしてか、など。私が見落としているだけかも…?)
そしてこの小説の最もノイズとなるのは、もう一人の主人公である西之園萌絵の恋愛描写だ
これは超個人的批判点なのだが、私はミステリーで探偵役に恋愛要素が絡むことを嫌っている
そこにエンタメ性を求めていないからだ
だが、この作品では冒頭のインタビューから既に恋愛要素が提示されていた
この要素が折角の真相解明にも纏わりついており、またライバル疑惑のある儀同への嫉妬の描写も挟まることで真相解明のノイズになっていた
今読みたいのは西之園君の恋模様じゃない!女の醜い嫉妬じゃない!純粋に事件の謎に集中したいのに!邪魔!と、苛々してしまったのである
また、恋愛要素の弊害は別の部分にも生じた
そう、真賀田四季がヒロイン化したのだ
真相を掴んだ犀川を認め、VRの世界で2人きりで過ごし、人魚の姿になって不思議な魅力を醸し出し始め、ラストには態々生身で会いに来た
これはもう完璧に人間に堕ちた、否、もはや萌えキャラにまでランクダウンしてしまったのだ
最強の犯人である真賀田四季は、天才性が立証される(犯行が明るみになる)ごとにチープな存在へと成り下がっていくのだ
やだやだ!天才キャラには神秘性が欲しい!身近な存在であって欲しくない!こんなの真賀田四季じゃないもん!犯人系ヒロインだもん!
本書を閉じた際に一番感じたことである
展開も面白く、設定もユニークで、キャラクターも個性があり、謎も真相も完成度の高い作品であるはずなのに、何故か不満が止まらない
私にとってはそんな作品だった
※勝手な妄想だが、真賀田四季には是非ともVRと現実の対比によって仮想現実の世界で永遠の生命を手に入れる、とかそういうserial experiments lain的な犯行をして欲しかった
犀川はそんな真賀田四季の思想に共感する天才性のある人物で、西之園萌絵は真っ向から否定するという対比関係を描いてみたら面白そうだった