あらすじ
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
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Posted by ブクログ
様々なミステリーを読んできたが、1番面白かった。
まず謎が謎すぎる。内容が少し理系チックなのもあって文系の僕からしたら、内容はわかるがなぜそれを小説内に書くのかが全く理解できなかったこともあって
謎が謎を呼ぶ展開であった。ゲーム、地下室、博士、
ロボ、孤島、システム、そして博士の過去の事件。全部が繋がっていた。そこがとても綺麗だった。博士が起こした殺人のわけも信じられないレベルのものであった。博士は15歳で親を失っている。つまりこの人の常識では、親は子供が15歳でなくなるもの。ここの部分の鳥肌は信じられないくらいであった。また博士の行動の指針が地球の環境問題という復讐てきな立ち位置ではないのがまた読み終わりがすっきりであった。
Posted by ブクログ
推理パートがあまりにも面白くて手が止まらなかった。これまで謎とされていた事が一つずつ、そして正確に紐解かれていく様が気持ちよくて自分も頭が良くなったと錯覚するほどだった。
森博嗣先生の作品を初めて読んだがここまで面白いとは。正直前半くらいは難しい言葉や口調もあって??が浮かぶ時はあったが、慣れてくると気持ちよく読む事ができた。
S&Mシリーズ、全て読んでみたいと思える一冊だった。
娘に勧められて
娘に勧められて、読んでみることに…
現代もののミステリーは久しぶりだったので、付いて行けるか不安でしたが、すぐに杞憂に。
文章も好みだし、登場人物も魅力的。一気に読めました。
20世紀の終わりごろって、まだ携帯電話もインターネットも一般人にはそれほど馴染みのあるものではなかったなとか、出どころの不明なフロッピーを無暗に共用のパソコンに突っ込むなとか、WSとか懐かしさを感じるものがいろいろと…
中華航空機墜落事故って、この小説が書かれた少し前だったな、とかも。
シリーズもののようで、楽しみです。
Posted by ブクログ
殺人には、その行為に至るための明確な理由があるものであり、読者もそれを期待している。しかし、本書で殺人を犯す真賀田四季には常人を納得させられる殺人の理由などない。
自分が15歳で両親を殺したように、娘にも同じように教育をした、つもりである。だが、娘は天才ではなかった。
そのため、娘を自分に見立てて殺害し、自身は15年ぶりに外の世界へ出ることに成功した。
自分の両親を殺害した新藤所長を、真賀田四季は屋上のヘリコプター内で手にかける。それは、四季だからであって、もしそれが道流だったら、新藤所長は納得したのだろうか。無線機とテレビ内の電波受信機で交信はしていたらしいが、四季だから殺されることにも了承したのではないか。
本棚に16以降の巻数がないことや、タイトルの「すべてがFになる」についての伏線回収はしてもらったが、西之園萌絵の両親の死について、なにか言及するのかと思ったら、特にそんなこともなく終わってしまった。よく考察すれば見えてくるのか?
全体を通して読み応えがあり、推理も面白かったが、犯行理由が釈然せずにスッキリしていないため、これぐらいの評価。
いや、犯行理由はもう「人生とはこういう流れだから」で理解するとして、納得できるような理由をつけようとしているのは、これまで推理小説を読んできて凝り固まった固定観念を打破するべきなのだろうか。
少々自分にはまだ難しかったようである。
Posted by ブクログ
真賀田左千朗
工学博士。情報工学の第一人者。
真賀田美千代
言語学者、左千朗の妻。言語学の最高権威。
真賀田四季
天才プログラマ、左千朗の娘。十四歳のときに両親を殺害した疑いで逮捕された。両手両足を切断された状態で発見された。
栗本其志雄
四季の同居人。四季の別の人格。
佐々木栖麻
四季の同居人。四季の別の人格。
真賀田道流
四季の同居人。四季の別の人格。
真賀田未来
四季の妹。
新藤清二
真賀田研究所の所長、左千朗の弟。ヘリコプター内で首の後ろをナイフで刺されて死んでいた。
新藤裕見子
清二の妻。
弓永富彦
医師。四季の主治医。
弓永澄江
看護婦、富彦の妻。
山根幸宏
真賀田研究所の副所長。研究所で十五年働いている。三十七歳。
水谷主税
主任プログラマ。
島田文子
プログラマ。
望月俊樹
野球帽の男。警備員。
長谷部聡
柔道の選手のような頑強な大男。警備員。機械工学科。
デボラ
研究所の管理システム。
ミチル
ロボット。
P1
ワゴン型ロボ。
儀同世津子
雑誌記者。
犀川創平
N大学工学部建築学科・助教授。萌絵の父の最後の弟子。
国枝桃子
N大学工学部建築学科・助手。二十八歳。勤めていた研究所を辞めて犀川の講座の助手になった。
浜中深志
N大学工学部建築学科・大学院生。バーチャル・リアリティの研究に取り組んでいる。
西之園萌絵
N大学工学部建築学科・1年生。もうすぐ二十歳。叔父は愛知県警本部のトップ、叔母は県知事の夫人。
西之園恭輔
萌絵の父。博士。N大の総長だった。飛行機事故で亡くなった。
渕田
大学院生。
川畑
学生で一番年長。
諏訪野
白髪の老人。萌絵の運転手。西之園家に三十年以上仕えている執事。
呉
中国人の留学生。女性。
其志雄
生まれてすぐに亡くなった四季の双子の兄。
森川須磨
四季がアメリカの大学や会社に行っているとき、世話をしてくれた人。交通事故で亡くなった。
畑中栄治
若い研究員。
芝池
愛知県警。
西之園都馬
萌絵の自宅で飼っているシェトランドシープドッグ。
西之園捷輔
萌絵の叔父。鷲鼻に二重瞼の日本人離れした風貌の紳士。西之園恭輔の弟。愛知県警本部長。
Posted by ブクログ
未来を先取りした技術が随所に。今の私達から見ると当たり前の技術ですが、この本の初版は画期的な技術だっただろうなと思いました。
トリックもまさかまさかので、全て真賀田四季の掌で踊らされていたというのが衝撃的でした。大学の人が帰る時、一瞬未来さんかな? と思いましたが、四季本人だったとは。
星4はやたらと展開が遅い事かな。長かったけど面白かったです。
Posted by ブクログ
初めて森博嗣さんの本を読みました。
動機やトリックが凡人の私には全く予想できず…。
とても面白かったので、S&Mシリーズを読み進めていきたいです。
30年前に書かれたとは思えないほど研究所がリアルに描かれていて、本当にどこかの孤島にありそうな雰囲気を感じました。
初めから、ずっとFってなんだろう…って考えていたけどこんなの考えても分かるはずなかったです。
萌絵の素直で無邪気な部分がとても魅力的で、そんな萌絵と犀川先生との関係性がとても好きでした。
Posted by ブクログ
“Fになる“の意味、何進法やらの数学的知識を駆使しないと到底思いつきもしないので分かる訳無かった。非現実的で共感されるやり方ではないが、四季さんは天才なのでその辺もぶっ飛んでいるということなのだろう(生死に関する価値観が独特だったので。そもそも生きていることの方が異常だとかいう)。
キャラクターも立っていて良かった。犀川先生と西之園ちゃんもいいけど研究所のメンバーも個性派で面白い。島田文子さんがとくに好き。
Posted by ブクログ
今までにないタイプの密室殺人だった…!
確かに、完全に隔離されているからこそ可能になるというか、なんというか…まさに目から鱗!
島田さんがあることに気づき顔面蒼白…!
みたいな場面で、もう少し自分の頭が良かったら(当方文系)、同じように驚き、慄くことができたのに!!と悔しかったです。
それぐらい面白かった。
動悸とか人間ドラマがもう少し深掘りされると嬉しかったけど、あまり多くを語るのも無粋なのかな。
一人称視点ではないので、登場人物の思考が詳しく描かれるわけではないけど節々の会話から皆さんの思考が垣間見えて興味深かった。
マイナスポイントとしては萌絵のキャラクター設定かなぁ。
犀川先生といる時は特に気にならないけど、他の学生といる時にあまりにも異質すぎて…。
キャンプに日傘は、ね。
生粋のお嬢様だから仕方ないかもしれないけど、お友達いなさそうだなぁって、女性からするとあまり魅力的な方ではなかったなぁって。
作者様は愛知出身ということで、同じく愛知出身の身としてはこんなにすごいが地元から輩出されていることが嬉しいですね。
東海高校&名古屋大学卒はエリートオブエリート。
Posted by ブクログ
真賀田四季博士ってちょっと人間臭い
近親相姦も、不服従の娘を殺すのも、都合が悪くなって山根を殺すのも、全部が人間臭い
読者が初めて相対した真賀田四季は機械的で、無機質な、まさしく天才の像だった
そんな彼女が奇妙な死体となった時ですら、事件の異常性から真賀田四季の像は揺るがなかった
しかし、ラストにかけて真相が判明していくにつれ、彼女の鋼鉄のメッキは剥がれていく
彼女の天才的犯行が明るみになるほど、徐々に彼女が人間に見えてくるから不思議だ
コンピュータ関係が時代的に古いものであるというのも大きいかもしれないが、数々の犯行は至ってシンプルで、そして若干の疑問点が残り、そして逃走劇すらも人間のそれでしかない
(疑問点というのは、15歳で妊娠した少女がたった一人の医師(所長)の数回の訪問のみで出産・育児を成立させられるのか、オムツや幼児食やミルクが届いていたという記録が無いのはどうしてか、など。私が見落としているだけかも…?)
そしてこの小説の最もノイズとなるのは、もう一人の主人公である西之園萌絵の恋愛描写だ
これは超個人的批判点なのだが、私はミステリーで探偵役に恋愛要素が絡むことを嫌っている
そこにエンタメ性を求めていないからだ
だが、この作品では冒頭のインタビューから既に恋愛要素が提示されていた
この要素が折角の真相解明にも纏わりついており、またライバル疑惑のある儀同への嫉妬の描写も挟まることで真相解明のノイズになっていた
今読みたいのは西之園君の恋模様じゃない!女の醜い嫉妬じゃない!純粋に事件の謎に集中したいのに!邪魔!と、苛々してしまったのである
また、恋愛要素の弊害は別の部分にも生じた
そう、真賀田四季がヒロイン化したのだ
真相を掴んだ犀川を認め、VRの世界で2人きりで過ごし、人魚の姿になって不思議な魅力を醸し出し始め、ラストには態々生身で会いに来た
これはもう完璧に人間に堕ちた、否、もはや萌えキャラにまでランクダウンしてしまったのだ
最強の犯人である真賀田四季は、天才性が立証される(犯行が明るみになる)ごとにチープな存在へと成り下がっていくのだ
やだやだ!天才キャラには神秘性が欲しい!身近な存在であって欲しくない!こんなの真賀田四季じゃないもん!犯人系ヒロインだもん!
本書を閉じた際に一番感じたことである
展開も面白く、設定もユニークで、キャラクターも個性があり、謎も真相も完成度の高い作品であるはずなのに、何故か不満が止まらない
私にとってはそんな作品だった
※勝手な妄想だが、真賀田四季には是非ともVRと現実の対比によって仮想現実の世界で永遠の生命を手に入れる、とかそういうserial experiments lain的な犯行をして欲しかった
犀川はそんな真賀田四季の思想に共感する天才性のある人物で、西之園萌絵は真っ向から否定するという対比関係を描いてみたら面白そうだった
Posted by ブクログ
全てがFになる
最初の西之園萌とマガタ博士の無駄が無く緊張感のある分析的な会話
犀川博士の厭世的で俗物と非合理を冷笑しながらタバコとコーヒーを嗜んだり、
西之園萌の天才世間知らずお嬢様というコテコテのキャラが犀川に素直な恋心を抱いたり、
自由人で個性的な研究所の面々、
会話とキャラクターの個性が良かった
村上春樹のセックス抜きをもう少しライトに現実的にしたような読後感
会話にはエヴァンゲリオンのミサトさんとカジさん辺りの倦怠感のあるものを感じた
孤島に15年間閉じ込められた博士が、自らの体を動かして親を刺させて来た叔父の子を出産し、それを自分の死体として偽造し逃げ遂せるという謎解き要素を破壊した展開や、いつの時代に書かれたのか分からないが恐らく時代を先取りしているコンピュータの描写
ストーリーもキャラクターも文体も、全てをファンタジー手的な雰囲気小説として読めた
孤独感が酷く、他人の愛情やぬくもりや感情を手軽に本から感じ取りたい時には丁度いい気がする