グリフィスの傷

グリフィスの傷

1,760円 (税込)

8pt

からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」

……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

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グリフィスの傷 のユーザーレビュー

3.8
Rated 3.8 stars out of 5
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    Posted by ブクログ

    『きず』に纏わる10篇
    「すばる」2022-2023年連載作

    実際の身体の傷と、心に受けた傷が交差し、
    複合的な痛みになり、それぞれの主人公の辛さを増す ちりちりして、苦しい

    いじめ、セックス、レイプ、不倫、パワハラ、
    自傷、殺人未遂、親との確執、顔の美醜と整形、、、

    『この世のすべての』

    0
    2025年01月11日

    Posted by ブクログ

    傷をめぐる10本の短編集。怪我であったり、心の傷であったり、刺青であったり、自傷による傷であったり。
    千早さんの本は、登場人物の心のゆらぎ、うつろい、抱えているものを様々な手法で表現してくれる。短編でありながら、どれも味わい深い。今回もプティ・フールのような物語だった。

    一年の最後に読む本が、この

    0
    2024年12月31日

    Posted by ブクログ

     傷について改めて考えてみると、見えるものもあれば、見えないものもある。生じた背景も事件、事故、自傷等、原因も様々だ。ここには、そうした色々な角度からの傷があり、テーマは同じなのに、十もの物語が紡がれており、レパートリーの多さに敬服した。
     中には、刺青のお話があり、あおたんと表する女の子がいた。ど

    0
    2024年11月06日

    Posted by ブクログ

    あらゆる「傷」に関する10の短篇集。
    ひとつひとつが短く、だけど衝撃は強め。
    「傷」にもさまざまある。身体の傷、心の傷、そしてそのふたつの傷が同時につく場合もある。
    場合も、というか、連動することのほうが多いのかもしれない、と読んでいて思った。

    クラス内でのいじめによる傷、過去の背徳的な恋愛でつい

    0
    2024年10月10日

    Posted by ブクログ

    ズキズキした。ゾワゾワした。ここに描かれる人々が、誰ひとりとして、私の想定範囲内に留まらなかったことが、心地よい読後感を与えてくれた。
    短編なのに、圧倒的で重くてたくましい。

    0
    2025年01月06日

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