グリフィスの傷

グリフィスの傷

1,760円 (税込)

8pt

からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」

……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

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グリフィスの傷 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    傷ー痛みを伴う。身体に刻まれるものもあれば、魂に刻まれるものもある。傷のない人間なんていない。でも他人から見たら、その傷は分からない。そんなお話を10個集めた短編集。

    艶やかで、それでいて澄んでいる。境界線がくっきりと浮かぶ話が多かった。
    その中での「この世のすべての」の話は特徴的だった。でも、他

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    グリフィスの傷とは…
    見えない傷のこと。

    p115
    ガラスは仕方がないからって言った。
    ガラスは本当はとても頑丈だけど、目に見えない傷がたくさんついていって、何か衝撃を受けた時に割れてしまうものだって。あなたが割ったように見えるけど、いままでの傷が積み重なった結果だから気にしなくていいのって。そう

    0
    2025年09月09日

    Posted by ブクログ

    「傷」がテーマの短編集。
    短編でも更に短い短編だった。
    けれど、それぞれの中に、重くて深い長編が綴られていた。

    竜舌蘭の棘だったり、リスカだったり、不慮の事故、犯罪被害などなど、体に付いた様々な傷。
    刺青のように、自ら傷をつける人もいる。
    見た目は分からなくなった傷跡も、心の中に小さな、あるいは深

    0
    2025年09月04日

    Posted by ブクログ

    目を背けたくなるような傷。誰かの傷だったり、私自身の傷だったり。無垢で傷のない人間なんていない。もちろんそれは身体に付く見える傷だけではなく、心無い言葉なんかで心が傷ついてしまうこともある。

    忘れて前に進むことだけが"治癒"じゃない。
    いつかは消えて無くなって忘れてしまうことも

    0
    2025年09月03日

    Posted by ブクログ

    2025.5.7〜2025.5.10
    メンタルが不安定で、とにかく優しい本が読みたいと思った時に、本棚にあった中で1番最初に目に入った本をチョイス。
    内容はあらゆる「傷」がテーマの短編集。登場人物に沢山愛着を持ちたいタイプなので短編集って実は苦手なのですが、最初の作品を読んだ瞬間「この作家さん、めち

    0
    2025年05月10日

    Posted by ブクログ

    表題を含む、【傷】をテーマにした短編集。千早さんの書く感情、情景がより好きになった1冊。最後の『まぶたの光』が1番印象に残った。ストーリー全体がキラキラしていて、瑞々しくどこか切なくてよかった。

    0
    2025年11月04日

    Posted by ブクログ

    傷をめぐる短編集。体の傷だったり心の傷だったり。
    幼い頃の額の傷にまつわる『慈雨』がとても良かった。気づいたら涙が出ていた。
    千早茜さんの本で、主人公が最初から母親って今まで読んだ中ではほぼなくて新鮮な感じがした。
    『あおたん』の刺青の話では『桜の首飾り』を思い出した。
    千早さんの本全部読みたいキャ

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    傷跡にまつわる短編集。
    傷はほぼ確実に身体的な痛みを伴うし、傷跡はそれを忘れさせてくれない。
    登場人物たちは、日々の暮らしの中で傷跡にいつまでも翻弄されたり、逆に希望に気づかされたり、その様子がとてもリアルで生々しかった。

    0
    2025年09月30日

    Posted by ブクログ

    じんじんと重くしみ込んでくるような痛みの傷をめぐる短編集。傷を抱えて生きていく、なんて言うのは簡単だけど、悲しみ、怒り、憎しみ、愛おしさなど、傷に伴う感情によっては胸を抉られるような向き合い方を選ぶ場合もある。なかなかしんどい気持ちになる一冊だった…

    0
    2025年05月29日

    Posted by ブクログ

    目に見える傷、見えない傷、単純に、そんな物語の本だろうと思って、読んでみたが、なんだか、もっともっと奥深い部分をえぐられるような、物語だった

    他人を傷つける人、自分を傷つける人、
    どちらも、どこに感情をぶつけていいのか、わからないのだろうと思うが、人の世には、どうしようもないことなのだろうな


    0
    2025年05月05日

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