【感想・ネタバレ】グリフィスの傷のレビュー

あらすじ

からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」

……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

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『きず』に纏わる10篇
「すばる」2022-2023年連載作

実際の身体の傷と、心に受けた傷が交差し、
複合的な痛みになり、それぞれの主人公の辛さを増す ちりちりして、苦しい

いじめ、セックス、レイプ、不倫、パワハラ、
自傷、殺人未遂、親との確執、顔の美醜と整形、、、

『この世のすべての』
近な加害動物は一匹でも減らしたいの、痺れた

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2025年01月11日

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傷をめぐる10本の短編集。怪我であったり、心の傷であったり、刺青であったり、自傷による傷であったり。
千早さんの本は、登場人物の心のゆらぎ、うつろい、抱えているものを様々な手法で表現してくれる。短編でありながら、どれも味わい深い。今回もプティ・フールのような物語だった。

一年の最後に読む本が、この本でよかった。

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2024年12月31日

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 傷について改めて考えてみると、見えるものもあれば、見えないものもある。生じた背景も事件、事故、自傷等、原因も様々だ。ここには、そうした色々な角度からの傷があり、テーマは同じなのに、十もの物語が紡がれており、レパートリーの多さに敬服した。
 中には、刺青のお話があり、あおたんと表する女の子がいた。どちらの発想もなかったので印象に残っている。

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2024年11月06日

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あらゆる「傷」に関する10の短篇集。
ひとつひとつが短く、だけど衝撃は強め。
「傷」にもさまざまある。身体の傷、心の傷、そしてそのふたつの傷が同時につく場合もある。
場合も、というか、連動することのほうが多いのかもしれない、と読んでいて思った。

クラス内でのいじめによる傷、過去の背徳的な恋愛でついた傷、犯されることで負ってしまった傷、夫の愛人に刺し殺されかけたときについた傷…そういう傷に、またべつの(他者のものであったりとか)傷が重なる、言い方は変だけど、「傷のコラボレーション」のような物語群だった。

自分自身、からだの一部に消えない傷を負ったことがある。心のほうもあるだろうけど、目を逸らしたままのほうが楽でいられる傷もあるし、複合的な積み重ねにより生まれてしまう傷もある。
時間の経過によって徐々に薄れる場合と、強いトラウマによってなかなか薄まらない場合とがある。
向き合うことで克服できる傷もあれば、向き合ってしまうことでその人を殺してしまうかもしれない傷もある。
色んな種類の「傷」の物語を読みながら、自分の傷、そして人の傷について思った。
静かで、痛くて、美しい小説でした。

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2024年10月10日

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ネタバレ

【あらすじ】
からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」

……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

『人は人の痛みに気づかないから。血が噴き出すまでは。』

『傷つけている意思もないまま誰かを傷つけた時にどうやって謝り、どう自分を納得させて生きていくのか。人は驚くほど、人の痛みに無自覚なのだ。』

『『なんでもいい』と言えるのって安心なんですよね。それを、困るよと叱られる安心、なんだかんだ決めてもらえる安心。3つの安心を確認しているんだなって。』

『傷痕を消しても、記憶は消えません。あなたの腕に刻まれた傷の数だけ、いやきっと、もっとたくさん、あなたは言葉の暴力を浴びました。その見えない傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、私はずっと祈り続けます。』

『傷つけられた本人は忘れている。でも、傷つけたほうは覚えていて、見るたびにその体に残る傷痕を探してしまう。どんなに薄くなっても、後悔の味はそのたびによみがえるのだろう。哀れだけど、優しい痛みに思われた』

『傷なくして生きていくことが不可能だと分かっていても、祈ってしまう気持ちを私は知っている。』

【個人的な感想】
やっぱり千早さんの書く文章が好きだと思った。
『結露』『グリフィスの傷』『慈雨』が特に好きだった。

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2024年09月23日

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ネタバレ


「傷」をめぐる短編集。身体の傷、心の傷…傷といっても様々で、10つの物語全てが濃厚だった。

「この世のすべての」を読んで結末にああ…とやるせない気持ちになると同時に、心の傷に対する理解の浅さを痛感。
何を持って「癒えた」というんだろうか。痛みに寄り添うとはなんだろうか。

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2024年09月22日

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ズキズキした。ゾワゾワした。ここに描かれる人々が、誰ひとりとして、私の想定範囲内に留まらなかったことが、心地よい読後感を与えてくれた。
短編なのに、圧倒的で重くてたくましい。

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2025年01月06日

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傷痕を見ると、それができたストーリーを人は想像する。傷=ネガティブなもの、あってはならないもの、から発展させて、可哀想な人、自業自得、罰とか。
それから発せられる心の痛みも想像する。傷をつける悪意、つけられた遺恨、寂しさ、虚しさ。傷が生まれた意味を知ろうとする。
傷をもちつつ日々を送っていく、とても静かだけど深い話がどっしり詰まってた。さらっと読めるけど読み応えのある本。
『グリフィスの傷』が、特に面白かった。

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2025年02月23日

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ちょっと久しぶりの千早茜さん。好きな作品の多い作家さんですが、こちらもかなりタイプのお話でした。
10章の短編集で各章20ページくらいの短さですが、濃密な世界観なのでもっとボリュームを感じました。
全話に共通したテーマが「傷痕」。テーマのイメージ通りの悲しい話・怖い話もありますが、優しくて温かいお話も。『慈雨』が一番好きかな。「自分が忘れてしまった傷を覚えている人がいる。そんな安心感がこの世にはあるのだーーー」(147P)

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2025年02月17日

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それぞれが持つ目に見える傷、人に言えない、知られたくない傷も、他人に話すことで癒されることもある。見えるもの、見えないもの、振り帰れば自分にも幾つも傷があり、人を傷つけてきた。
この作品でも千早茜さんは、深いところに刺さってきた。
装丁の色、中表紙の色も惹かれる。

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2025年01月26日

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「傷」に纏わる短篇集です。
私の傷は何だろう…と読み終わった後にふと考えさせられました。
目に見えない傷も、身体に刻まれた傷も、覚えてる傷には何かの感情がある。刻印のような、痛くない傷も含め、色んな傷を思い出しました。

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2025年01月08日

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最近ハマっている千早茜さん。
「傷」をテーマにした短編が10作品。1つ1つが短めなので、サクッと読めました。瑞々しくて、のびのびした文体が多く、読みやすかったです。
「傷」の記憶。しみじみと感じるものがありました。

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2024年12月02日

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ネタバレ

傷がテーマの短編集。千早さんの文章ってキレイで品があるから好き。どれもよかったけど慈雨が好き。自分が忘れてしまった傷を覚えている人がいる、がなんかじんとくる。

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2024年11月30日

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ネタバレ

傷をめぐる物語
傷跡といえど様々、けが、事故、自傷行為、手術跡、見えなくなった傷、心に残り続ける傷、誰かにつけられた傷、忘れてしまっていた傷…、そこから物語られるストーリー。

千早さんの小説は今回が初めて読む作品でした。千早さんの描く中年男性はやけにリアルで文章から加齢臭が漂ってくるようでした。
傷というのは負の印象だけではない、時により救われる傷、生きているという勲章にもなる。死んでしまえば身体に刻まれた傷さえも消えてしまう…、傷が今存在しているということは生きているということ。
なぜ傷ができたのか…、他者へのアイデンティティとなり、自分への記憶でもある。

短編それぞれのどのタイミングで傷の話が出てくるのか気になり、どんどん読み進めてしまいました。
誰しも生きていれば大なり小なり傷というのは負ってしまう、たとえ消えてしまったとしても、見ることのできない心の傷でも。自分の負った傷や家族の傷、そのときの思い出や感情がよみがえってきました。

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2024年10月25日

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手にとった時、随分薄い本だなと思った。
けれど、中身は充分厚かった。
傷をテーマに幾つもの短編。哀しみや切なさがたくさん含まれているけれど読後はなぜかすっきり。

自分自身の傷痕を久しぶりにみたけれどわたしはもうすっかり癒えていた。


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2024年10月06日

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切傷に裂傷に咬傷に熱傷に刺傷に火傷に刺青?に、とにかく傷だらけのオムニバス。どうにも痛々しい物語が連なる。ところがそれぞれ傷痕を抱く本人たちは、過去にとらわれ過ぎずに案外と前向きに現在を生きている。むしろ傷痕を生きていくひとつの糧にしているところもあって感心する。リスカとて死ぬ気がどうこうよりも、そのリスカ跡が自分の心の傷を具現化してくれて救われるってな、まあ上手く表現できないながらも分かる気がする。と、こうした物語になる傷群はともかく、今年の私は老齢を感じる転倒で深傷を負っている。先日も墓参でよろけて…

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2024年09月27日

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「傷」にまつわるお話。身体についた見える傷や見えない傷、心の傷。
小さかった娘の顔に傷を負わせた父は、娘と向き合えずにいた。傷など忘れていた娘は、そんな父は自分を愛していないとずっと思ってきた。ある日、母から父がずっと傷を負わせた娘にすまないと思っている事を聞き、父は自分に興味がないのではなく娘にすまない気持ちがあったのだ、自分はずっと愛されていたのだと知る。
「慈雨」が一番良かった。
「まぶたの光」も好きだ。

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2024年09月26日

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基本的に傷は負いたくないし、何かを傷つけたくもないけど、傷に関わらずにいられる人なんていないよなと思います。
傷ってデリケートな話題だから誰かと話すこともあまりないけど、それでも傷なら「大丈夫?」とか「どうしたの?」とか聞けるのに傷跡って傷ついてからある程度時間が経っているので触れちゃいけない感じでミステリアスですよね。ネガティブ寄りな題材だけど私はするすると読めました。違うタイミングで読んだら刺さり方も変わりそう。

最後のまぶたの光が好きでした。傷の種類によっては怖かったです。(特に切断の傷)

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2024年09月24日

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痛いです。読んでてまるで自分が痛いような感覚におちいりました。足がむずむずする、読み進めたいのに読むのが痛いって感じでした。

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2024年09月19日

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グリフィスの傷=ガラスについた目に見えない傷。
見えない傷が蓄積し、ガラスは割れる。
壊れるまで、血を吹き出すまで気づいてもらえない傷がこの世にはたくさんあるのだと気付かされました。

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2024年09月15日

Posted by ブクログ

傷にまつわる短編集。文章は綺麗だがそれぞれの作品が短すぎてあまり心に残らなかった…。怪我の描写が多く痛々しい。
「妻は僕の傷口だから」なんてリアルで言う人がいたら別の意味で痛すぎてビビってしまう。小説でもリアリティは欲しい。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

傷に纏わる短編集。
目に見える傷、見えない傷。
誰にでも一つはあるであろう。
傷は軽いものから一生消せないものもある。
傷とともに、その時の状況や感情も身体に刻み込まれている。
これらの短編は、読んでいてあまり気分の良いものではなかった。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

様々な傷痕と、それを持つ人たちの物語。希望を持たせて終わった話も、後味が悪い話もあったけれど、どれも面白かったです。

表題の「グリフィスの傷」。この言葉の意味を知った時、「もしその傷を可視化できたら、人は他人に対してもっと優しくなれるのかなぁ」と考えたけれど、多分そうしたらそうしたで、新たな悪意や偽善に晒されることになるんでしょうね。
あと、自分の耐久値みたいなものを知ってしまったら余計に辛いかもしれない。そう考えると、見えない傷は見えないままの方がいい。それで救われている部分もあるのかもしれない、と思いました。

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

身体に刻まれた傷にまつわる10の短編集。
どのお話も短くあっという間に読み終えてしまったが、一編ごとにじんわりとした余韻が残る。
読みながら疼くような感覚を覚えてしまう、痛々しくも瑞々しい文章。身体の傷と同じように心の傷がチクリと痛み、背中がざわつくような、千早さんの繊細な表現が美しかった。

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2024年11月16日

Posted by ブクログ

「慈雨」と「まぶたの光」が良かった。
私も似た感情を持った事があるので…
慈雨では自分の子に自分の不注意で子の体に傷をつけてしまい、親も自分の心に傷を負ってしまったような感情を持ってしまった経験がある…親になるとそんな経験がある方も結構いるのでは?私もありました。今でも思い出します。
まぶたの光では中学生が年上の同性の人に好意や憧れの感情を持つ様子が描かれています。主人公の「あたし」が医師の「さやちゃん先生」に好意を抱いている様子が可愛らしくて心がほっこりしました。

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2024年10月22日

Posted by ブクログ

一番最初の「竜舌蘭」が良かった。
目に見える形になるまで、人の痛みに気づかない。
興味がないものは見えない。

説得力があり過ぎて困った。
命を懸けるくらいなら、前段階として血が滴るほどの傷を見せつけてみるのも一つの手段かなと思った。

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

おもしろかったものと、あまり…のもの半々くらい。
「結露」「林檎のしるし」はよき。
本のタイトルになっている「グリフィスの傷」は全く読解できんかった。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

からだは痛みを忘れない_
たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも…

この静謐な世界観にひたると
過去に得た傷が疼きだし
どくどくと脈を打つような感じがした…



目に見える傷 見えない傷 
自分を変えてくれた傷
後悔が残る優しい傷…



傷にも大切なヒストリーがある…



心がざわつき ヒリヒリとさせられる
でも不思議と どの短編も
仄かな切なさや優しさを残してくれる…

千早茜さんの小説は 狂おしいほど面白く
いつも夢中になって読んでしまいます♡

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2024年09月30日

Posted by ブクログ

1.多肉植物の「竜舌蘭」が女子高生のふとももに傷。

2.社内のイメージとは想像できない唯さんの傷は、外側へ滲み出た「結露」。

3.「この世のすべての」犬が怖い、傷を負った男。と「この世のすべての」男が怖いわたし。

4.「林檎のしるし」のような火傷を負ったオクモトさんを好きになりかけた、あたし。

5.切断された「指の記憶」。蜜柑で黄色い千田さんの「指の記憶」。

6.ガラスでできたマリア像にはたくさんの目に見えない「グリフィスの傷」がある。

7.美しい「からたちの」花を描くように、傷を負った女性を描く画家。

8.血を見るのか怖い父と、夜の雷の雨が怖い私は 「慈雨」な親子。

9.周りからジロジロ見られないように私は「あおたん」をした。おっちゃんの刺青と、きっと同じ
「あおたん」を。

10.さやちゃん先生の初めての手術はわたしの「まぶたの光」だから、初めてのメイクもさやちゃんにお願い。

すべて傷にまつわる短編で、差別やコンプレックス、カモフラージュ、孤独、伝わらなさなど人間模様を描いていました。
最後の「まぶたの光」が一番優しい傷でした。

実際に見える傷として映し出されても、それは心の傷に繋がらないようにしたいですね。

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2024年09月27日

Posted by ブクログ

身体に傷有りますか❓

ってな事で、千早茜の『グリフィスの傷』

竜舌蘭
結露
この世のすべて
林檎のしるし
指の記憶
グリフィスの傷
からたちの
慈雨
あおたん
まぶたの光

の傷に纏わる短編集。

切なさ、寂しさ、恐怖、恋心……

傷付くこと、傷付けること、どちらも共に身体だけじゃなくて心にも傷跡を残す事になりがち

その傷は得てして絆として人とを繋げる事も有り、何とも悲しい事ばかりではない。

『傷』を付けることによって開ける世界も有るもんで……。

わしの身体にも鞭とロウソク熱の跡が……おっと

痛いのは嫌いじゃないです(;//́Д/̀/)ハァハァ

皆さんもどんな傷がお有りでしょうか❓

2024年25冊目


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2024年09月16日

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