あらすじ
3歳から鍛えてきた剣道エリートの香織。しかし中学最後の大会で、無名選手にまさかの敗退。その選手を追って、香織は同じ高校に入学するが、再会した因縁の敵・早苗は日舞からの転身という変りだねで、剣道は初心者。なぜあたしは勝てなかった? と悔しさに震える武蔵オタクの香織に対し、早苗はその試合すらすっかり忘れている“お気楽不動心”の持ち主。まったく正反対の2人が竹刀を手に吠える! 打つ! 斬る! 映画化原作の傑作青春エンターテインメント。
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新免武蔵を心の師と仰ぎ、剣道とは斬るか斬られるかと考えている全中準優勝の剣道エリート・磯山香織。日本舞踊から剣道に転向し、勝敗には固執せず自分自身の成長を重視する西荻早苗。
まったくタイプの異なる2人の女子高生が剣道を通じて成長し、苦難を乗り越えていく青春エンタメ小説!
この作品の特徴は2人の主人公の視点が交互に入れ替わりで書かれている為、非常にテンポよく読み進めることが出来る点です。2人がそれぞれどのようなことを考え剣道に取り組み、お互いの事をどのように考えているのかが分かるので、作品に深くのめり込むことが出来ます。
剣道をする意味や勝ち負けを重視することへの葛藤、家族との関係性など様々な問題に悩み、時には躓きながらも成長していく2人の姿が見事に描かれています。最初は良好な関係とは言えなかった香織と早苗が、剣道を通してかけがえのない同志へとなっていく過程を感じられます。
もちろんメインとなる剣道シーンも非常に面白く、スピード感のある描写と手に汗握る展開で、青春エンタメとスポーツ物の2つの側面を楽しむことが出来ます!
香織と早苗の出会いから始まる武士道シリーズ1作目となる本作、是非読んでいただきたいです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
性格や剣道に対する捉え方がまったく違う二人の高校生の物語
本作は高校1年生の二人をえがいている。たった(高校生にとっては濃密な)1年間でこんなにも人間って成長できるのか、と疑わしくもあり羨ましくもある。
がむしゃらに、ますっぐに進んでいくティーンの王道ストーリー
物語のクライマックスは、涙とページをめくる手が止まらなかった。
中学生、高校生にはぜひとも読んでもらいたい一冊
Posted by ブクログ
自身が剣道人。それゆえに、あえて読まなかった作品。過去になんどか剣道を題材にした作品を観たり読んだりしたけれど、「いや、そうじゃない。それはないでしょ。」と、知っているがゆえに、フィクションにも染まりきれず、辟易とした経験が多々あったから。そんな人にも是非読んで欲しい作品。なぜもっと早く読まなかったんだろうと思う。剣道の描写もとても素敵。丁寧。実際、書いてあるようにやってみると一皮むけたような稽古もできた。そして青春。自分にはここまでうちこめる部活生活ではなかったけれど、こういう経験を踏んでいる人たちがいるのだろうと、世界までひろげてくれた一冊。
Posted by ブクログ
性格は真逆な早苗・香織の2人を中心とした青春物語
題材が剣道であることに目新しさにを感じましたが、きっちり王道の青春ストーリー
序盤は香織の尖ったキャラクターが先行し、香織中心なのかと思いました。しかし2人の関係性が変化すると共に早苗のキャラクターも活きてきて、物語の中心である「青春」という柱を支える存在に。
心を通わせるまでの紆余曲折を剣道との向き合い方を通じて描かれている素晴らしい作品だった
続編も読みたいと思います
Posted by ブクログ
何を勘違いしたのか、タイムトラベルものと思って、手に取った本。
とっても素敵な青春小説でした。
鼻っ柱の強い、とんがった女の子が主人公の小説は、苦手なんだけど、そのへんも、ソフトランディングで、安心して読めました。
Posted by ブクログ
これ、本当に、ジウ、姫川玲子を書いた誉田先生の作品?って思ってしまう笑
性格が全く違う2人の女子高生を描く最高の青春小説。続編、即読みしなきゃ。
Posted by ブクログ
スポーツものは数あれど、剣道小説はめちゃくちゃレア。
剣道の細かなところはわからないけど、それでも情景が目に浮かぶのがすごい表現力だと思う。
登場人物のキャラも立っていて楽しい。
Posted by ブクログ
すごく良かった。
笑いあり、涙ありの青春物語。
学生時代とか、もっと若い頃に出会いたかった。
読者の楽しさをもっと早くから知りたかった。
王道なストーリーやけど、心から王道が好き。
自分もそうありたいって思うし、こんな作品を読んだらいつも心が洗われる。
そして洗われる感じがこれがほんとの自分、正解って感じる。
また色んな本読もう。
一応、いろんな本を読んできて、今は新しい学びがあるというか、学びを再確認できる感じがする。
楽しみながら。
あと、同じような概念を言ってても、それぞれの作者、作品によって少し色があり、オリジナリティがある気がする。
そんな機微をもっと知りたい。今からはそんな読み方になると思う。
いい経験でシタッ。
Posted by ブクログ
ずっと積読だった小説。ストロベリーナイトからハマった誉田哲也の、人が全く死なない青春小説にどうしても手が出なかった。
だけど、激しく後悔した。ベタベタに面白い。特にラストの50ページぐらいは感動やニヤニヤが止まらない。
このままジェネレーションまで突っ走ろう。
Posted by ブクログ
青春剣道小説。
女子高校生選手の話であるが、私も剣道をしている人間として、「この時女性はこういうことを思っているのか」と感じるところがあって面白かった。
続編の話を読む予定は今のところないが、細かな所作や、剣道あるあるが入っていて、人気作品たる所以を感じました。
Posted by ブクログ
女子剣道という、ほとんど触れてこなかった内容で最初は読み始めれませんでした。
でも、これがめちゃくちゃ面白くて読みやすい!
2人の相容れぬ2人がぶつかり、支え合って成長していく物語は先が気になり一気読みしました!
Posted by ブクログ
姫川シリーズが好きで誉田哲也さんの他の著書を読んでみたくなり読みました。
内容等何も調べず直感で購入し読みましたが、とても面白く一気に読み終わり、まだまだ読みたいと感じた作品でした。
所々にコミカルな要素もあり、感動もあり。
早苗のほのぼのした感じや、香織の剣道に真っ直ぐな部分や挫折した時の感情など心情がリアルに伝わってきました。
映画化もされており、そちらも大変良かったです。
この本には、続編もあるのでそちらも今度読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかった。
剣道部の女子高校生2人のお話。
まず、磯山香織のキャラクターが良い。勝利にこだわり、剣道に全てを捧げる。宮本武蔵の本を読みながらダンベルで筋トレするのも良い。一方でその香織の良くないところもちゃんと描かれている。
表紙のイラストレーターが同じの成瀬シリーズがめちゃくちゃ好きで、それがあって今回手に取ってみたのだが、魅力的な側面が多く描かれているみんなのヒーローである成瀬と違って、香織の視野の狭い偏った考え方とかも、特に早苗の視点から見えてくる。
一方で、勝負にはこだわらず自分の上達を楽しむ早苗。父親の仕事での失敗から、勝負にこだわることを避けて生きている。
磯山の悩む場面が良かった。よくありそうな「好きという気持ちを大事に」というテーマだけど、それまでの磯山が剣道に全てを捧げるのをみてきた後だからその悩みが切実であることがわかるし、そこに気づいていく磯山を見るのが清々しくて良かった。
最後の終わり方も良かった。青春小説だった。
続編もあるらしいので読みたい。
Posted by ブクログ
青春スポーツ小説の決定版。学生時代に読んだ記憶はあれど、正直どんな話か忘れていたので読み返してみたら当時の記憶が蘇る蘇る!悩みに悩んで、それでも大好きな剣道に向き合う二人の主人公。その成長と葛藤がもうベタベタに面白い!
自分の娘もこれから勉強やスポーツ、習い事に挑戦し、本気で打ち込みたいと思うものに出会うと思うんですが、その時にもし壁にぶつかり、好きという気持ちを忘れそうになったら、スッとこの本を差し出したい。そんな素敵な一冊でした。
Posted by ブクログ
誉田哲也さんの女性主人公シリーズは最高よ。
磯山香織と西荻早苗
ツンデレの剣道者と天然才能型の女子の関係はジウシリーズにおける
基子と美咲の関係にもすごく通ずる、誉田さんの真骨頂だ。
Posted by ブクログ
ただただ感動した。たまに泣きそうになった。
剣道について、全然詳しくなかったんですが、すごく楽しめました。
362ページの台詞が物語の中で、一番好きです。
Posted by ブクログ
剣道にあまりいいイメージは持っていなかったけどこの本を読んで大きく変わりました。
全く性格の違う二人の主人公それぞれの視点で交互に物語が進行していきます。
お互いが刺激しあい少しずつ心境の変化が生まれ、よきライバルとなっていくような青春の物語。
面白くて一気読みでした!
Posted by ブクログ
自分自身が剣道をしていた頃はまだ香織と早苗よりは幼く、分かる分かる!と思って読んでいた記憶はあるが、2人よりも歳を重ねた今、何かに熱中する、お互いを高め合えるライバルがいるということへの素晴らしさ、羨ましさも感じた。
香織と早苗の両方の剣道への向き合い方、気持ち、背景。それぞれを知りながら読み進めていくとどちらのことも応援したいし、この友情はずっと続いてほしいと願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
剣道を題材にした、正反対な二人の少女の物語。
どこか"錦繍"を思わせる、対話していくかのように綴られていきます。
- この時代を共に生きる、二人といない、好敵手。
題名通りに、主人公二人の高校一年の時の物語です。
出会いと別れ、そして再会。
それぞれの挫折と成長がないまぜに、、うーん、青春ですね。
Posted by ブクログ
面白かった〜^^
序盤から中盤までは、磯山さんの性格がキツすぎて、何となく主役2人とも好きになれないかなと思ってましたが、
中盤以降、磯山さんが弱み悩みを(読者に)見せてからは、2人を応援したい気持ち爆上がり(笑)
あっという間に読み進められました。
いま少年だったら、感化されて剣道始めてそう^^;
Posted by ブクログ
章ごとに視点が磯山と西荻の交互になっている。どちらも魅力的なキャラだからそこも楽しい。初期の殺気立ってる磯山が面白かったんだけど、これからの2人に期待したいね。セブンティーンはすぐ読むかわからんけど、たぶん読む。
Posted by ブクログ
ぶった斬るとか口悪いけど、言われたら嫌やけど、思うは思う。だから最高。
剣道も野球も好きになれんかったけど、好きになると続けれるよね。今も迷う事あるけど、やっぱり好きを大切にしないとなって。
好きだと楽しいよね、忘れガチ勢になるけど。
続きを読も。
Posted by ブクログ
剣道を続けていれば、また、どこかで会える。
競技は違えど、そのような出会いにこそ励める理由があるような気がします。
葛藤の中にも爽やかさが感じられる。
続編も読みたいです。
Posted by ブクログ
【勝ち負けって何だろう】
高校の同じ剣道部で部活動に励む2人が主人公。
「五輪書」を愛読書とし、勝ってこその剣道だと言う負けず嫌いな磯山香織。
そして勝負にこだわらない対照的な西荻早苗。
部活を通して学ぶこと、成長が描かれる。
大人でも、なにかの人生の選択に迷うときにも、考え方のヒントになるような、そんなお話でした。
過去を振り返ると、自分は部活や学生生活を通して学んだことが明確ではないけれど、
小説やドラマで読んだり見たりして、
他者の経験を通して同じような境遇にあることを感じたり、人はどう成長していくのかとかを考えたり。
自分のことになると難しかったり。
それぞれの経験があるのだけれど、なんだか共感できることだけでもすこし不安を和らげることができたり。
いつも本番も人生だから、迷い続けながら生きていくのだと思う。
Posted by ブクログ
青春終わって四半世紀経った私でも、読んでて爽やかな気持ちになれた。
自分が真剣に向き合っているものの本質を知ることで、より成長できる。若い時に味わえる挫折と葛藤は、誰がいつ読んでも清々しい気持ちになれるものです。続編も全部読破予定。
ラノベの王道をゆく
舞台といい登場人物といいストーリー展開といい、全てラノベの王道をゆく青春学園スポーツ小説である。正々堂々と何の衒いもなく描ききったところは、それはそれで立派だと思う。主たるテーマだから当たり前ではあるが、剣道についても臨場感あふれる描き方をしている。
Posted by ブクログ
誉田先生って、ヘビーな刑事小説、姫川玲子のイメージなので、
同一人物なのかと調べてしまった。
そして、思ってたよりお若くカッコいいその風貌に驚いた。
そんなわけで、
本作は血生臭さとは無縁の爽やかな女子高生スポーツ小説。
2人の目線で話は進行するのだが、
片方がどうにも嫌な奴で、読んでて全く共感できない。
他の部員同様「痛い目に遭えばいいのに」と。
・・・最後に読み手としても少し見直すが、やっぱり嫌な奴だ。
嫌な奴だからこそ「どうなるんだろう」と最後まで一気に読めた。
Posted by ブクログ
青春とは、こんなにも眩しく、切ないものだったのか。
青春小説は、私の好きなジャンルのひとつです。
若者が何か一つのことに夢中になり、汗を流しながらひたむきに努力する姿。
それほど美しいものはないと、私は思っています。
けれども、そんな時間はほんの一瞬。
30代、40代になると、体力も気力も、そして自由に使える時間さえ、どんどん減っていきます。
だからこそ、学生のうちに夢中になれるものを見つけ、全力で打ち込めた人は、本当に幸せなのだと思います。
…自分がそれをしてこなかったぶん、余計にそう思ってしまうんですよね。
この小説は、剣道に打ち込む高校生の女子ふたり――香織と早苗を描いた青春小説です。
驚くほどに恋愛要素は皆無。にもかかわらず、いや、それだからこそ、読んでいてとても爽やかな気持ちになれる一冊です。
けれど、これはスポーツの世界。つまり「勝負」の世界でもあります。
いくら剣道が好きでも、試合をすれば必ず勝ち負けがついてくる。
性格も剣道への向き合い方も正反対の香織と早苗。
それでも「剣道を愛する気持ち」は同じであり、彼女たちはライバルであり、同士でもあります。
そんなふたりが、互いを意識し、ぶつかり合いながらも成長していく姿が描かれています。
私は剣道の経験も知識もまったくありません。
それでも文章を追っているだけで、道場の緊張感や気迫がビシビシ伝わってくるのです。
これは、主人公・香織というキャラクターの存在感によるところが大きいと思います。
彼女はまるで戦場の女兵士。ページ越しにも、身体から放たれる“殺気”が伝わってくるようでした。
この小説のもう一つの魅力は、二人の関係性をはじめとする“人との関わり”の描き方にあります。
それぞれの家庭環境、部活仲間との付き合い、師弟関係……。
さまざまな立場の人たちとの関係性が丁寧に描かれ、物語に厚みを持たせています。
人は人との関係の中で成長していく――。
作者はそんなことを伝えたかったのではないか。そう感じずにはいられません。(深読みしすぎだったらごめんなさい)
香織が早苗の剣道を「技」としてだけでなく、「存在」として認めたとき、彼女は真の意味で強くなれた気がしました。
ちなみに、この小説を書いたのが男性作家なんですよねぇ。
女子同士の微妙な距離感や、思春期ならではの心の揺れ動きが、あまりにもリアル、、、。
なぜこんなに女心がわかるのか?!
それだけで、尊敬です!!
Posted by ブクログ
スポーツやっていれば、必ず衝突する考え
楽しければそれで良いのか
それとも
勝ちが正義なのか
両極に位置する2人の葛藤が痛いほどわかる。この2人から、どちらも丁度よく取り入れることの良さを学ぶ。
武士道の道を歩む2人の友情も素敵。