あらすじ
改変された咲良田で、ケイは「街に能力が存在する本物の記憶」と「能力が消滅した偽物の記憶」という二つの記憶に直面していた。ケイは今、自らの過去に決着をつける。過去を償い未来を祈る物語、感動のフィナーレ。
※本書は、二〇一二年四月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット7 BOY,GIRL and the STORY of SAGRADA』を修正し、改題したものが底本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
河野裕の少年と少女と、正しさを巡る物語を読みました。
咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの最終巻でした。
浅井ケイは咲良田の超能力をもつ人たちの能力を残すことを選択します。
そのために、友人となった能力者たちと協力して能力を消し去ろうとする浦地の説得を試みます。
一つ一つはささやかな友人たちの能力をコンボとして組み合わせて目的を達成してい描写が面白い。
物語は完結していないのですが、浅井ケイや春﨑美空たちのまっすぐな行動が感動的でした。
若いっていいな、と思ったのでした。
Posted by ブクログ
最高に優しい物語だった。
やっぱ相麻菫が大好きだ。
そして春埼美空が好きだ。
主人公頑張った。めちゃくちゃ頑張った。
咲良田オールスターズが頑張った。
キャラクターに恵まれた良い小説だった。
相麻菫と春埼美空のダブルヒロイン最高だ。
面白かった。
Posted by ブクログ
シリーズ最終巻。能力者をめぐる咲良田市の話もこれにておしまい。
咲良田市から能力が消え去った。過去四十年の能力に関する記憶は全ての人からリセットされ、偽者の記憶に書き換えられた。
浅井ケイ一人を除いて。
能力がなくなった街から、一人電車で咲良田を後にする。 向かった先では、かつて自分が捨てた家族がいた。
家族だったという記憶もない母親だった人にケイは謝り、
咲良田に戻る。
戻った先には一日前とは違う世界があった。
相麻菫は二年前に死ぬことなく普通の高校生だし、
皆実未来の性格は少し捻じれているようだ。
しかし、そこに春埼美空の姿はなかった。
何が正しくて、何が正しくないのか。
そんなこと決められるはずがない。
これは自分のわがままだ。
佐々野が撮影した写真を手にして、ケイは美空に会いに行く。
大団円のラスト。
今まで出てきたほとんどの能力を総動員して浅井ケイが浦地のシナリオを書き換える(使われないのは非通知くんと皆実の幽霊化能力だけ?)。
一巻では幽霊騒ぎを猫で捜査するという小さいストーリーだったけど、最後には街全体の記憶を書き換えるという大きな話に膨らんだ。
死んだはずの娘を再生した母親の話、
夢の世界のチルチルとミチルの話、
友達つくりに励む美空の話を含む短編の四巻、
話の本筋には関係ない話がキャラクターの性格を印象付けるのに必要だった。
最初から最後まで「正しさ」とは何かを考え続ける。
サクラダリセットは文句なしに面白いシリーズだった。
Posted by ブクログ
スニーカー文庫時代を読んだのが1年くらい前なのでどこがどう変わったかわからなかったのですが、やはり全体的に雰囲気が変わったように思います。セリフはどこを変えたのか、あとで調べたいです。ケイが母親に会いに行くシーン、春埼の前で泣くシーンが、毎回涙を誘います。春埼と菫のライバル関係が女らしくて心地よくさえ思います。7巻で終わっても、まだまだサクラダの問題は解決していませんが、きっと良い方向へ進むのだと思うと、しあわせであたたかな気持ちになります。だれもがみんなしあわせになってほしい、そういう意味では悪人のいないやさしいお話でした。
Posted by ブクログ
作者の言葉の選び方が好きだ。
ここにきてこの能力が活きるのかと驚く場面も多かった。
そして、ケイと春崎の想いの強さにもなんだかグッとくるものがあった。
Posted by ブクログ
ついにシリーズ完結。
これまで登場した能力はこのために考え出されたのかと思うほど見事な連携プレーでケイの作戦が進行する。
何が正しくて何が間違っているのかという明確な答えが無い中で、多少の嘘や犠牲を払ってでも自分の信じる道を進むケイの覚悟は強いと思うし、怖いとも思う。
そんな曖昧な感想が相応しいのじゃないかと思います。
Posted by ブクログ
1〜6巻で積み上げてきたものを見事簡潔に導いた。
ケイの行動が正解とは限らないけれど、きっと正解なんてなくて、、、
誰かの幸せは誰かの犠牲の上に成り立っているのかもしれないなと考えさせられました。
読後、温かい気持ちになれる作品でした。
Posted by ブクログ
2018/4 14冊目(通算66冊目)。シリーズ最終巻。結果的には「大団円」という形で話が終わるので自分的には満足。ただ、この作品のキモは「話の伏線」だと思う。すべてのキャラの出番に意味があり、一度話が終わってからも何らかの形で話に絡んでくる。大げさではあるけれど、非常に話が計算された作品であるといえると思う。その点ではすべてを理解できずに読み終わってしまった自分に対して残念な気分になる。今このアニメも同時に見ているが、その残念な点はアニメを見て補完したいと思う。感想はこんなところです
Posted by ブクログ
とうとう終わってしまった。来週DVDが出るから、とてもいいタイミング。
シリーズすべてを読み終えて、この話にはまって受け入れられる人と、そうでない人両極端にわかれるだろうと思った。
どうしようもなくわがままで、それでもそれは自分のためではなく人のためでしかない。フィクションの中の感情はこんなにも美しいのに、それを現実に反映させるのはとても難しい。
Posted by ブクログ
最終巻。ちりばめられていた暗喩や隠喩が全巻をとおして答えをもらったような気がする。綺麗なものを探していたお話なんだろう。何が正しいのかということは難しいけれど、せめて考えることはやめないでいたいと思う。
2017/10/6
Posted by ブクログ
ケイは理想論ばかりで僕は浦地さんの意見に賛成だった
能力がある人ばかりが出てきたけど能力のない人はどう思ってるのか
やっぱり不公平だと思ってるに違いない
能力の有無に関わらずケイは咲良田の人を幸せにできるのだろうか
相麻はどうして春崎とケイを会わせたのだろう
失恋してしまうことはわかっていただろうに
その気になればケイが相麻を好きになる道もあったに違いない
春崎といるケイのほうが幸せそうだったのかな
もし相麻とケイの性別が逆だったらケイは憧れの相麻を簡単に好きになったのではないか
もしくは相麻が年上だったら
憧れは簡単に恋心になるだろうに
もし僕がまだ十代だったらこの作品は僕の人生観に影響しただろう
以前の僕なら内容がとても刺さっていただろう
でも今は大人になってしまったからそこまで響かなかった
たくさんの若い読者に読んでもらいたい
Posted by ブクログ
かなり強引な感じはするものの、とりあえずは決着。しかしこの7巻までの流れを全て計算した上で書いてるんだとしたら、すごいな。
しかし小説しては面白いけど、ケイを含め河野裕作品の主人公とは友達になれそうもないな。